沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2512
感想 : 270
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  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253398

感想・レビュー・書評

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  • 再読。命が生まれることの不思議と喜び。命がつながっていくことの奇跡と驚き。ぬか床から生まれてくるファンタジーも含め、命の力強さがまぶしい。複雑な話なんだけど、爽やかさがあふれている。

  • 家守奇譚にちょこっと通ずるところもあるけど、それよりさらに壮大かな。ぬか床と泥つながりで百年泥にもちょっとつながる生命の壮大な何か、ってのもある。嫌いじゃないけどちょっと壮大過ぎて呑み込み切れてません。

  • なんとも言えない空気感。知らず知らずのうちに、物語の空気感に絡み取られていくような。うまく言葉がまとまってくれない。

  • この作品をきっかけにぬか床を始めた。笑

    「自分」の境界をめぐる話。
    からくりからくさ、ピスタチオなどと繋がる、自己の在り方、在り様と、世界との繋がり。
    読後、消化不良になったり壮大さにクラクラしてしまう人は上記の二冊から入れば分かりやすいかな、と思う。

    他の梨木作品に比べて「いや〜な」人物も出てくるけれど、きちんと作用してゆく。
    酵母の嫌気性の話は自分の中のものすごく深いところに入っていった。

  • 2008-12-00

  • 消化不良。上手く自分の中に取り込みきれない。南方の島の中、土俗的な風習など作者お得意な領域という気はする。

  • 2009年2月16日~17日。
     ミクロが作りだすマクロな世界って感じか。
     とても壮大な物語を読んだ気がする。
     誕生と死、圧倒的な孤独、細胞の夢。
     抽象的でもあり、非常に科学的でもある。
     ぬか床なんて庶民的な小道具を持ちだしてきて、こんな世界を作ってしまうんだからなぁ。
     ついでに言ってしまうと、僕が最近興味を持っているもの、性、存在、始まり、なんてものとリンクしている。
     リンクしているなんてもんじゃない。
     読んでいてビックリするほどに符合する。
     まさにシンクロニシティ。
     まぁ、これなんかは完全に個人的な感想なんだけど。
     正直、難しかった。
     いずれもう一度読み返すことになると思う。
     難しかったが、いや、難しかったが故にたまらなく面白かった。

  • ぬか床である。恐らくほとんどの日本人なら言葉くらいは聞いたことがあって、でも今や一家に一個あるんだかないんだか、てか普通ないわー、的な存在なんだけども、まだ過去の遺物になりきってもいない、微妙なスタンス。そのぬか床から生まれるなんだか奇妙なファンタジー、かと思ったら驚くほどにSFチックというか、なんというか、読み始めた時に感じたのと、思ってたのと違う感が!ちと残念だったのでした。
    しかし浅漬けよりはやっぱりぬか床で漬けたほうがうまいよねぇ。

  • 夏になると読みたくなる梨木香歩。
    長年なんとなく読む機会を伺っており、とうとう読んだのですが、その甲斐がありました。
    島、とあったので、からくりからくさと何か関係が、と思ってたのですが、島違いだったのかな。

  • どこまでも感じること、表現することは許されているのだなと思いました。
    自由な発想の中でも、いわゆる日常的なシーンもたくさんあるから、ストーリーはしっかり進んでいるのがすごいなと思います。
    本来あるべき姿、何が必要で何が必要でないのかはとらえる枠が変われば、その線引きもやはり変わるわけで、全ては緩やかに1つなのかと大いに納得。
    今一度転がしながら読みたいです。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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