- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101253329
作品紹介・あらすじ
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
感想・レビュー・書評
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こちらの作品有名なので名前は知っていたものの、魔女?SF?とか勝手に思って躊躇していたのですがが、、(想像と全然違ってた笑)
本屋さんで夏の新潮フェアのとこで、めちゃくちゃ推してたので遂に購入。笑
ページ内の文字数的にも、すらすら読めました!
主人公と祖母が一定期間の夏を一緒に過ごすお話。
※自分で決めること
※外部からの刺激に反応、動揺しすぎない
※身体と魂の合体で自分ができている
というような、生きていく上で、大事なヒントがたくさん。私も魔女になる訓練しないとっ!
自然豊かな土地の描写から、自分の小さな頃のばーちゃんち思い出す。青のじょうろ!!
畑で作るトマト、庭で育てたダリアとか。
これもう一度改めて読もう。もっと深い気がする… -
ずっと読んでみたかった。一気読み。あったかい世界観。風景とかも想像しやすくて凄く入り込めた。魔女ってゆうからもっと意地悪なおばあさんかと思ったら、とても素敵なおばあちゃん。
"死んだら魂は……"そうであってほしい。その方が美しいな。ヒガシのマジョになっていてほしい。 -
『おばあちゃんの思い出』、この言葉を聞いただけで目頭がなんだか熱くなる方は多いのではないでしょうか。2000年3月に公開されたドラえもんの同名映画を思い出す人もいるかもしれません。私にとってもおばあちゃんは特別な人でした。共働き家庭で育った私は、おばあちゃんと過ごした時間が両親との時間より格段に長かったこともあり、両親にも相談できないこともおばあちゃんになら話せる、両親に話すことでも事前におばあちゃんに話して意見を聞いてからにする。そういう日常を送っていました。でも、今思えば話しやすいが故に、そんなおばあちゃんには随分とわがままを言ったようにも思います。親しいからこそ何でも話す、わがままも言う。でも、そんな私が話すあんなこと、こんなことをいつも『そうだな。』『がんばったな。』『よくやったな。』と静かに聞いてくれたおばあちゃん。おばあちゃんの思い出は誰にとっても特別じゃないでしょうか。
『西の魔女が死んだ』唐突な書き出しで始まるこの作品。『英国人と日本人の混血であるママは、黒に近く黒よりもソフトな印象を与える髪と瞳をしている』というママ。だから、おばあちゃんは英国人という主人公・加納まい。そんなおばあちゃんを『西の魔女』と呼んでいた まい。『回りの世界から音と色が消えた。失った音と色は、それからしばらくして徐々に戻ったけれど、決して元のようではなかった。二度と再び、まいの世界が元に戻ることはなかった』というおばあちゃんの死という現実に向き合いながら、ママと、おばあちゃんの家に急ぐ まい。そんな途上、二年前に一ヶ月の生活をともにしたおばあちゃんとの思い出が記憶に蘇ります。小学校を卒業し、中学校に入ったばかりのその時期に『わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの』とママに訴える まい。ママは、そんな娘を無理に学校へと追いやるのではなく、おばあちゃんの家に連れて行く決意をします。
『まいと一緒に暮らせるのは喜びです。私はいつまでもまいのような子が生まれてきてくれたことを感謝していましたから』と喜んで迎えてくれたおばあちゃん。『「今日は裏山で働いてみましょう」おばあちゃんが突然言い出したので、まいはびっくりした』というそんなおばあちゃんとの二人暮らしが始まりました。そんな中、『まいは、魔女って知っていますか』と尋ねるおばあちゃん。『魔女』という言葉にとても興味を持ち自分も魔女になれるのかと問う まい。そんな まいにおばあちゃんは『それではまず、基礎トレーニングをしなければ』と答えます。そして、おばあちゃんが見守る中で まいの魔女修行が始まりました。
『櫟や樫、榛の木や栗の木などの点在する陽当たりのいい雑木林』という森、『木のまばらなその林の床一面、真っ赤なルビーのような野いちごの群生』という野苺畑などの絶妙な表現。また、ホトトギス「テッペンカケタカ」、こじゅけい「チョットコーイ」、鶏「コケコッコー」という鳥の鳴き声のリアルな描写。おばあちゃんの家の周りのあんな情景、こんな情景が、読書という文字からしか得ることができない状況にもかかわらず、目の前に森が大きく広がるのが見え、また、耳に鳥のさえずりまでが聞こえてくる。まるで自分がその場にいるかのようなとても臨場感を感じられる描写に満ち溢れていて、思わず私も深呼吸したくなりました。
ママからは『昔から扱いにくい子だったわ。生きていきにくいタイプの子』と言われていた まい。学校生活に馴染めず今も苦しんでいる中学生も数多くいるこの社会。それは今も昔も変わらないこの国の現実なのかもしれません。でも一方で核家族化という言葉が変化ではなく、もはや当たり前となった時代には、以前より子供に逃げ道が少なくなったように思います。私は、かつておばあちゃんと長い時間を過ごすことができました。喜び、怒り、哀しみ、そして楽しみの全ての感情を共にする中で、どんなに救われたかわかりません。今の自分があるのはおばあちゃんがいたから、大袈裟でも何でもなく、自信を持ってそう言いたいと思います。でも、おばあちゃんは何も特別なことを教えてくれたわけではありません。魔女修行をする まいにもおばあちゃんは語ります。『いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、聞こうとする意志の力ですよ。自分で見ようとしないのに何かが見えたり、聞こえたりするのはとても危険ですし、不快なことですし、一流の魔女としてあるまじきことです』。自分の意志の大切さ。自分が自分であるために。大人への階段を自分の力でのぼっていくために。そう、そんな時代を送る子どもたちに向けたとても印象的な言葉だと思いました。
もうため息が出そうになるくらいに澄み切った美しい森の描写と、柔らかなぬくもりの感じられるおばあちゃんの まいに対するあたたかい眼差し。そこで紡がれる人の優しさと、慈しみ。『おばあちゃん、大好き』という まいに、『いつも微笑んで、「アイ・ノウ(知ってますよ)」、と応えた』というおばあちゃん。その静かな結末に、悲しさと切なさを超えて、愛おしいさと懐かしさを感じることのできる、とてもかけがえのない時間を綴られた梨木さん。素晴らしい作品に出会えました。ありがとうございました。 -
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ずいぶん昔にこの本を読みましたが、あの時の心の震えが蘇りました。そうそうそうなのよ、と魂の共鳴を感じる感想でした。私の思っていたことを明晰な...ずいぶん昔にこの本を読みましたが、あの時の心の震えが蘇りました。そうそうそうなのよ、と魂の共鳴を感じる感想でした。私の思っていたことを明晰な文章にしてくださって、ありがとうございます2023/08/18
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>ふーみんさん
コメントありがとうございます!
とてもうれしいコメントをいただき、びっくりするやら恐縮するやら。
いつも迷走しなが...>ふーみんさん
コメントありがとうございます!
とてもうれしいコメントをいただき、びっくりするやら恐縮するやら。
いつも迷走しながら感想を書いているのですが、書き続けてよかったと心から思いました。
この作品についてはどれだけ感想を綴っても足りない、伝わらない気がしたのですが、この素晴らしい作品を通して、ふーみんさんと共感できたことがうれしいです。2023/08/18
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随分前に、友人から譲られて、ずっと読む機会がなく、置いておいた本。
ようやく読めた。
加納まいは、中学生になって、イジメを受け、学校に行けなくなった。
心配した両親の勧めで、田舎に住む、お婆ちゃんの元に行く事になった。
自然に溶け込み、ゆったり住むお婆ちゃんによって、徐々に、生命力を回復していくまい。
まいは、ある日、お婆ちゃんが魔女である事を知らされる。
ワタシにとって、魔女は「サマンサ」かなぁ。
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「冬虫夏草」の江戸時代からいきなり現代に戻ってくる。
それでも共通して感じる自然と生命力、透明感は本作でも引き継がれている。
現代社会で、よく耳にするいじめ、単身赴任、女性の社会進出などを取り入れながらも、時代が変わっても引き継がれて行く生活や、知恵を織り交ぜ、普遍的な人間の様態を描写している。
主人公である加納まいは、学校の同級生から受けるストレスから、田舎に住むイギリス人のおばあちゃんのところでしばらく生活することになる。
このおばあちゃんがタイトルの「西の魔女」である。
魔女の元で、自然と接しながら、規則正しい生活していくうちに、思春期の少女は、大人として必要となる、常識、思いやり、そしななによりも生きて行くために必要な心のコントロールの方法などを教わりながら、大人になるための準備、自我を形成していく。
「人は死んだらどうなるの?」というまいの問いにおばあちゃんは、人は身体と魂が合わさってできていると説明する。「死ぬ、ということはずっと身体に縛られた魂が、身体から離れて自由になることだと、おばあちゃんは思っています。」
これはつまり、まいがここにやって来たことまさに理由ではないかと思えてならない。つまり、まいは、生きながらにして、身体と魂がバラバラになっていたのだと、言外に示している気がするのである。それ故に魔女修行により、本来のまいらしさを取り戻して欲しいと願う孫を心配する祖母の気持ちのようにも感じるし、魔女としての助言のようにも感じる。
ゲンジさんのことでわだかまりを解消することなく離れていってしまったふたり。まいのこれからの人生を思い窓ガラスに残した伝言は、おばあちゃんの魂そのものではないかと思うと、心が震えた。と同時に、感謝の気持ちが湧いてくる。それはまさにまいの気持ちであり、その気持ちが私に降りてきたような感覚に落ちいる。
まいにとっては、おばあちゃんは魔女である。でも、おばあちゃんは決して魔女ではなく(もちろん魔法使いという意味でもなく)、読んでいくうちに人生を彩りながら生き抜いた人間のように思えてくる。
人が人として、正しく生きる、豊かに生きる、思いやって生きる……そのためにどう生きればいいのかということを伝えている気が
した。そうできていない人が多い現代社会においては、そんな生き方をしている人が魔女のように見えるのではないか?
おばあちゃんと過ごしたからこそ「渡の一日」で成長したまいを確認することができたのだろう。(と、密かに成長したまいをおばあちゃんの気持ちで見てしまった。)-
2021/06/28
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しずくさん、
こんにちは^_^ コメントありがとうございます!
映画は、しずくさんのイメージ通りでしたでしょうか?本を読まれて、映画も鑑賞...しずくさん、
こんにちは^_^ コメントありがとうございます!
映画は、しずくさんのイメージ通りでしたでしょうか?本を読まれて、映画も鑑賞されていらっしゃるなんて、しずくさんのお気に入りの作品であることがわかりますー
2021/06/28
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2022/11/05
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2022/11/05
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「西の魔女が死んだ。」という冒頭の部分から、こわごわ読んでみると、そこには孟宗竹やら楓など大自然に囲まれた描写がどんどん広がってきて、心地よい世界に浸ることができた。
裏山の雑木林の床一面に覆われた、真っ赤なルビーのような野いちごの群生。
その野いちごで、おばあちゃんと一緒に作った鍋いっぱいのジャム。
大鍋でお湯を沸かして布巾を煮沸し、たらいの中で足踏みをして洗ったシーツなど。
山の中でまいがおばあちゃんと一緒に過ごした日々が、とてもうらやましく思えた。
「人は死んだらどうなるの」という問いにも真摯に答えてくれた、素敵なおばあちゃん。
まいが学校へ行かなくなった本当の理由も、おばあちゃんには素直に話すことができ、私もまいと一緒に清々しい気持ちになることができた。
お気に入りの一冊がまた増えてうれしいです。 -
大好きな本!
学校での人間関係に疲れたまいは、田舎のおばあちゃんのうちで療養することに。そこでの生活がまいを「魔女」として成長させていくストーリー。
おばあちゃんの大樹のような安心感・どっしりと包み込んでくれるような優しさが大好きです。
まいも「扱いづらい子」と言われ傷ついていたけど、自分で物事を考えられる素晴らしい子だと感じました。
おばあちゃんの暮らし方は、今で言う【ミニマリスト・丁寧に暮らす】系。まいの両親がそれを時代に逆行していると感じている部分もあり、また違った発見があった読書でした。
多感期の子供が「死」についてちゃんと向き合えるように、おばあちゃんが自分の信じている事を話す場面が好き。ラストのおばあちゃんの思いやり・約束のは果たし方が最高にカッコいい。素敵です。こんなおばあちゃんになりたい! -
中学校入学後間もなく、学校が苦痛で溶け込めなくなってしまった主人公のまい。
そんなまいが、英国人の祖母「西の魔女」と過ごした1ヶ月余りの日々を、回想する形で物語は進みます。
祖母は、魔女の修行と称して、大きな包容力で孫娘に関わり、「意志の力」(自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力)の大切さを説くのでした。
更には、自分にとって何が幸せなのか、人間には本来、予想される困難を避けたり耐えたりする力が備わっているのだと教え、上手にまいの潜在能力を引き出していきます。
いきなり「西の魔女が死んだ。」で始まる物語ですが、死やいじめからイメージする悲壮感がなく、自然の中で瑞々しく爽やかさを感ずる印象さえもちます。
大人が読んでも、当たり前の生活の中にある大事なことを教えられる気がします。多くの中学生に読んでほしい、読み継がれてほしい名作と呼べる一冊だと思います。
魔女になる特訓は難しそうですねww
私の母は既に亡くなっているんですが、
今10歳の息子が、たまに母の話をするのを聞くと、...
魔女になる特訓は難しそうですねww
私の母は既に亡くなっているんですが、
今10歳の息子が、たまに母の話をするのを聞くと、
この子の中でも母が生きてるんだなと感じて、
とてもうれしく思うことがあります。
よいイメージで残る方がいいですが、
わるいイメージだったとしても、
誰かの中に残り続けるのはいいですよね。
コメントありがとうございます!
素敵な内容過ぎて、感動です✨✨
誰かの中に残り続けるのは素敵ですね。
ホント素敵!!!!!...
コメントありがとうございます!
素敵な内容過ぎて、感動です✨✨
誰かの中に残り続けるのは素敵ですね。
ホント素敵!!!!!
特訓は、やはり難しいかあww
ほんと素敵ですね
ほんと素敵ですね