- Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101250267
作品紹介・あらすじ
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない-。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
感想・レビュー・書評
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2008年本屋大賞、山本周五郎賞受賞作品。約15年前の作品。
680ページの超大作、物語はケネディ暗殺事件をなぞらえながら、主人公青柳がオズワルドとして犯人に仕立て上げられ、その闇が闇すぎてそれでも無実だからこそ逃走するストーリー。
この作品の中には色んな物が含まれており、途轍もなく奥深い作品だった。
「1984」ビッグブラザー然り、ケネディ暗殺事件のオズワルド然り、ビートルズ末期のポールマッカートニー然り。
そして主軸は逃走と共に関わってくる人々と想起追想してくる青春時代の遠い記憶が織り交ざる所。
森田、樋口、カズ、轟、岩崎、そして両親。青柳本人を知る人々が今現在の彼が当時と変わらない本質の彼であるとして見ている目が全くぶれない。それは青柳本人の目も同様にぶれておらずお互いにぶれてない。彼らが今までの人生で普遍的に積んできた徳というか人間力がそうさせている。そしてそれが「習慣と信頼」という言葉に集約されている、素晴らしい。
最後の親に宛てた「痴漢は死ね」
晴子の娘がくれたスタンプ「たいへんよくできました」
秀逸すぎる。
読後、再び第三部「事件から20年後」を読んでみたが色んな真相が明らかになっておりトリックの種明かしのように感じる。読んでいる最中はあまり気付かなかったが、改めて振り返って省察すると作品の構成力が半端ない。
そして新潟の森田の墓の描写等から、この第三部は青柳本人が書いているのでは?と推測、希求してしまう。
ジャーナリストとして20年後もこの事件を追っているのだと。事件当初から思っていた青空が場所も時間も超えて繋がっているのだと。
そうであってほしいし、自分はそうと読み取りたい。
伊坂さんらしく突飛な物語、独特のユーモア満載のテンポの良さ。そして「重いのに軽い」、「軽いのに重い」の不思議な絶妙なバランス感。
最高の作品、さすがは受賞作品。
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伊坂さんが書いた過去の本屋大賞受賞作品。とても物語の世界に入り込めてハラハラしながら読んだ。登場人物がとても魅力的で、連続殺人犯までも魅力的で感動させられた。読み終えた後に第三部の事件から三ヶ月後のところを読み直した。再読させるように考えられて作品が作られているのだ。この物語は、首相がラジコンで殺されて、主人公の青柳が犯人にされる。警察は事件を穏便に解決させるために、彼を射殺しようとしてくる、相手は巨大な組織。もし現実世界で首相が爆殺させられて、自分が彼と同じ状態になったらと考えるとぞっとする。
読み始めの時から、いつもよりもページが進むのが早かった気がする。事件について色々な角度から見ていて、現実感があって、ドキドキした。森田は爆発で死んでしまったが、青柳を守った正義感は感動した。「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」という考えからも森田の性格が出ていると思う。三浦は「人間の最大の武器は思い切りだ」と考えていて、保土ヶ谷もそう言う。私はどちらとも正しいと思う。というか人間の最大の武器はこれだけでは無いと思う。その中から何を選ぶのかはその人の価値観だ。だが、青柳は人間の最大の武器は何か自分の意思で答えていない。青柳はどれを選ぶのか知りたかった。それを書かないのもこの作品の良い所なのかもしれないが。
偉い方々は利権でしか動かないことや、マスコミが情報を正確に伝える役割を果たさず視聴者が求めてる情報を選んで報道していること、警察は事件を穏便に解決するために発砲することなどは残念だ。ニュースを見ると情報をマスコミが操作してるのではないかとか、本当は自殺ではなく警察や組織による射殺ではないかと考えてしまった。組織は本来の役割を忘れてしまっている。
結局、事件の真犯人は見つからず、死者も出してしまった。それなのに、何故か爽やかな気持ちになり、スッキリした。第五部の事件から三ヶ月後の部分で、それぞれの人物がどうなったかが書かれていることも良かった。最後の「痴漢は死ね」と「たいへんよくできました」は本当に感動した。とても面白く、登場人物も魅力的で、この作品は伊坂さんの作品の中でも傑作だと思う。 -
この作品を読んだのは2度目です。
この作品の正統派のレビューを書くとしたらなら、まず権力に対する怒りとか、マスコミや外野の人たちの恐ろしさ、本当の友情とは何かなどを書かなければならないのかもしれません。
でも、2度目に読んだので別のことを書きます。
最初は単行本が出たときすぐに買って読みました。
そして、この作品は、第5回本屋大賞受賞、山本周五郎賞受賞、映画化もされました。
私は、日本で今活躍されている作家さんの中で伊坂幸太郎さんが最も好きな作家さんなんですが、その理由として、デビュー間もない頃、作家とファンという立場ですが、2度お目にかかってそのお人柄にも触れたことがあるということもあります。一度目は『ラッシュライフ』のあと二度目は『死神の精度』のすぐあとです。
12年前になりますが、そのことをよく知っている友人に「何か伊坂さんの本を貸して欲しい」と言われ、友人が「ゴールデンスランバーがいい」というので(本屋大賞のせいだと思います)貸したら、返ってきた感想が、「私はこの人は好きじゃない。だって話を全部作っているから」というようなことを言われてしまい、慌てて「他の本も読んでみたら」と言ってみたのですが、「ううん、もうわかったからいい」と言われてしまいました。
友人の言っていることは、私はあくまでファンですが、なんとなくわかるんです。伊坂さんの作品は伏線の鮮やかな回収が特に初期の作品では技巧的に上手いと言われています。
私もこの作品に関して言えば、主人公の青柳雅春と大学時代の恋人の樋口晴子が数年の付き合いを経て別れているのが、すごく気になっていました。「この二人って別に別れる必要ないのに、ストーリーの都合上、特に理由もないのに別れた恋人同士として都合よく使うための関係じゃないのか」と私も1度目に読んだときはそういう、意地悪な自問自答をしました。
でも、今回読んだら違ったのです。
友人の次に弟にも「この本を貸してくれ」と言われ、貸したら案の定、返ってこなくなったので、今回文庫本を買って読みました。
伊坂さんはやっぱり上手いです。私は作られた話だとはもう思えなくなっていて、別れるべき運命の二人だったのだと思いました。
1度目と2度目、何が違ったのかと思うと、私の方が成長していた(と自分でいうのもなんですが)のでしょう。読みなれたというか。
この話が技巧的であるとか思うのはとんでもない間違いであると確信しました。別れた二人の、その後の物語そのものだったのですね。
そして680ページありますが、最後の500ページ以降は2度目にもかかわらず、ページを繰る手が止まらないという表現がまさにぴったりの圧巻のエンターテインメントでもありました。
『ゴールデンスランバー』というのは、ビートルズの歌の曲名にちなんだものだそうで、直訳すると『黄金のまどろみ』。「今はもうあの頃には戻れないし。昔は帰る道があったのに。いつの間にかみんな年取って…」というような歌詞があるそうです。
別れてしまった、恋人たち、逢えなくなった昔の友人達の存在の寂しさを象徴しているような気がします。
そして、後日談ですが、本を貸した友人の、当時生まれたばかりだった娘さんが、今、中学生で、伊坂さんの大ファンになられたそうなんです。「陽気なギャングとか好きなんだけど、あれってそんなに面白いの?」とこの間友人に聞かれました。
長々とすいませんでした。
そして、勝手に書いてしまって友人のAさん、読んでいらしたらごめんなさい(__)-
kurumicookiesさん♪初めまして。
フォローありがとうございます!
伊坂幸太郎さんはお薦めです。
ひとことで言えば勧善懲...kurumicookiesさん♪初めまして。
フォローありがとうございます!
伊坂幸太郎さんはお薦めです。
ひとことで言えば勧善懲悪なところとか、伏線回収の見事さが魅力です。
他にも魅力はたくさんありますが。
楽しんでください。
ひとしさん♪こんにちは。
ひとしさんはkurumicookiesさんに返信されたのですよね。
私のメールボックスにも入っていたので、コメント読ませていただきました。
ブクログさんも、色々、機能が便利になってきて、複数人で、コメント欄で語りあったりできますね(*^^*)2020/06/07 -
そうなんです。
やっぱり私のメールボックスにも返信がきましたってようなものが来ていたので(^◇^;)
ホント便利になってきましたよね!
...そうなんです。
やっぱり私のメールボックスにも返信がきましたってようなものが来ていたので(^◇^;)
ホント便利になってきましたよね!
これからもよろしくお願いします!2020/06/07 -
2020/06/08
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首相が謎の爆死。国家権力に犯人に仕立て上げられた男、青柳の逃走劇。刻々と入れ替わる状況の中で伏線がかちりと嵌まっていく。ふと小学生の頃読んだ、レ・ミゼラブルを思い出しました。(特に下水道を逃げているところ)
どんどん状況が詰みに向かっていくなかで、様々な人に助けられ、様々な手を使って捜査網をかわしていくのに目が離せません。非常に良くできた話だと思いました。
ただ「グラスホッパー/伊坂幸太郎」の殺し屋シリーズや「ジョーカーゲーム/柳広司」の方がスリリングで、あっと思わせる仕掛けがたくさんあった気がします。もっと人間も奥深く描かれていると思います。ひたすら逃走劇を見ているだけで、淡々としている感は拭えませんでした。強烈な登場人物がもっと出てきてほしかったです。
でも非日常感、自分が逃走者になったような感覚は新しかったです。
ラストは最後までやり遂げたという達成感を青柳と共に味わっている感じになりました。
それにしても、長かった~(^-^; -
仙台市街地で行われた首相パレードの最中に起きた暗殺事件。
その犯人に仕立て上げられた青柳雅春の逃亡が始まる。
私たちは普段、テレビで中継を見ているだけで、事件の裏側にある事実など知る由もなく、マスコミの流す情報によって、先入観や思い込みを勝手に植え付けられているということに恐ろしさを感じます。
大学時代に青柳と同じサークルだった森田森吾や樋口晴子、後輩の小野一夫(カズ)、バイト先の轟社長、前にいた運送会社の仲間、逃亡中に味方になってくれた意外な人物たちなどが絡み合って、過去の思い出と現在とを織り交ぜたスリル満点の逃走劇が、読む人をほんとうに飽きさせることなく進んでいきます。
物語の壮大さと、逃亡の最中にも、もう会えなくなってしまった友人たちの揺るぎない信頼性を確信して、最後は思わず泣けてきます。
この本は一度読んだだけで手放すのはもったいないような、面白さの中にも深みのある凄い作品だと思います。-
m.cafeさん、はじめまして。フォローして頂き、ありがとうございます。
伊坂幸太郎さんは『グラスホッパー』を読んで、ドキドキする展開であ...m.cafeさん、はじめまして。フォローして頂き、ありがとうございます。
伊坂幸太郎さんは『グラスホッパー』を読んで、ドキドキする展開であっという間に読み切りました。仙台の知人にこちらの作品を薦められて読みたいなと思っています。
本棚参考にさせて頂きます。よろしくお願いします。2023/11/09 -
アンシロさん、こちらこそフォローありがとうございます。
この本は、ページ数が多いので、ずいぶん前から読むのを躊躇してたんですけど、読んでよか...アンシロさん、こちらこそフォローありがとうございます。
この本は、ページ数が多いので、ずいぶん前から読むのを躊躇してたんですけど、読んでよかったです。
伊坂幸太郎さん、面白いので、少しずつ読破していきたいです。
これからもよろしくお願いしますね。2023/11/09 -
お返事嬉しいです(*^^*)
ページ数が多い本なんですね。伊坂幸太郎さん、私も少しずつ読んでいきたいです。魅力的なタイトルや表紙で気になる...お返事嬉しいです(*^^*)
ページ数が多い本なんですね。伊坂幸太郎さん、私も少しずつ読んでいきたいです。魅力的なタイトルや表紙で気になる作品ばかりです(^^)2023/11/09
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2023/12/05
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2008年本屋大賞受賞作品。
伊坂作品は、トリッキーな印象だった「ホワイトラビット」以来2作目となります。ケネディ暗殺事件に重ね合わせ、たくさんの嘘を混ぜ合わせているとのことで、そんな潔い「作り話」だからこそたくさんの読者に支持されたのかなと感じました。
近頃は、このお話しが現実離れしていると思えなくなってきてますね。
「たいへんよくできました」 -
凱旋パレードの中、首相が暗殺される。その犯人に仕立て上げられる青柳という好青年寄りの一般市民。彼は弁明の余地もないまま警察に追われ始める。伊坂氏作風の時間と空間と視点を移動させながらの逃走劇が繰り広げられる。
「ホワイトラビット」が籠城エンタメなら、本作は、逃亡エンターテイメント。
無謀な逃亡を元カノや学生時代の友人、ちょっとした関わりの人々がその手助けをする。たぶん、読みどころは、プロフェッショナルではなく手作り感の援助、周囲の人との繋がりで 何か大きな組織に逃げ勝とうとするところかなぁ。
映画もあるようで、映像化されると面白そうな作品。小説として読むには、各場面に重複する場面があり、もう少しぎゅっと緊張感が欲しい感じ。
伏線回収となっていくが、事件に関する伏線というより、登場人物の役割への回収かな。
“逃亡”のエンタメ化は、成功していると思います。 -
伊坂幸太郎さんの作品は本作が初読みだった。
いきなり長編だったので少し尻込みしたものの、読み始めたら首相殺しの濡れ衣という設定と、青柳雅春という主人公の人間性にはまり、どんどんのめり込んでしまった。
マスコミ報道がいかに視聴率目的で操られているか、人の記憶がいかに曖昧で操作されやすいものか、まざまざと見せつけられた様な気持ちだった。
そんな中でも、やはり自分を信じてくれる人の存在は何よりも救いであり偉大だと感じた。
作中で、青柳雅春を信じて疑わなかった大きな存在…
元恋人 樋口晴子からのメモに残されたメッセージ
そしてリポーターへ負けた父 青柳平一の台詞
見えない巨大な力を前にした青柳雅春にとって、これらがどんなに心強く響いただろうと胸が苦しくなり、目頭が熱くなった。
ラストは様々な解釈が残り、読み手が読後のこの余韻をどう判断するかで、また味わい方が変わってくる作品。
そんな風に仕掛けた伊坂幸太郎さんは凄い!!
そして今から10年以上も前の作品にも関わらず、セキュリティポッドなどという犯罪の抑止、捜査情報の質や量の向上を目的とした端末が街を占拠しているという構想…
つい先日ニュースで見かけた渋谷のAIカメラ100台プロジェクトが頭をよぎった。
いやぁ…事実は小説より奇なり
まさにそんな時代になって来ているのだ。
本作は、この渋谷AIカメラ100台プロジェクトに疑問を抱く方にこそ特にオススメしたい作品。
これを機に、伊坂幸太郎さんの他の作品も読んでみようと思った。 -
ブクログで読んでいる方も多く、評価も高かったので、初めて伊坂幸太郎さんの著書を読んでみました。
P680もあるのーー!?読み切れるかなー。と思っていたのは、初めのうちだけ。第四部に入ってから、とにかくあっという間。ハラハラドキドキでした。
構成も第2、3章に事の顛末を持ってきているのにも驚いた。(読み終わったあと、また2、3章が気になり読んだ)
学生時代を一緒に過ごした仲間が、色々な形で主人公と関わる点に、温かなものを感じた。
白黒ハッキリした結末ではないけれど、最後の章の描写はとても良かった。
映画も観てみたいと思った。
これを機に、伊坂幸太郎さんの他の作品も読んでみようと思っています。 -
凄くページ数が多い作品でしたが、主人公をに降りかかる危機やその緊迫感がとても面白く、割とすんなり読めた気がします。
作品としては本屋大賞も受賞し、映画化もされたとても有名な作品ではありますが、個人的には「マリアビートル」のような綺麗な決着と伏線回収の方が好みだったように思います。それでも面白かったことには変わりはないのですが…
色々腑に落ちない部分やモヤっとした感が残ってしまったので、面白い作品でしたが評価は少し低くなりました。 -
映画を観ているように次から次へと場面が流れていきます。登場人物たちみんなが生きてるって感じるほど汗や涙の感触が伝わってきました。そして、習慣と信頼、思いっきり!そんな感情の波がどどんと押し寄せてきます。こんなこと、あるはずないなんてひと昔前なら思ってたけど、いやいや分かんないぞ、あり得るわ今の世の中。
青柳くんの首相暗殺の濡れ衣をきせられ逃亡する現在と学生時代の楽しい思い出。そして青柳くんを信じて行動を起こす人たち。それらがスムーズにリンクしていて躓くこともなく読みやすかったです。この敵はこの国で生きていくには決して勝つことができない、いや勝ってはいけないものなのでしょう。恐ろしい巨大な陰謀。青柳くんがとった行動は、それも一つの戦い方。青柳くんがどこかで生きていてくれることが大切だと思うんです。 -
ビートルズのゴールデンスランバー。黄金のまどろみ。
スランバーには ”眠り” や ”活動休止” という意味もあり、活動が終焉に向かっている青柳そのものを表現しているようにも思った。 -
伊坂幸太郎は仙台在住の作家であるが、今回の震災に関しては特別なアクションはおこしていないようだ。
伊坂幸太郎は直木賞に嫌われている。これほどまでに人気作家で、かつ新しい世界を作っているのにも拘らず、直木賞を受賞する気配がない。
この作品に関しては、特にわざと避けられたのではないか、と勘繰りさえする。なぜならば、とても危険な小説だからである。
監視社会、マスコミ操作、アメリカの影という一種巨大な組織の力が背景に描かれる。普通の小説と違うのは、全く普通の人間がその生贄として選ばれ、彼にはその巨大な「力」と闘う方法も、度胸も、その気さえないということだ。普通の小説ならば、その他大勢として小説の前段階で消されるべき人物である。
ところが彼は逃げおおせる。これは今現在「巨大な力」がもしあれとすれば、最も危険な筋書きのはずだ。どうも陰の力が働いて、特にこの作品に限ってでも、伊坂にまともな賞を取らせるな、という陰謀が企てられても可笑しくはない。ところが、世の中は上手く行かないもので、本当に面白い作品には、辺境から評価されるものである。山本周五郎賞と本屋大賞のダブル受賞はそのようにして起こり、出版から二年と少しで映画化されてヒットするということも、「巨大な力」の想定外のことであったに違いない。
……というような妄想は置いといて、映画を見て十分に筋立ては知っているのにも拘らず、大変楽しむことができた。
「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」
「オズワルドにされるぞ」
「いいか、青柳、逃げろよ。無様な姿を晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ。人間、生きててなんぼだ」
「ロックだねえ」
「俺は犯人じゃない。青柳雅春」だと思った。
「いいか、俺は信じたいんじゃない。知ってんだよ」
「まあ、雅春、ちゃっちゃと逃げろ」
「なかなか洒落が利いてるお便りが」
「たいへんよくできました」
映画でとても印象的だった台詞が原作の中でそのまま使われている(じゃなくて映画でそのまま使われている)のは、大変嬉しかった。 -
日常を忘れさせてくれるほど、夢中になれる一冊。
「天気がいいとそれだけで嬉しくなるけど、どこかで大変な目に遭ってる人のことも想像してしまう」そう仲間に話す主人公(青柳)は、優しく正義感に溢れた人物であった。そんな彼が濡れ衣をきせられ、警察から追われ続ける逃走物語。
彼の細やかな心情、彼を慕う人々の温かさ、スピード感溢れるエピソードの数々が巧みに描かれていた。
ピンチの度、どうなってしまうのだろう?と手に汗握る感覚があった。結末が知りたくてページをめくる手が止まらなくなった。そして、人からの恩情に涙。
ご両親の毅然とした態度に感動。
息子を信じて立ち向かう姿。尊敬せずにはいられなかった。
「逃げろ」この言葉が物語の大きな意味だと思う。理不尽なことには、逃げて逃げて逃げまくる。その先に何があるのか。不安だらけであるが、きっと何かがある。そう教えて貰えた気がする。
作品に何度も流れるビートルズのゴールデンスランバーを聞いた。
より深く、物語の世界観が好きになった。
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伊坂幸太郎、なぜか読む気がせず遠ざけていたが、短編の「逆ソクラテス」と「太陽のシール」が心に残ったので、食わず嫌いは、ダメだなと思い、まずは本屋大賞のこの本を手に取った
ある日突然首相暗殺の濡れ衣を着せられた善良で平凡な一市民の青柳雅春の手に汗握る逃走劇
親友森田森吾の
「おまえは逃げろ。でないとオズワルドにされるぞ」
の声が背中を押す
訳もわからぬまま逃げる いや、訳がわからないから捕まるわけにはいかないのだ
誰も彼もが自分を監視しているように思える恐怖
現実にはこんなこと起こるはずはないと思いながらも、いやこの世の中、何が起こるかわからないぞという気にもなってしまう
青柳を知る人々が口を合わせたかのように『彼がそんなことするはずない』と言い、いろんな手立てを使って逃亡を助ける場面が大好きだ
取材陣を敵に回し、我が子を信じ続ける青柳君の父親も無茶苦茶だけど愛すべきキャラだ
自分も一緒になって青柳君の逃亡の成功を応援していた
そして、第五部 事件から三ヶ月後
気になる青柳君のその後は、『たいへんよくできました
のハンコに象徴されている
私としては、どうして無実の青年が整形して顔を変えることでしか生きる術がなかったのかと納得がいかない面もあるのだが・・・
エンタメ小説としては、十分に楽しませてもらった
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主人公が首相殺害の犯人に仕立て上げられるという、自分がその立場になったら絶望しかないと感じるストーリーですが、ハラハラだけでなくユーモアや伏線回収などの要素も豊富でとても作り込まれた作品だなと思いました。登場人物はそれぞれ自分の正義や信念と強い意志で行動していて、魅力的でした。
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首相が暗殺されて、主人公がなぜかその犯人にされ必死に逃走する話。あらすじを読むだけでそそられるぼくの大好物なストーリーでした╮(^▽^)╭
現実の日本と若干異なる選挙制度や強引な展開は気にしません!
人物視点や時系列をこまめに切り替えて描かれているので、飽きずに読みやすい作品でした。
なにより、現代政治への痛烈な批判や、メディア・ネットの匿名による書き込みへの批判など、物語を通して、筆者の社会への強烈なメッセージが込められているのが魅力だと思います。
いくつか抜粋しましたが、昨今の社会ニュースを見ていて共感できるフレーズがあるのではないでしょうか?本書が出版されてもう10年以上経過していますが、今もまったく変わっていません(笑)
■「正しいとは、何にとって正しいのか?日本のためであるのか。国民、もしくは党のためであるのか。否、議員自身のプライドにとって、正しい判断だったのだ。」
■「政治家とか偉い人を動かすのは、利権なんだよ。偉い人は、 個人の性格とか志とかとは無関係にさ、そうなっちゃうんだ。」
→なんでこんな政策進めてるの?って思うことありますよね。きっとどこかの業界の誰かの利益に繋がってるんだろうな…と察します。
■「思えば俺たちってさ、ぼうっとしている間に、法律を作られて、税金だとか医療の制度を変えられて、そのうちどこかと戦争よ、って流れになっていても反抗ができないようになっているじゃないですか。何か、そういう仕組みなんだよ。俺みたいな奴がぼうっとしてる間にさ、勝手にいろいろ進んでるんだ。前に読んだ本に載っていたけど、国家ってさ、国民の生活を守るための機関じゃないんだって。言われてみれば、そうだよね。」
→戦争とまではいかずとも、すでに実質増税に繋がるような政策はチラホラ見受けられます。政府は国民にぼうっとしていてほしいんですよね。税金の計算方法なんてめちゃくちゃ複雑ですし、悪意があるようにしか見えません(笑)
抜け出すには自分がルールを作る側に回ること、それが勉強することの意義の1つだと個人的に思っています。ちなみに、漫画「ドラゴン桜」でも同様の話が載っていて非常に共感できるのでお勧めです。
■「名乗らない、正義の味方のおまえたち、本当に雅春が犯人だと信じているのなら、賭けてみろ。金じゃねえぞ、何か自分の人生にとって大事なものを賭けろ。おまえたちは今、それだけのことをやっているんだ。俺たちの人生を、勢いだけで潰す気だ。いいか、これがおまえたちの仕事だということは認める。 仕事というのはそういうものだ。ただな、自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれねえんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計士も、料理人もな、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負ってるからだ。覚悟を持てよ。」
→本書が出版された当時は、まだスマホ登場前なので、SNSが普及した昨今では余計共感しませんか?正義を盾に何をしてもいいと勘違いする輩への対応は泣き寝入りがほとんどであり、その辺の法律の整備やスムーズに個人を特定できる仕組み作りをしっかり進めてほしいですわ。
【その他、気になったフレーズ】
■「結局、人っていうのは、身近にいる、年上の人間から影響を受 けるんですよ。小学校だと、六年生が一番年長ですよね。だから、六年生は、自分たちの感覚がそのままなんです。ただ、中学校に入れば、中学三年生が最年長です。そうなると、中三の感覚が、自分を刺激してくるんですよ。良くも悪くも。思春期真っ最中の中学三年生が自分の見本なわけです。だから、一歳しか年齢は違わなくても、感覚的には、三歳くらいの差があるんです」
→本筋の話とまったく関係ないけど、すごく納得できたフレーズでしたw
■「イメージというのはそういうものだろ。大した根拠もないのに、人はイメージを持つ。イメージで世の中は動く。味の変わらないレストランが急に繁盛するのは、イメージが良くなったからだ。もてはやされていた俳優に仕事がなくなるのは、イメージが悪くなったからだ。首相を暗殺した男が、さほど憎まれないのは、共感できるイメージがあるからだ」
→CMや広告の力ってすごいんですよね。今ならSNSのバズリやインフルエンサーもなかなかだと思います。
■「人間の最大の武器は、笑えることではないか? そう言いたかった。どんなに困難で、悲惨な状況でも、もし万が一、笑うことができれば、おそらくは笑うことなどできないのだろうが、笑えれば何かが充電できる。それも真実だ。」
→鶏が先か卵が先か、とりあえず笑顔になれば心がついてくるっしょ!ぼくはそう捉えました。ツライときこそ笑っていたいものです^_^
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伊坂幸太郎2作目読破。ブクログでこの本を知り、思い切って読んでみることに…
約500ページと長編だが、会話が多いのでどんどん読めた。とても簡単にまとめると、主人公が首相暗殺事件の濡れ着を着せられ、逃亡する話。読んでいる最中にハラハラドキドキしっぱなし!!あたかも自分が警察から追われてるような錯覚に陥っていた。臨場感もある。登場人物の会話の中にクスッと笑える小ネタが入っていて和むな〜と思ったら、急に緊張する場面があったり…一言では言い表しにくい面白さがギュッと詰まっている感じです。なんだろう、伊坂さんは会話がとても面白いのかな、何気ない会話も最後には「こう繋がってたのか!!」とするすると伏線が回収されていく感じも気持ちよかったです。 -
伊坂さんの作品は、これまでにもAX、グラスホッパーを読んだのだが、本作は私が読む限り、その二冊と明らかに作風が異なるように感じた。
過去に読ませていただいた二作品は、描写の表情・ストーリーの背景の画像、ストーリー展開等が、モンキーパンチの初期のラフなタッチのルパン三世の劇画を見ているような雰囲気を感じとっていた。そして少しだけコミカルな要素も感じられたのだが、このゴールデンスランバーは違っていた。生々しくて緻密で写実的な印象が深く刻まれた。
15 年ほど前に書かれた作品なのだが首相暗殺というモチーフが今の時代と重なるところがあり、伊坂さんが意図されたわけではなく事件の内容も全く違うのだが、何となく自分の中に妙な現実感があって不思議な感覚であった。
ストーリー展開の背景にビートルズのアビーロードに収められているゴールデンスランバーの歌詞とメロディーとその曲が作られた当時のポールの想い。JFK暗殺事件とオズワルド、そして今でも解き明かされていない謎が作品全体の流れの中に織り込まれている。自分自身の記憶と重ね合わせながら読むことができた。
本当に面白い小説を読ませて頂いた。文庫本で600ページを超える作品だったのだけれど、ストーリーの後半からは全く息もつかせぬ展開で、一気読みせざるを得なかった。
最後の締めくくり方もとても良かった。けっこう波瀾万丈な主人公やその周りの登場人物の人生に関わる物語だったのだけれど、意外に読後感は爽やかさを感じてしまった。 -
星3かなと感じてたところ、晴子の「だと思った」のメモ書き返信で星4に格上げ。
ビートルズのゴールデンスランバーは好きな曲なので、曲名が出てくるたび、口ずさんでいる自分に気づいた。-
>「だと思った」のメモ書き返信で星4に格上げ
ですよね。
それで、星一つ上げたくなりますよね(^^ゞ>「だと思った」のメモ書き返信で星4に格上げ
ですよね。
それで、星一つ上げたくなりますよね(^^ゞ2022/08/22 -
本ぶらさん、コメントありがとうございました。
一言で場が変わることはありますね。
良い読書生活をお過ごしください本ぶらさん、コメントありがとうございました。
一言で場が変わることはありますね。
良い読書生活をお過ごしください2022/08/22
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いや〜最高〜!伊坂さん最高〜!
ハラハラストーリーは苦手な私は読み進めるとハラハラしっぱなしで、むむむむと思いつつも読む手は止まらず。
青柳くん!よく頑張った!
その周りの応援者たちよ!グッジョブd( ̄  ̄)
お父さんも良き。七美ちゃん良き。岩崎さんもロックだぜ。
満足感半端ない。
伊坂さんのは死神シリーズしか読んでなくて、これ読んで決定打だなと。ファンです宣言。
次何読もかな〜とウキウキさせられています。
2024.3.29追記。
映画レンタルして観た!
仕方ない事やけど端折りすぎやん!大丈夫!?と冒頭から不安になりつつ観てました。
これ本読んで無かったらわかる!?わかる!?などと集中力の無い私。
でも観て行くうちに、ストーリー丸わかりでもそうじゃ無くても楽しめるなコレ!てなった。
と言うか、こんだけ端折ってあるのにストーリー完成してるのやっぱ映画作る人ってすごいな〜なんてそこに感嘆する私。
きっと、私、本読まずに映画観てしまってたら、なんでなんで!?あの人は誰やった!?どゆことー!?と右往左往したに違いない。(まあ、どの映画観ててもそうなる私やけど)
そして、右往左往しながらも自分ながらの気付きや伏線回収の心地良さに悶絶したに違いない笑 -
1番好きな作品。
中学生くらいの時に読んで2回見返している。
ずっとワクワクが止まらないが、なんといっても好きなのは最後の手紙とスタンプのシーン。また読みたい。 -
★は5つにしようか、4つにしようか迷った。
というのは、モダンタイムス』とくらべて、登場人物の減らず口が少ない!から(^^ゞ
でも…。
「だと思った」
これだけでも、★5つでしょー!(爆)
♪あーなーたーをー 信じてーるひーとーがいるー
決してさーびしーくなーい こーのーせーかいー
だいじょうぶ、マイ・フレンドー
って、昔、映画を見に行ってしまった(かなりレアかも?w)「だいじょうぶマイ・フレンド」のテーマを思い出してしまった(爆)
ていうかー。
集まってきた蠅マスコミ(←ゴメンw でも、著者も“蠅を追い払うように”って書いてるよw)を前に、
“俺は、あいつが素っ裸で生まれたときから知ってんだ。母ちゃんなんて、あいつのことに関してはもっと詳しい(中略)歩き始めた時も、言葉を喋り始めた時も全部、俺は見てきた。長えんだよ、付き合いは。昨日今日雅春のこと調べたようなお前に、何が言い切れる”
と、のたまわっちゃう親父さんを見て、泣き出しちゃう児島安雄が、またいいw
感涙!(^^ゞ
この小説って。
もしかしたら、著者は、毎日ガンバっている人への応援歌として書いたんじゃないだろうか?
つまり、主人公というのは読者で。
主人公を襲う様々な悪い出来事というのは、読者を日々悩ます、仕事や近所、あるいは家庭でのトラブルの比喩なのだ。
読者は日々、そんなトラブルに巻き込まれ、ストレスを抱えながらも一生懸命に生きようとしている。
それは、国家権力という圧倒的な敵に追い込まれながらも、自分の無実を晴らそうと必死に頑張る主人公とダブるものがある。
そして、何より、主人公はそんなことをする人ではないと、自分が権力に睨まれるのも厭わず、主人公をを支えようとする、昔からの友人知人がいて。
さらに、主人公の必死さにほだされて、つい手を貸してしまう赤の他人がいる。
そういうことは、あなた(読者)も日々ガンバっていれば訪れるものなんだよ、と(^^)/
著者がこの本で読者に訴えたかったのは、おそらくそれ!w
他人って。
いや、他人というのは、自分以外の人という意味で。家族や友人知人、赤の他人、全部ひっくるめてだ。
他人というのは、人のことを見ていないようで、実は意外とよく見ていたりするものだ。
でも、他人には他人の生活があるし。また、(特に都会では)他人の生活に関わらないという不文律があるから、
特に人を褒めたり、あるいは注意したりすることはあまりない。
でも、他人というのは、間違いなく人を見ている。
それは、人が本当に困った時、あるいは本当にガンバっている時に初めてわかる。
気づくと、他人が手を差し伸べてくれたり、応援してくれてたりするのだ。
確かに、ネット上の付き合いみたいに、無闇やたらに「いいね」をくれたりはしない。
でも、ここぞという時に、実際に助けてくれたり応援してくれたりする。
世間って、案外そんなもので。決して捨てたもんじゃないのだ(^^)/
「習慣と信頼」っていうのは、そういうことだ(^^ゞ
判を押したように「今は生き辛い」に共感したところで、日々の生活が楽しくなったりはしない。
その共感で金を儲けて楽しくなっているのは、したり顔の評論家やカウンセラー、マスコミ、ネット企業だけだ。
我々一般庶民は、したり顔の評論家やカウンセラー、マスコミ、ネット企業の金儲けのために生きているわけではない。
したり顔の評論家やカウンセラー、マスコミ、ネット企業が発信することに、我々一般庶民が共感を示すことは、統一教会の信者になって金を貢ぐのと何ら変わらない。
自分を救えるのは自分だけ。
自分はそう思う(爆) -
こちらの作品のブクログ登録日は、2015年4月7日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年8月5日)書いておきます。
著者、伊坂幸太郎さん。
どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
伊坂 幸太郎(いさか こうたろう、1971年5月25日 -)は、日本の小説家。
千葉県松戸市出身。東北大学法学部卒業。この時期の東北大学には、薬学研究科に瀬名秀明、文学研究科に佐藤賢一、理学部に松崎有理と円城塔など、現在小説家として活躍している人物が在学していた。大学卒業後、システムエンジニアとして働くかたわら文学賞に応募、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。数年後に作家専業となった。宮城県仙台市在住。
作品、『ゴールデンスランバー 』の内容は、次のとおり。(コピペです)
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない-。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。 -
最初は退屈でページがなかなか進みませんでしたが、半分を過ぎたあたりからどんどん面白くなります。
学生時代の思い出に出てきた人物が次々登場して、各々様々なやり方で青柳雅春を助けようとします。
伏線がたくさんありましたが全てには気付けていないと思います。
落ち着いた頃にもう一度、読み直したいと思います。 -
伊坂幸太郎さんの作品にはまった1冊!
というか読書熱に火がついた1冊!
子供たちにも進めた1冊!
最初から最後までハラハラの連続で
ラストのエレベーターのシーンは泣ける