家守綺譚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 8923
感想 : 1100
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253374

作品紹介・あらすじ

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。-綿貫征四郎の随筆「烏〓苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。

感想・レビュー・書評

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  • うわぁー 面白かったです~
    地球っこさん ありがとうございました。

    解説から
    「間違ってなかった」
    「分かっていないことは分かっている」
    「理解は出来ないが受け容れる」

    綺譚が続いて、一番最後の記事。
    うーん 痺れました。。

    でも、きっと分っていないところも沢山ありそう。
    また、時間をおいて読み返したいと思います。。

    • いるかさん
      地球っこさん

      なんと続編があるのですが。
      それは是非読みたいと思います。
      ゴロー いいですね。
      次は植物園の巣窟を読みたいと思い...
      地球っこさん

      なんと続編があるのですが。
      それは是非読みたいと思います。
      ゴロー いいですね。
      次は植物園の巣窟を読みたいと思います。。
      2020/11/02
    • 地球っこさん
      いるかさん、
      ゆっくり楽しんでくださいね(*^^*)
      いるかさん、
      ゆっくり楽しんでくださいね(*^^*)
      2020/11/02
    • いるかさん
      良い本をゆっくり楽しむ時間は特別ですね。
      ありがとうございます。
      良い本をゆっくり楽しむ時間は特別ですね。
      ありがとうございます。
      2020/11/02
  • ジャンルを問わず沢山の本を読まれている読書家よりお借りしたこの本。28の短編で構成されている。

    『奇譚』とは不思議な話しのこと。「もののけ」の類と邂逅する非日常的な日常は、四季に咲く草木による季節の移り変わり、自然との共存を背景に、古来からの慣用を交えながら奇譚かつ風流に描写され、味わい深い文章となっているのが特徴的な作品であった。
    タイトルが草木の名でその草木が本作の四季の趣を色付けていて、自然と触れているような気になる。まるで『日本むかし話』のごとく、さすが読書家のお勧めの作品だと納得する。

    本作のこの世と別の世を繋ぐ出入口となっている掛け軸。ボートを漕いでいる時にいなくなった友人は、掛け軸からボートを漕ぎながら現れるという設定も読者の想像に広がりを持たせて面白い。
    掛け軸は、昔の中国では「掛けて拝む」という仏教の仏画用として使用されていた。日本では、鎌倉時代後期、禅宗の影響で水墨画が流行しはじめ、掛け軸は芸術品となる。千利休が床の間に飾られている掛け軸を茶の席で見、人々に重要性を伝えてから掛け軸が流行するようになったようである。その流行から約450年経った現代においても掛軸は日本の床の間に健在し、日本の分化を象徴している。

    一章が短くそれぞれにテーマがあり読みやすく、素朴な表現と天地自然の不思議な出来事に癒され、交歓を感じる。また、時間をあけて読み直してみたい1冊であった。

    以下は忘れないように28章を記録のため、これから読まれる方は、スキップください。

    サルスベリ
    主人公・綿貫征四郎に恋するサルスベリ。掛軸から現れた高堂によると庭のサルスベリがおまえに懸想しているとのこと。今まで、この家に住んでいた高堂には、懸想しなかったということかと思い、おかしく思う。そして綿貫も「実は思い当たるところがある。サルスベリの名誉のためにあまり言葉にしたくないが」と言っており、自意識が高いのか、サルスベリの態度が露骨なのかと、擬人化されたサルスベリの乙女顔を想像してみたくなる。
     
    都わすれ
    都わすれは、野菊のような姿形の、野菊よりも遥かに艶やかな濃い紫の可憐な花が咲く。
    短編集の雑誌掲載で、稿料が入ったので肉を買って帰る途中に犬がついてくる。この犬がこの後、綿貫の相棒となる名犬ゴローだ。

    ヒツジグサ
    睡蓮が「けけけっ」とけたましく鳴く。睡蓮が鳴くはずはないと、思っていたら案の定、ヒツジグサ、いわゆる睡蓮の葉が群生しているところに緑色の皿を見つける。これがなんと河童。いわゆる妖怪。伝説上の動物であった。
    ここまでくると、河童がてできてもおかしくない。睡蓮が「けけけっ」と鳴くより河童が「けけけっ」となく方がしっくりする。とさえ思えた。

    ダァリヤ
    河童を朽木村の滝壺に放ちに行ったゴローが、帰ってこない。庭に出た百足、ヘビ、マムシを捕まえて売って欲しいと言う眼光鋭い長虫屋がいきなり登場するのが不気味。マサキの生垣の向こうに咲くダァリヤは、今回は娘に化けて出てきたのであろう。

    ドクダミ
    庭で見つけた女の「河童の抜け殻」。また、河童ですか…河童の抜け殻のかけらをタンスに入れると衣装が溜まるという言い伝えまでありしかも、乾燥した抜け殻は薬になるかもしれないと、隣のおかみさんは言う。
    なんと、「河童の抜け殻」は、「河童衣」といい、脱皮の後ではなく、衣=衣装だと、禿の姿をした少女を連れてきた高堂が説明した。池に注ぐ水路の周りをドクダミの花が燈篭のように群れをなして咲いていた。いまいち、河童衣とドクダミの関連性があったのか、なかったのか、分からずに終わった。

    カラスウリ
    蔓性の植物が、穴が開いた床からものすごい勢いで家の中に生えてきた。道路に隙間から雑草が生えているような感じだろうか?と、そんな生命力が強いものなのかとカラスウリをネットで調べてみた。あまり強くはなさそうである。それよりもその花の映像に引いてしまった。見様によっては綺麗と言うこともできそうだが、不気味に見えた。それにヤモリがカラスウリの中で正気を吸われたように干からびていたのを発見するなんて、ますますこの植物を不気味に感じた。

    竹の花
    高校の時の国語の教師が授業の合間に「竹の花は60年に一度、一斉に咲く。だから庭に竹林があっても、その花を見ずに一生が終わるかもしれない」というようなことを話していたことを覚えている。本章で60年に1回ということが書かれていたので、疑ってはいなかったが、正しかったんだと、今更ながら確認した。それにしても、そんな竹の花が時だからか狸と狐が化けて出てくるような奇譚な出来事があっても、『そうなんだ』と妙に納得する。

    白木蓮
    木蓮が蕾を一つつけていた。木蓮に雷が落ちて、タツノオトシゴを孕んだと長虫屋がいう。木蓮から孵ってのは、白竜だった。本当はタツノオトシゴなのだろうが、綿貫にはそう見えたようだ。確かに生まれたては同じだろうと思った。あえて白竜としたところが、ますます不思議な出来事に思える。

    木槿
    木蓮が満開になる頃、それを助けようと立ち現れる季節もののマリア像の蜃気楼。掘り出して綺麗にしてあげようと言う綿貫に対し、蜃気楼のように儚げであるからこそ美しいと感じる高堂の考えにだからこそマリア像なのであろうと思ってしまう。

    セミの声が聞こえると梅雨が終わり夏が始まると思っている。最初はクマゼミ、アブラゼミそして、お盆過ぎには、ツクツクボウシ。そうなると『もうすぐ夏も終わるのか』と、毎年、夏を惜しみ寂しく感じる。

    ツリガネニンジン
    ツリガネニンジンは、確かそんなに大きな草でもなく、草地にひっそりとあるイメージだ。でも、その日はお祀りだったので、鈴の音により庭のツリガネニンジンの花がお慰めに御陵まで行っていたのであろうか。いずれにしてもさっき旅籠の2階で見た6人の娘が、自宅の2階で帰ってくる綿貫を見ているなんてというところである。

    南蛮ギセル
    「二百十日」とは、「雑節一。立春から数えて210日目、9月1日ごろにあたる。台風襲来の時期で、稲の開花期にあたるため、昔から二百二十日とともに農家の厄日とされる。(大辞林より)」
    大気が騒ぐといろんなものが出てくるようで、綿貫にふさぎの虫までもが出てきた。
    この虫を逃すかのように、戸の隙間に挟まっていた風虫をにがすのは、ひょっとして大気のよどみをなくすと言うことなのだろうか?
    スズキの穂が立ち始め空気の質が夏から秋に変わり季節感を感じて眺めたススキの足元に南蛮ギゼルが目に入ったということだと思うと、まるで百人一首の歌を読んでいるような気分になる。

    紅葉
    ゴローに呼ばれて池に行くとそこには上半身が女人で下半身が魚の人魚?魚人?がいた。俊敏に泳ぐ姿は鮎そのものなので疎水で見た鮎の群れからはぐれたのであろう。そして、その人魚は竹生島の浅井姫命のところへ、竜田姫が秋の挨拶にいらした時の行列の中にいた侍女のようである。このタイトルの紅葉は、紅葉した紅葉が川に落ち、湖の真ん中に吹き寄せられたところモミジブナが岩礁の奥から出てくるために、竜田姫一行は足止めされているとのこと。モミジブナとは、琵琶湖に深いところで生息し、秋になるとヒレなどが赤くなるようである。
    侍女は、ここに居座るのであろうか?


    池にある人魚をサギから守ろうと山内にお願いして、池に網をはってもらった。網を張るのに使用した葛の蔓に咲きかけの花房を見つけた人魚はそれを取ろうとしていた。


    いきなりローレライが、出てきたので調べみた。「ドイツ西部、ライン川中流の峡谷の東岸に垂直にそびえる奇岩。高さ132メートル。また、その岩上にいて、美しい歌で舟人を誘惑し破滅させるという伝説の魔女。(goo辞書)」鮎人魚は、この魔女を思い出すということなのであろう。
    明くる朝、鮎人魚は、鮎になっており、昨日池に落とした葛の花は萩の花に変わっていた。

    ススキ
    「人は自分が死んだら故郷のどこそこへ埋めてくれと人にせがみたくなる、いい場所とは人が埋められる気になる場所である。」景色のいいところが少々苦手になりそうな予感がした。

    ホトトギス
    鶴の恩返しならぬ狸の恩返し。狸から松茸の贈り物。比叡山の信心深い狸が、山を回る間に成仏できない行き倒れの魂魄を背負ってしまう。大変な狸がいたものだ…

    野菊
    サルスベリに名前の順番を変えて「リサベル」と命名する。命名されたサルスベリの内心の嬉しさは容易に想像できる。おかみさんが土手の小さな紫の野菊を見ているおかみさんの名前は、菊さんでも、野菊さんでもなくハナさんだった。このオチがうけた。

    ネズ
    いきなり古ぼけた蓑笠を被った老人が登場した。しかもおかみさんが言うにはその老人はカワウソだという。そして老人がカワウソであることは、この辺りの子供でも知っているということだ。袂に入っていたネズの実を誰が入れたかではなく、昔聞いた熟するネズの話を思い出している。

    サザンカ
    ダァリアの君の幼なじみの佐保ちゃんの嫁入り行列。急なことだったので、花が間に合わなくて、この辺り一帯の、早咲きの白いサザンカを集めてきたという。佐保ちゃんは春の女神になって還ってくる。というその言葉に輪廻を感じる。

    リュウノヒゲ
    いかにも、草、という感じのわざわざした植物の間に、瑠璃玉のように浮かんでいる。湖のまわりには、龍にまつわるものがいっぱいあるそうだ。「龍の宮」という祠には龍の骨もある。開国の御代になってすぐに、ドイツの地質学者であるナウマンがこの龍の骨を大昔のゾウの下顎の骨と言ったそうだ。
    『ハインリヒ・エドムント・ナウマンは、ドイツの地質学者。 いわゆるお雇い外国人の一人で、日本における近代地質学の基礎を築くとともに、日本初の本格的な地質図を作成。またフォッサマグナを発見したことや、ナウマンゾウに名を残すことで知られる。(Wikipedia より)』

    檸檬
    湖からくる汽車を待つダァリアの君と駅で遭遇する綿貫。二人の間に「いと年経たる龍の ところ得顔に棲まい」とゲーテの詩が飛び交う。ダァリアの君はどれだけ教養人なのであろうか。

    南天
    降り積もった雪の間から、南天の赤い実が艶々と光っている。そんな冬の情景から始まるこの章。冬の楽しみ方が増えた気がした。冬の情景から「家鳴り」に繋がる。
    『家鳴、家鳴り、鳴家、鳴屋は、日本各地の伝承にある怪異の一つで、家や家具が理由もなく揺れ出す現象。 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』では、小さな鬼のような妖怪がいたずらをして家を揺すって家鳴を起こしている絵が描かれているが、現代では西洋でいうところのポルターガイスト現象と同一のものと解釈されている(Wikipediaより)』

    ふきのとう
    雪の残った疎水土手に、拳を、一回り小さくした小鬼が、昼寝をしている。さすがに、綿貫もはじめての出会いのようであるが、今までの流れから考えると当然であるが、驚くこともなく興味津々で鬼を観察している。そして、ふきのとうを探している鬼の手伝いをする。
    「今日はもう啓蟄ですから」というおかみさんの言葉で、私も綿貫と同じように「ああ、小鬼は虫だったのか。」と、思ってしまった。

    センブンソウ
    冬の早朝、玄関先に大きな鳶が、一羽、立っている。ぎょろりとした鳶色の水晶玉のような目が此方を認めた。鳶の名前の由来は目玉の鳶色なの?と、勘違いをしてしまう。
    鈴鹿の山の主であるこの鳶について、高堂が佐保姫と浅井姫のことを説明するが、それは人の世の言葉では語れないとのことである。気になるとフレーズでる。

    貝母
    筍を探して遠くまできた綿貫の前に風情のある杉皮葺きの家が竹藪の中でひっそりとあるのを見つける。中から出てきた百合という女人から「孟宗竹はまだまだですよ。あなたが探しておられるのは大名竹でしょう」と言われる。今まで、竹の種類なんて気にもとめていなかった。

    山椒
    檀家が、竹山が狸に荒らされて朝堀りで筍を持っていかれたと言っていた。和尚に化けた狸が綿貫と食べようとその筍を持ってくる。筍が余るほど貯まってしまう贅沢な悩みとともに緑色の山椒の芽生えを気にする余裕はさすがであると、こんなところがこの作品の不思議な魅力なんだろうと実感する。


    桜の季節は世の中が明るく感じる。散っていく桜を見ると、季節が進むことに心躍る気持ちと寂しいという気持ちが交差する。鬼桜の暇乞い。すっかり住み着いた小鬼。綿貫は桜鬼に律儀に挨拶をされる境涯にあって、超然としているところがいい。と山内がいう。まさにその通りである。

    葡萄
    最後は少し怖かった。湖底の国に行き、そこで葡萄を勧められる。綿貫は勧められた葡萄を食べなかった。高堂は、葡萄を食べたようた。だから綿貫の住む世界と違う世界で住むことになった。

    • kurumicookiesさん
      hiromidaさん、こんばんは^ ^
      コメントありがとうございます!稚拙なコメントいつもお読みいただきありがとうございます♡ 感想書いてお...
      hiromidaさん、こんばんは^ ^
      コメントありがとうございます!稚拙なコメントいつもお読みいただきありがとうございます♡ 感想書いておかないと、全く覚えていなくて(笑) なので、意味不明な文章もおおく、お恥ずかしい限りです(*^_^*)
      猫丸さんおすすめの、「海うそ」、「村田エフェンディ」も独特の世界観があり面白かったです!hiromidaさんが、お読みの冬虫夏草は、これを読んだら最後かもともったいなくて、途中まで何回も読んでます!

      hiromidaさんの今村夏子さんの作品を読まれているのを拝見して、感想を何度も読んでしまいました^o^
      いつも丁寧な感想を残されているので、私も参考にさせて頂いております!
      まだまだ、偏った読書の仕方なので、hiromidaさんの5つ星、参考に読みたいリストに追加して、ワクワクしております^ ^
      どうぞ今後ともよろしくお願いいたします!
      2021/01/31
    • hiromida2さん
      Kurumicookiesさん、遅くに失礼します。
      こちらこそ、あたたかい お返事嬉しかったです(o^^o) ありがとうございます。
      私も同...
      Kurumicookiesさん、遅くに失礼します。
      こちらこそ、あたたかい お返事嬉しかったです(o^^o) ありがとうございます。
      私も同じく、拙いながら、覚えておくために作品の感想と作品を読んで 伴う自分の思い出の中を彷徨いながら書いてる次第です^^;
      人に見せるものじゃないかと思うような事も、独言みたいに…。そう思っていても、人それぞれの人生の中で感じることが似通ってたり、あるいは、そんなふうな見方や感じ方があるんだと気付きながらの…ブクログ友さんのレビューに心動かされ癒されています。
      私も今後とも、Kurumicookies さんの紹介された本も興味深々で読んでいきたいです。
      “家守綺譚”の続編にあたる「冬虫夏草」も本当に良かったです。読み終わるのが惜しくて、道草しながら読みました。
      また、感想聞かせてくださいね。
      2021/01/31
    • kurumicookiesさん
      hiromidaさん、おはようございます!
      読後感想について、私も好き勝手に書いており、私とは比較にならないくらい素敵な感想を残されているh...
      hiromidaさん、おはようございます!
      読後感想について、私も好き勝手に書いており、私とは比較にならないくらい素敵な感想を残されているhiromidaさんが、同じ思いであることを知り、おこがましくもとっても嬉しくなりました!

      それに、私が読んだことのない作家さんがたくさんあり、コメントが本当に参考にさせて頂いているんです〜^ ^
      ますますhiromidaさんのアップされる作品に目が離せませーん(^。^)

      偏った本棚ですが(笑)、今後ともどうぞよろしくお願いたします♡
      2021/02/01
  • これは学士綿貫征四郎が書いたおよそ百年前の書物である。
    ボートの事故で亡くなった親友高堂の実家に、綿貫が高堂の父親に頼まれて住むことになったところからこの物語は始まる。
    奇譚というだけあって、続々と飛び出してくる不思議で面白い話の数々。趣のある文章にどんどん引き込まれていった。
    庭に植えられた草木や池に咲く花々。
    掛け軸から現れる高堂。
    愛犬ゴローと、お隣の親切なおかみさん。何やら怪しげな長虫屋に、河童も登場する。狐に狸、百足にカワウソ。鮎の人魚に、天女の羽衣。
    一人暮らしの征四郎の周りが、これほどまでに賑わっているなんて到底想像がつかない。
    私たちが普通に暮らしているだけでは気づかないであろうこと、物語があらゆる所に存在しているということを、この本が沢山教えてくれている。
    読んでいるとどんどん心が浄化されていくような、何とも言えない心地よい世界だった。
    またいつかこの本を開いてみたいと思う。

  • 『狸に化かされた』とか、『狐につままれた』という言葉があります。『意外なことが起こって訳がわからず、ぽかんとする様』そんな意味合いだと思いますが、今の時代、都市化が進んで、もしくは都市に人口が集中して、人が獣に出会う機会などまずありません。狸や狐と言っても、動物園以外で会った人などいるのでしょうか。でもそうであるからこそ逆にこれらの言葉はとてもミステリアスに響きます。合理的な説明を超えたところにある世界、それは科学技術が進歩すればするほどになんだか夢の中の世界のようにときめくものも感じさせてくれます。でも、それが目の前に当たり前のこととして展開したとしたらどうでしょう。例えば架空の存在とされる河童が普通に現れ、死んだはずの人が生ある時と同じようにボートを漕いで目の前に現れたなら。これは、そんな不思議なことが、当たり前のように展開する物語です。

    『云い忘れたが、私の名前は綿貫征四郎』という物書きを生業とする主人公・征四郎。『亡くなった高堂の父親から、年老いたので嫁に行った娘の近くに隠居する、ついてはこの家の守をしてくれないか、ここに住んで毎日窓の開け閉めなりをしてくれたなら、些少なりとも月々のものをお渡ししよう、という、まさに渡りに船の話が来たのだった』という理由で、かつての親友・高堂の実家で暮らすことになります。『その次の春から、私はここに越してきた。と、同時に英語学校も辞めた。辞めてやった』とその家に暮らし始めた征四郎。この物語はそんな家で暮らす征四郎の一年を丁寧に描いていきます。

    『鳥の落とし物から、時折見慣れぬ洋風の草も芽吹くが、元々は和風の庭だ』というはじまりからして、もう独特な雰囲気に包まれる作品。その先に展開されるのはまさしく和風ファンタジーといった趣に満ち溢れた世界です。28の章で構成されていますが、全ての章に『サルスベリ』『ダァリヤ』『桜』など植物の名前が冠されて統一感を出しています。それぞれの章は、その章題をテーマに、つまり、それぞれの植物に光を当てて展開します。例えば、第一章『サルスベリ』では、『サルスベリの花は、桜よりも濃いめの上品な桃色をしている。それが房になり、風が吹くと座敷の硝子戸を微かな音でたたく』という、もう、うっとりとするような表現で植物を優しくとらえていきます。このあたり、植物の絶妙な表現を得意とする梨木さんの魅力が存分に堪能できます。また、それだけではなく『河童じゃ。増水で流されて湖に流れ着いたのだ。帰り道を間違えて、あんたのところの池にはまったらしい』と河童が当たり前に登場するのみならず、『迂闊にも脱ぎ置いた河童衣を人に取られてしまい、帰るに帰れず、そのまま水商売に入ってしまった河童族の、何と多いことか』と、伝説などではなく当たり前に存在することを前提に描かれる河童。なぜか、そ、そうなんだと納得してしまう不思議な感覚を作品が纏っているため全く違和感を感じさせません。そもそも作品は生死の境さえ曖昧です。『掛け軸の中の風景は雨、その向こうからボートが一艘近づいてくる。漕ぎ手はまだ若い…高堂であった。「どうした高堂。逝ってしまったのではなかったのか。」「なに、雨に紛れて漕いできたのだ。」』と、亡くなった高堂が掛け軸の中から現れて征四郎と普通に会話を交わす場面など、もうこれはこういうものなのだと思う他なくなる強い説得力さえ感じてしまいます。

    また、これはいいなあと感じたのは季節の移り変わりの表現です。夏から秋への変化を『虫の声もいよいよ姦しくなった。季節の営みの、まことに律儀なことは、ときにこの世で唯一信頼に足るもののように思える』とか、秋を『外の明るさに、和紙を濾過したような清澄さが感じられる。いいか、この明るさを、秋というのだ』という表現など、四季の景色の移り変わりを言葉だけで見事に表現しきっているのには深い感動を覚えました。

    普段の日常生活から見ることの、聞くことの、そして感じることの少なくなった繊細な光の輝きや音、そして生き物の生の営みの美しさ、儚さ、そして力強さが全編にわたって紡がれていくこの作品。また、そのそれぞれを表現する日本語が持つ無限の可能性に、まるで夢を見ているかのように浸れるこの作品。梨木さんの巧みな言葉の魔法を通して、まるでこの世界が本当にそこに存在するかのように、作品世界の確かな息遣いを感じさせる絶品だと思いました。
    こんな作品があるんですね。日本語ってすごいなあと素直に感動しました。

    • nejidonさん
      さてさてさん、こんにちは(^^♪
      いやぁ、あまりにも懐かしくて読みながら恍惚としてきました・笑
      私の古い古いレビューも見つけて下さってあ...
      さてさてさん、こんにちは(^^♪
      いやぁ、あまりにも懐かしくて読みながら恍惚としてきました・笑
      私の古い古いレビューも見つけて下さってありがとうございます。
      ブログ記事を貼り付けただけなので改行がデタラメですみません。
      さきほど直しておきました。
      この本を読んでから庭にカラスウリを植えたのですよね。
      毎夏、ひっそりとレースの花びらを開いて見せてくれてます。
      ところで、さてさてさんのことをずっと女性だと思い込んでいました。
      初めてプロフを見てまぁびっくり!見落としていることってあるものです。
      何かと騒がしい世の中ですが、コロナ禍にめげずにお過ごしくださいね。
      2020/04/25
    • さてさてさん
      はい、nejidonさん、こんにちは。
      今まで読んだことのないタイプの本でかなり戸惑いました。なんだか古ぼったいような。でも、これが面白い。...
      はい、nejidonさん、こんにちは。
      今まで読んだことのないタイプの本でかなり戸惑いました。なんだか古ぼったいような。でも、これが面白い。どんどんこの世界にのめり込んでいくのを感じました。
      nejidonさんのコメントのなかにある「文学」という文字を見つけた時、そうだよね、これ「文学」だよねと、とても納得感がありました。
      nejidonさんの感想の歴史の長さに、自分のまだまだ感を感じた男・さてさてでした。
      2020/04/26
  • 不思議な世界。
    人と幽霊と動物と草木、プラス妖怪?
    これらが共存共栄してるというか一体化して結び付いている。

    最初は「何これ?」「どういう話?」と意味不明で、読み続けられないかもと思ったが、
    ただ単に、この世界に浸っているのも悪くないと感じ始めたら素直に受け入れられた。

    怪奇現象はヒトの心が創り出すが、誰もが持っている深層心理を具象化した物語といった感じ。
    特別なストーリーもなく、喜怒哀楽の起伏も少ないファンタジー。

    植物の名前をタイトルにして物語が綴られているのに「ホトトギス」が出てきた。
    鳥だと思いきやホトトギスの腹に化けたような花の植物だった。

    梨木香歩さんの作品は「西の魔女が死んだ」しか読んでいないが、
    あの魔女の魂もどこかにいそうな気がして「アイノウ」という声を思い出した。

    このような雰囲気の作品は少ないと思うが、串田孫一さんの「鳥と花の贈りもの」は似た感じだったかな。

  • 梨木香歩 著

    実に面白い…実に素晴らしい。
    内容を全く知らずに「家守綺譚」なんて題名に
    そそられて、しかも、梨木香歩さんの本は初めて読んだのです。
    作家、梨木香歩さんの名前は勿論、知っていたが…読むのは初めてでした。「出会ったなぁ」なんて感慨深い気持ちで読み終え…浸ってしまった。
    私は完全に、綿貫征四郎 著として ずっとこの物語を読み進めており、主人公の綿貫の著述書として
    、すっかり 梨木さんの本だということを忘れてしまっていた。それぐらいに、時代背景も性別も異なる作家の綿貫征四郎の物語に、どっぷりと魅了されてしまったのだ。
    もう、本当に時代を越えて、タイムスリップしたみたいに、この世界に、なんの躊躇なく浸れてしまった 時代背景も気にならないくらい自然の織りなす 花や実に心奪われ、子どもの頃に山で見つけた花や野草、赤い実を思い出して…癒してくれたし、久しぶりに、そんな自然とも心通わせ…河童!に笑い(子どもの頃真剣に信じていたよなぁ)奇異な現象であるはずのものさえ、自然に受け入れられ、征四郎が見たものが自分の目で見ているような気分にさえなった(狸に化かされていたのか?って思うくらい)
    しかし、不意に表れる高堂(旧友)に いちいち、びっくりしたり、不穏なものにも、まずは驚くが、とりあえず、受け入れ興味を注がれる辺り、読んでて、クスッと笑えた。
    不思議なくらい…子どもの頃の敏感で怖い気もするけど、御伽噺のようなあり得ないようなことも、すんなり受け止めてしまえるような気持ちになったのは…随分久しぶり…というか小説の中では、初めてかもしれない。
    憎めないキャラクターというだけではなく 懐かしさとも少し違う 何だか、しみじみと心地よく、
    ゆったりした感じで心の中に入ってきた。
    狸の恩返しに泣き、征四郎の心意気に泣き笑い。

    「移ろふことは世の常である。幼き頃の美しい日々はすでに失はれ、そこに遊んだなつかしい人も心も、今は求めるを得ない」
    文中のラストに、征四郎の著書のように載ってた言葉…言い当てられた気がするが、こんな大人になっても、失われない心って自分にも、まだあったんだ!な〜んて、思えてしまった。
    清々しく、胸に残った作品だった。

    実は「冬虫夏草」の題名の本がもっと気になっていたのだが、なかったので、先に、こちらを読んだのだけど、正解だったよう。「冬虫夏草」は続編にあたるらしいので、是非、今度はそちらも読もうと思います(何とか探して…)

    余談ですが…
    以前「ぐるりのこと」を映画鑑賞して、とても、とても良くて好きな映画だったのですが、
    梨木香歩さんの作品だったんですね(笑)

    こんなご時世ですが、ブク友さんのレビューを見て
    読みたい本が沢山出来ました。自分のスピードで、出来るだけ多く読めたらいいなぁと思いますし、
    ブクログに入ってて良かったなぁって感じています

    • さてさてさん
      hiromida2さん、こんにちは
      いつもありがとうございます。

      この本いいですよね。純和風なのでファンタジーという言葉もちょっと違うよう...
      hiromida2さん、こんにちは
      いつもありがとうございます。

      この本いいですよね。純和風なのでファンタジーという言葉もちょっと違うような、なんとも言えない雰囲気に一気に魅かれました。私も続編となる「冬虫夏草」も是非読みたいと思っています。
      今後ともよろしくお願いします。
      2020/05/19
    • hiromida2さん
      さてさてさん、こちらこそありがとうございます。
      この本、本当に良いですね。時代背景が違っても、古臭い感じがしないのは、巡る季節感とそこに生き...
      さてさてさん、こちらこそありがとうございます。
      この本、本当に良いですね。時代背景が違っても、古臭い感じがしないのは、巡る季節感とそこに生きる自然の植物や生き物や風の音を今と、同じように五感で感じられるからかもしれません。「冬虫夏草」続編読むのも楽しみですね…お互いに。これからも、さてさてさんの本棚楽しく拝見させて頂きます。今後とも宜しくお願いします。
      2020/05/20
    • nejidonさん
      hiromida2さん 、こんにちは(^^♪
      感動が伝わってくる素敵なレビューですね!
      お気に入りの一冊に出会えた喜びは、何物にも替えが...
      hiromida2さん 、こんにちは(^^♪
      感動が伝わってくる素敵なレビューですね!
      お気に入りの一冊に出会えた喜びは、何物にも替えがたいものがあります。
      そこはもうお互い本好きどおし。
      ああ感動したんだなぁと思うと、こちらも嬉しくなります。
      私もこの作品から梨木さんの世界に入ったのですが、一番のお気に入りは「ピスタチオ」かな。
      あとは「蟹塚縁起」。
      ああ、でもどれもみんないいんですよねぇ(^^;
      ますます素敵なレビューが読めて、感謝です!
      2020/05/20
  • 私にとって、面白い本とは大雑把に分けて二種。
    いわく、「読み始めたが最後、ページをめくる手が止まらない」
    「続きが気になって閉じることができない」
    等々のいわゆる、【イッキ読み】系。
    もうひとつは、「この世界にいつまでも居たい」
    「この際ストーリーなんてどうでも良いから(?)、終わって欲しくない」
    【浸っていたい】系。
    本書、家守綺譚は、圧倒的に後者です。

    本書を知ったキッカケは、やはりブグログ。
    この本を本棚に入れて紹介してくれた方々に感謝します。
    表紙も良いですねー。
    このスズメ!
    スズメ好きの私にはたまりません。
    本気で、この表紙に使われている版画を購入しようか、かなり考えました。

    時は、作中に先年トルコのエルトゥールル号の大惨事があり……と、記述があるので明治の頃と思われます。
    舞台は……おそらく日本のどこかでしょう。
    話は、主人公の「私」こと、綿貫征四郎が、高校時代に亡くなった親友「高堂」の家に住んで、「家守」をするところから始まります。
    河童、人魚、小鬼、狸、桜鬼(はなおに)等々が当たり前に現れ、周囲もそれを当然と受け止める世界。
    なんと言えば良いのか。
    そういった羨ましい世界の「私」によるエッセイ。
    なんとも言えず雰囲気が良い!
    そして、文がまた良い!

    ーーサルスベリのやつが、おまえに懸想している。
    ーー木に惚れられたのは初めてだ。
    ーー木に、は余計だろう。惚れられたのは初めてだ、だけで十分だろう。
    高堂は生前と変わらぬ口調でからかった。

    私をいつになく破滅的な豪気な気分にした。財布を取ると、外へ出た。肉屋へ行くのだ。ゴロー(犬)の帰還を祝うのである。
    百足もマムシも何するものぞ。
    ゴローが帰ってきたのだ。

    良い!
    わずか200ページにも満たない幻想的エッセイである。
    読み終えたくなかったので、できる限り抵抗した。
    我慢して読むのは1日に1エッセイまでとし、それでも左手の親指で感じる残りページが乏しくなると、前に戻って終わらせまいとした。
    それでも、終わりは来てしまうものである。
    わずか1ヶ月であったが、楽しい世界を堪能できた。

    ああ、主人公の綿貫征四郎が羨ましい。
    心の底から羨ましい。

  • 梨木香歩さんの本を初めて読むならコレ!
    と固い決心を持って胸に温めてきた

    たくさんのレビューがあるので、内容には特に触れない

    懐かしいのに新感覚
    でもよく考えたら子供の頃のノスタルジックな感覚が甦る
    昔、昼間なんか玄関の鍵は空いてて当然だし、ご近所さんからの差し入れがお勝手口から届けられる
    我が祖父母の家では、リアカーを引き、牛小屋が家の中にある
    ボットン便所はもちろん屋外
    広い土間で遊ぶのが楽しかった
    庭兼畑には他にも鶏や兎もいた
    そして自由気ままに村を徘徊する(一応飼い)猫
    何か変化があると動物たちが知らせてくれる
    忘れかけていたそんなことを思い出させてくれる

    たくさんの植物が登場する
    でも半分以上わからない
    なのに屋外の心地よさに浸れる

    不思議な奴らがたくさん出てくる
    いたずら好きもいる
    ぜんぜん憎めない

    悲しいことも楽しいことも、ただそこにあるだけ
    誰も良くも悪くもない


    この本を最高に贅沢に読む方法
    (もちろん自論)

    まずはラクな格好になりましょう
    部屋を快適な温度に保ちましょう
    クッションに囲まれたソファにもたれ、さぁスタート(理想は平屋の日本家屋の縁側なんだけどね)

    心地の良い文章についウトウトし出す
    夢うつつ状態で気が遠くなるのを感じながら
    そのまま軽くうたた寝をし、目が覚めると…
    あれ?
    ここはどこ⁉︎
    と一瞬でも惚ける
    あゝ、読んでる最中に寝てしまったのだ…
    軽い夢見心地だが、内容は思い出せそうで思い出せない
    あれ?感覚は鮮明に残っているのに
    おかしいなぁ
    でもとても気分は良い 何故か少し切ない
    不思議なノスタルジックな感覚だけがしばらく後をひく…

    日常に忙殺されてしまった誰しもが心の奥に持っている懐かしい感覚
    その琴線に触れるため、皆がこの本を好きになるのだろう

    忙しない日常が陳腐に思えてくる…
    居心地がよくって日常に戻りたくなくなってしまう危険な極まりない本である

  • なんとも不思議な読み心地の本だ。
    ふわふわしているというか、飄々としているというか。浮世離れしているけど、俗世を超越した高みにあるわけではなくて、むしろ土っぽい匂いのする物語だ。水面にたゆたう睡蓮みたいに。

    明治時代のとある一軒家が舞台である。
    駆け出し作家の綿貫征四郎は、ふとした縁から大学時代の親友、高堂の家にひとりで住むことになる。高堂は数年前、ボート部の活動中に消息を絶ち、遺体はあがらぬものの既に故人とみなされていた。

    その家では奇怪なことが次々と起こる。
    サルスベリの木に恋慕されたり、河童が庭に迷いこんだり。今は亡き(はずの)高堂が、床の間の掛け軸の中からボートを漕いで出てきたり。綿貫が珍事・珍客に生真面目に対応する傍らで、季節は淡々と移ろってゆく。
    そういう物語である。

    一種の怪異譚だが、おどろおどろしい感じは全くない。河童も竜もカワウソも、はては神々までも、まるで風景の一部のように、何食わぬ顔で日常に溶け込んでいる。人々も「そういうものだ」と、ごく自然にそれらを受け入れる。知識人の綿貫より、庶民代表たる隣家のおかみさんの方が、どっしりと腰が座っているのが可笑しい。

    百日紅、都わすれ、ヒツジグサ、ダァリヤ…
    日本人の遺伝子に刻み込まれた原風景。
    頁を繰るたび外の喧騒が遠のき、時間がゆったりと流れていく。

    熱いほうじ茶が飲みたくなった。

    • nejidonさん
      佐藤史緒さん、こんにちは♪
      感動が伝わる素敵なレビューですね。
      私が読んだのはずいぶん前ですが、影響を受けてカラスウリを庭に植えたもので...
      佐藤史緒さん、こんにちは♪
      感動が伝わる素敵なレビューですね。
      私が読んだのはずいぶん前ですが、影響を受けてカラスウリを庭に植えたものです・笑
      今夏はおびただしい数の花が咲きました。
      でも異界に誘ってはくれません。
      私にはそんな才能はほぼゼロらしいです。
      2017/09/03
    • 佐藤史緒さん
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      カラスウリいいですね〜! 夜だけ咲くって本当ですか?
      私は今年お向かいのお爺さんの庭...
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      カラスウリいいですね〜! 夜だけ咲くって本当ですか?
      私は今年お向かいのお爺さんの庭から都わすれの花を株分けして頂きました。やはりこの本を思い出してワクワクしながら植えました。
      短い期間でしたが梨木先生の書いておられるとおり、濃紫の可憐な花が咲きました。
      nejidonさんと同じく、異界には行けませんでしたが…(笑)
      2017/09/03
  • 近藤ようこがビリケンで個展開催、描き下ろし20点に「家守綺譚」プロットなど - コミックナタリー
    https://natalie.mu/comic/news/495897

    マンガ化されるのか!しかも近藤ようこ!!ワクワク


    梨木香歩 『家守綺譚』 | 新潮社
    (文庫)
    https://www.shinchosha.co.jp/book/125337/
    (単行本)
    https://www.shinchosha.co.jp/book/429903/

    ――――――――――――
    この世界には理屈では割り切れない様々なコトがあるのだけど、非科学的だと言ったり悩んだりせず、素直に受け入れたい。。。と思っています。
    でも理不尽な輩とは戦う。。。

    実を言うと、単行本の装丁が素敵過ぎて、文庫を読んだ後に単行本を購入した。

    ――――――――――――
    レヴューを書こうと思っていて、ズッと放置していたのですが、この機?に一言だけ書きました。止め処なく書きたいコトが溢れ出るので収拾着かず、、、

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ↓連載始まってました!
      波 2022年10月号 | 新潮社
      https://www.shinchosha.co.jp/sp/nami/bac...
      ↓連載始まってました!
      波 2022年10月号 | 新潮社
      https://www.shinchosha.co.jp/sp/nami/backnumber/20220927/
      2022/10/16
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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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