眠れぬ真珠 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 293
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250526

感想・レビュー・書評

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  • 何か、とってもしっとりとした、心が切なくなるような恋愛小説を読みたくなって、積読の中からこれを選びました~。

    更年期障害をもつ45歳の独身プロ銅版画家と、映画監督を目指す17歳年下の彼の恋愛小説。

    私とあまり変わらない年の女主人公が年下に恋をする。っていうのは、家族がいる私には夢のような、とても非現実的な話だったけど、彼女の思ってること感じてることは読んでて分かる気がした。

    恋愛には年の差は関係ないし、未来を恐れて臆病になってはいけない。
    現在があれば、そのときが幸せであればいい。
    それは、独身同士の場合のみ言えると思うのよね~。

    だって、咲世子と不倫してた卓治は、そう思って二股かけた愛人に家庭を壊されたんだし~。
    まぁ、彼も最後は丸くなってよかったけど。。。

    いろいろあって、でも結局みんな納まるとこに納まってよかった。のかな?

    私としては、ヨリを戻すよりも、咲世子と素樹はそれぞれの人生を歩んでもらいたかったな~。

    これを読んだあとに、銅版画が気になって検索したんだけど、これは素敵。
    咲世子の作った銅版画って言うのは、どういう画だったんだろうと思う。
    読む前に、銅版画がどういうものか知ってから読んでみたほうが、もっと話を楽しめると思う。

  • 2013/06/22読了

    フェティシズム 通称フェチと呼ばれるものは、大げさに言うと病気の類である。身体の一部分に性的な魅力を感じ、それが欲動を促す。この物語で言うなれば「恋の病」の病原菌とも言えるのだろうか。
    石田衣良という男性作家が描く女性はとても魅力的である。それは年齢など関係無しに、女性という性別をいかんなく発揮しているという意味での美しさがある。この作品はそれを前面に押し出したものではないか。

    更年期障害を抱え、年齢というあがらうことのできない壁を前に、仕事一筋、恋愛を諦めていた咲世子。そんな彼女の前に現れた青年、素樹により、咲世子はより美しい女性へと変貌する。
    恋愛は人を変える。その恩恵は女性のほうが外からも分かるほどだといわれるけれども、素樹も咲世子と恋をすることによって、その変貌は見える。
    お互いの始まりは互いの「指」だった。年齢を感じさせない互いの恋は、フェティシズムから導火線を渡る火種のように始まり、加速する。幾つかの障害はあるけれども、ライバルのノアは想像以上に穏やかで、修羅場らしい修羅場はなく、ゆっくりと時計が進むような恋愛小説だったように思える。

    一般的に、男女の性欲のピークは見事にズレている。
    男性は10代~20代にかけて。女性は40代からといわれており、素樹と咲世子はどちらもそのピークに適っているのだが、互いを引き寄せたのは性欲ではなく、職人気質な部分だと思う。ストイックで、貪欲で。そんな性が合致するパートナーにめぐり合った運命、だというところか。

    咲世子の作品で素樹の指を扱ったものが非売品扱い、というところに、この小説の一番輝く部分を感じた。年齢ではなく女性として再生させてくれた恋人を強く思う行為、スピーチ。強い女性とはきっとこういうものなのだろう。

    良作でした。恋をするひとへ、是非。

  • 主人公の老いる悲しみがしつこいほど表現され、息苦しい。しかし、良質な年月を過ごしたことがとても幸せに思える。
    この歳の差カップルに真の成就はないかもしれない。しかし、失うものを恐れず明日より1日若い今を大切に生きようと思わされた。

  • ちょっと年齢設定があり得なくて入り込めなかった

  • 石田衣良の本を初めて読んだ。男性なのによくここまで女性の気持ちを書けたものだ。石田衣良は、中性的というか、客観的な視点で普段から周りの物事を見ているんだろうなぁと思う。
    好きな人と別れる孤独、寂しさに耐える気持ちは、いくつになっても、どれだけ経験を積んでも変わらない。最後、二人一緒にいることを選んでくれて、本当に救われた。純粋な恋、相手を思う気持ちは、とても眩しかった。

  • 最後まで感情を入れて読むことが出来た。

  • 強くてカッコイイ、大人の女のひとの恋の話。でも実は人は何十歳になっても弱い。その弱さとか危なかしい感情の起伏を曝け出すことが素敵な恋愛には必要なのかな、なんて考えた。恋愛って甘くてドラマチックなほどハードで命がけなのだなと。内容はドロドロしてるのにスタイリッシュでどこまでもかっこいい石田衣良さんの文章がすごく好き!て思える作品でした。
    「更年期」「ババア」「不釣合い」耳を塞ぎたくなる言葉。自分にはまだまだ縁のない文句だけど、クールに足掻いてる咲世子さんには不思議と感情移入できました。意図的に終わっていく恋なんて読むんじゃなかった、年取るってみじめで悲しい…なんて中盤感じたけれど、その年齢にはその年齢の恋があるんだって思うとむしろ心強い。でも自分が若いうちは作中のノアや亜由美みたいにキラキラ眩しい恋の物語をもっと読もう、楽しもうと思いました(笑)

  • 更年期障害でぶっ倒れる場面などリアルで、そんでもって肉体関係の男がいて、お腹すいていた方が気持ちいい云々とかもあったように思うけれども、そういうエロい描写がなんとも女性向けな感じがしたので、それは著者のうまさであるので、よく感想に「男性が書いたとは思えない」とあるのも、それは「女性にとって良いことを書いてくれている」ということであり、パールかダイヤモンドかというのもそんなにすごい問題提起でもないので、45歳という女性の強い生き方を楽しむ夢物語であります。なので、エンターテイメントとしてかなり楽しめました。
    主人公の女性は、美しく、そして才能を持っている。だから若い男をとっ捕まえることができた。あと、男は自分に冷たくする女に弱いものですので、がつがつ男を狙ってくる若い女から逆転勝利するのも、突き放したゆえでしょう。
    にしても、読者をひきつけて離さないのは文章というか、この文庫本の重さと言うか、サイズというか、読んでいるな、面白いな、話したくなるなというのが文のうまさや予感で保っていて、この本自体が宝石箱のように奇妙な魅力を備えている。
    とてつもない傑作というわけでもないのに、へんに大事に読んでしまう不思議な本だった。

  • 久しぶりに恋愛小説を読んだ。石田衣良氏の作品でだが文庫化されているのでずいぶん前の物かと思ったが、2006年島清恋愛文学賞なる物を受賞しているらしいので、そこまで古い作品ではなかった。彼の池袋系とか佃島あたりを扱った少年たちを主人公にした小説は好きで読んでいたが、その後でたいくつかの恋愛小説作品は読んだ物もあるがほとんど記憶に残っていなかったのだが、久しぶりに手に取った。作家はよく異性の主人公にした作品をしたためるが、そんな作品を読むうちにこの人はバイセクシャルの気があるのかなあなどとつまらぬ事を思ったりした事があるが、今回もそんな事を思い出させるくらい更年期を迎えた女性がすてきに描かれている。もっとも男性が読むのでそう思うだけで、女性が読んだら全然洞察が甘かったりするのかもしれないが。編集者の力量が問われる部分だろうが実際にはどうなんだろう?
    まあさくっと読める作品でした。箸休めにはいいかも。

  • ラストが良かった。
    いつか終わりが来ることが分かっていても、止められない恋って素敵だと思う。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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