家守綺譚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 6273
レビュー : 926
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253374

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めたばかりだけど 大好きな1冊になる予感❗️
    非日常のありえない話なのに 「もしかして 私の知らないところでこういう事がおきてるのではないか?」と思わせる
    不思議な話を 大袈裟でない文章で 淡々と綴ってる感じが好きです
    ゆっくり大事に読もう

  • サルスベリのふさふさとした豪華な花房を見るたびに思い出す本です。
    淡々としているようでも、若さを隠しきれないところがある主人公の好ましさが素敵。

  • 奇麗なお話だな~ というのが読み終わった感想
    私がこれまで読んだ小説とはあまりに違うテイストなので
    正直読み進めるのが結構つらかった。
    作品が悪いのではなく、作者さんが持ってる世界とそのリズムが
    自分の中に無かったものなので。
    一度読み終えたわけだが、まだ消化しきれてない感じがする。
    もう二度三度、繰り返すことが必要かな。

  • どうしても、歳とともに、読む本の振れ幅も放っておくと狭くなって来るなあ、と思っていました。
    基本、物語小説本が好きなんですけど、ノンフィクションも読みたいなあ、読んだことのない人の本を読みたいなあ、と思うのですが。
    本屋さんに行くにせよ、ネットで買うにせよ、どうしても「あ、この人の新刊が」「この本、読みたいと思って読んでない」と、安全牌や心の中の「積読」消化に流れてしまうんですよね。
    それはそれで良いのだけど、ちょっと物足りない。
    という気持ちもあって、あとは何よりたまたまなご縁があって、お友達と「ゆるい読書会」を始めたばかりのところです。
    互いに「推薦図書」を1冊、あるいは2~3冊出して、その中で1冊決める。3人なら3冊になります。その内1冊は自分が推薦しているから、未読は2冊。
    それを、2か月くらいとか、ゆるく期間を決めて読んでおく。
    そして、不定期に都合の合うとき、2か月に1度でも3か月に1度でも、「読んだ本について語り合う」ことをゆるい口実にして集まって、ゆるく食べたり飲んだりする。
    まあ、あまり読みにくいもの、専門的なもの、そして何より長いものは互いになるたけ遠慮する、というゆるいモラルで。

    そんなゆるい読書会の課題図書。
    やっぱり嬉しいのは、自分独りのアンテナでは引っかからない本と出会えること。
    あるいは、「知っていたし読もうかな、と思ってたけど今一つ踏み出せなかった本」を読むきっかけになること。

    梨木香歩さんは、「西の魔女が死んだ」だけなんとなく書名を知っていた程度でした。
    この「家守奇譚」は実に薄くて読み易い。連作短編の構成になっています。1篇はそれぞれ、ほんとに文庫本で5ページくらいとか。
    するすると読み終わり、そして大変に面白かったです。

    舞台は100年くらい前の日本。なんとなく琵琶湖周辺のようですが、地名は明かされないし、方言は誰も使いません。
    100年前だから、明治末期か大正初期くらいの感じですね。夏目漱石さんの時代と思えば良いのでしょう。
    主人公は、恐らく30代くらいなのか。売れない小説家/物書きの男性。
    若い頃、学生時分だったか?の、お友達が水難で死亡。その友人のご両親とご縁があって、空き家の「家守」として一軒家に住みます。
    そこの一軒家には多くの植物がいて、池があって生き物がいる。
    そして、奇譚、ですから、いろんなトンデモないことが起こります。
    死んだ友人は掛け軸から時折現れて会話して去ります。
    河童は出てくるし、小鬼は出てくるし、サルスベリの木は意思を持ち、鮎の人魚も出てきます。
    狐も狸も化かします。
    なんだけど、それが実にナントモほのぼのと、淡々と、びっくりしている主人公すらあまり度胆を抜かれず受け入れます。
    つまりなんというか…児童文学畑の人らしいというか、これ、ジブリの味わい。「となりのトトロ」「崖の上のポニョ」のテイストです。
    ところが別段感傷的でもなければ、教条的でもなくて。かと言って、枯淡、淡々、とあまり言うと間違っていて。どこかラブリーなんです。
    そして、全体を漂う、絶妙な個人主義的佇まいと、その上に成立している共同体というか、ヒトに限らぬ生物間の「つながり具合」なんですね。
    この匙加減がすごいのが、だからと言って、「出会って、反発して、惹かれあって、友情があって」という熱い風味は一切ないんです。
    そこの、「近いようで遠いけど、淋しいようで淋しくない」という人間関係(ていうか、幽霊とか樹木とか動物とか化け物なんですけどね)が、素敵なんだろうなあ、と思います。

    そして、僕が感心するのは、そういう味わい、狙いを体現するための、実にがっちり腰の据わった文章力。
    うどんでいえばコシがあるといいますか。
    安易に堕さず、気取らず、素直だけれど気品が香る。
    会話体をカギカッコではなく、
    ---どうだい
    ---なんでもないよ
    というように棒線で表すなど、実はきっちり、仕込みも味付けも、一流の手間、時間のかかる仕事がさりげなく詰まっている小鉢の惣菜のような。

    個人的には、犬がラブリーに出てくるのも好きでした。
    なにかと猫が全盛のこのご時世、ちょっと犬の旗色が悪いですものね。

    都会暮らしの身の上としては、ちょっとこう、ほっとする古い街並みに出かけたような。
    京都みたいな圧倒的な観光地じゃなくて。
    そこで別に、有名でもなんでもない饅頭でも食べて、飲んだほうじ茶がほっと美味しかったような。

    出会えてうれしい1冊。続編が出ているそうなので、それも遠からずの愉しみです。

  • 温かく美しい画集を眺めているかのような感覚で読んだ。起伏のある物語、というわけではないので商業的な意味で安易に映画化してもいまいちそうだけど、例えば私が絵を描くのが好きだったら、または作曲ができたら、映像作家だったら、盆栽とかガーデニングが趣味だったら、、、何らかの手段でこの世界観を再現したくなるだろうなあ。
    優しい雰囲気で彩られてはいるが、怪しい長虫屋や世慣れた和尚やからかい癖のある亡友など、やや毒気のあるキャラクターの配置が絶妙。
    科学では説明できない、もののけ(とは呼んでないけど)的な現象が、ほんとうにあったのかもと思わせる「百年ちょっと前」という時代設定がにくいっすね。

  • 何かいいな。とじんわりしました。解説に「日本人DNAに響いてくる」と言うのがまさに、で。優しさだけでなく、強さのような物もあるのが胸を打たれます。

  • 四季を二十四節季ではなく二十八の草花で題し、どことなく懐かしい生き物達との怪異な話。
    昔話のようなどこかで聞いたような物語。
    知らない植物の名前が多々あり、その都度調べながら楽しく読みました。
    ふきのとうに雄花と雌花があることを知りました。
    ホトトギスの狸の恩返しと野菊でのリサベルが好きな場面です。
    それにしてもゴローの悠々とした雰囲気がとても楽しい。

    • 9nanokaさん
      やはり、見る場面が違っていて面白いですね(^^)
      調べながら読むのが凄いと思います。ふきのとうのところとか、さらっと読んでしまいました^^...
      やはり、見る場面が違っていて面白いですね(^^)
      調べながら読むのが凄いと思います。ふきのとうのところとか、さらっと読んでしまいました^^;
      2014/11/03
  • ゆったりした時間、のんびりした怪異この季節にはぴったりな読書体験。

    恒川作品とはまた違った和風ファンタジー。
    恒川作品ほどシャープさはなく柔らかく女性的な物語。

  • このような古風な気が流れ出す文章を、私とは3歳差の作者がものしたという事実より、明治か大正の文士の卵、綿貫征四郎の手によるもの、と素直に受け止める方がしっくりとくる。

    全編に流れる気脈に酔いしれた。
    俗世に住まう身ならば気づきもしない数々のものの気配を、(おそらく)山科の気に身をどっぷりと沈め、その気脈に感応したに違いない征四郎というパラボラアンテナが寄せ集める。
    季節の移ろうままに、まれに乗せられるひと色以外は墨絵のような幽玄の美を、私は確かに感じたと思う。

    昭和生まれの私だが、いくつもの原風景がこの小説の風物に重ねられて心に浮かぶ。しかし、友人・高堂の生家の家守である征四郎が、いかなる特権で、この地の結界の内側にすべりこみ得たのかは、わからない。ただ、それが何気なくできてしまった征四郎が、うらやましい。人は銭のために生きるべきではないのだな。それも資格の一つではないかと、漠然と納得する。

    私には、水の底をのぞくことすらもできないだろう。いや、サルスベリに懸想されることも、決してない。

    征四郎を羨む自分の隣に、自分には到底無理であると理解している自分がいることを理解して、私は少しだけ安堵する。

    人の世に生まれて…人の生き場所をこれほどにうらやましく眺めたことはない。高堂ほどのよき友人を持ったことも、宿命を悟ったことも、ない。

    それゆえにこの物語はすべてが茫洋として、夢のようでいて、なのにそれを受け容れてしまう。もちろん、ガラスケースに収まった箱庭のように何度でも眺めることはできるけれども、私自身はそのガラスに顔を寄せてみることしかできないのではあるが。

    私が征四郎なら、よかったのに。でも、私は征四郎にはなれないのである。

    冬虫夏草へ。

  • 普段の生活の見方を少し変えてくれるような、ああ良い本読んだなあとにやっとさせてくれた。
    ちょっと疲れた、という時にまた読み返したい。
    蟲師とか好きな人はツボに入りそう。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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家守綺譚 単行本 家守綺譚 梨木香歩

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