家守綺譚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 926
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253374

感想・レビュー・書評

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  • あ、いいな。すごくいい。
    文章がどうのとか内容がどうのとかじゃなく、すっとその世界に引き込んでくれて包み込んでくれる、そういう話。まあもちろん、自然に囲まれて摩訶不思議も体験しつつ自然の一部として静かに暮らすっていう生活に、そもそも私自身が憧れてるから、ってのもありますけどね。
    いいなー、こういう生活。
    10/22/2012

  • 目次はすべて植物の名前で、その植物たちが時に人間臭く、時に人ならぬ妖しさを持って登場する掌編の連作。百年ほど前の首都圏ではない土地が舞台として設定されていることもあって、暮らしぶりや住環境は清くのどかだ。「野分」や「啓蟄」といった、現代ではなかなか実感しにくくなった季節の言葉がここでは当たり前のように息づいていた。人に化ける狐狸・植物、異世界との交わりも実に滑らかに描かれている。主人公と早世した友人との彼岸此岸の別のない交流はその最たるものだ。この友人、高堂は床の間の掛け軸の中からボートを漕いで現れる。主人公は最初こそ驚くものの、彼の来訪をあっさりと受容する。彼らの会話は友人同士の気安さに裏付けられながらも深い趣がある。連作最後の「葡萄」における夢現のやり取りは胸に染み入るものがあった。本書は春に始まり春に終わる、季節を巡る物語でもある。主人公の視点や行動は咲き誇る花も艶めく庭木も幽玄たる山の風景も網羅する。芽吹きの勢いや虫の声の涼やかさ、風の色や雪の音が自ずと紙の上からたちのぼってくる。結末へ向かって静かに収斂してゆく展開の見事さに加え、四季の移ろいも十二分に味わいながら読み終えた。

  • やさぐれた気持ちの時に読む本です。
    濡れた靴下を乾いたウールの靴下に履き替えたような
    穏やかな心持ちが戻ってきます。

  • いつも傍にあってほしい本
    一生手放したくない本
    本棚の一番目がつくところに飾っておきたい本

  • 日常に、不思議なものたちがやってくる。彼らは素朴で、しかし色濃く、落ち葉のような儚さをもち、そして愛おしい。やさしく流れるようなやさしい日本語と、あっけらかんとした世界観。ありえない出来事をも日常のなんとない風景にしてしまうその風情が、うまい水のごとくすっと喉を流れ、浸みわたる。

  • 近代ファンタジー。和風の妖怪系。縁あって知人の家の家守になった綿貫と、その周りの人々や、周りで起こる不思議な出来事を書いた短編集。話のタイトルが植物で統一されていて、タイトルに使われた植物は何らかの形で話中に出てくるのが印象的。
    独特な空気感のある文章で、淡白で何でも受け入れてしまう綿貫の人柄がでているような感じがした。綿貫と高堂の間柄も気になるが、要所で出てくるサルスベリとの間柄も気になる。続編があるようだから、覚えていたらそのうち読んでみたい。

  • 地理感が乏しい私は明確に記されていない限り、ほぼ物語と舞台となる土地に気づくのが遅い。
    本作も、
    「あ、これ湖って、琵琶湖やん」
    と様々な地名が出てきてから認識した。

    疏水って何回出てきてるねん…

    琵琶湖疏水遊歩道なんかを歩けば私も小鬼を見かけたり出来るようになるんだろうか。

    あ、でも、どうしようもなく手入れするのが難しくなってしまった我が家を圧迫し続けたサルスベリに一か月ほど前にさようならした。

    恨み辛みが聴こえてきたら凹んでしまいそうなので、もうちょっとしてから歩きに行く事にしよう。

  • 本から
    雨や林の香りがしてくるように感じました。

    不思議な「お隣さん」から
    不思議な話を茶飲話で聞かされてる感覚です。

    重たく長い物語を読んでる途中で楽しむ小噺のような
    箸休めのような一冊だと思います。


  • 文章で読ませるって感じのなかなかステキな物語。昭和戦前の京都滋賀あたりの物語。

  • この空気間、間合い。。。
    もっとも好きな作品と言っても過言ではない。
    みずみずしい作品です。
    村田エフェンディ滞土記に続く。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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