りかさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4424
レビュー : 487
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253343

感想・レビュー・書評

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  • 「リカちゃん人形が欲しい!」とおばあちゃんにお願いしたようこのところに届いたのは市松人形の「りかさん」。
    りかさんがやって来たことでようこの毎日はガラリと変わる。
    人形の存在のなんて大きなこと。
    今まで見えていなかったものが見えるということ。
    人形がみせる数々のこと。楽しいこと。悲しい出来事。
    不思議なことだけではなくて、いつも通る道、友達のお家が急に鮮やかになるような。
    「西の魔女」と梨木香歩さんの本は2冊目だけど、どちらもおばあちゃんが魅力的。主人公の未来を照らすような言葉をたくさんくれる人。
    甘いだけでなく、厳しいことも与える人。
    孫をペット扱いしてない、ちゃんと人と人との付き合いをしている、そんなおばあちゃん。
    こんな風に歳をとれたらいいな。

    「そりゃ、おまえ、価値観の同じ人と結婚したって、修行にはならないじゃないか」

    「澄んだ差別をして、ものごとに区別をつけて行かなければならないよ」
    「自分の濁りを押しつけない。それからどんな【差】や違いでもなんて、かわいい、ってまず思うのさ」

    文庫用書き下ろしの短編「ミケルの庭」は衝撃的。うちは大病しないで来たけれどその描写に心が凍える。
    「からくりからくさ」を読んで改めて読んでみたい。

  • 人形とお話できたら、という素朴な発想から、ここまで響く小説ができるとは。やっぱり作家はすごいな。

  • ものには心が宿っているという感覚、小さい時には確かにあったなー。古い記憶を宿しながら存在し続ける人形はロマンでありホラーであり。有限の命を持たないかわりに、自らは変化出来ない頑なさと純粋さが哀れで愛おしいなと思った。
    そしておばあちゃんが深すぎる。アクは哀しいもの。

  • 2014 4/6

  • 購入がてら再読。梨木香歩に最初に触れた作品なのでなんだか帰ってきた感じがしました。懐かしい。
    人形がしゃべるというファンタジーにありながら、主題に入り組む戦争や死など、重いテーマの描き方、触れ方の真摯さにはっとさせられます。りかさんやおばあちゃんの、主人公の少女への向かい方(接し方)がすごく好きだ。温かい。
    りかさんの続編であるからくりからくさの更に後日談?という「ミケルの庭」が収録されていましたが、単品でも読みやすかったです。
    自分の過去の恋人の幼児にインフルエンザを移し、殺しかけてしまった自分への呵責とかすごいな。よく描ける。さすがです。一歳半の幼児が見る「あれ」、つまり神様という締め方の綺麗さと言ったら。梨木香歩作品大好きです。

  • 読み終わったあと、押し入れから好きだったぬいぐるみを引っ張り出してきた。

  • からくりからくさの前半の感じが結構好きだったんだけど、それの前後譚って感じかな。両方ともちょっと本編とは感じが違う。りかさんの方は結構好きな感じだったけどミケルの方は怖いかな。

  • リカちゃん人形をねだったようこにおばあちゃんが贈ってくれたのは、なんと市松人形の「りかさん」だった。

    おもしろいけど、この作者独特のとっちらかった表現のためにやや本筋を追うのに混乱する気がする。

    おばあちゃんの言葉には含蓄があるなぁ、と感じます。

    小さい頃、お人形遊びをしなかった女の人は癇が強いみたいなの。

  • 「からくりからくさ」に繋がる話。りかさんがいると、そこからふわりと優しい空気が広がっていく。それはりかさんが持ち主から大事に扱われてきたいいお人形だから。いいお人形は、吸い取り紙のように、感情の濁りの部分だけを吸い取っていく。大人になった蓉子の、他人や生き物全てを包み込む優しさは、りかさんと一緒に過ごしていたから身についたのだな。文庫書き下ろしの「ミケルの庭」は初読み。マーガレットの赤ちゃん・ミケルが危篤状態になる。自分の風邪がうつったからだと後悔する紀久にかける蓉子の言葉がほんとに温かい。

  • 少し不気味で温かいお話。
    人に対して、ものに対して、丁寧に向き合っている人は素敵だな。

著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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