隠れ蓑: 北町奉行所朽木組 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.86
  • (3)
  • (6)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101256627

作品紹介・あらすじ

小池文造が両国で目撃された、という。藤原道場で共に汗を流した仲ではあるが、もとより傲岸きわまりない男だった。私闘に敗れ逐電した後、どのように命を繋いできたのだろうか。やがて、定町廻り同心・朽木勘三郎は宿命の対決へ歩みを進めてゆく(表題作)。勘三郎とその配下朽木組の痛快無比な活躍を描く全四篇。「時代小説に野口卓あり」と高らかに告げる、捕物帳の新たなる定番。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 遠山左衛門尉景元が北町奉行であった時代。
    定町廻り同心、朽木勘三郎は,
    その名前から『口きかん』のあだ名がある。

    長男、葉之助は13歳で定橋掛同心の見習いをしている。
    34歳の朽木の父親の代から岡っ引きをしていた父親に
    ついて出入りしていた同い年の伸六。
    下っ引きの安吉と弥太、見習いの和吉と喜一。
    面倒見がいい伸六のもと、真面目に仕事に取り組み
    メキメキ腕をあげるこの組は他所からも
    『朽木組』と言われる結束も固く実績もあげている。

    そんな朽木組。難事件をチームワークで解決してゆく。

    丹念に取材し、記録を集めて作り上げた世界観は
    読んでいて,実に読み応えもあり、
    何と言っても野口卓の人の描き方が良い。

    中身は途中で休んでも,読みやすい短編を集合させたやり方で
    事件の内容も,解き明かすやり方も読み応えがあり
    読んでいて,読後感に充実感が残る。
    このシリーズ今は二冊だが,これからも続けて描いて欲しい。

  • 朽木勘三郎がメインに伸六、安吉、弥太、和助、喜一が巧みな働きをして事件を解決する短編が4つ.表題作も良かったが「門前捕り」が面白かった.ここで出てくる北村太一郎の働きが素晴らしい.彼は表題作の「隠れ蓑」にも登場する.密度の濃い話しばかりで非常に楽しめる.

  • 野口卓は正真正銘の「楷書」の物語書きだと思う。「軍鶏侍」と並んでこの「朽木組」シリーズもこの先の物語の成長ぶりが楽しみでならない。

  • 野口氏の得意、不得意が捕り物帳形式によって明確になりました。

  • 178

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口卓の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×