りかさん (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 487
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253343

感想・レビュー・書評

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  • りかちゃん人形を頼んだら、やってきたのは市松人形のりかさんだった…
    年寄りに物をねだる時には気をつけないとね☆

    という教訓話ではないです(苦笑)

    新しいものがすべて素晴らしいわけではなく、古臭いものはすべて面倒なのではなく、すべては受け取る側次第。
    過去の辛いものも飲み込んで、人形たちは今日も少女たちを見守ってくれているのです。

    市松人形、実はちょっと苦手だったけど、りかさんだったらいいかもと思ってみたり。

  • 「ようこはねえ、おばあちゃん、『リカちゃん』がほしいの」
    「なんだえ、それは」
    「お人形よ、おばあちゃん、知らないの」

    送られてきたのは、真っ黒の髪の市松人形だった。
    ほっそりした『リカちゃん』の倍近くある。

    なんでこんなことに…
    と、悲しみに暮れるようこだったけれど、
    この市松人形『りかさん』は、ようこにとってとても大切なものとなった。

    なぜならその人形には、 “特別な秘密” があったのだから…。


    これは前作、『からくりからくさ』の容子の幼いころを描いた作品で、
    今作『りかさん』とは別な作品だけれど、互いにストーリーを補完しあっていたりするので、両方読んでみると深みが出ていっそう楽しめます。

    『からくりからくさ』の “容子” は大人になって、ストーリーも少し現実的に出来ているのですが、
    『りかさん』の “ようこちゃん” を取り巻く今回の作品は、少女らしい少しファンタジックな世界観に出来上がっています。

    幼い “ようこちゃん” が『りかさん』に出会い、数々の不思議と対面し、想いに触れ、心を揺らしながら、どのように『からくりからくさ』の “容子” へと成長してきたのか、その過程も見えてきて面白いですね。

    描き下ろしの『ミケルの庭』は、さらに『からくりからくさ』の後日譚。
    これがまた、すごくよかったです。

    • まろんさん
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      祖母が立派な雛人形を買ってくれると言ったとき大泣きしたくらい、
      ...
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      祖母が立派な雛人形を買ってくれると言ったとき大泣きしたくらい、
      日本人形が怖くてたまらなかった私ですが、りかさんだったら
      迷わずほしい!と思ってしまった物語でした。
      『ミケルの庭』で垣間見える、大人になった容子の暮らしもとても素敵で、
      りかさんとのあの日々があってこその成長ぶりだなぁ、と微笑ましくなりました。

      xxxshuxxxさんは、音大生でいらして、猫好きで
      乙一さん、宮部みゆきさん、梨木香歩さん。。。と
      好きな作家さんもずいぶん重なっていて
      本棚を拝見して、うれしくなってしまいました。

      丁寧なレビューも楽しみにしていますので、
      今後ともどうぞよろしくお願いします(*^_^*)
      2013/01/13
  • 梨木さんの新刊を読んで、久しぶりに読みたくなって手にする。
    「澄んだ差別」と「濁った差別」という言葉が、今回は心に残った。
    ここひと月半の私は、自分の思いにとらわれすぎて、なんだか頑なにというか固執しすぎているなと思った。自分で自分をがんじがらめにして、自分の首をしめていたんだなということにふと思い至る。正当だと思っていたけれど、「濁った差別」だと思う。水には流せないけれど、そういうものなのだと心しておけばいいだけのこと。「澄んだ差別」に変えたい。
    「澄んだ差別」で物事を見ていくためには、心のゆとり、ふくよかさが欠かせないのだと思う。そんなことをぐるぐる考えながらの読書となりました。

    そして、アビゲイルの話ももう一度、心に留めておこうと思う。

    さまざまな出会いは、必然なのだろうなぁ。たとえ偶然でも。ようこが染色の道に進むのも、マーガレットに出会うのも。『からくりからくさ』をより楽しみたいときは、この本もあわせておススメしたい。

  • 巻末の解説に、小林すみ江さんという人が
    「ページを閉じて心に残ったのは、おいしい薄荷(はっか)のお菓子を食べたあとのようなみちたりた清涼感でした。」
    と感想を書かれていますが、本当にそのとおりだと思いました。
    たとえば「銀じいさん」とは何者なのか?とか、説明のない箇所がたくさん出てきて、そのままお話が進んで終わってしまったりするのですが、なんだかそのことも、「知りたいけど、梨木さんが説明しなくても良いと考えたのなら、それはそれで良いのだ」と思える、なんというか、すべてが腑に落ちるというか、そういう細かいことよりも、もっと大きなテーマを感じるだけで充分幸せになれる本でした。
    この本を読んで一層、梨木さんのことが好きになりました。
    ハードカバーは読んでいないので、どうなのかわかりませんが、私が読んだ文庫版のほうでは、本編のあと、「ミケルの庭」という短編が書き下ろしで収録されています。
    これは、「りかさん」の続編の「からくりからくさ」の、さらに続編に当たるお話なので、好きな方は是非読んで欲しいと思います。
    (「銀じいさん」やそれ以外のことは、続編の「からくりからくさ」で解明され、それがまた嬉しかったです。)

  • 「りかさん」「ミケルの庭」の二編が収められた一冊。しかし実は、「りかさん」の続きにあたるストーリーは別の一冊「からくりからくさ」であり、「ミケルの庭」はさらにその続編にあたる、エピローグのような作りになっている。百年ちょっとの時間軸と、そこに登場する人々の網の目のような「縁」。だんだん一枚の絵が出来上がっていくような展開にすっかり引きこまれて、ひと息に読んでしまった。
    この本を紹介するのに、祖母からもらった「りかさん」という人形との会話を通じて、主人公の少女、ようこが成長していく話、というだけではあまりにも物足りない。人形や植物、自然界の「声」や気配のようなものを感じ取ろうとする中でようこが出会っていくのは、戦時中に処刑とも言えるような残酷な仕打ちを受けたアメリカ生まれの人形の思いや、老いて朽ちていこうとする老木の悲鳴であったりするからだ。同時に、ようこの祖母と両親との間にあった過去の出来事も徐々に明らかになっていく。
    人間の、愚かで偏った考え方や、たった一歩、歩み寄ることができずに長年すれ違ってしまうことを止められない弱さ。そうしたものを糾弾するのではなく、静かに見つめるような筆者の視点はどこまでもく、なおかつ、繊細で優しい。
    「からくりからくさ」でさらに劇的な展開を見せるストーリーも、次の「ミケルの庭」で軟着陸、といった印象。独立して読んでも十分に面白いが、この二作は続けて読む方がより味わい深いかもしれない。

  •   もともと児童書として世に出された本ですが、この本を、本当に読んだと思えるようになるまでには、ずいぶんと人生を積む必要がるように思います。
    何歳になっても、読み返すたびに新しい発見のある作品と思っています。

  • 購入がてら再読。梨木香歩に最初に触れた作品なのでなんだか帰ってきた感じがしました。懐かしい。
    人形がしゃべるというファンタジーにありながら、主題に入り組む戦争や死など、重いテーマの描き方、触れ方の真摯さにはっとさせられます。りかさんやおばあちゃんの、主人公の少女への向かい方(接し方)がすごく好きだ。温かい。
    りかさんの続編であるからくりからくさの更に後日談?という「ミケルの庭」が収録されていましたが、単品でも読みやすかったです。
    自分の過去の恋人の幼児にインフルエンザを移し、殺しかけてしまった自分への呵責とかすごいな。よく描ける。さすがです。一歳半の幼児が見る「あれ」、つまり神様という締め方の綺麗さと言ったら。梨木香歩作品大好きです。

  • 本当に不思議な話だった。子供のころ人形を愛しいと思っていた感覚がよみがえった。すごく素敵な話。

  • 読みたかった1冊
    これでやっとりかさんの話が繋がった
    りかさん読んで、からくりからくさ読んでからミケルを読むといいかも

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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