楽園のカンヴァス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259611

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年山本周五郎賞受賞作品

    原田マハさんの作品を初めて読みましたぜ。 

    以前から気になっていた作家でしたがきっかけがなく読まずじまいだったんです。が、職場の読書好き後輩同僚にマハ作品「めちゃ面白いですよ」と勧められて読むことにしました。

    ちなみに本作と「暗幕のゲルニカ」の2作品をその彼から借りました。両作品を立て続けに読んだわけですが、これがまた両方とも大変面白く大満足できたんです。マハワールドに没入し魅力されました。

    有名作家なので以前から名前は知っていましたが作風はいっさい知りませんでした。
    有名画家の特別展が開催されると美術館に足を運んだりする私にとっては、アート系もっと言えば絵画系小説とは題材としては実に実に興味深かかったですな。

    少し作品について触れておくと、本作は異才の画家アンリ・ルソーと彼の作品を巡る物語です。ニューヨークにあるモマの若手キュレーター、ティムブ・ラウンと主人公でルソー研究者、早川織絵のルソー作品の真贋鑑定判定対決のお話しですが、対決相手でありながらにしての二人の関係性の微妙な変化がこの作品の妙味ですね。

    また小説内小説でアンリ・ルソーその人の時代が語られていますが、これがまた良い! ルソーの純朴さ、朴訥さ、天然キャラ大好きっす。

    詳しく書くとネタバレしてしまうのでこのあたりにしておきます。

    ともあれ本作を読み終えたときの満足感、爽快感、余韻…こんな感覚をもてた小説はけっこう久々かもしれません。圧巻と言っていいでしょう。

    本作の表紙に使われているのが、作品のテーマでもあるアンリ・ルソーの「夢」という作品ですが、読む前に見た「夢」と読んだ後に見た「夢」は同じ絵なのに全く違うように見えるんです。
    本作未読の皆さん、読んだ後に見る「夢」をぜひぜひご堪能ください(笑)









    • 傍らに珈琲を。さん
      TAKAHIROさん、こんばんは!
      先日いいねを押させていただいた時からコメント入れさせて頂きたくて、やっと時間がとれました♪

      マハさんの...
      TAKAHIROさん、こんばんは!
      先日いいねを押させていただいた時からコメント入れさせて頂きたくて、やっと時間がとれました♪

      マハさんの作品は未開の地なのですが、気になっている方の1人です。
      マハさんはキュレーターの経歴もお持ちなんですね。

      私もTAKAHIROさんのように、美術展好きで美術館に足を運ぶ者です。
      訪れる度にチケットとフライヤーをスクラップしています。
      ルソーは詳しくないですが、独特の画風ですよね。
      人物画は何かのキャラクターのようだし、緑豊かに動物を描いた作品も綺麗。
      幾つかの作品を見たことがあるのですが、何の美術展だったか…。

      感想文を読ませて頂いて、いつかマハさんの絵画系小説を読みたいなぁと思いました。
      2022/11/15
    • koshoujiさん
      初めまして。koshoujiと申します。
      かなりの亀レスですが、フォロー、或いは私のレビューに“いいね”をいただき、ありがとうございます。...
      初めまして。koshoujiと申します。
      かなりの亀レスですが、フォロー、或いは私のレビューに“いいね”をいただき、ありがとうございます。
      10年ほど前、ひたすら本を読んでいた時期があり、ブクログに掲載しているレビューも、その頃のものが殆どですが。
      その後、故郷の同窓生探しのためにmakopapa77という名前で、歌うYouTuberに変貌し、小遣い稼ぎしていました。
      この2023年2月に、めでたく「前期高齢者」の仲間入りを果たし、4月からは、週に6日は日曜日状態(笑)になり、今後はようつべとブクログの両立も可能で、新しいレビューも書けそうです。
      ただし、海外旅行が増えるので、無理矢理そちらにかこつけたレビューが多くなるかもしれません。
      それでも、読んで楽しくなるようなレビューを書き続けたいと思いますので、読書仲間として末永くよろしくお願いいたします。<(_ _)>
      TAKAHIROさんのレビューも楽しみにしております。

      原田マハのこの「楽園のカンヴァス」は、何故に直木賞に至らなかったのか不思議で、私のレビューでは、そのあたりに言及しております。
      美術館が、というか絵画がお好きなようですね。
      コロナ禍になる1年前、マドリッドに行き、ソフィア王妃センターではピカソの生の「ゲルニカ」を見て、その気迫に圧倒され、プラダ美術館では、あまりの名画の多さに疲れ果てました(笑)。

      その時の様子は下記「ガウディの夏」のレビューに書いておりますので、お暇なときにでもお読みくださいませ。
      https://booklog.jp/users/koshouji/archives/1/4041294177


      2023/04/06
  • アンリ・ルソーの未発見の絵の真贋を判定せよ。対するのはMoMaのブラウンと、若きルソー研究者早川織絵。その背後に、様々な組織、人物の思惑が蠢く。極上の美術ミステリーでした。
    原田マハさんの美術への造詣は群を抜いています。そして、美術への扉を開いてくれるという点で優れて価値ある一冊だと思います。
    美術館で何を見ていいかわからない織絵に父のいった言葉「自分の好きな友だちなら見つけられるだろう?」
    確かに、美術館に行ってこれは好きだという作品なら出会える。箱根の成川美術館で見た加山又造「猫」、京都広隆寺で見た弥勒菩薩像、小一時間動かずに見つめてしまったことがあります。
    あぁそれくらいならわかるかなと読み進めることができるのです。
    そんな自分を名画を巡るミステリーに心を捉えてしまうところに凄みがあります。「夢」にまつわるアンリ・ルソーの物語。そこに描かれる彼の生きざまや情熱に、知識のない自分でも名画の名画たる所以を知ることができるのです。
    そして、まるで見てきたかのように、ルソーやピカソの生きた時代のフランス、織絵とブラウンの過ごしたスイスのバーゼルが描かれていることです。街の空気が匂って来るようです。それくらい生き生きと描写がなされています。
    心からルソーの名画を心から愛する織絵とブラウンだからこそ、その対決の結末はもう、感動でした。

    「画家を知るには、何十時間も何百時間もかけてその作品と向き合うこと」
    「偶然、慧眼、財力。名作の運命は、この三つの要因で決定される。」
    「目と手と心、この三つが揃っているか。それが名画を名画たらしめる決定的な要素なのだ。」
    私たちが名文を読むたびに新しい発見や感動が色褪せず生まれるのと同様に、名画にも見る人の人生を変えるだけのものがある。
    それを見ごたえとして引き出し、私を引き付ける原田マハさんに脱帽です。
    新しい世界に触れる喜び。読了するまで幸せな時間を過ごせました。

  • 秋めいてきたここ数日、原田マハさんのアートミステリーをじっくり堪能した。われわれが何気なく足を運んでいる大型海外作品の美術展の組織のからくりなども垣間見ることができて、トリビア的な知識欲も満たされた。

    謎めいた展開、次々に明かされる真相。現在から、過去の回想と作中作、そして現在へ。事実と創作の境目はどこにあるのか。ダン•ブラウン作品のロバート•ラングドン教授でも出てきそうな、知的なこの空気感が好きである。

    冒頭、美術館で監視員の仕事の良さを内省する織絵が、おもむろに、団体客に遅れて加わる女子高校生に歩み寄る。なぜ分かるのかガムを噛んでいることを注意し、少女が反抗するシーンが映像的で印象深い。両者の関係は後で明かされる。

    織絵を、自ら封印した過去は放っておかない。「あなたは、『一介の監視員』なんかじゃありませんね」「ひょっとしてーあのオリエ・ハヤカワなんじゃないですか?」美術展への出展交渉の重要人物として相手先のMoMAから指名される。

    17年前、パリ大学の気鋭のルソー研究者であった織絵。ある富豪から幻のルソー作品「夢をみた」の真贋調査のためバーゼルへ招待を受ける。作者不詳の文献を7日間で1章ずつ読み作品を講評する形でMoMAのティム•ブラウンと対峙する。

    ティムもルソー研究者であり、上司のトム•ブラウン宛の誤植と思われる招待状を手にバーゼルの屋敷に向かう。目撃情報で事態を察した美術界の大物たち。『猿芝居はそこまでにしておくんだな』彼はキュレーター生命を賭けることになる。

    織絵は若く、黒髪と涼しげな瞳、白シャツと黒スカートのクールな佇まいであったが、静かな火花を散らしながら次第にティムに心を開いていく。織絵が恋人との間に新しい命を宿していることを知り、ティムは織絵への思いを口にしない。

    織絵が動物園にティムを誘う場面。「なんとなく、わかったんです。そのとき、(植物園に足しげく通った)ルソーの気持ちが。彼はアートだけを見つめていたわけではない。この世界の奇跡をこそ、みつめ続けていたんじゃないかなって」

    スマホや本ばかり見ていないで、まずは自分の人生を見つめなさいと言われたような気がした。

    作中作で、徐々に、ルソー作品の下地に描かれていた、ある大物の作品の存在が示唆される中、真贋調査の講評は意外な結末を迎える。血縁関係から真贋を示唆する描き方が巧みである。別れの前、二人はルソー作品を心ゆくまで眺める。

    そして17年後、MoMAのルソー「夢」の前で再会する。色々想像を掻き立てる終わり方である。

    小谷野敦氏の「レビュー大全」では、「…だんだん現実味がなくなって漫画みたいになっていく」「恋をした、といっても何だかお決まり路線みたいで、その相手の女性が魅力的に描かれていないし…」と辛いレビューだが、私は好きである。

    最後に、もう1人の主人公アンリ•ルソーの作品は、これまで自分の好みでなかった。数年前のルノワール展でもどうしても違和感が先に立っていたが、今思えば主要作品が思い出せないほど印象深い。本作は間口を広げる良い契機となった。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      さいはての彼女は、部類が違うのでベストのままで良いのではないでしょうか?(*^o^*)

      haruさんのアクティブな所、良いですねー!
      私は...
      さいはての彼女は、部類が違うのでベストのままで良いのではないでしょうか?(*^o^*)

      haruさんのアクティブな所、良いですねー!
      私はカレンダー通りです
      良い休日をお過ごしください♪
      2023/10/08
    • harunorinさん
      ですねー 部門別1位ということにします!
      三連休なので、1日くらいは自由に動ける日があるかもというくらいですが笑 国立のキュビズムを見たとき...
      ですねー 部門別1位ということにします!
      三連休なので、1日くらいは自由に動ける日があるかもというくらいですが笑 国立のキュビズムを見たときに、いいマグカップでもあればと思っていたので、その流れで書籍コーナーを覗いてみようかと♪(*´꒳`*) ではまた
      2023/10/08
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      あの書店になら、ありそう
      いってらっしゃい♪
      あの書店になら、ありそう
      いってらっしゃい♪
      2023/10/08
  • 大学生時代から15年間、倉敷市に住んでいました。
    大原美術館はとても身近で、館長さんに講演を依頼したこともありました。

    この作品はその大原美術館から始まります。
    大原美術館 監視員の早川織絵とニューヨーク近代美術館のティムブラウン。
    現代のこの二人が当時のアンリ ルソーの生涯を解明していきます。
    「夢」に隠された秘密。
    ルソーの生き方が描写されていて、とても親近感が持てました。
    織絵とティムもとても素敵。

    一つ一つの作品が人生そのもののように思えます。
    芸術には疎いですが、もっと勉強したくなりました。

  • とにかくすごい!!
    美術系の本なので、難しいのかも、、と思って積読にしてました
    もっと早くに読んでいればよかったです!

    私は絵画に詳しくないけれど、もっと絵を知りたいと新しい興味も引き出してもらった

    そして、緻密なストーリー
    次はどうなるんだろう
    とワクワクしながら読み進めました

    • bmakiさん
      あーーーそのお気持ち凄くわかります!!
      私も超ワクワクして読みました。
      凄い熱量の本ですよね!!

      なのに、もうすっかり内容を忘れて...
      あーーーそのお気持ち凄くわかります!!
      私も超ワクワクして読みました。
      凄い熱量の本ですよね!!

      なのに、もうすっかり内容を忘れてます。
      あんなに興奮したのに(⌒-⌒; )
      2024/03/25
    • MRさん
      bmakiさんこんばんは!コメントありがとうございます
      原田マハさんの本って、すごいですよね
      まだまだ積読にしてる本があるので、少しずつ読み...
      bmakiさんこんばんは!コメントありがとうございます
      原田マハさんの本って、すごいですよね
      まだまだ積読にしてる本があるので、少しずつ読みます

      繊細で、隅から隅まで計算されてる内容だからこそ、細かいことは忘れてしまいそうです

      しばらくして再読するのも新しい発見がありそうで良いですね!
      2024/03/25
  • 「よい旅を(ボン・ヴォヤージュ)」

    読書はいつだって自分の未体験、場所、景色へと案内してくれる。今度の、初めて読む作家原田マハさんは美術の世界へ。

    恥ずかしながら美術の世界は無知過ぎて、ピカソという名前は知っていても顔も作品名も知らない。モナ・リザだってダビデ像だってどこの国の誰が描いてどこの美術館にあって…日本の芸術家なんてもっと知らない。「館」とつく施設の中で美術館は学校の社会見学以外しか多分入った事がないと思う。そんな自分が読み始めて数十頁で面白い!と感じました。

    早川織絵は大原美術館の監視員。その名の通り監視員とは芸術作品の傍に立ち、館内のトラブルが起きないように監視をする仕事なのだが学芸員、コレクター、研究者の誰よりもその芸術作品に向き合う事が出来る一面もある。館内の見回り、監視位置のローテーション、団体客学生の対応など深く考えた事のない職業の日常が細かく描かれています。

    織絵が館長に呼び出され、ニューヨーク近代美術館から絵画「夢/アンリ・ルソー」の貸出の交渉依頼を受けた所からストーリーが動き始めます。一介の監視員ではなく、実は世界的なルソー研究者のオリエ・ハヤカワ。織絵を窓口に指名してきたチーフキュレーターのティム・ブラウンという人物。

    二人の出会いは17年前。伝説のコレクター、コンラート・バイラーからの手紙。コレクションの一つの「夢をみた/アンリ・ルソー」の真贋判断と作品講評で呼ばれた二人が「夢をみた」の取り扱い権利を掛けて7日間を過ごす。色んな人物の思惑、絵の謎、ピカソとルソーの関係…

    美術や史実を知らないからこそより楽しめた感じがある。ピカソやルソーをネットで調べる時にネタバレが怖くて薄ら目で見ていました笑。中盤終盤の惹きつけるパワーとスピード感が凄く、睡眠時間を削って読み終えました。

    美術に触れたくなります。遠くに旅行もいいな。

    • アンシロさん
      mihiroさん、こんにちは。

      め〜ちゃくちゃ良かったです(*^^*)アートに無知でも分かりやすく説明してくれていてとても勉強になりました...
      mihiroさん、こんにちは。

      め〜ちゃくちゃ良かったです(*^^*)アートに無知でも分かりやすく説明してくれていてとても勉強になりました。

      テレビや新聞で〇〇展開催と目にする事はありましたが、裏では貸し借りの交渉や高額なお金の動きがあって苦労の末の開催という事を知りました。日本でルソーやピカソが見られるってのは本当に有り難い事なんですね(*^^*)より興味が湧きました!

      キュレーターはこの作品に出会わなければ知る事がなかった言葉。アートに詳しくなりたいと思って、ブク友さんから教えて頂いた子供用の図鑑『はじめての絵画』を早速借りてきました笑。
      2023/11/12
    • mihiroさん
      アンシロさん、早速ですね〜笑✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      チラッと検索したらほんとに図鑑で、なんだか私まで興味惹かれてしまいました...
      アンシロさん、早速ですね〜笑✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      チラッと検索したらほんとに図鑑で、なんだか私まで興味惹かれてしまいました笑
      私も図書館に予約してみます!
      2023/11/12
    • アンシロさん
      mihiroさんも興味を持ってもらえて嬉しいです。
      子供向けなので気軽に絵画を見られていい感じですよ。ペラペラ捲っていて、よく目にする作品が...
      mihiroさんも興味を持ってもらえて嬉しいです。
      子供向けなので気軽に絵画を見られていい感じですよ。ペラペラ捲っていて、よく目にする作品が多くて安心感があります。急にどっぷりアートの世界に浸るなんて出来ないのでゆっくりゆっく〜りとですね(*^^*)
      2023/11/12
  • 面白かった。一つの絵を巡るアート・ミステリーというのかな。
    古書による過去の展開もあるし、現在進行系の展開もあるしで、ページを捲る手が止まらない。
    ルソーやピカソも登場し、その絵や美術史にも興味が湧く。
    ミステリー要素をちょっと紹介すると…
    ・名作「夢」に酷似した絵「夢をみた」の真贋は?
    ・絵に何か隠されている?
    ・ルソーとピカソの想い、絵のモデルとのエピソード
    ・「夢をみた」を手に入れたい者たちの真の思惑は?
    ・絵の持ち主の正体って…?
    ・最後にこの絵を手にするのは?…etc

    中学の美術の成績は「2」だった…楽しく制作したのに(T_T)w。そんな私でも楽しめる本書。
    この頃に原田マハさんや中野京子さんの本と出会っていれば、美術史に興味が湧いていたかもしれないなぁ…今からでもっ(๑•̀ - •́)و

    • 1Q84O1さん
      なおなおさん
      違いますよ!
      世間の理解が一門に追いついていないだけ!
      我々はある意味画伯ですからw
      なおなおさん
      違いますよ!
      世間の理解が一門に追いついていないだけ!
      我々はある意味画伯ですからw
      2023/06/27
    • アンシロさん
      なおなおさん、おはようございます。

      『楽園のカンヴァス』まだ読んでる途中ですが、面白いです。美術を全く知らなくても敷居低く、ストーリーに導...
      なおなおさん、おはようございます。

      『楽園のカンヴァス』まだ読んでる途中ですが、面白いです。美術を全く知らなくても敷居低く、ストーリーに導いてくれてとても心地良い(*^^*)美術館で絵画を眺めてみたいと思いました。
      2023/11/08
    • なおなおさん
      こんばんは!
      アンシロさんも読まれているとのことჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)
      美術を知らなくても、たとえ絵が下手くそでも関係なし!面白いですよね...
      こんばんは!
      アンシロさんも読まれているとのことჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)
      美術を知らなくても、たとえ絵が下手くそでも関係なし!面白いですよね〜。
      絵画について興味がわきます。
      アンシロさんのレビューを楽しみにしております。
      2023/11/08
  • 『楽園のカンヴァス』
    ずっと憧れていた。手にしたいけど、届かなかった。まだ早いまだ早いと回り道ばかりしていた。

    でも記念すべき4月24日。ついに、アンリ・ルソーの絵の真贋に立ち会うことができた。
    何ヶ月か前、原田マハさんがルソーの絵を解説している番組を観た。偶然に。
    遠近法など気にしない。上半分と下半分が分離しついても、ひとつひとつの対象に向き合って葉っぱの一枚一枚まで丁寧に描く。気を衒った技法でなく、自然なルソーの絵が新しい、前衛的。そんなことを話されていた気がする。

    そして今回のルソーの絵の真贋を問うこの作品。
    ティムと織絵の対決の面白さ。それもある。二人が謎解きを図りながら距離を縮めていく描写がたまらない。ティムよりも織絵に感情移入して読んでいた私はティムの胸の高鳴りに気づき、自分の胸も震え出す。
    ルソーの絵を奪おうとする人と守ろうとする人のせめぎ合い。後半の原田マハさんの展開力が凄い。でも何よりルソーとルソーの絵に対するマハさんの限りない愛情が、ルソーの絵の中へ私を没入させる。ヤドヴィガとともに。ティムと織絵とともに。

    そして訪れたラスト。
    病院のベッドで、病院の待合室で読み継いで、今日はついに体も心も晴れ渡った。
    原田マハさん、ありがとうございました。

    • ヒボさん
      まいけるさん、こんばんは♪
      フォローありがとうございます。
      まいけるさんも本書を大切に読まれたのが伝わってきました(^-^)
      まいけるさん、こんばんは♪
      フォローありがとうございます。
      まいけるさんも本書を大切に読まれたのが伝わってきました(^-^)
      2024/04/24
    • まいけるさん
      ありがとうございます。
      私にとって最高のタイミングでした。
      これからよろしくお願いします。
      ありがとうございます。
      私にとって最高のタイミングでした。
      これからよろしくお願いします。
      2024/04/24
    • ヒボさん
      こちらこそ宜しくお願いします♪
      こちらこそ宜しくお願いします♪
      2024/04/24
  • 原田マハさんの小説は、図書館が開館したら1番で借りられる予定の最新作以外は、ごく初期の2,3作品を除き、全て、マハさんにお詳しい御親切なフォロワーさんにご助言いただき、全てブクログの本棚に載せましたが、ブクログ登録前に既読だったこの作品だけ載せていなかったので、再読しました。
    第25回山本周五郎賞受賞作で、美術ミステリーですが、2012年に出版されておそらく、すぐに拝読したので、所々思い出したものの、最後は全く覚えていず、再び楽しんで読むことができました。
    全然古い感じはなく、ラストシーンでは「やられた!」と感嘆の声をあげ、マハさんの実力を再認識しました。

    2000年、倉敷の大原美術館で監視員として働いていた、シングルマザーの早川織絵のところへ、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のチーフ・キュレーターのティム・W・ブラウンからオリエ・ハヤカワを交渉の窓口にすれば、絵画のレンタルを考えてもよいという打診があります。
    大原美術館側は、アンリ・ルソー展を開くにあったてアンリ・ルソー作の『夢』だけでも借り入れたいと織絵に白羽の矢をたてます。

    1983年、伝説のコレクター・コンラート・バイラーがふたりの研究者に真贋鑑定の依頼をします。
    鑑定作品はアンリ・ルソーの『夢をみた』。勝者に贈られるのは『夢をみた』の取り扱い権利。
    ふたりのうち一人は、トム・ブラウンですが、1文字違いの名前を持つティム・ブラウンがトムになりすまし、参加。もうひとりはソルボンヌ美術史科・研究職のオリエ・ハヤカワ。
    ふたりはバイラーに一冊の古書で『夢をみた』という七章からなる物語を渡し、毎日一章づつ読み、真贋の判断をするようにと言い渡します。

    古書の内容は、売れない画家のアンリ・ルソーとモデルのの洗濯女ヤドヴィガ、その夫のジョゼフ、仲間の画家パブロ・ピカソ、詩人のギューム・アポリネールらの物語です。
    途中でティムは自分の本当の名前をある人物に知られおどしをかけられたり、『夢をみた』の隠された秘密を知ることになります。
    ルソー、ヤドヴィガ、ジョセフ、ピカソらの『夢をみた』の作中作がまず、素晴らしく、最後のヤドヴィガが天国の鍵を握ってルソーと結ばれたというシーンでは、涙腺が緩みました。
    また、ティムとオリエの第十章での対決、勝負のシーンも全く予想外で夢にも思わぬ結末でした。
    全ての話がつながったとき「マハさんって、やっぱり最高!」と思いました。

    • kuma0504さん
      そうか。大原美術館から始まるのか。しかもその監視員。ちょっと触手欲出てきました。原田マハさんは「でーれーガールズ」もあるように、青春時代を岡...
      そうか。大原美術館から始まるのか。しかもその監視員。ちょっと触手欲出てきました。原田マハさんは「でーれーガールズ」もあるように、青春時代を岡山市で過ごしています。映画は酷かったと聞いているので、封切り時には観ていないのですが、いつか観なくちゃとも思っています。

      大原美術館は、地元ですから、子供の時は10回近く、大人になっても10年に一回ぐらい行っています。1番好きなのはピカソの「鳥籠」です。小学生の時に、感想文書いたら褒められたので、もっと好きなりました。ルソーもあったと思うけど、印象にないなあ。
      2020/05/05
    • まことさん
      kuma0504さん♪こんにちは。

      『楽園のカンヴァス』は大変お薦めです(*^^*)
      マハさんのおそらく出世作でしょうね。
      大原美...
      kuma0504さん♪こんにちは。

      『楽園のカンヴァス』は大変お薦めです(*^^*)
      マハさんのおそらく出世作でしょうね。
      大原美術館は地元であられるのですね。
      羨ましいです。
      ピカソの『鳥籠』のエピソードは作品の中にも織絵のエピソードででてきますよ。
      『でーれーガールズ』も拝読しましたが、本は、上手くいきすぎのかんじはしたけれど、本はとても面白かったと記憶しています。
      映画にもなっているのですね。
      いろいろ、地元ならではのkuma0504さんの
      感想を拝見してみたい気がします。

      2020/05/06
    • まことさん
      kanegon69さん♪こんにちは。

      マハさんの新作が1番で(強調)借りられるところで、図書館が休館してしまい、半年ほど、マハさんの小...
      kanegon69さん♪こんにちは。

      マハさんの新作が1番で(強調)借りられるところで、図書館が休館してしまい、半年ほど、マハさんの小説を読んでいないな~。と思い手に取りました。
      アートミステリーですが、ほとんど覚えていなかったため楽しめました(*^^*)
      今度は、実は積んである、マハさんの新書を読んでみようかと、思っていますが、私には新書のレビューは難しいかなと思っています。
      そして、kanegon69さんにも、感謝の気持ちでいっぱいです!
      2020/05/06
  • 原田マハと私は、ニアミスをしている可能性があります。解説の高階秀爾大原美術館館長(作品中の宝尾館長のモデル)によると、小学校4年の時に父親に連れられて大原美術館に来館し、ピカソの「鳥籠」を見て「ヘタクソな絵!私ならもっと上手く描ける」と考え実際に描いたといいます。私は正にその同年訪館し、夏休みの宿題感想文に「鳥籠」は「見ていて暖かくで穏やか気持ちになり、全然難しい絵ではない」と書き、先生に褒められました。その褒め言葉が功を奏してその後、小学生、中学生を通じて、美術は常に5段階評価の5を獲ることになります。彼女が訪ねたのが夏休みだったとしたら、すれ違っていた可能性はゼロではないのです。でもここで、原田マハと大きな差が出ていることに、今回このエピソードを知って、私は気がついたのです。批評しかできない者と実際描く者。

    実はその後、もう一つ同じ道を歩みながら、同じような大きな差が出現していたことに、気がつきました。中学時代、私は、画家になるには画力が不足しているからムリ、漫画家になることを夢見ていました。何故画家を諦めたかというと、「鳥籠」を見たとき、同時にセガンティーニの「アルプスの真昼」という作品の感想も書いています。これにはピカソと別の意味で私は驚きました。淑女がアルプスの高原で山羊と共に佇んでいる絵ですが、油絵具の塗り重ねが素晴らしく、草原の色の洪水が、何故か草原そのものに思えました。間近に見たり遠くから見たりして、小学生の私はおそらく早々に見切ったのです。「とてもこんなの描けない」と。私は漫画習作をいくつか描いた後、大学受験のために一時中断しました。実はそんな時、同じ岡山で原田マハは少女漫画を実際に何作も描いていたというのです。一方私は80年1月、ジャンプで連載開始したひとつの作品を見て漫画家になることを諦めました。手塚漫画は真似できる。劇画は努力したらできるだろう。けれども、こんな単純な線で立体的に独創的に描く漫画はとても無理だ、と思いました。鳥山明「ドクタースランプ」です。実際に描く者と、早々に諦める者。その後私は、マンガ編集者になるのも夢見ますが、就活で、そのあまりにも競争率の高さに尻込みして諦めました(笑)。

    さて、ここから本題です(←すみません!)。

    原田マハは、81年3月まで岡山に居ました。当然、小学校以来何度か大原美術館には行っているはずです。高校生の時に訪ねた彼女は、こう思ったのではないか?

    「あゝ懐かしい!ピカソの『鳥籠』だ。ヘタクソと思ってこれより上手く描いたと思ったことがあったなあ。あの後、確かなデッサン力があってこそ、この絵だとわかって意見変えたけど」
    原田マハは美術部にこそ入りませんでしたが、高校時代はずっと漫画を描いてました。美術を観る眼は格段に上がっていました。
    そのあと、同じ部屋にあったひとつの絵にも眼を滑らします。
    「パリ近郊の眺め、バニュー村」
    彼女は鼻で嗤う。
    「これはダメね。一見丁寧に描いているみたいだけど、牛と農夫と積みわらの遠近がまるでなっていないし、光の当て方もバラバラじゃない」
    と、通り過ぎたのでした。

    その4年後、今やすっかり美術作品に詳しくなった彼女は、久しぶりに訪れた大原美術館で、もう一度この作品を観ます。その直前に見たピカソの絵は、籠と鳥との関係で、大きな発見があったのですが、この「パリ近郊ー」は更に全く違って見えました。光輝く、と言っていいのか。部屋の真ん中にある大きなソファー椅子に座り、気がつくと1時間が経っていました。
    「あゝやはり牛はこの大きさじゃなければダメなんだ。牛はそれだけで、穏やかで大きくて、このように光り輝いているんだ」それが、その時の感想でした。それはアンリ・ルソーの絵でした。

    ところで私は大原美術館の代表作エル・グレコの「受胎告知」を素晴らしいと思ったことは一度もありません。アンリ・ルソーの絵もそうです(今なら、違うかもしれません)。でも、1時間同じ絵を見ていたことはあります。そうせざるを得ない力が、「お気に入り」の絵にはあるのです。原田マハにとっては、ルソーの絵はそうだったのでしょう。子供の時から、何度も見て何度も変わっていった「絵の印象」。そういう体験は貴重です。書いていて気がつきましたが、大原美術館は滅多に混まないので、そういうことができます。企画展で美術鑑賞をする時にはあまりできない鑑賞の仕方ですね。

    数年後、原田マハはニューヨーク近代美術館に居た。その絵の前に佇むこと数時間。ふと白昼夢を見た。
    小学4年の彼女と父親が会話していた。
    「ねえお父さん、こんないっぱい絵があったら、どれを見たらいいかわかんないよ?」
    「どんな人ごみの中でも、君の友だちがいる。そう思って見ればいい。それが君にとっての名作だ。絶対に目を閉じちゃいけないよ。みつけられなくなるからね。さあ、よく見てごらん。君の人生の友は、何処にいるかな?」
    ふと気がつくと、鮮やかな緑が迫ってきた。
    熟れてこぼれ落ちる果実の甘やかなにおい。遠くで響く野獣の雄叫び。鼻先をかすめて飛んでいく極彩色の蝶の羽。冷たくやわらいものが、足の裏にひやりと触れる。女蛇が鎌首を上げて睨んでいる。ライオンも世界を覗き込む。冷たい満月。生きている女神が何かを掴かもうとする。
    アンリ・ルソーの「夢」である。
    ‥‥そうね、貴方が、私の「人生の友」よ。
    それから、一日中佇みながら、原田マハは新しく思い浮かんだ小説構想を反芻していた。十数年前にこの近代美術館がルソーの大回顧展を企画した。そのキュレーターと日本の才女をめぐる、めくるめく夢のような小説を。何時も原田マハは、夢を実現する方へ直ぐ動くから、その20数年後に出版される草稿は、その日の夜に書かれたのである。

    ‥‥と、私は「夢をみた」。

    • kuma0504さん
      トミーさん、コメントありがとうございます。
      まことさんのレビューで、この作品の舞台が大原美術館から始まり、なおかつ、私の好きな「鳥籠」も使わ...
      トミーさん、コメントありがとうございます。
      まことさんのレビューで、この作品の舞台が大原美術館から始まり、なおかつ、私の好きな「鳥籠」も使われていると知って、躊躇していた原田マハの代表作を紐解くことにしました。岡山と因縁ある方だし、嫌いなテーマを扱っていないので、「ハマって」仕舞うことに怖れを抱いていたのです。(←親父ギャグで御免なさい)

      人生は短く、読みたい本はあまりにも多い。

      これ以上ファンを増やしたくないんです。今一生懸命自制(^ ^)しているところです。
      2020/06/09
    • まいけるさん
      kuma0504さん、すてきなレビューありがとうございました。短編小説みたいでした。
      原田マハさんの熱量とkuma0504さんの熱量で感動が...
      kuma0504さん、すてきなレビューありがとうございました。短編小説みたいでした。
      原田マハさんの熱量とkuma0504さんの熱量で感動がさらにふくれあがりました。kuma0504さんと原田マハさん、きっとどこかですれちがってますね。
      2024/04/24
    • kuma0504さん
      まいけるさん、
      短編小説みたいという、過分な褒め言葉、ありがとうございます♪
      時々、やります(^^)。
      まいけるさん、
      短編小説みたいという、過分な褒め言葉、ありがとうございます♪
      時々、やります(^^)。
      2024/04/24
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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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