あるべき場所 (新潮文庫 は 22-3)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101254234

感想・レビュー・書評

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  • +++
    横断歩道に落ちていたミョウガ、消えたカミソリの刃、失われた指先、かんぬきを掛ける男。何でもない日常の事物にふと目をとめると、そこから世界は変容し始める。そんな違和感を描いた表題作「あるべき場所」。友人がタイから持ち帰ったいわくつきのナイフ。それを手にした者は誰を殺すのか。人間の心理に潜む恐怖をえぐる「飢えたナイフ」など、奇妙な味わいの5編を収めた短編集。
    +++

    さまざまな物事があるべき場所にない、あるいは、あるべきではない場所にある違和感。だがそれは、気づくことなく見過ごしてしまえば、なんということもないことなのかもしれないが、ひとたび気になってしまうと、居ても立ってもいられなくなる。その絶妙さが興味深い。他も、ほんのりホラーテイストだったりもするが、実際にあってもおかしくないような、些細だが、見逃せないあれこれが詰まっていて、贅沢な一冊である。

  • 直接的な表現を用いずとも文章から雰囲気が漂ってくる。特に「空室なし」の読んでいるときの居心地の悪さがとても良かった。

  •  原田さんの短編はどれも「おほー」となります。
    (一般担当/匿名投稿)令和元年12月の特集「ぐっとくる短編」
    ※蒲郡市立図書館が所蔵しているのは単行本です。

  • 何がきかっけだったのだろう・・・
    原田氏の本との出会い

    本屋の文庫を恥から眺めていき、これぞという作品を手に取る・・・
    本を読み始めた当初からこの作家じゃなきゃとかという
    こだわりはなかった。

    読んでいて好きになって買い続けている作家は多い・・
    その中の1人が原田宗典氏だ。

    とにかくテンポのいい文章、そして人を笑いに巻き込む・・・

    電車の中で噴出したことも多々あり・・・

    短編、小説どれも秀逸作品が多い。

    出会ってから20年近くたつが、今でも新しい文庫が出ないか本屋に行けばチェックをしている。

    この本は短編5編からなる。

    これからの展開を思わせて終わる作品。。。

    それが読者のイマジネーションを掻き立てる

    日常の一コマでありそうでなさそうな話、原田ワールドを試してみては!

  • 2012.03.21 再読

  • すごくいい。短編集。

    思考による時空・空間・場所の移動。
    見ている風景から、別の世界を作り出す
    存在者が不在になり、その場にいない不在者が存在する

  • ハマった

  • 気付けばそこに、ある。

    評価色:白

  • 『野間文芸新人賞』第13回(1991年)候補

  • 図書館。短編集。

    良い意味で、どことなく息苦しい話が多かったです。
    海辺の話が秀逸。ナイフ話はオチがみえたのが残念。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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