首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 286
  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250311

作品紹介・あらすじ

被害者は一瞬で首を捻られ、殺された。殺し屋の名は、首折り男。テレビ番組の報道を見て、隣人の“彼”が犯人ではないか、と疑う老夫婦。いじめに遭う高校生は“彼”に助けられ、幹事が欠席した合コンの席では首折り殺人が話題に上る。一方で、泥棒・黒澤は恋路の調査に盗みの依頼と大忙し。二人の男を軸に物語は絡み、繋がり、やがて驚きへと至る!伊坂幸太郎の神髄、ここにあり。

感想・レビュー・書評

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  • 伊坂さんの話は、この曖昧模糊とした話の終わり方の余韻を楽しむのでしょうね。結論は何かなどと考えてはいけない。自分のバイアスのまま受け入れ、感じるままに面白がればいんだと思う。一方、この7話が、黒澤さん、首折り男、少年のいじめ、時空のねじれというキーワードでゆるく繋がっていることもタイトルの協奏曲となっていたんだろう。今回の話しのお気に入りは「人間らしく」かな。「神様は時々見ていてくれている」ことに共感。絶望している時は助けてくれると信じることでちょっと気が楽になる。結果はどうであれ勇気を持てる話だった。

  • H30.2.9 読了。

    ・短編集。「首折り男の周辺」「合コンの話」は、面白かった。

  • 勝手に長編だと思っていたので、
    読み終わった時はあれ?と驚きましたが、
    短編集でなんとなく繋がりを持たせてみた…
    って感じの作りだったのですね。
    それだと納得(^-^)

    殺人鬼なのか泥棒なのか、
    良い人なのか悪い人なのか、
    そんな男・黒澤がそれぞれの話に出てきます。
    「僕の舟」と「合コンの話」が特に気に入ってます。
    伊坂さんの話の登場人物は、特に個性的という程ではなく
    普通にその辺にいそうなキャラなのに、
    何故か印象深く残る人が多いような気がします。
    この本も、また少ししたら登場人物達に
    無償に会いたくなって読み返しそうな予感。

    ところで、山家清兵衛さんって
    実在の人物だったのですね!
    知らなかった〜

  • うーん、もうちょっと伏線がブワーッと回収されてくのか、と期待していたら、そういうわけではなかったので星低いです。背表紙に「物語は絡み、繋がり、やがて驚きへ」と書いてあるけど、過剰かな。一部ちょこっと繋がってるけど、「驚きへ」と煽る程ではなかった。

  •  全体的に、技巧が凝らされた短編集という印象だった。「月曜日から逃げろ」では、最後の辺りでネタバラシがされてようやく、あぁなんか妙だと思ったらそういうことか、と納得した。「合コンの話」では、語り手の視点がコロコロ変わるから、何と無く芥川龍之介の「藪の中」を連想した。あと技巧とは関係ないけど、「相談役の話」は、伊坂作品の中では初めての怪談話だったから驚いた。まさか、こんなストレートに幽霊が出てくるとは思わなかった。

    以下、つらつらと感想を述べる。「僕の舟」では、若林絵美のどことなくいい加減で、でも可愛らしい人柄が描かれている。その中でも、「まあ、あれは実際、犯人だったはずよ」(p.133)というセリフには思わず笑ってしまった。また、なんの根拠もなく断言しちゃってねぇ。しかも、違うしねぇ。
     「月曜日から逃げろ」では、大西若葉が久しぶりに登場して、腹の底から少しぽぉっと嬉しくなった。「フィッシュストーリー」に出てきたのだったかな?その後の作品群には出てきていなかった気がするので、僕自身の読書生活の中では、約8、9年ぶりの再会だと思う。元気そうで何よりです。
     同一主人公の作品群で、同じ人物に遭遇するのとは違って、本当に予想だにせず出会えたという感じがある。また、昔のように他作品の人物を出してはくれないだろうか。彼は今も、神様のレシピの話を語り続けているのだろうか。
     「合コンの話」で一番好ましく感じられた登場人物は、デザートのティラミスを運んできた店員さん。「(中略)もしかするとこの、柔らかな外壁に、茶色の脆い屋根を載せたかのようなティラミスと、それに添えられた、官能的な丸みを帯びたアイスクリームを前に、全員が幸福感を覚えたからかもしれないぞ、と想像を膨らませ、楽しい気分になる」(p.417)。たしかに、その想像はとても楽しい。そしてその想像ができるあなたは、とても面白い。

  • 伊坂幸太郎の短編は最後の最後で物語同士の繋がりが見えてくるイメージがあって、(どの本を読んでそう思ったんだっけ?)手に取ったのだけど、実際すべてが繋がっているわけじゃなかった…?ちょっと残念。ただ、【月曜から逃げろ】だけは、私の抱く伊坂さんのイメージと合致、分かってるのに騙されるこの感じ、好きだなあ。

  • 伊坂幸太郎ワールドな短編集…
    と思いきや、読んでたらなんかちょっと違うような
    いや、違わないような…

    「首折り男の周辺」
    首を折って殺人をする男に間違えられた男のはなし

    「濡れ衣の話」
    子供を交通事故で亡くした父親と首折り男のはなし

    「僕の舟」
    老夫婦の奥さんの若かりし日の恋の話

    「人間らしく」
    クワガタの世界と人間の世界のはなし

    「月曜日から逃げろ」
    泥棒の黒澤とTVマンのはなし

    「相談役の話」
    めちゃくちゃ意外!怪談はなし

    「合コンの話」
    ラストでおお~!なはなし

  • 難しいな、とは思った。
    あとがきでこれは複数の短編作品をまとめたもの、と知りびっくり。

    登場人物の1人が作中で語った、「神様は私たちのことを見守ってはいるが、いつも見ているわけではない。たまに気が向いて見ては、私たちに救いの手を差し伸べてくれるのではないか。」という考えにすごい惹かれた。

  • 佐藤に持ってかれた

  • 伊坂幸太郎ならではの、複数の短編が織りなす綾が面白い。最初の数編の大藪の姿を描いた作品と、若林夫妻の様子を描いた作品が面白かった。後半の黒澤を描いた作品は、話が完了しない印象で、ちょっと物足りなく感じた。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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