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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784101251615
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みんなの感想まとめ
大学の研究者や教育者の実態を赤裸々に描いた本書は、理系の世界に興味がある読者にとって貴重な一冊です。主人公であるヒラノ教授は、大学院生や研究者が直面する課題やエピソードを通じて、研究の厳しさや楽しさを...
感想・レビュー・書評
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私は大学院生だ。大学院生にとって最も関心があるというか、気がかりなのは修士論文である。私のように、大学学部を卒業してから40年以上を企業で過ごし、定年後に再度勉強しようと大学院に入り直した者にとっては、修士論文の書き方が、あまりうまくイメージが出来ず、「論文の書き方」的な書籍を何冊か読んでみた。そのうちの1冊が、本書を「研究者とはどういう人たちなのか」ということを知るのに最適の本であると紹介していたので、読んでみた。
私が通っているのは私立大学の大学院経営学研究科であり、本書の主人公である(というか筆者そのものである)ヒラノ教授が本書で主に紹介している国立大学工学部とは、かなり趣が異なるし、もともとの関心事であった「如何に論文を書くのか」というテーマについては、参考になることはほとんど触れられていないが、それでも本書は、とても面白く、ほとんど一気読みしてしまった。
本書の面白さの一つは、普段知る機会がない、大学理系研究者・教育者および、彼らを取り巻く実態を、「ここまで書いて良いのですか?」と思わずこちらが心配になるほど、赤裸々に、かつ、淡々と綴っていることである。色々な悲喜劇的なエピソードが書かれているが、少なくとも筆者が在籍した当時の在籍大学の研究者・教育者たちが、とても誠実で信頼のおける人たちであったことがよく分かるし、ある時期までの日本が「技術立国」であったことも、うなずける。
しかし、「大学改革」のための政策が数多く矢継ぎ早に実施され、日本の大学の、ひいては、日本の技術のレベルが劣化していきそうなことが数多く書かれており、心配にもなる内容であった。
「ヒラノ教授」ものは、シリーズで数多く発行されているようである。続けて読んでみようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いいよね~エンジニア魂。
7つの鉄則。これって、エンジニアしていたら当たり前の心がけなんだけどね。
日本のエンジニアはとっても優秀なのです。
ちょっと昔に、2番じゃだめなんですか、といった政治家がいましたが、
あの人、科学技術をまったくわかっていないなー、と思いました。
いまはどう思ってはるのかな?
20170531 -
導入部が正直、詰らない本、買っちゃったかなと思ったが、読み進めると、これが実に面白い。つまり、導入部の自嘲気味に語る老教授の姿より若い頃のそれなりの波瀾万丈の人生の方が具体的で面白いということ。
民間研究所から出来たばかりの筑波大に戻るが、教育・雑用マシーンと化し、研究から遠ざかる。
東工大から招聘され、しばらくのリハビリ期間を経て、研究の鉱脈を発見し、学究に邁進。本来、優秀な人なのだろうが、研究者ってこんな極端な運不運に付き纏われるんだろうか。
研究には金がかかる。コンピュータを使うのも、論文をまとめるのも、その論文を掲載してもらうのも、学会に出るのも、兎も角先立つものがなければ。研究費獲得の内訳話など、なかなか聞けない話もある。
エンジニアは理系の中でも人文に近い学術でもあり、また当時の東工大には人文系スター教授が綺羅星のごとく輝いていて、そうしたスター教授をはじめとするその分野の人にも触れている。
工学部の教え7か条は、納期厳守、人を貶さない、頼まれてことは断らない等、多少身贔屓な感もあるが、他の理系学部や経済学の人間との比較は面白い。特に、人文系スター教授達は、相手を論破するため必ずしも本音を言わない、その場で首尾一貫していれば良いと思っている、など中々痛烈な論評がされている。
文科省の要求で改革に右往左往する大学の姿など、成程、あれはそういうことだったのかと理系にほど遠い僕にも納得する話が多かった。
解説は、本書にも登場する東工大の元学長。なるほど、エンジニアは頼まれたら断らないんだなあ。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18358
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN04267675 -
5年前に購入して読み切れていなかった。
大学の中の話がヒラノ教授の体験談を踏まえ、読みやすく書かれていた。そうか、エンジニアにはエンジニアのルールがあるんだな。 -
東工大と言う日本の頂点層に君臨する学府の人間模様 面白く読みました。妥協を知らない数学者 期限を守る工学部 言い得て妙 スッキリ愉快な文章にテンポ良く読める作品です
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工学部の教授の実態を小説仕立てで。
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非常に面白かった。
理系というか工学系のある意味 ピュアで頑固一徹な、そして素直でお人よしなエピソードが満載で、共感する点がタップリでした。
生徒から学生に変化する大学は、自ら学びたいという点と、教官の研究を進めたいという点が、トレードオフの関係ですが、既に社会の縮図が出来ていて痛快です。
エンジニアという職業に身を置く自分の環境を客観視することもでき、いろいろな気づきをもらいました。 -
東工大を中心とした、工学部の組織運営の実態、文科省が進める大学改革に翻弄され、右往左往する大学当局の姿、利害得失で動くドロドロとした研究者達の姿が赤裸々に描かれていて、面白かった。まあ、一流の研究成果を産み出すための必要悪のようなものなのだろうな。
個人的には、大学運営の効率化や透明化は好ましいと思う一方、教養学部の廃止や大学院重視、短期的成果重視の独法化、優良大学の優遇等の一連の施策が、大学の多様性を奪ってしまっているようで、かなり心配。 -
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面白かったです。
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シリーズものの他の作品と重複は多いですが、やはり面白いです。
特に工学部10か条と優秀な学生の話は感心することしきりで楽しかったです。 -
普段なかなかお話を聞くことのない理系学部の教授の本音がわかる。こんなことをやってるのね〜、と気楽に読んでいたら最後に考えさせられる話が。研究費の広範な分野への薄い投資でリスク分散、研究者へ短期成果要求の危険性。この意見は今まで何度か目にしてきたけれど、改めてその重要性を認識しました。日本の政治家はこの問題の重要性をよく考えて欲しい。
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工学部の教授職の実情を面白おかしく赤裸々に綴った本書。
かなりマニアックな分野の話なのだが、著者の語り口調の上手さ面白さにより、最後まで飽きずに読めてしまう。
教授も大変なのですねえ。 -
工学部教授の実態を教えてくれる。学校も教授も一流二流があること。なので、ノーベル賞の中村さんは米国に逃れたんだ。教授連は、思いもほか真剣に学部生を気にかけてるものだと感じた。2015.1.12
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工学部教授の奮闘の人生を垣間見ることができる
東京工業大学工学部元教授が、東工大での研究、教育、そして大学の組織改編などの「雑務」に奮闘した様子を、分かりやすく、具体的に描いている。雑務で消耗しながらも、研究・教育(教育・研究ではない)に情熱、人生をかけた工学部平教授の仕事の一部を垣間見ることができる。
特に、スタンフォード大学において博士号を取得した著者は、アメリカの博士課程の様子も紹介しており、興味深かった。
学生は、徹底したスクーリング(講義+宿題)と博士号取得のための厳格な資格試験を課される。まず、学生は、2年間のスクーリングにおいて、大量の学習を行い、基礎知識をみっちり習得する。学生は、当該分野について、「わかった感覚」を身に着けることができる。
幅広い基礎知識を身に付けているので、博士課程卒の学生は、実業界でも活躍することができる。
一方、日本の博士課程学生も、優秀で勤勉であるが、
教官の専門分野の先端的研究(の下請け)に忙しく、基礎知識の習得は各人の努力に任されている。そのため、実業界は、博士号取得者をなかなか受け入れようとしない。
また近年、国際的な研究力ランキングにおいて、評価の高い東工大の教育・研究事情も、興味深かった。
最後に、「納期を守ること」から始まる工学部の教え7か条は、エンジニアだけでなく、日本の組織において、仕事をして行くうえで重要なルールだと思われる。 -
研究室には、賢くまじめで体力もある学部生・院生をそろえ、一緒に実験しデータをまとめ、ときには、学生の柔軟な発想に驚きつつ、その先生の業績が積まれていくのだなあと思いました。
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大学教授は、本当に希な職業である。
大学進学率が増えて、大学生を経験しても
ほとんどの人が、その日常を知ることはないだろう。
この本に書かれていることは、おおその通りと思うことも非常に多い。かなり真実に近いことが語られていて、非常に楽しく読めた。 -
筒井康隆の『文学部唯野教授』に対する工学部教授の日常と実情。
唯野教授的文学部世界に比べるとかなり真っ当な世界だな、工学部。
世間的に「教授」ってのは憧れる職業なんだろうけど、そうそう楽なもんじゃないわね、いや、ほんと。
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