4TEEN (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250519

作品紹介・あらすじ

東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない-。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 重松さんや瀬尾さんの正攻法の優しさは、周期的に読みたくなります。4TEENでは、中2の14歳の少年達のちょっとアクロバティックな友情とか思いやりに、心掴まれた感じです。
    銀座にも渋谷にも行けるけど、舞台はホームの月島。彼らのホームを自転車で滑走する。確かな都会の少年達の友情がどこか昭和を思わせる。「マジすぎるのはカッコ悪い」そこの一線は譲れない14歳。風俗とか出会い系とか危ない経験も積むのだけれど、少年のような軽やかな文章でそこも青春ストーリーに収めてしまう。「びっくりプレゼント」では早老症の少年を「空色自転車」では、DVの父親を放置して死なせてしまった少年をと、各章主題は重め。そこを作者自身がマジすぎるのはカッコ悪いを貫き、軽快な直木賞。

  • ずっと読み続けている『池袋ウェストゲートパーク』と近い、若者達の生態を瑞々しく描いた小説。
    主人公達は14歳の中学生4人。早老病と言う難病が冒頭に出てきて面食らうが、他にも拒食症の同級生、酒依存症の父親の死なども出てくる。中学生達の性や異性への目覚めが懐かしくも気恥ずかしくも感じる。エロ本収集、ストリップ小屋への潜入など···
    過剰な性表現や歳上女性との不倫関係、父親殺しなども有り、これで直木賞を受賞できたことに驚く。

  • 2005年(発出2003年) 329ページ

    第129回直木賞受賞作です。
    石田衣良さん初読みです。

    東京、月島を舞台に、14歳の中学2年生4人組の青春を描いた連作集です。以下の8編が収められています。
    ・びっくりプレゼント
    ・月の草
    ・飛ぶ少年
    ・十四歳の情事
    ・大華火の夜に
    ・ぼくたちがセックスについて話すこと
    ・空色の自転車
    ・十五歳への旅

    感想は「おもしろかった!」です。
    中学生男子の性的なものに対する目線には苦笑いしてしまいますが、それはそれ、若いっていいなあ、とうらやましくなるような等身大の14歳が描かれています。
    かと言って、この4人、中にはかなり重い境遇の持ち主もいます。そして、そんな友人のためにいろいろ考えて思いやった行動を起こします。大人になっても忘れられない友情って、こういうことなんだろうな、と感じました。
    いつもつるんで遊ぶ仲良し4人組。そこには、金持ちも貧乏も頭の良い悪いも関係ない。

    「ぼくが怖いのは、変わることなんだ。みんなが変わってしまって、今日ここにこうして四人でいる時の気持ちを、いつか忘れてしまうことなんだ」

    忘れたくない青春の1ページ。10代のみなさんにおすすめしたい(男子向け)

  • これは読むタイミングで感じ方が異なるのかも!
    と思える内容だった。

    中学や高校の時に出会っていたら
    また違う思いになるだろうな〜

    男子の青春ってこういうものなのかなと
    ドキドキしながら読み進めてしまった。

  • H30.5.4 読了。

    ・東京の月島を舞台とした中学2年生の4人の男子が主人公の青春小説。一人一人が可愛らしく、頼りがあり、優しくて。ページをめくるのが楽しみになるようなワクワクした気持ちと自分の子供の頃の忘れたくない思いを思い出させてくれた小説だった。
     続編を早く読みたい。

    ・「たいていの中学生は将来に不安を持っている。。」
    ・「切なくなるほどの恋をしたいなあ。きれいとかきたないとかじゃなく、頭がいいとか悪いとかじゃなく、Hをするとかしないとかじゃなく。その人のことを思うと、自然にあたたかい気もちになったり、心がよじれて眠れなくなる、そんな恋がしたいなあ。」
    ・「誰かが自分を捨てて心から話す言葉には力があるのだとぼくは理解した。」
    ・「自分の1番弱いところをみんなのまえで話せただろ。強いって、ほんとうはそういうことじゃないか。」
    ・「ぼくたちはみんな年を取り、大人になっていくだろう。世のなかにでて、あれこれねじ曲げられて、こうしていることをバカにするときがくるかもしれない。あれは中学生の遊びだった。なにも知らないガキだった。でも、そんなときこそ、今の気もちを思いだそう。変わっていいことがあれば、変わらないほうがいいことだってある。」

  • 忘れていた過去の自分が少しだけ近くにいる。

    そんな気になれた。

    中学2年生の頃を少し思い出し、懐かしい空気に触れられた。

    内容(「BOOK」データベースより)
    東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない―。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。

  • 青春の真っ只中!
    中学2年生のお話。

    あの頃の一瞬で過ぎ去った青春時代を
    物語の中から感じられて
    あの頃に戻りたいとすら思わせてくれました。

    誰もが経験する14歳。
    みんなの14歳が素敵であれ☆ミ

  • 石田氏の「美丘」、「約束」を読んだ事がありますが、どちらも好きな作品です。
    この「4 teen」は直木賞受賞作です。
    4 teenは14歳の4人の男子中学生の物語。
    一人はウェルナー症候群で早老症の少年です。
    4人がとってもいい関係で、本当の仲間という感じです。
    読後感もとてもよく、素敵な作品でした。

  • ダルそうだったり、ちょっと背伸びしている中学生男子も内面では深い想いがあるんだよねー。と思い出させてくれる一冊。全てのストーリーが心に何かを残してくれます。

  • 仲良し男子中学生4人組の連作短編集。
    男子中学生ならではの友情がテーマである。
    まさに青春=性春な時代である。

    ナオト、女子高生好きの特別疾患がある。
    ジュン、ブロンド髪好きのお勉強ができる秀才
    ダイ、元巨乳好きの心優しいおデブ
    テツロー、一人称僕、清純派好きのごくスタンダードな中学生

    一番好きな章は空色の自転車であった。
    ダイがみんなに迷惑をかけない様に、いつもの仲良しグループを離れ不良グループに接近する。
    だが仲間たちがダイを連れ戻す。不良との闘いも辞さない。その姿は友情の為に戦場に向かうサムライの様である。
    こんな仲間なら中学生時代の青春も謳歌でき生涯の宝である。
    数十年後の自分に中学生時代の甘酸っぱい恥ずかしい思い出が蘇えった。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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