- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101255224
感想・レビュー・書評
-
富士通の社内の管理職向け研修である「四十五歳研修」の中で、著者が行った文学の講義の一部をまとめた書。名作を題材として、小説の味わい方や楽しみ方、ひいては小説の書き方までを語っている。著者は、小説のボイントとして、ディテール、つじつま、モチーフの三つを挙げている。
取り上げている作品は、芥川龍之介「羅生門」「藪の中」、柴田翔「中国人の恋人」、遠藤周作「深い河」、阿刀田高「新約聖書を知っていますか」、松本清張「ゼロの焦点」、吉本ばなな「キッチン」、大江健三郎「飼育」、安部公房「砂の女」、井上靖「楼蘭」。
読んでいない本の中では、「新約聖書を知っていますか」と「砂の女」を読んでみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この間古本屋に行って見つけました。
面白そう、と思って買ってみましたよ。
9章からなる本で10作品取り上げられております。その中で自分が読んだことある作品は6作品。多いんだか少ないんだか。なるほど、こういう考え方もあるんだ、とかこの辺りは自分と考えが似てるかも、と楽しく読みました。
深い河は読んだ。うん。あらすじを読んでそうそう、こんな話だった、と思いました。キッチンは…自分は別にどうとも思わない話でした。荒唐無稽で取りとめが無いというのか。大江健三郎は死者の奢りと飼育くらいは一応読めたなあ… 何冊か難しくてギブアップした思い出があります。安部公房の砂の女と箱男はすごく好きです。砂の女はものすごい磁力を感じる作品でした。あっという間に読んでしまった思い出が。
確かにノーベル賞作家でも自分の感性に合わない作品は読まなくて良いし、大衆作品といわれても面白ければ読めば良い。もっともなお話なのです。
それにしても冒頭の活字離れには苦笑です。そうか、昔の純文学ってそんなに売れなかったんだ…笑
全