西の魔女が死んだ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 32181
レビュー : 4228
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253329

作品紹介・あらすじ

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

感想・レビュー・書評

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  • 西の魔女と過ごした
    宝物のような短い日々。

    心と体はひと繋ぎであり、心の健康は
    体の健康によって培われ強く輝くことを
    言葉ではなく、ゆるやかに体と心に染み込ませ
    気づかせてくれる。

    眠ること、食べること、作ること、
    育てること、生活のリズムをとること。
    特別なことではなく、基本の大切さや
    心を直感や私情で滞らせることなく
    柔らかに動かすことであらゆる問題を解いていく
    道筋を教えてくれたおばあちゃん。

    大好きな花や草木、鳥たちがいっぱいで、
    風の音が、匂いが、朝露が感じられ、
    まいちゃんのように魔女の優しさに包まれて
    いつの間にか全身がほぐれていく。
    本を開くたび西の魔女からのプレゼントのように
    いつでもここに優しさと光が待っている。
    かけがえのない1冊になりました。

  • タイトルに「死」という言葉がついているし、読み始めると主人公は不登校
    だしで重い話かと思えば、まいとおばあちゃんの毎日が軽やかな文章で綴られている。
    ジャム作りの場面やまいが森のお気に入りの場所を見つける場面など、その場の空気や匂いをともなって風景が浮かぶ。

    最後の「西の魔女からの伝言」に涙があふれる。

    一緒に収録されている後日譚が短いながらも秀逸。

  • 本を開くまで、私は西の魔女さんの事は知らなかった。
    (亡くなりました。)
    訃報を聞いて、
    今、彼女の元へ向かっているのは、
    以前登校拒否になった際に、彼女の元で世話になった孫のまいちゃんとお母さん。

    まいちゃんが
    魔女さん(おばあちゃん)の家で暮らしていた
    二年前の出来事をひとつ、またひとつと思い出すごとに
    過ぎ去った日々は蘇ってくる。

    自然と共に生きる豊かな感性を持った女性であった
    魔女さんのシルエットは、
    私の憧れの人、絵本作家のターシャ・チューダーさんに完全に重なってしまった。

    晩年、体が思う様に動かなくなり、大好きな庭仕事ができない様になっても
    「死ぬ事はねぇ…怖くないのよ♪逆にどんな所か楽しみだわ。だって行った事がないんですもの。」
    なんてほがらかに話していたターシャ。

    その死生観は、魔女さんのソレと重なる。
    死を思う物語は悲しいのが相場だけど、
    何故か優しい光に包まれている。

    そんな印象だった。

  • 話の中には自然が生きていると感じた。子供のころには、こんな風景があったなぁ。
    自分の気持ちをコントロールする、規則正しい生活をする、大人でもなかなかできない。
    子供の時に、この本に出会っていたら、自分の人生も変わっていたかもしれない。
    ばあさんの語り口は、とても丁寧だが、英国流なのか?
    人はいつか死んでしまうが、魂は残る。心の中に。

    • だいさん
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/0e3a47d8-0b9e-409e-9599-...
      https://www.evernote.com/shard/s37/nl/4075866/0e3a47d8-0b9e-409e-9599-2c36a2456332
      2014/04/10
  • あまり難しいことばかり考えずに、
    自分を必要以上に追い込まずに、

    ときには、自分に素直に、
    真っ直ぐ見つめることの大切さを、

    この小説を読んで、
    改めて教えてくれた気がします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「真っ直ぐ見つめることの大切さ」
      読もうと思って購入したのに、読めずにいる一冊。最近エッセイ「エストニア紀行」を読んで、梨木香歩の真面目さに...
      「真っ直ぐ見つめることの大切さ」
      読もうと思って購入したのに、読めずにいる一冊。最近エッセイ「エストニア紀行」を読んで、梨木香歩の真面目さに、ますます読めなくなっている。。。
      2013/06/26
  • 中学生の時に読書感想文で書いている子が多くて、流行に乗るのが厭で、ずっと手にしてませんでした。
    ばか、ばか。
    良本。でも、今読むのと、中学生(もしくは小学生高学年)で読むのとでは捉え方も違うし、中学生の自分に変に個性派を気取ってないで読んだ方がいいよ!と助言してあげたいです。

    今初めて、読んで思った事は、死ぬことについてこう考えれたら素敵だなあと思った。
    女の子同士のグループの話も、魔女の修行も、自然のすばらしさも、白クマが北極を選ぶ話も、みんなの生き方の話も、再確認したという感覚。
    でも死について魂が身体から離れて自由になるって考えたことなんてなかった。
    解説にも死が清々しくかかれていると書いてありましたがその通りで、おばあちゃんが死んだという事実が嬉しいのか悲しいのかわからなかったと書かれているくらい死は暗かったり、みんなにあることなのにどこかタブーな扱いをされてきたのに、本当に清々しく書いてある。
    本当に有り難いことに、自分の本当に身近で大切な人を亡くした経験はしたことないですが、大切な人を亡くして辛い思いをしているひとは周りにいる。
    その人に、魂が身体から離れて自由になったんだよ、なんてことは自分の口か慰めみたいで言いたくないですが、その人が本を読むくらいになって、偶然この本を読んで、少しでも気持ちが楽になってくれたらとても嬉しいです。

  • 何回読んだか分からない。
    何人に勧めたか分からない。
    大好きな本。
    空気も匂いも音も色も…全部がハッキリしてきて本の中に入ったみたい。
    もー本当に大好き!!

    • 円軌道の外さん
      miapanさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり遅くなりまし...
      miapanさん、はじめまして!
      関西出身で東京在住、
      読書は勿論、映画と音楽と猫には目がない元プロボクサーです。
      かなり遅くなりましたが
      フォローありがとうございました(^o^)
      (実は多忙のため2年ほどブクログを休んでおりました)

      僕もこの本大好きで、何度も読み返しましたよ。
      本当に好きな本って、何度読んでも飽きることがないし、
      読んだ年齢や、自分が置かれてるそのときの状況によって、
      また違った感動が湧いたりして
      面白いですよね。


      ということで、これからもよろしくお願いします!

      あっ、コメントやいいねポチいただければ
      必ずお返しに伺いますので、
      こちらにもまた気軽に遊びに来てくださればと思います。
      (お返事は仕事の都合によってかなり遅くなったりもしますが、そこは御了承願います…汗)

      ではでは~(^^)
      2018/01/19
  • 2002年1月19日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    最近、本屋に行くと、密かに気になる本があった。
    いや、本そのものじゃなくて、「現在取り寄せ中」の文字が気になった。
    それがこの本、『西の魔女が死んだ』である。
    たまたま入った本屋に1冊だけポツンと置いてあったので早速購入。
    内容は登校拒否にかかってしまった少女と祖母の交流を描いた物語である。
    ただしそこで終わりではない、もう1つ、おばあちゃんは「魔女」なのだ。
    優しくて料理上手で、よく気が利いて、さらに正しくて強い。
    多感な時期であるまいがどうしても昂ぶった感情を抑えきれずにいても、
    おばあちゃんは落ち着いて、丁寧な言葉でまいに語りかける。
    子ども扱いではない、でも無理に背伸びをさせることもない話し方。
    そんな2人の関係を見ていて、ふと思い出すのは私と祖母の関係。
    私の祖母はもちろん魔女であるはずはないけれど(やたら観察力はあるが)、
    私が幼い頃に感情をコントロールできないでいると、いつも助けてくれた。
    お互いにもっと言葉が荒かったし、たまに喧嘩腰になったりもしたけれど、
    大抵、祖母の言葉は私の心を和ませ、感情を静めてくれたものだった。

    まいは言う、「おばあちゃん、大好き」と。
    おばあちゃんが答える、「アイ・ノウ」と。

    「アイ・ノウ」、全てを包み込んでなお余りある良い言葉だとつくづく思った。

  • 再読。レビュー書いてなかったので。

    おばあちゃんという存在は、皆、どこか魔女的な資質を備えていると思う。
    語り口の魅力であったり。
    誰も知らない知識の保有であったり。

    主人公まいは、『思い出のマーニー』でいう、素直なアンナである。
    今の世界を塞ぎ、別の世界を開拓することで、二人は成長していく。

    二人に共通して言えるのは「いつかは元の世界に戻らないといけない」という思い。
    これって、どんなファンタジーでもお決まりのように出て来るエンディングだけど、そういうお決まりを胸に抱いて逃避するまいは、ある意味で現実的である。

    生きることと死ぬことへの向き合い方は、人生をどこまで、どのように進んできたかで変わってくるのだと思う。

    まいにとって、父母では足りなかった答えを、おばあちゃんは秘めていた。
    それは、家族という形にとって、本当は必要なことなのかもしれない。

    作品の整い方として、これはもう名作。
    ラスト3ページの、えもいえぬ感動をこの分量の本で感じさせるとは、梨木香歩、すごすぎる。

  • 魔女の条件が「自分で決めること」ならば、誰もが魔女修行をしないといけないと思った。周囲に惑わされず、自分の心に耳を澄まし、自分の幸福を探すこと。何でもアリなようで、やっぱり右へ倣えが幅をきかせる今の時代には、もっと魔女力が必要なのかも。おばあちゃんの宇宙のような大きな愛に涙。

    表紙絵を担当した方が書いた解説は、おばあちゃんが送るロハスな生き方に着目し、それを推奨していたけれど、私的には「自分の人生に起きることはみな自分で選んだことなのだ」、というスピリチュアルなメッセージが印象深かった。ロンダ・バーンの「ザ・シークレット」の「引き寄せの法則」を思い出した。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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