- 新潮社 (2013年11月29日発売)
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感想 : 62件
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784101256818
作品紹介・あらすじ
子供たちしか知らない秘密。岬の崖の下には石造りの家があって、それは魔法使いの「おもいで質屋」だった。想い出を担保にお金を貸してくれるという。でも二十歳までに取り戻さないと想い出は返ってこない。中学生になって魔法使いと出会った里華は、すっかり仲良しになり、共に青春の季節を駆け抜けてゆく。やがて二十歳を迎えた時……。きらきらと胸を打つ、あの頃が蘇る魔法のストーリー。
感想・レビュー・書評
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あなたにとって『覚えている限り最初の想い出』は何でしょうか?
人の最初の記憶はおおよそ3、4歳前後のものと言われています。幼い頃の記憶を思い出せ!と言われて私には一つの場面が思い浮かびます。雪の降りしきる中、祖母におんぶされて雪道を歩く光景、私にとってはおそらくこれが一番幼い頃の記憶だと思っています。そして、これは、ただの記憶ではなくて、すごく幸せな『想い出』として刻まれているものです。
『想い出っていうのは、すごく楽しかったり、くやしかったり、ガッカリしたり、そういうふうにあなたの気持ちが動いた出来事のこと』。
そうです。昨夜歯を磨いて寝たといった『単なる事実』ではなく、『気持ちが動く』先に形作られていく、それが『想い出』です。私たちは、誰もがそれぞれに過去の『想い出』の先の人生を生きています。では、そんな『想い出』を対価と引き換えに質に出してしまったとしたらそこにはどんな未来が待っているのでしょうか?
さてここに、『想い出』を扱う『おもいで質屋』という店を舞台にした物語があります。まさかの『魔法使い』が登場するこの作品。そんな『魔法使い』に対価の代わりに『想い出』を差し出す子どもたちを見るこの作品。そしてそれは、『想い出』というものの意味を問うファンタジーな物語です。
『早くしろよ』と『兄の大和に怒鳴られて』ふくれたのは主人公の一人・遥斗(はると)。浜辺へと降りる『せまい石段を降りていく』二人。そんな中、『あそこだよ』と大和が指差す先に『その家は建ってい』ました。『屋根はつやつやとした赤。石の壁は淡いクリーム色』という家は『あまりに小さな入江なので、漁船』も入ってこない場所にあります。『大人たちが寄り付かないのは、そういういい条件が重なったおかげ』、『いや、逆だ。そういういい条件だからこそ、おそらく魔法使いはここに店を開いたのだ』と思う遥斗。そんな遥斗は『おもいで質屋』と書かれた看板を見ます。『この店で兄ちゃんと同じようにうまくやれば、お金が入る。お金が入ったら、お母さんが買ってくれなかったゲームソフトをこっそり手に入れることができるのだ』と思う遥斗は、『行くぞ』と大和に促されて店へと入りました。そして、『あなたは、この店がどんな店だか知ってるの?』と問う『魔法使い』に、『ううん』と首を振る遥斗。それに、『オレ、ちゃんと説明してやっただろ!』と『眉間にしわを寄せ』る大和。そんな横であらかじめ図書館で調べていた『魔法使い』とあまりに異なる目の前の本物の姿を見くらべる遥斗。そんな遥斗に『じゃあ、この店の仕組みを簡単に説明するわね』と話し始めた『魔法使い』。『あなたが出すものの預かり料としてお金を払う』、『あなたが二十歳になるまでにお金を返してくれたら、質は返却する。でも、二十歳になるまでにお金を返してくれなかったら、質は流しちゃう』と続ける『魔法使い』は、『で、あなたが出すものが何かって言うと ー』と話したところで『想い出』と遥斗がさえぎるように言います。それに、『そう、あなたの想い出…あなたはわたしにその想い出を話してくれなくちゃいけない』と語る『魔法使い』は、『それを聞いて、その思い出にいくら払えるのか、値段をつけるのはわたしの自由なの…』と説明します。そして、『想い出を話す準備はもうできてるの?』と訊く『魔法使い』に、『昨日の晩御飯…オムライスとサラダだった』、『いくらくれる?』と返す遥斗。しかし、『そんなのはダメ』、『ゼロ円』、『あなたが今言ったのは、想い出じゃなくて記憶でしょ』と『魔法使い』は否定します。『想い出っていうのは、すごく楽しかったり、くやしかったり、ガッカリしたり、そういうふうにあなたの気持ちが動いた出来事のこと…』と説明された遥斗は、『じゃあ、すんごくうれしかったことを想い出せばいいんだね』と言うと『プチ虫カードっていうのがあってね』と、兄の大和がやらなくなった『カードを全部くれて、そのなかにミヤマクワガタのカードがあって、すんごくうれしかったんだ!』と話します。それに、『あなたが初めて預けてくれる想い出だし、三千五百円ってとこかしら』と答える『魔法使い』。『三千五百円!』、『そんなにもらえるんだ』と喜ぶ遥斗ですが、『ダメだろ。それを質に入れたら』、『想い出を質に入れたら、その想い出は頭の中から消えちゃうんだよ!』と大和に言われてしまいます。『そうなのよ。わたしに預けた想い出は、あなたの頭の中からは消える』と割り込む『魔法使い』に、『でも、二十歳になるまでに、お金を払いに来て、返してもらえばいいんでしょ?』と言う遥斗に、『たいていの子が、取りに来ないのよ』、『大切なお金で、想い出を取り戻したいとは、思わないの』と『魔法使い』は説明します。『想い出なんて、なければないで、別に困らないものなのよ』と続ける『魔法使い』。次に『五千円ほしいんだけど』と金額を先に言う遥斗ですが、『とびきりめずらしい想い出じゃないと、わたしは五千円払わないわ』と言う『魔法使い』は、『人生最初の想い出だったら、どんな内容でも八千八百八十八円払うことにしてる』と返します。それに『覚えている限り最初の』と振り返る遥斗は、『初めて幼稚園に行った日だと思うんだけど、お母さんが約束の時間に来なくて』と『想い出』を話し始めます。まさかの『想い出』を質に預けることができるという『おもいで質屋』。そんな『質屋』を営む『魔法使い』が子供たちとさまざまに触れ合っていく先の物語が描かれていきます。
“子供たちしか知らない秘密。岬の崖の下には石造りの家があって、それは魔法使いの「おもいで質屋」だった。想い出を担保にお金を貸してくれるという。でも二十歳までに取り戻さないと想い出は返ってこない。きらきらと胸を打つ、あの頃蘇る魔法のストーリー”と記される内容紹介に興味魅かれるこの作品。”魔法使いの「おもいで質屋」”という説明の通り紛れもないファンタジーな物語が展開していきます。そんな物語が光を当てるのが『想い出』です。あなたも私もこの世に生きるすべての人にはそれぞれに想い出があります。この作品ではそんな『想い出』というものの意味について光を当てていきます。そこに『魔法使い』が介在はしますが、物語の本質としては『想い出』というもの自体の意味を問う側面が濃い物語だと思います。ただ、『魔法使い』が登場するのがこの作品の最大の特徴であることは間違いありませんので、まずはこの点に触れておきましょう。
● 『魔法使い』について
・『ローズピンク』の『マント』
・『帽子はとがっていなくてバンダナのようで、髪の毛はほとんどバンダナのなかに隠してあ』る
・『目はくぼんでいなくて、わし鼻ではなくまっすぐに伸びた高い鼻』
・『杖はもっていなくて、ちっとも年をとっていな』い
・『何万年もこの世界にいるのよ。もしかしたら何十万年』
・『基準は「面白い」か、「つまらない」か、それだけ』
いかがでしょうか?主人公の一人である遥斗は兄の大和に連れられて『魔法使い』の下を訪れますが、事前に『絵本』などで調べたイメージとあまりに異なるその姿に驚きます。『魔法使い』が登場する作品と言えば村山早紀さん「魔女たちは眠りを守る」、「その本の物語」が挙げられます。本物の『魔法使い』に会ったことがあるという方はいらっしゃらないのでそもそも正解はないとは言え、吉野万里子さんのこの作品に登場する『魔法使い』もなかなか個性豊かで興味深いものがあります。物語では、そんな『魔法使い』が営む『質屋』が一つの舞台となります。
● 『おもいで質屋』について
・岬の『崖の下に一軒の石造りの家があ』る
・『屋根はつやつやとした赤。石の壁は淡いクリーム色に見える。
・『木目調の看板に、丸い文字で』『おもいで質屋』と書かれている
この『質屋』を『魔法使い』が営んでいるということがポイントになります。では、この『質屋』の仕組みをまとめておきましょう。
● 『おもいで質屋』のルール
・顧客が『想い出』を差し出すと『預かり料としてお金』が支払われる。金額は『魔法使い』が自由に決める
↓
・『想い出を質に入れたら、その想い出は頭の中から消えちゃう』
↓
・『二十歳になるまでにお金を返してくれたら、質は返却する。でも、二十歳になるまでにお金を返してくれなかったら、質は流しちゃう』
↓
・『二十歳になったら、質の想い出が流れると同時に、ここに通った記憶自体、消えてしまう』
いかがでしょうか?おおよそのイメージが伝わったのではないかと思います。あくまで相手は子どもが対象というのがこの『質屋』であり、その理由は『魔法使い』自身が物語の中で語ってもいきます。
そして、物語では、遥斗と里華(りか)の二人が主人公を務めていきます。兄の大和に連れられて『質屋』を訪れた遥斗は、母親に対して反発を抱く中に、自らの『想い出』を数多売ってお金を入手していく姿が描かれます。一方の里華は、『質屋』を訪れはしますが、『想い出』を売ることはなく『魔法使い』とさまざまに会話していく姿が描かれていきます。同じ主人公であるにも関わらずこの対比が結末に向かって重要な役割を果たしていくことになりますが、いずれにしても『想い出』というものを取り扱う作品であることがどこまでいってもポイントとなります。さて、あなたは、『想い出』をどのように定義するでしょうか?
『想い出っていうのは、すごく楽しかったり、くやしかったり、ガッカリしたり、そういうふうにあなたの気持ちが動いた出来事のこと』。
『想い出』を語ってくださいと言われてどんな内容を真っ先に思い出すかはもちろん人それぞれです。この作品では、そんな『想い出』を差し出す代わりにお金がもらえる一方で、その『想い出』自体は記憶から消えてしまうという、ある意味で究極のバーターを前にしたそれぞれの人たちの選択が描かれていきます。『想い出』には、もちろん自分だけに完結するものもありはすると思いますが、何かしら他の人も関わっているものです。遥斗は、兄の大和がやらなくなった『カードを全部くれて、そのなかにミヤマクワガタのカードがあって、すんごくうれしかった』という『想い出』を差し出そうとします。『うれしかった』という『想い出』自体は遥斗にとっても貴重なものですが、対価が得られるとなると遥斗にとっては差し出しても良い『想い出』かもしれません。しかし、そのことには、兄の大和にとって自身がプレゼントしたという事実が遥斗の記憶から消し去られてしまうことを意味しています。兄弟の関係性にあってこの繋がりが欠損することは対価には変えられないものがあると大和は拒否します。この場面に見られる通り、私たちの『想い出』というものはなかなかにデリケートな側面を併せ持っていることが分かります。また、『想い出』を『魔法使い』から教えてもらおうとする場面も登場します。そこには、こんな問題も浮かび上がります。
『想い出は、その人だけのものだよ。他の人が、勝手に開けたり取り出したりしちゃいけないんだと思う』。
他人の『想い出』というものに対する視点も提示されていきます。物語には、確かに『魔法使い』が登場し、ファンタジー色豊かな作品であることは間違いないと思います。しかし、そこで扱われるものは、私たちの誰もが最も大切に思う『想い出』というものに光を当てる物語です。遥斗が高校一年生に、そして里華が二十歳になるまでを描いていく物語は、予想以上にダイナミックな動きを見せつつ展開していきます。そして、迎えるちょっぴり切ない結末。そこには『想い出』の意味を改めて考えさせられる、そんな物語の姿がありました。
『人生最初の想い出を、魔法使いに預けてしまった。そのことは覚えていても、どんな内容だったのか、もはや想い出せない。あの人に預けるというのは、そういうことだ』。
『想い出』を『質屋』に預けるという奇想天外な設定の先に『想い出』の意味を問うこの作品。そこには、遥斗と里華というWキャストで展開するからこそ見えてくる物語の姿がありました。『魔法使い』を身近に感じられるこの作品。そんな『魔法使い』に『想い出』を預ける意味を思うこの作品。
読む年齢で全く異なる景色が見えてくるのではないか?そんな風にも感じたファンタジーな物語でした。 -
ティーンズ文庫なのかもしれませんが、40代のおっさんでも普通に読めました。中学、高校時代の青春が呼び起こされます。友人関係の描写では、女の子ならではの駆け引きとか、女性作家だからこそ上手く描けてるなと。心温まる素敵な作品。
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吉野万理子 著「想い出あずかります」、2011.5発行。「想い出」とは何かを子供たちに教えてくれる不思議な魔法使いさんの話です。「想い出」をテーマに、魔法使いさんの言葉を介して、好き・嫌い、面白い・つまらないなどの人間の感情の機微と人を愛することの大切さを説いた物語だと思います。とてもいい作品でした!読みながら、自らを省みて、考え・思うことの多い作品でした。
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再読。
「おもいで」と「記憶」の違い。
<お母さんのオムライスがおいしい、っていうのは単なる事実で、めったにオムライスを作ってくれないお母さんが、二年ぶりに作ってくれて、すっごくおいしくてうれしかったっていうなら、想い出になる>
「おもいで」って普段何気なく口にする単語ですが、意識して考えてみると、その実態は複雑で、自分はそれをどう扱っていけばいいのか、だんだんわからなくなってきた。
何度も反芻したい楽しかった事、嬉しかったこと…二度と見たくない事、味わいたくない事。
良いもの悪いもの、誰にでもある「感情を伴う記憶」。
それを選別して都合の悪い事だけを質に入れて、お金を得られるなら…ラクに生きられるんだろうなぁ。
でも、20歳になったら質に入れた想い出は二度と取り返せない…だとしたら、昔の私だったらどうしたんだろう。今、私が10代に戻れるのならどうしたいんだろう。
質に入れてしまうのか…入れたとして20歳までに取り戻すのだろうか。
迷う。何度シミュレーションしても答えが出ない。
すごく泣いたあの時の事、辛くて食事が出来なくなって病気にまでなったあの時の事、次々に過去の嫌な想い出が蘇ってきても、今の私はとりあえず生きているし、雨風しのげる部屋に住んでいられて、豪華ではないけれど食べるものがある。
不満や不安はあるけれど、それなりに生活ができている。過去の嫌な想い出をこうして想い出してみても、あぁ…あの時は辛かったなぁ、と冷静に見ることが出来ている。もちろん腹が立ったとか、苦しかったとか、そういう感情も蘇るけれど、でも何とかやり過ごすことが出来ている。
そういう想い出があるから、今の平凡で質素な毎日がありがたいのだと思えるのだと理屈ではそう思うけれど、やっぱり辛い想い出は振り返らなくていいのなら、そうしていたい。嬉しい想い出は何度も反芻したい。
勝手なものだ。
そうやって逡巡しているうちに時間がたって、うまく想い出と付き合っていけているのも事実で。
やっぱり、その実態のないふわふわした感情の記憶は必要なものなのか…。
大人になってからの苦い想い出は、質に入れられるものならそうしたい。そして二度と取り戻さない…かも。 -
おもいで質屋。
それは、想い出を担保にお金を借りられるところ。
ただし、20歳までに取り戻さないと想い出は返ってこないというところ。
誰しも嫌な想い出って1つか2つ、もしかしたらもっとたくさんあったりしますよね。
もちろん私自身もたくさんあります。
忘れたくても忘れられないこと。
それはきっと、他の人から見たら小さいことで、既に忘れられていることなのかもしれないですけど。
自分にとっては忘れられないこと。
そんな嫌な想い出を預けて(忘れて)お金を借りられる。
そんな嬉しいことはないって思うのが普通かもしれません。
だけど、良いことも悪いことも想い出で、それらがあって今がある。
それらがあって、今の自分の形が成り立ってる。
そういった色々なことを考えさせられる素敵な物語でした。 -
魔法使いは出てくるけれど、彼女が何かを解決してくれるわけではない。決めるのは自分。
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子供たちだけが知っている魔法使い。
「おもいで」を質に入れると、その「おもいで」は頭の中から消えてしまう。
さくさくと読めるやわらかいお話。
でも、クライマックスはちょっと切ない。
魔法使いが出来ることと出来ないこと。
その矛盾の中で時折見せる表情が良かった。-
2014/05/01
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後日予定
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ここのところ、ティーン向け(と思われる)作品が続いております。
が、良いじゃないか好きなんだから。
良い作品というものは、性差も年齢も関係ないのだ!
まあ、精神年齢が低いだけ、というのもあるかと思います。
この作品も、好きな感じの作品でした。
「魔法使い」が良いんですよねー。主人公もいい。
きっとこうなるかな、と思いながら読んでいて、ああやっぱり、と。
けれど、そこでちゃんと選ぶべき方向を選んでくれたのが本当に嬉しかった。
何を言っているか分からない?
きっと、本作を読めば分かると思います。ああ、なるほど、と。
ちょっと話が逸れるけど、いわゆる「イヤミス」的なものが苦手です。
というか、読後感が悪い作品は、だいたい好きじゃありません。
そういう作品が好きな人を否定する気はありません。
けれど、せめて物語くらい、幸福な世界であって欲しいのですよ。
ハッピーエンドである必要はないけれど、すっきりと終わって欲しい。
すべての謎が解決されなくても良いけど、ちゃんと「終わって」欲しい。
「イヤミス」を読んだことがないので、認識が違っているかもですが。。。
ということで、本作品。
ちゃんと「終わって」くれます。すっきりとした読後感です。
そして、なんとも幸福な気持ちに満たされました。
「別れ」をきちんと書ける作家さん、好きだなあ、と思いました。
あともう一つ。
彼、初めはちょっと、お、と思いました。
けど、そのあとの軽薄さというか、ああ男子高校生、って流れがお見事。
ちょっと自分の「若さ」を思い出して、ふえーってなったりしました。
いま、ぱらぱらとめくって、気が付いたこと。
会話のセンスが抜群なんですね。だからリーダビリティが良いんだな。
物語の進むテンポも、場面転換も、そういうタイミングも上手い。
こう、すっ、すっ、と差し込まれてくるタイミングがいい。
それはきっと、「話し上手」な人との会話に近いのかなと思います。
本当に素敵な作品でした。 -
魔法使いの設定があんまり上手に物語をつくりだす装置としていまいちだった。
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長編小説でありながら、
児童文学の雰囲気もある。
魔法使いが出てくるけれど
想い出を質として預かるだけで
それ以上の不思議を使って
何かを解決したりはしない。
なんだか不思議なお話でした。
けれどほっこりとした気持ちになります。
想い出とかすぐ忘れちゃうたちなので
ファイリングする魔法がほしいです(笑) -
20歳未満の子供達が魔法使いに思い出を質に預ける話。
はじめはちょっと変わってて面白い話だと思って読み進めていたけど、途中からすごく素敵なお話になってきて、ぐいぐい読めた。最後まで素敵な終わりだった。
吉野万理子さん初読だったけど、好き!
他の作品も読んでみたい。 -
里華を中心にちょっぴり甘酸っぱい物語。
質屋の魔法使いと関わりながら少しずつ大人になっていく姿が素敵でした。 -
おもいで質屋、そして魔法使い。なんとも魅力的な組み合わせ。思い出を売る子も売らない子も遊びに来る。魔法使いと子どもたちの間に本当に色々な事が起こり、「おもいで」という言葉からイメージする懐かしいようなほっこりする気持ちだけでなく、辛い事も苦しい事も織り込み色々な日常を見せてくれる。
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小さな入り江に魔法使いが住んでいて、想い出の質屋をやっている。というファンタジー。
その町の子供達が「質屋」の意味を知っていたり、おもいでをひらかなで書いたり…という冒頭から興味津々で読み始め、あっという間に読了。
魔法使いさんと里華には友情があったと思う。
遥斗くんは子供らしさ故に深い痛手を負ったけれども。
雪成はいつかしっぺ返しを食うだろう、いや、食え。
二十歳になった里華は魔法使いさんにまた逢えるのかなぁ。
ふんわりだけど、良いこともそうでないことも大切な自分の一部と思わせられる深い作品でした。
フォローさせていただいてる棚にあった1冊です。
感謝です。 -
屋上でカップルがイチャイチャする中学校。今の中学校ってそんな感じ?笑
とても読みやすくて甘酸っぱくて切なくて、何だか懐かしかった。
ただ、雪成には最後までモヤモヤと…
依頼を御断りした時、その理由をちゃんと説明してあげたらまた違ったのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか。
他の人と想い出を共有できないのは残念だけど、里華がいつかまた再会できますように。
著者プロフィール
吉野万理子の作品

この本は直ぐにでも読みたいですね。
本日図書館が休館日なのが悔しいです…。
この本は直ぐにでも読みたいですね。
本日図書館が休館日なのが悔しいです…。
こちらこそありがとうございます。
はい、ファンタジーな一冊ですが、独特な魔法使いの登場などなかなか面白いです。
こちらこそありがとうございます。
はい、ファンタジーな一冊ですが、独特な魔法使いの登場などなかなか面白いです。