りかさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4438
レビュー : 487
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253343

感想・レビュー・書評

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  • 「リカちゃん人形が欲しい!」とおばあちゃんにお願いしたようこのところに届いたのは市松人形の「りかさん」。
    りかさんがやって来たことでようこの毎日はガラリと変わる。
    人形の存在のなんて大きなこと。
    今まで見えていなかったものが見えるということ。
    人形がみせる数々のこと。楽しいこと。悲しい出来事。
    不思議なことだけではなくて、いつも通る道、友達のお家が急に鮮やかになるような。
    「西の魔女」と梨木香歩さんの本は2冊目だけど、どちらもおばあちゃんが魅力的。主人公の未来を照らすような言葉をたくさんくれる人。
    甘いだけでなく、厳しいことも与える人。
    孫をペット扱いしてない、ちゃんと人と人との付き合いをしている、そんなおばあちゃん。
    こんな風に歳をとれたらいいな。

    「そりゃ、おまえ、価値観の同じ人と結婚したって、修行にはならないじゃないか」

    「澄んだ差別をして、ものごとに区別をつけて行かなければならないよ」
    「自分の濁りを押しつけない。それからどんな【差】や違いでもなんて、かわいい、ってまず思うのさ」

    文庫用書き下ろしの短編「ミケルの庭」は衝撃的。うちは大病しないで来たけれどその描写に心が凍える。
    「からくりからくさ」を読んで改めて読んでみたい。

  • 人形とお話できたら、という素朴な発想から、ここまで響く小説ができるとは。やっぱり作家はすごいな。

  • ものには心が宿っているという感覚、小さい時には確かにあったなー。古い記憶を宿しながら存在し続ける人形はロマンでありホラーであり。有限の命を持たないかわりに、自らは変化出来ない頑なさと純粋さが哀れで愛おしいなと思った。
    そしておばあちゃんが深すぎる。アクは哀しいもの。

  • 2014 4/6

  • 購入がてら再読。梨木香歩に最初に触れた作品なのでなんだか帰ってきた感じがしました。懐かしい。
    人形がしゃべるというファンタジーにありながら、主題に入り組む戦争や死など、重いテーマの描き方、触れ方の真摯さにはっとさせられます。りかさんやおばあちゃんの、主人公の少女への向かい方(接し方)がすごく好きだ。温かい。
    りかさんの続編であるからくりからくさの更に後日談?という「ミケルの庭」が収録されていましたが、単品でも読みやすかったです。
    自分の過去の恋人の幼児にインフルエンザを移し、殺しかけてしまった自分への呵責とかすごいな。よく描ける。さすがです。一歳半の幼児が見る「あれ」、つまり神様という締め方の綺麗さと言ったら。梨木香歩作品大好きです。

  • 読み終わったあと、押し入れから好きだったぬいぐるみを引っ張り出してきた。

  • からくりからくさの前半の感じが結構好きだったんだけど、それの前後譚って感じかな。両方ともちょっと本編とは感じが違う。りかさんの方は結構好きな感じだったけどミケルの方は怖いかな。

  • リカちゃん人形をねだったようこにおばあちゃんが贈ってくれたのは、なんと市松人形の「りかさん」だった。

    おもしろいけど、この作者独特のとっちらかった表現のためにやや本筋を追うのに混乱する気がする。

    おばあちゃんの言葉には含蓄があるなぁ、と感じます。

    小さい頃、お人形遊びをしなかった女の人は癇が強いみたいなの。

  • 「からくりからくさ」に繋がる話。りかさんがいると、そこからふわりと優しい空気が広がっていく。それはりかさんが持ち主から大事に扱われてきたいいお人形だから。いいお人形は、吸い取り紙のように、感情の濁りの部分だけを吸い取っていく。大人になった蓉子の、他人や生き物全てを包み込む優しさは、りかさんと一緒に過ごしていたから身についたのだな。文庫書き下ろしの「ミケルの庭」は初読み。マーガレットの赤ちゃん・ミケルが危篤状態になる。自分の風邪がうつったからだと後悔する紀久にかける蓉子の言葉がほんとに温かい。

  • 少し不気味で温かいお話。
    人に対して、ものに対して、丁寧に向き合っている人は素敵だな。

  • お雛祭りにおばあちゃんから贈られてきたのは市松人形の「りか」。ようこが欲しかったリカちゃん人形とは全く違うものであったが、りかさんは人形や人と心を通わすことの出来る人形だった。りかさんと古い人形達・人形の持ち主の想いの声を聞き、おばあちゃんやりかさんに助けられながらようこは成長していく。□梨木さんのお話は2冊目なのですが心の奥の柔らかな部分に触れてくる感じが好きです。これは余談ですが、今年も娘が火事になる!行き遅れる!とお雛様の出し入れを手伝ってくれました。これからもお人形さんとこんな娘との時間を大切にしていきたいです。このお話を読んでしみじみ思いました。

  • 純真で聡明な主人公のようこが、人形のりかさんやおばあさんという良い触媒を通じて世間の良し悪しを捉えながら健やかに成長していくところが清々しい。人間の根本的な性格は幼少期に形作られるのかなぁ、と漠然と思う。
    人形って年季や愛情を含み続けることで本当に何かが宿って行く気がしてきますね。

    短編の方は、苦悩する紀久の心理描写にセンスを感じるし、ミゲルの赤ちゃん目線が楽しいですね。ミゲルが危ない場面では先がとても気掛かりで、読む気持ちがはやった。

  • 12年ほど前に新刊で買った1冊。
    ここから読書熱再び、現在に至る思い出の本です。
    人形モチーフのファンタジーとして当時は楽しめたものの、その後読了した『からくりからくさ』等、一連の梨木作品が息苦しかったことを思い出しました。
    本日、なぜか本棚に手が伸び、そのまま再読了。
    女性特有の空気感がとてもとても苦手で、読むタイミングも良くなかったのか、気分が悪くなるほど(^^;;
    この本は私にとって、内容と同じく因縁めいていますσ(^-^;)
    マイベストはやはり『家守綺譚』あたりかな。

  • 再読3回目。

  • 人形には本当に魂がやどるのかも・・・。

  • からくりからくさの前と後のお話
    ミケルの話はヤな感じにどきどき(´`:)

  • 人形が主人公なみに活躍した話だったけど、のんか人形物ってやっぱり怖い。
    ほのぼのとか感動とかとは、程遠い感じでした。

  • リカちゃん人形(洋風)が欲しいといったら、おばあちゃんがりかさん人形(和風)をくれました……というお話。

    子供のころ持っていた人形のことをふと、思い出してしまう。

  • 素敵なお話。

    不思議だし、
    現実ではありえないだろうけど、
    ただのおとぎ話じゃない。
    ただのファンタジーじゃない。

    限りなく現実に近い世界。

    そんな空気が梨木香歩さんの本にはある。

    もしかしたら、
    自分の周りでも起きてるような、
    そんな気さえする。

    おばあちゃんから送られてきた、りかさん。
    本当はりかちゃん人形が欲しかったはずなのに、
    りかさんとふれ合っていくうちに、
    かけがえのない存在になる。

    気持ちを理解したい。
    辿ってきた歴史を理解したい。

    りかさんを通して、
    たくさんのもの達と向かい合い
    成長していくようこ。


    なんか最後はよくわかんなかったけど。。

  • からくりからくさを読んでとても気になり読んだ一冊
    日本人形は苦手

  • ようこが人形の想いや悩みをりかさん(人形)やおばあちゃんと解決していく和風ファンタジー.

    【あらすじ】
    リカちゃん人形をねだるが,おばあちゃんの聞き間違いから,古くからおばあちゃんの家にある市松人形のりかさんがプレゼントされる.
    実は,りかさんは人と意思疎通のできる人形.りかさんを通して,ようこは自宅の雛人形や友人宅の人形の心に触れ,人形の悩みをおばあちゃんと一緒に解決していく.

    【感想】
    ようこが子供なりに一生懸命問題を解決しているところや理解しようとしているところが微笑ましい.
    ジブリタッチのアニメーションで見てみたい.

  • 『からくりかさくさ』の番外編というか、その主人公のひとりの幼少時のお話。個人的に『からくり~』があんまり好きじゃなかったのでどうかと思いつつ読んだら、これは結構面白かった。この作者は、やっぱり子供視点の物語のほうが面白いように思います。りかさん、というのは主人公が祖母から貰った喋れる(?)お人形。単純に、自分が子供の頃大事にしていた人形のこととか思い出して、女の子なら誰でもあるんじゃないかなあというシンプルなノスタルジーに浸りました。

  • からくりからくさ、を読む前に。梨木香歩さんの作品大好きなんですが、読んでない作品が多いことに気づきいろいろと手にとってます。

    ようこの周りはみんなリカちゃん人形を持っている。おばあちゃんに何がほしい? と問われたときに、リカちゃん人形がほしいとようこはこたえた。念願のリカちゃん人形が手に入ると喜びを隠しきれなかったようこのもとに届いたのは、おかっぱ頭の古い人形、りかさんだった。
    この辺からもう面白い。梨木香歩さんの描くおばあちゃんってなんでこんなに素敵なんだろう。

  •  祖母がようこに雛祭りに何がほしいかと訊く。リカちゃんと答えた主人公に贈られたのは、市松人形のりかさんだった。
     祖母は手紙を添えていた。りかが縁あってようこに貰われるということ。元の持ち主の祖母を含む今までの持ち主たちがりかを大事に慈しんできたから、とてもいいお人形だということ。ようこにも、りかを幸せにしてあげる責任があるということ――が書かれていた。人形の扱い方についても細かな指示があった。
     加えて人形論を説くことで祖母は、本来はようこにとって自由なはずの人形遊びを規定してしまう。そして、鎮魂の役目まで背負わせるというわけだ。ようこは、寺とか修道院に入れられた昔の子供みたいにも思えてくる。祖母は、『西の魔女は死んだ』に出てくる祖母よりはるかに魔女臭を放っている。

  • 何だかちょっと怖くて、不思議な本でした。
    日本人形のりかさんがしゃべり出したらゾッする。

    雛壇の人形
    幽霊
    座敷わらし

    などが出てくる。
    読んでる最中に次第になるほど~~のこともあり面白かった。

    この本のおかげで二日間電気付けっぱで寝た (笑)

  • リカちゃん人形を欲しがった女の子に、おばあちゃんから贈られたのは、
    何の間違いか、市松人形のりかさん。
    そのりかさんに導かれるように、人形の世界を知っていく女の子のお話です。

    なぜ人形というものを、薄気味悪い、と感じてしまうのか、
    それが少しわかるようなお話ですが、
    特にホラーというわけでもなく、どちらかと言えば大事なことを教えてもらったような気持ちになります。

    梨木さんの作品の多くは、植物とおばあちゃんが、
    大切なことを教えてくれる存在になっていますね。

    この「りかさん」の続きが「からくりからくさ」で、
    その後日談が「ミケルの庭」になるのでしょうか。

    ミケルの庭では、頭で考えることと、気持ちとは、
    どうしたって一致しないのだということが、描かれているようです。

  • 古くからある家のお人形達と子供と、祖母とのやりとりがちょっと不思議で可愛い。

    どっかで読んだ事あると思ったら、中3の時の模試に文章があったわ。たぶんその時(6年以上前)からの積読。

    きっと当時だったら好奇心半分、薄気味悪さ半分で表面上の話だけを読んでたんだろうなーと思いました。

    今の時代に本当に、こういう事を純粋に受け入れて上手く過ごせる子供がいてほしい。

  • 久しぶりの小説(*^^*)♪『西の魔女が死んだ』の梨木香歩さんの作品♪人形の世界がおもしろく描かれていました♪人形の過去の経験を知り、傷を癒すという部分が、人間にとっても大切なことをあらわしているなぁと感じました★

  • 「からくりからくさ」の前身となるような話。りかさんと出会ったころの話。
    いろんな人形が出てきて、それぞれが悲しくつらい思い出を持っている。戦争の頃の、青い眼のお人形。戦争って本当にろくなもんではないなあ、と思う。

  • こちらも好きな物語。
    でも本当は、人形はこわくて苦手です。

    おばあちゃんや、りかさんの主人公への接し方が、とても素敵。こんな大人がまわりにいれば、きっときちんと年齢を重ねることができる。
    人形のこと、染めのこと、いろんなことが知れて興味深い。
    アメリカから渡った戦時中のお人形、アビゲイルのことは、胸が痛くなります。

著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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りかさん 単行本 りかさん 梨木香歩

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