ジャイロスコープ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.27
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本棚登録 : 4413
レビュー : 534
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250304

作品紹介・あらすじ

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件を巡る“もし、あの時……”を描く「if」。文学的挑戦を孕んだ「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。

感想・レビュー・書評

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  • サンタクロースは子供を見離してはいけない

  • 好きなセリフ。

    ・誰だってそうだ。みんな自分の命が、人生が心配で、一番大事に決まってる。どんな事故や事件が起きても、人が真っ先に思うのは、「それって私に関係するかしら」だ。

    ・誰の話が正しいのかは定かではないですよ。何が真実かは分からないというか、それぞれの真実があるというか。

    ・サインをもらいたいものだと考えたところで、自分はそこまで佐藤三条子のファンではないことを思い出す。なのにサインが欲しくなる心理は何であるのか。誰かに自慢するためなのだろうか。この世の中に、サインを見せびらかす相手が一人もいなかったとして、私は佐藤三条子のサインを欲しがるだろうか。いや、いらない。

    「if」は面白かった。「ギア」は伊坂作品っぽくないけど、こんなのもアリかと僕は思います。世界観は好きです。「後ろの声がうるさい」でそれまでの話をきっちりと締めてるのが伊坂さんらしいです。

  • 『いざ、蝦蟇倉!』 バスコ・ダ・蝦蟇 よもぎだ蓬田 セミシンゴの体長は三メートルほどです 空腹時には埃や黴で腹を満たすとも言われています 精嚢分泌液に含有されるセリンプロテアーゼの空気接触に伴う状態変化について 考えなきゃいけない距離が短いか長いかの問題だ ザ・フー 四重人格 スモール・フェイセス 抗生物質が効かず 坂本ジョンの棺には 咄嗟に窺った 首鼠両端 挽回のチャンスをくれて 馴鹿の橇を操縦するドライバー ペアリーカリブー種 プラスドライバー 鉄の板 パウエル国務長官の言葉 鶴田さんの生涯の総決算 来たピンポン球をラケットで打ち返すかのような軽快さで言う DVは母の捏造の可能性が高そうですが 事実を咀嚼するのに 遺失物用の袋に入れこんだ 起承転結のある短編 スパムメールを小説に組み込んでみよう

  • 繋がらない短編集は好きではない
    最後に回収し始めた時は期待したが期待はずれ
    彗星さんたちは嫌いではない

  •  これまで読んできたイササカ作品中、ワーストかな?(>_<)
     ひどいな、こりゃ……(´ε`;)ウーン…

     基本的なアイディアが総じてアマチュアレベル(>_<)
     よくこんなの書く気になったもんだなあ……(´ε`;)ウーン…

     だいたい2ページに一度でてくる「余計なひとこと」(寒いギャグ・言わずもがな・無駄口、等々)がほんと目ざわりだし、会話のやり取りがガチャガチャ不自然で読みづらいし……(´ε`;)ウーン…

     最初の方のクルパー人の頭の中を描いたやつ、往年の筒井康隆がああいうのよくやってたけど、それに比べると掘り下げは浅いしイマジネーションは貧弱だし表現は陳腐だし、とても15年選手の書いた作品とは思えない出来(>_<)
    (ネタバレ?)サンタのやつは読者をバカにしてるんだろうか?、と思うくらいの代物(>_<)
     唯一、新幹線清掃のやつは(伊佐坂先生っぽくないけど)お仕事系としてうまく書けてた――のに、よけいな一工夫がすべてを台無しに(>_<)……なんだあれ? たんなる思いつきどまりで、練りも研ぎもぜんぜん足りない(>_<)(こういうの、奥田英朗なんかが巧みに仕上げるから、ぜひ参考にしてほしい)


     にしても、イササカ先生、いくらなんでも「ハズレ」が多すぎるなあ……(´ε`;)ウーン…
    「重ピ」とか「ゴルスラ」とかいいものはいいんだけど、本作みたいにダメなものはドン底までダメ(>_<)
     脱ミステリー・脱パズル構築・脱仙台に挑戦するのはいいんだけど、その結果見るべきものが皆無ってんじゃ……(´ε`;)ウーン…
     だけど、こんなんでも売れてるんだからなあ……(´ε`;)ウーン…
     分かんねえなあ……(´ε`;)ウーン…
     自分の感覚がおかしいのかなあ……(´ε`;)ウーン…

    2019/07/23

  • 伊坂さんが過去に発表した短編を集めたもの。
    サンタクロースの話が面白かった。

  • 20190527

  • 今までは連作短編集の皮を被った長編小説ばかりだったが、本作はそれぞれが完全に独立した短編になっている著者初の短編集である。それぞれのストーリーはミステリであったり、SFであったり、人情モノであったりとジャンルはバラバラであるものの、趣向を凝らした仕掛けが随所に施されており、一本一本の完成度は非常に高い。特筆すべきは独特なシチュエーションによる語り口と、それと相反する小市民的な日常性の妙であり、この感覚を両立できるのが著者の類まれな才覚の一つだろう。個人的に一番面白かったのは「彗星さんたち」で、新幹線の車両が小説の構成にダイレクトに繋がっており、そこに一人の人生が連続してつめ込まれている「かもしれない」という突飛で飛躍したアイディアが非常に魅力的である。この「かもしれない」の塩梅が非常によく、「まさか」と一笑に付す可能性を残しているため、その余韻が素晴らしかった。また主人公がシングルマザーというのもよく、夫に対する緩やかな失望や人生の諦観、一人娘の成長を見守るというささやかな希望がほんの短いセンテンスの中に詰め込まれている。生活臭を出しつつも、最大公約数の幸せや苦労を描ける筆致はまさに現代のO・ヘンリーであろう。他にも軽妙洒脱なタイトルセンスとミステリ的な小話である「浜田青年ホントスカ」や、著者「らしくない」SF短編である「ギア」。文学的な趣と、著者特有の構成による時系列トリックが仕込まれた「二月下旬から三月上旬」。バスジャックというワンアイデアを即興で綴った掌編小説「if」。とある奇妙な職業の小さな奇跡「一人では無理がある」。前述の「彗星さんたち」全ての短編の受け皿となるエピローグめいた短編「後ろの声がうるさい」など、すっとぼけたタイトルがどれも魅力的な珠玉の短編集である。

  • まあまあ

  • 短編集。さまざまな時期の作品を、最後の書き下ろしで収束させている。

    『二月下旬から三月上旬』
    著者の作品らしいトラップの気配があちこちにあって、構えながら読んでしまうんだけど、結局引っかかってしまう。暴力的にならない終わり方が好き。

    『if』
    某事件が元ネタかな。挽回のチャンスをあげたかったんだろうな、著者は。

    『一人では無理がある』
    素敵な世界。この会社勤めたい。

    『彗星さんたち』
    テレビの特集も見た気がするけど。よかった。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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