ここに物語が (新潮文庫)

  • 新潮社 (2024年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101253473

作品紹介・あらすじ

人は人生のそのときどき、大小様様な物語に付き添われ、支えられしながら一生をまっとうする――。『二十歳の原点』『木かげの家の小人たち』『あらしの前』『百年の孤独』。作家・梨木香歩は、どんな本に出会い、どんなことに想いを馳【は】せ、物語を紡いできたのか。過去二十年に亘【わた】り綴られた、数多【あまた】の書評や解説、そして本や映画にまつわるエッセイを通してその思考を追う、たまらなく贅沢な一冊。

みんなの感想まとめ

人生のさまざまな瞬間に寄り添う物語の重要性を探求した一冊で、著者の梨木香歩が過去二十年にわたり書いた書評やエッセイが収められています。読み進めるうちに、彼女独自の視点が浮かび上がり、特にナチュラリスト...

感想・レビュー・書評

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  • 祝文庫化!

    ここに物語が | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4104299138/

    取り憑かれたように読み、伝えたくて書く――日常に共にある本と物語の背景
    梨木香歩 『ここに物語が』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/429913/#b_interview

    ここに物語が 梨木 香歩(著/文) - 新潮社 | 版元ドットコム
    https://www01.hanmoto.com/bd/isbn/9784101253473

  • よくぞ一冊の書物にまとめて下さいました。

  • 梨木香歩さんの書評集。
    2002年から2021年にかけて書かれたもの。

    最初の方、なんとなく既視感(既読感?)があった。
    リンドバーグの『海からの贈り物』があったせいか?
    ヨーロッパ文学への素養を感じられるから?
    須賀敦子さんの『遠い朝の本たち』が頭に浮かんだせいもあるかも。

    しかし、読み進めていくと、やはり梨木さんの本だと認識されてくる。
    まず、ナチュラリストなところ。
    (神沢利子がサハリンにつながる人だとは今回初めて知る。)
    片山廣子(文学者としては松村みね子)や金子文子といった、大正・昭和の女性たちに心を寄せているところ。
    片山廣子については、芥川龍之介の「越びと」で知っていたが、彼女の人となりまでは知らなかった。
    晩年、生活に困窮する中病にかかったとき、「お金やお花を下さるんなら、まっぴらお断りしますよ。お菓子ならいただいてもいいけど。」という言葉を残したというエピソードがいい。
    児童文学についての見解も読みどころの一つ。

    梨木さんの文章の特徴だと私が勝手に思っていることとして、最後の一段落、最後の一行が水際立って印象的なことだ。
    一番好きなものは、巻末に置かれた「蛇の末娘」の末文。
    素敵な終わり方なので、書き残しておく。

     創る者も読む者も、人は人生のそのときどき、大小様々な物語に付き添われ、支えられながら一生をまっとうする。(p351)

    自分の中で優れた書評の条件は決まっている。
    私に「読みたい」と思わせ、本を手に取る行動に駆り立てるものだ。
    実際、本書を読みながら、以下の本を手に取った。
    ・塩野米松『失われた手仕事の思想』
    ・安東みきえ『頭のうちどころが悪かった熊の話』
    ・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
    ・佐藤さとる『だれも知らない小さな国』
    手に取ることができれば、読んでみたいものは他にもあるが…
    その意味で、本書は間違いなく「優れた書評」だ。

  • 梨木香歩さんが読み評した本達なのでこういう表現はおかしいのだけど、梨木香歩さんってこんな本読むんだ…と思った。百年の孤独は、これそうだよね、みんな濁流のようなストーリーに圧倒されるんだよね、と

  • 書評、解説、時々エッセイ。

    梨木香歩の小説を読むと、彼女は理系の人だなあと思うことが多々ある。
    割と自然科学に造詣が深いから、というだけではなく、書いてある文章の行間に込められた情報が多いような気がするのだ。
    つまり、形としては散文なのだけど、実は詩なのではないかと思えるような文章を書く人だから。

    それは誰に言ったこともなく、心の中でひっそりと思っていたのだが、実は初めての自費出版本は詩集だったと書いてある箇所をよんで、「やっぱりね」と一人強く頷いたのだった。

    地球上で起こる出来事は、すべてこの地球上の生命に無関係ではない、ということを手を変え品を変え小説に書き綴ってきた彼女の書評は、浅薄な私の読書など足元にも及ばない深くて鋭いまなざしで世の中を捉えている。

    『西の魔女が死んだ』を初めて読んだ時から、生と死、自然、宗教、人間関係等について考えさせられる、考えるきっかけを与えてくれる、彼女の作品が好きだった。
    今回は、その彼女のベースとなっている本だったり、彼女の本の捉え方だったりが前面に出ていて、ファンとして非常にエキサイティングだった。

    最後の方、コヴィット―19が作り出した新しい世界についてのエッセイを読んで、それはまだ5年もたっていない最近の出来事なのに、遠い昔のように感じる自分に驚いた。
    今はもうコヴィット―19とは言わない。(医療関係では言っているのだろうけれど)
    新型コロナが当たり前となってしまった世の中で、人は旅行にも行くし、満員電車にも乗る。
    私はいまだにマスクをして外に出るけれど、それすらしなくてもよい風潮になってきている。

    そうやってなし崩しにチェルノブイリは風化し、東海村臨界事故は忘れられ、東日本大震災後の原発事故も安全が叫ばれるようになった。
    私はずっと覚えていようと思う。
    たとえマスコミが何も言わなくなっても。

  • 『ここに物語が』(単行本2021/文庫2024)とは、児童文学を軸に執筆活動をおこなう梨木香歩さんが、読書について語る本です☆
     約20年間、著者がさまざまな機会にそこに見合った形態や長さで発表してきた書評、読書エッセイ、作品解説などが、結晶化した一冊です✧

     2024年の文庫化によって話題が沸騰した、G・ガルシア=マルケス著『百年の孤独』(https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4102052127)への、梨木流アプローチや解釈がきわめて意味深かったり☆
     子どもの頃に読んだ本として挙げられたドストエフスキー著『罪と罰』については(https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4163903666)、もう成熟した読み方をされていたのだなと、畏れを含んだ敬意を抱いたり★
     アイルランド文学の翻訳家・松村みね子と同一人物である歌人・片山廣子の内面への考察の深度、怖いほど的確な論に感じ入ったり。
     芥川龍之介や小林秀雄といった文豪の、とある部分に対する強い調子を帯びた記述、権威になびかぬ批評精神の鋭さにドキッとしたり。
     歴史を考える上で外せない、戦争と平和にかかわる書籍を何冊も読みこむ真摯さに打たれたり。
     そして、生態系や環境関係に寄せる関心に、この上もない梨木さんらしさを感じたり……★

    『西の魔女が死んだ』『家守綺譚』『沼地のある森を抜けて』などの梨木香歩著作を好きな人なら、作者がどのような本に感銘を受けてきたのか、興味がないわけがない(と思う★)。言葉の選び方、根底にある思索のすべてが、書き手の鉱脈の豊かさを思わせるものですから☆
     その梨木さんを支えし古典から、彼女のこころを揺さぶった新たな物語まで、ときにはそれを原作としたアニメにまで及ぶ話の沼に、すっかり引きこまれたのでした。

     一編一編、熟読を要します。気軽にめくる類ではなく、少し負荷がかかる読書ではありました。自分の、知的とは言いがたい好奇心を推進力とする読書のあり方を、だいぶ反省する事態にも……!?
     ページ数以上にずっしりと重さを感じられる、実り多き一冊です★

  • 作家さんって、知識の源は広く読みあさっているからなんだと思いました。通勤中に少しずつ読んでます。

  • 再読。梨木さんが好きな本について寄稿された書評・評論・解説文をまとめた一冊。どんな本を読み、どんな思いを持つのかでその人の輪郭がはっきりと立ち上がってくる。梨木さんの本は特にそれが明らかで嬉しい。梨木さんが読んだのと同じ本を読みたいと思いながら、まったく実行できでいないのが不甲斐ない。

  • ・南の国に生まれると北志向になる、という話

  • 店頭選書本
    914-N
    文庫

  • 梨木さんの約20年分のエッセイ。
    ほとんどが書評ですが読んだことのない本ばかりで、梨木さんの知識の深さを感じます。

    最後の方に、ご自身の療養中の様子に触れていました。
    I hope you recover as soon as possible

  • 書評選集。作家だから当たり前であるが(そうでない人もいるかな)言葉に大変に敏感で感受性の高さ、そして理解力や更なる想像力に圧倒される。梨木香歩さんに読んでもらえる文筆家は幸せだ そしてもし書評されたら、身も引き締まる思いだろう。全部の本読みたくなった。いつか

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著者プロフィール

作家。小説に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』(新潮社)、『家守綺譚』(新潮文庫)、『海うそ』(岩波書店)、『椿宿の辺りに』(朝日新聞出版)など。エッセイに『ほんとうのリーダーのみつけかた』(岩波書店)、『炉辺の風おと』(毎日新聞出版)など。児童文学作品に『岸辺のヤービ』(福音館書店)、絵本に『蛇の棲む水たまり』(ブルーシープ)などがある。

「2025年 『森のはずれの美術館の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梨木香歩の作品

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