七つの怖い扉 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.14
  • (30)
  • (85)
  • (338)
  • (44)
  • (14)
本棚登録 : 1187
感想 : 120
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101255255

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 阿刀田 高, 高橋克彦, 小池真理子, 乃南アサ,
    鈴木光司, 宮部みゆき, 夢枕獏の七人の作家によるホラー短編集。
    鈴木氏の作品は、あの貞子が出てくるのにはちょっと笑えた。
    夢枕獏氏の作品は面白かった。

  • 短編ホラーアンソロジー。スナック感覚で気軽に楽しめた。恐怖度は控えめ。もう少し納涼感が欲しかった気もするが、人間の情念というものを感じさせてくれたのでおおむね満足。

    十年ほど前にネットで読んだストーリーの原典とおぼしき作品と、学生時代の専攻内容を思い出させる作品が収められており、なんとなくかつての先生と街でばったり出会った気分になる一冊だった。

    前日作文術に関する本を読んでいたため、読了後にふと書き出しだけ読み比べてみたが、作家それぞれの個性があらわれていて面白かった。
    書き出しも作品も、阿刀田高さんの「迷路」が気に入っている。

    余談だが、自宅や職場、学校など身近なスポットが舞台となる作品がほぼ無いため、小心者が読んでもトイレや風呂に行きづらくなるといった日常生活への支障は出なかった。(笑)

  • ベテラン作家7名のアンソロジー。お得感がある。

    迷路/阿刀田高
    意味がわかると怖い話によくにた話があったが、ゾッとさせる文体が作家ならでは。

    布団部屋/宮部みゆき
    読みやすく、いい話っぽい。途中かなり不気味なので、最終的にことの因果を説明しきってしまうのはもったいない気もした。因果の元凶の男は鬼なのか、鬼になったのか。

    母の死んだ家/高橋克彦
    作家のトラウマには同情するし、うっかり不思議な巡り合わせのように思わせられかけるが、そもそも山崎くんが方向音痴でなければこんなことにはならなかったんではないかと思わないでもない。

    夕がすみ/乃南アサ
    お兄ちゃーん!!ホラーにはありがちな話だが、家族の描き方、かすみの造形がよい。

    空に浮かぶ棺/鈴木光司
    えー、アンソロジーなのにリングの番外編書いちゃう?それは反則じゃなーい?自分の作品知ってる前提は傲慢だしちょっと不快。他でやってよ。

    安義橋の鬼、人を噉らふ話/夢枕獏
    コミカルで面白いけど、鬼が死ぬのはなんでなのか?ブロマンスなのか。

    康平の背中/小池真理子
    読んだ感覚は結構好きな話なんだけど、話の筋をなぞるとなんだかモヤモヤする。結局どういう話なのよ。

  • 阿刀田 高, 高橋克彦, 小池真理子, 乃南アサ,
    鈴木光司, 宮部みゆき, 夢枕獏。

    贅沢なメンバの割りには・・・・うーん。
    期待値が高すぎたか?  ><;;

    鈴木光司の話は「リング」の続きにあたる話・・・。
    もういいって。

  • 怖い話詰め合わせ。なにが怖いかは人により違う。幽霊だったり怪獣だったり虫だったり人だったり集団だったり噂だったり。まんじゅう怖い。

  •  井戸が主役の「迷路(阿刀田高)」、イマイチ乗り切れない「布団部屋(宮部みゆき)」、とてもオチがすばらしいと感じた「母の死んだ家(高橋克彦)」、妹と両親を亡くした少女というお決まりの展開だがなぜが読みいってしまう「夕がすみ(乃南アサ)」、ローズマリーの赤ちゃん風の「空に浮かぶ棺(鈴木光司)」、オチもいいし、展開もアップ店舗で小気味良い「安義橋の鬼、人を喰らふ語(夢枕獏)」、評判がいい割には駄作だと思う「康平の背中(小池真理)」の七つの怖い話。

     いろんな作家の展覧会的な作品集だ。得手不得手はあるだろうが、それぞれに色が出ていて面白い。特段これと思うような作品はないが、当たり前の展開と結末を上手に書ききった乃南アサって、次に読んでみようかな。

  • 多くの著名な方々によるホラーではなく、ブラックな一冊。
    夏に読むべきものだと信じて買ったのですが(笑)、この時期に読み結局怖いんじゃなくって、フフフと言わせるものでした。
    この本を読んで、これら作家さんの本を新たに読んでみようと思わせる良いきっかけになりました。
    読みやすさと内容に星4つ。

  • 「迷路」 阿刀田高著
    ゾクゾクする怖さですね。物語の終わらせ方が、また上手い!そういう遺伝って本当にあるのかしら、と考えてしまいます。

    「布団部屋」 宮部みゆき著
    以前に「あやし」の中でも読んだのですが、再読。人間の温かさと怖さのバランスが絶妙です。この時代物特有の雰囲気が好き。

    「母の死んだ家」 高橋克彦著
    高橋氏は秘められた過去や記憶を扱った作品がピカイチにお上手ですね。誰にでも思い出したくない出来事はあるもの。妙にリアルです。

    「夕がすみ」 乃南アサ著
    かすみちゃん、怖っ!!大人になれば彼女の考えも変わっていくのだろうか…。無邪気な悪意ほど恐ろしいものはありません。

    「空に浮かぶ棺」 鈴木光司著
    この物語は鈴木氏の代表作である「リング」や「らせん」などにリンクする作品らしいです。これだけでも楽しめる作品になっているはず…なのですが、正直あまり面白くありませんでした。「リング」や「らせん」を読んでいる方なら楽しめるかと思います。

    「安義橋の鬼、人を噉らふ語」 夢枕獏著
    これは面白い!語り口も新鮮な感じです。夢枕氏の作品をもっと読んでみたくなりました。

    「康平の背中」 小池真理子著
    後味の悪い怖さです。昭代と克也が怖過ぎです…。最後の一言「まんじゅう」が効いてますね。

  • 中々後味の悪いよく出来た怖い
    話しだった。
    阿刀田さんの迷路は、一番恐ろしく
    後味の悪さも最高だった。
    鈴木光司さんの話しには貞子誕生秘話が
    描かれていてびっくり‼︎
    一流の作家達が書いたそれぞれの作品は
    どれも面白く、一つ一つの作品が
    味わいは違うがホラー好きには満足出来る
    短編ばかり。

  • 迷路 阿刀田高
    布団部屋 宮部みゆき
    母の死んだ家 高橋克彦
    夕がすみ 乃南アサ
    空に浮かぶ棺 鈴木光司
    安義橋の鬼、人をくらふ語 夢枕獏
    康平の背中 小池真理子

    初読みの作家さんも何人かいらっしゃいました。「七つの怖い扉」というタイトルではあるけれど、怖い話というほど全然怖くはないです。夏の夜に聞く怪談話みたいな、きゃあきゃあ騒ぎながら聞く怖い話って感じ。「迷路」を読んでて思ったんですけど、男性の作家の作品は、読めないほどじゃないけど、グロいのが全然ダメな私には、微妙に読む気が失せるような描写があるので、読む前に気を付けた方がいいなと思った。
    宮部みゆきの布団部屋は、「あやし」に掲載されていたので元々好きなお話で、すでに読んでましたが、この本の作品の中では夢枕獏の文章がなんか好きだなーと思いました。
    アンソロジーを読むと、長編を読んでみる切っ掛けになるから楽しい。

全120件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿刀田高の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×