家守綺譚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 926
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253374

作品紹介・あらすじ

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。-綿貫征四郎の随筆「烏〓苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。

感想・レビュー・書評

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  • 同じ作者の「村田エフェンディ滞土録」を読んだ後に、その対になっている話だと聞き購入。

    なるほど時代設定は同じであるが、あちらがトルコという異国を舞台にしているのに対し、こちらは日本を舞台にしている。

    どちらも共通して、この人が書く物語が凄いなと思う部分に、読んでるうちに、本当にその風景や人物が「ある」と感じることがある。

    天地自然の「気」、日本の伝承上の妖怪であったり、神様であったり、もちろん現実には存在しないものであるが、本書を読んでいると、そういったものが本当に存在しており、共存していた古き良き時代があった気にさせられる

    こういった不思議なものたちとの、まさに伸びやかな交歓の記録であり、不思議だけど、その不思議を受け入れ、どこかのんびりしており、だけどちょっぴり不気味な感じもある世界観が非常に良かった。

    個人的な所感であるが、不思議なものを不思議なものとして、過度に恐れず隣人として受け入れている感じが、きっと我々日本人が持っている精神性なのだなと思い、それはとても良いものだと思った。

    続編もあるみたいなので、そちらも是非読んでみたい。

    • もとごんさん
      だいごろ。さん
      こんばんは。
      だいごろ。さんのレビューを読ませていただいて、「村田エフェンディ滞土録」をきっと読もうと思いました。
      梨...
      だいごろ。さん
      こんばんは。
      だいごろ。さんのレビューを読ませていただいて、「村田エフェンディ滞土録」をきっと読もうと思いました。
      梨木香歩さんの《不思議な世界と、不思議な世界を自然に受け容れている人たち》を描く、不思議なのに自然な話…魅力がありますよね。
      2019/11/13
    • だいごろ。さん
      もとごんさん
      こんばんは コメント頂けて嬉しいです。

      本作の、不思議なもの不思議と感じさせず、自然と受け入れて「一緒に」いる雰囲気が、自...
      もとごんさん
      こんばんは コメント頂けて嬉しいです。

      本作の、不思議なもの不思議と感じさせず、自然と受け入れて「一緒に」いる雰囲気が、自分もとても気に入ってます。

      「村田エフェンディ滞土録」も是非読んでみてください。
      本作とはまた少し異なる雰囲気ですが、トルコという異国を舞台に、個性溢れる登場人物とこれまた不思議な出来事達が、活き活きと描かれています。

      (こう書くとハードル上がっちゃいそうですが)個人的にはラストシーンがオススメですよ。
      2019/11/13
  • 『金曜日の本屋さん』の作中に出てきた本。
    河童についての記述が面白く、読んでみたいと思った。
    梨木香歩さんの作品は、ずいぶん前に、『西の魔女…』を読んで以来。

    亡くなった親友の実家の管理をすることになった、売れない物書き、征四郎が、四季の自然が美しいその地で、人、動物、植物、この世のものではものたちと触れ合い、交流する話。
    時代は明治期あたりの設定か。

    サルスベリが主人公に懸想したり、狸や狐が人を化かしたり、飼い犬のゴローが異界と通じ合っていたり、とにかく不思議な話ばかりなのだが、その地に住む人たちはそうしたことをごく自然に受け容れ、淡々としているのが何とも面白い。読み進めているうちに、夢と現、過去と現在、人の世と異界、人と動植物の境目は実は曖昧で、交じり合って共存しているのではないかと思うようになった。

    自然の描写も秀逸。続編の『冬虫夏草』も読んでみたい。

  • 親友の幽霊、タヌキ、河童‥‥そんなものがまことしやかに出てくる世界。しかし不思議と嘘臭さはなくリアリティーさえ感じさせる。

    短編小説というより掌編小説、各章のタイトルがすべて植物の名前なのも心憎い。庭や山野の植物が地味だけど鮮やかな彩りを添えている。

  • 近代ファンタジー。和風の妖怪系。縁あって知人の家の家守になった綿貫と、その周りの人々や、周りで起こる不思議な出来事を書いた短編集。話のタイトルが植物で統一されていて、タイトルに使われた植物は何らかの形で話中に出てくるのが印象的。
    独特な空気感のある文章で、淡白で何でも受け入れてしまう綿貫の人柄がでているような感じがした。綿貫と高堂の間柄も気になるが、要所で出てくるサルスベリとの間柄も気になる。続編があるようだから、覚えていたらそのうち読んでみたい。

  • 何度呼んでも良い。最高に好きな一冊。
    ハードカバーの装丁も素敵。文庫もいいけれど。

  • 2010-04-22 前回読了
    何度読んでもいい本。

  • まだ暗闇に鬼がいることを信じていた昔の空気を持った最後の時代の話。日記のような日々の話。穏やかで懐かしい優しい気持ちになる。もちろんこんな生活はしたこと無いんだけどね(笑)

  • 第2回(テーマフリー)

  • 不思議な世界と日常とが違和感なく共存中。諸星大二郎みたいな世界観。

  • 地理感が乏しい私は明確に記されていない限り、ほぼ物語と舞台となる土地に気づくのが遅い。
    本作も、
    「あ、これ湖って、琵琶湖やん」
    と様々な地名が出てきてから認識した。

    疏水って何回出てきてるねん…

    琵琶湖疏水遊歩道なんかを歩けば私も小鬼を見かけたり出来るようになるんだろうか。

    あ、でも、どうしようもなく手入れするのが難しくなってしまった我が家を圧迫し続けたサルスベリに一か月ほど前にさようならした。

    恨み辛みが聴こえてきたら凹んでしまいそうなので、もうちょっとしてから歩きに行く事にしよう。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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