西の魔女が死んだ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.82
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本棚登録 : 33801
レビュー : 4347
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253329

作品紹介・あらすじ

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

感想・レビュー・書評

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  • 西の魔女と過ごした
    宝物のような短い日々。

    心と体はひと繋ぎであり、心の健康は
    体の健康によって培われ強く輝くことを
    言葉ではなく、ゆるやかに体と心に染み込ませ
    気づかせてくれる。

    眠ること、食べること、作ること、
    育てること、生活のリズムをとること。
    特別なことではなく、基本の大切さや
    心を直感や私情で滞らせることなく
    柔らかに動かすことであらゆる問題を解いていく
    道筋を教えてくれたおばあちゃん。

    大好きな花や草木、鳥たちがいっぱいで、
    風の音が、匂いが、朝露が感じられ、
    まいちゃんのように魔女の優しさに包まれて
    いつの間にか全身がほぐれていく。
    本を開くたび西の魔女からのプレゼントのように
    いつでもここに優しさと光が待っている。
    かけがえのない1冊になりました。

  • タイトルに「死」という言葉がついているし、読み始めると主人公は不登校
    だしで重い話かと思えば、まいとおばあちゃんの毎日が軽やかな文章で綴られている。
    ジャム作りの場面やまいが森のお気に入りの場所を見つける場面など、その場の空気や匂いをともなって風景が浮かぶ。

    最後の「西の魔女からの伝言」に涙があふれる。

    一緒に収録されている後日譚が短いながらも秀逸。

  • 話の中には自然が生きていると感じた。子供のころには、こんな風景があったなぁ。
    自分の気持ちをコントロールする、規則正しい生活をする、大人でもなかなかできない。
    子供の時に、この本に出会っていたら、自分の人生も変わっていたかもしれない。
    ばあさんの語り口は、とても丁寧だが、英国流なのか?
    人はいつか死んでしまうが、魂は残る。心の中に。

    • だいさん
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/0e3a47d8-0b9e-409e-9599-...
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/0e3a47d8-0b9e-409e-9599-2c36a2456332
      2014/04/10
  • 本を開くまで、私は西の魔女さんの事は知らなかった。
    (亡くなりました。)
    訃報を聞いて、
    今、彼女の元へ向かっているのは、
    以前登校拒否になった際に、彼女の元で世話になった孫のまいちゃんとお母さん。

    まいちゃんが
    魔女さん(おばあちゃん)の家で暮らしていた
    二年前の出来事をひとつ、またひとつと思い出すごとに
    過ぎ去った日々は蘇ってくる。

    自然と共に生きる豊かな感性を持った女性であった
    魔女さんのシルエットは、
    私の憧れの人、絵本作家のターシャ・チューダーさんに完全に重なってしまった。

    晩年、体が思う様に動かなくなり、大好きな庭仕事ができない様になっても
    「死ぬ事はねぇ…怖くないのよ♪逆にどんな所か楽しみだわ。だって行った事がないんですもの。」
    なんてほがらかに話していたターシャ。

    その死生観は、魔女さんのソレと重なる。
    死を思う物語は悲しいのが相場だけど、
    何故か優しい光に包まれている。

    そんな印象だった。

  • あまり難しいことばかり考えずに、
    自分を必要以上に追い込まずに、

    ときには、自分に素直に、
    真っ直ぐ見つめることの大切さを、

    この小説を読んで、
    改めて教えてくれた気がします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「真っ直ぐ見つめることの大切さ」
      読もうと思って購入したのに、読めずにいる一冊。最近エッセイ「エストニア紀行」を読んで、梨木香歩の真面目さに...
      「真っ直ぐ見つめることの大切さ」
      読もうと思って購入したのに、読めずにいる一冊。最近エッセイ「エストニア紀行」を読んで、梨木香歩の真面目さに、ますます読めなくなっている。。。
      2013/06/26
  • 中学生の時に読書感想文で書いている子が多くて、流行に乗るのが厭で、ずっと手にしてませんでした。
    ばか、ばか。
    良本。でも、今読むのと、中学生(もしくは小学生高学年)で読むのとでは捉え方も違うし、中学生の自分に変に個性派を気取ってないで読んだ方がいいよ!と助言してあげたいです。

    今初めて、読んで思った事は、死ぬことについてこう考えれたら素敵だなあと思った。
    女の子同士のグループの話も、魔女の修行も、自然のすばらしさも、白クマが北極を選ぶ話も、みんなの生き方の話も、再確認したという感覚。
    でも死について魂が身体から離れて自由になるって考えたことなんてなかった。
    解説にも死が清々しくかかれていると書いてありましたがその通りで、おばあちゃんが死んだという事実が嬉しいのか悲しいのかわからなかったと書かれているくらい死は暗かったり、みんなにあることなのにどこかタブーな扱いをされてきたのに、本当に清々しく書いてある。
    本当に有り難いことに、自分の本当に身近で大切な人を亡くした経験はしたことないですが、大切な人を亡くして辛い思いをしているひとは周りにいる。
    その人に、魂が身体から離れて自由になったんだよ、なんてことは自分の口か慰めみたいで言いたくないですが、その人が本を読むくらいになって、偶然この本を読んで、少しでも気持ちが楽になってくれたらとても嬉しいです。

  • 短い話でしたが、とても心に染み入りました。おばあちゃんとの話でしたが、意外にもイギリス人のおばあちゃん。小説の中にでてくる一つ一つのおばあちゃんの所作、行動が、自分が知り得る限りの古き良きイギリス人のようで素敵だなぁと思いました。

    いじめにより登校拒否になった主人公、魔女の修行として、おばあちゃんの大切にしている生活習慣を教えられながら、徐々に頑なになっている心がほどけていく様子が繊細に描かれている。別れ方がちょっと寂しかったけど、現実的な別れもそんなものかもしれない。いつも別れには後悔がつきものなんではないだろうか。個人的に、おばあちゃんの教え、考えは主人公を差し置いて、自分の心に染み入るものがあった。それにして、おばあちゃんの汚れたガラスへ残したメッセージが素敵。孫への優しい想いがつまっていてウルっときてしまった。

    ちょっと主人公がうらやましかったですねぇ。こんな素敵なおばあちゃん、私も会いたいなぁと思ったら、自分が「いい年齢」であることをすっかり忘れていたことにびっくりした(笑) それだけこの小説にすんなり気持ちが入り込めたのかもしれない。

  • 何回読んだか分からない。
    何人に勧めたか分からない。
    大好きな本。
    空気も匂いも音も色も…全部がハッキリしてきて本の中に入ったみたい。
    もー本当に大好き!!

    • 円軌道の外さん
      miapanさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり遅くなりまし...
      miapanさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり遅くなりましたが
      フォローありがとうございました(^o^)
      (実は多忙のため2年ほどブクログを休んでおりました)

      僕もこの本大好きで、何度も読み返しましたよ。
      本当に好きな本って、何度読んでも飽きることがないし、
      読んだ年齢や、自分が置かれてるそのときの状況によって、
      また違った感動が湧いたりして
      面白いですよね。


      ということで、これからもよろしくお願いします!

      あっ、コメントやいいねポチいただければ
      必ずお返しに伺いますので、
      こちらにもまた気軽に遊びに来てくださればと思います。
      (お返事は仕事の都合によってかなり遅くなったりもしますが、そこは御了承願います…汗)

      ではでは~(^^)
      2018/01/19
  • 2019.10.06 読了
    もっと早くに読んでおけば良かったと後悔。死を描きつつも、感傷に浸り過ぎず、清々しく暖かな気持ちにしてくれる本。大切なのは自分で決め、それをやり遂げる意志の力。

  • 「丁寧に生きる」ことの大切さを、噛みしめるように教えてくれる一冊。

    生きることは精神修行。死は魂の旅立ち。そんな筆者の生死観が、物語のなかに優しく織り込まれている。

    文体が柔らかく、主人公が中学生ということもあり、児童文学としても読むことができると思った。中学生ぐらいの感性豊かな子にオススメしたい。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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