きことわ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 881
レビュー : 129
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101251813

作品紹介・あらすじ

貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった……。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。境がゆらぐ現在、過去、夢。記憶は縺れ、時間は混ざり、言葉は解けていく――。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 素敵な文章だった。
    本を読むたのしさには、物語の世界に入り込むというのと、文字を追うという2つがあると思っていて、これは完全に後者。一文字ひと文字がするすると体に染み込んでいく感じがした。

    何回も読みたい。

  • かなり良い。
    プルーストを想起させるような、夢と記憶、現実とが交わる物語。
    描写として度々繰り返される「浮く」「流れる」という言葉が時間の「流れ」と記憶が「浮き上がる」ことの比喩なのではないかと感じ、またそういった作者の戦術に辟易した。

    凹凸がない物語だから文学史にあまり詳しくないひとにはつまらなく映るかもしれないが、作品のクオリティは極めて高い。

    この作品以降、全然作品が発表されないのが残念。

  • やわらかい文章で、私はとても好きだ。
    とりとめのない日常のことなのだけれど、それが特別なことのように思える。
    出だしからして、引き込まれ、時間の概念だとか、過去の記憶だとか…誰しも一度は感じたことがあるであろう、ごくごく日常の些末な事柄が、大切なことに感じる。

    ひとまず余韻に浸ればよかったと、解説まで一気に読んでしまったことが残念だ。
    読後の心地よい余韻に浸り、解説は時間を空けて読むべきだった。
    とはいえ、素敵な小説に出会えて、幸せな気分になった。

  • 淡々とした文体。夢と現実、過去と現在、死者と生者の境界が曖昧な世界。自然の描写に五感が刺激される。これまでに読んだ小説にはない、新鮮な読後感だった。川上弘美さんがちょっと近いかも。

  • 自分が良いと思ったものを、みんなも良いと思っていたら嬉しい。
    そんな期待があるのならアマゾンのレビューなんて読むべきじゃなかったのか?

    文学って別に具体的な・強烈な・書きたいことがあってやるもん、って規定されているわけではないと思うんだ。
    特に女性作家はその傾向が強いと思う。だから、男性作家の方がわかりやすいしバランスをもっているとも思うし好きなんだけど、感覚的に…より自由に書けるのは女性作家なのかもしれないとも思う。

    本作が芥川賞に相応しかったかどうかはなかなかに重い議論だと思うけれど、私は好きだった。

    文学って音楽に似ていると思う。
    理屈は抜きにして、ただただここちよさを求める、それもありだと思う。
    きれいな言葉ときれいな旋律の中に身を委ねる、そういう体験。
    現代の作品において、きれいな言葉に溺れることってなかなか無いと思うから、そういう意味である種の嫉妬を覚える作品だった。

    舞台となってる葉山も個人的には身近な町であり、その描写に親しみを感じたりもした。

  • 永遠子は夢をみる。
    貴子は夢をみない。

  • 現実と過去、夢が入り混じって、ふわふわふらふらしている。
    どこから現実でどこから夢(もしくは過去)なのかがわかりづらいので、好き嫌いは分かれそうです。
    町田康氏の解説が無かったら、私の中でぼーんやりした印象で終わってしまったであろう作品。
    25年ぶりの再会があっけないというか感動的でないところは好きです。
    改まって再会しちゃうと「改まった関係」が始まってしまいそうだし。
    特に盛り上がりがあるわけでも感動的なラストでもないのですが、ぐんぐん読み進めてしまった!
    休日、だらだらしながら読みたいなーと思います。

    2013/09/21-22

  • ぼんやりと感じることを、はっきりと文にしてある。
    好き嫌いは分かれそうだが、私はとても好き。
    解説に町田康!豪華!
    あー好き過ぎ。

  • すげえ。

    とても洗練された文章を書く人だと思った。
    朝吹さんは今年で29歳らしいのだが、文章がすでに熟成された作家の匂いを漂わせている。

    そもそも雰囲気が私の好み。
    今後出される作品も楽しみです。

  • 和んでるような、緊張してるような、不思議なかんじがする

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著者プロフィール

朝吹 真理子(あさぶき まりこ)
1984年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻前期博士課程修了。「流跡」でBunkamuraドゥマゴ文学賞を史上最年少で受賞。「きことわ」で芥川賞受賞。

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