暗幕のゲルニカ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 280
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259628

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • 時代がゲルニカを生み出し、時代がゲルニカを必要とした。
    ゲルニカが生み出された時代とゲルニカを必要とする時代をゲルニカに関わった人がつなぐ。

    「ピカソの戦争」展を観たい。



  • ピカソ最大の傑作である「ゲルニカ」

    美術に疎い私、存在は知ってましたが、その価値は知りませんでした。

    しかし、この本「暗幕のゲルニカ」を読んで、ピカソの画集を借りてしまうほど、興味を持ちました。


    平和と反戦を、絵を通して訴えていたピカソの強い意志が込められている、この絵をじっくり眺めたい。

    本物は、スペインに行かないと見られないのか。一度見て見たいな、、、なんて少し前の自分なら思わなかったでしょう。
    それぐらい原田マハさんの美術モノの作品は、絵画への熱い思いが込められてますね。

    しっかりと絵に向き合う。
    こんど美術館に行ったら、そんな時間過ごし方をして見たいです。

  • 期待が大きかったのか読後に何とも言えない物足らなさを感じた。
    話の流れで前半からのボリュームを後半や最後の方で下げてしまう傾向が、この作家の幾つかの作品には見られると思っていたが「暗幕のゲルニカ」が正にこのパターンに当たると思う。
    どんでん返しなどはいらない。
    もう少し書き込んでもらいたかった。

  • この人の書く女性たちはもうめちゃくちゃカッコいい。

    「ゲルニカ」
    またひとつ見方が変わる。
    箱根の美術館でピカソのアート見たけど、
    もういっかい見に行きたいな。
    何を見てきたのか知りたい。

  • 1937年パリ「ゲルニカ」制作から始まるピカソと2001年ニューヨークMoMAのキュレーターのストーリーが交錯するアートサスペンス。「ゲルニカ」を巡る政治状況から美術界の内幕、パリ、マドリッド、ビルバオ、ニューヨークを舞台に緊張感とリアリティ溢れる作品。‬

  • 立派な美術書と言えなくもないのですが、ピカソの「ゲルニカ」を見たことが無い人でも、ハラハラドキドキできる。
    一枚の絵からここまで深くストーリー展開できる作者に拍手!梅雨時に蒸し蒸しする気持ち悪さを忘れさせてくれるかも。

  • ピカソのゲルニカ創作過程を描く過去のパートと、MoMAでゲルニカを展示しようとするキュレーターを描く現代パートを通して、芸術の本質に迫る物語。
    「楽園のカンヴァス」も、過去と現代で舞台を変えながら物語をうまく紡いだ原田さん。本作もそのうまさが際立っている。どこまでが本当のことで、どこからが創作なのかわからないのもうまい。
    話も先が読みたくなる展開で、一気に引き込まれてしまった。現代のリアルな出来事とのリンクもバランスがいい。そして、ピカソに心をつかまれてしまった女性たちの心情に心も動かされてしまった。
    ただ、ラストはいただけない。国連に本物のゲルニカをかけるってことにどれほどの意味があるのか。そしてそれがMoMAの展示会の一環? そこらへんの説明がされずに終わってしまったのはモヤモヤが残る。

  • 少女時代にニューヨーク近代美術館(MoMA)に保管、展示されていたパブロ・ピカソの「ゲルニカ」を見て衝撃を受けた八神遥子は後にピカソの研究者となり、MoMA のキュレーターとなっていたが、9.11テロで夫を亡くしてしまう。
    しかし、アメリカが「テロとの戦い」を国連で訴え、同意を得た時のインタビューで、国連の会場に飾られていた「ゲルニカ」のタペストリーに暗幕がかけられていた事を知った時、夫を失って失意の中にあった彼女の中に強い意志が生まれる。
    スペイン内戦の愚かさ、ゲルニカ空爆の悲惨さ対する憤りをキャンバスに描いたピカソのゲルニカを中心とした展示会を開催しようと。
    物語はこのピカソ展のために、スペインから門外不出となってしまっているゲルニカをMoMAに貸し出してもらうための八神遥子の奮闘と並行して、1930年代末から終戦にかけて、揺れる世界の中でゲルニカを描くに至ったピカソ、そして当時のピカソの愛人、モデル(「泣く女」のモデル)であり、唯一ゲルニカを描く過程を写真に記録する事を許された理解者でもあったドラ・マールの葛藤を描きながら進んでいく。

  • 2018/7/15

  • 表紙に掲げられた「ゲルニカ」を何度も見返しながら物語を追った。

    作者のピカソへの愛、MoMAへの愛、アートへの愛が溢れた作品で、その愛情の発露が繰り返されるところだが、今ひとつ自分事にならない感じがちょっと残念。
    作者には9.11とその後のアメリカの対応に対しても大きな思いがあって、それと「ゲルニカ」が必然結びつくのだろうが、よく分かっていない者にはそこのところも小さな違和感。
    同じような話が過去でも現在でも行ったりきたりで、あまり面白い展開ではないところ、最後の100頁余、ああいう展開になったのも仕方がないか…。
    小説として紡ぐには、作者はここに出てくる色々なものを愛し過ぎているように感じた。
    とは言え、一枚の絵画を題材に、虚実入り交えて一冊の物語に仕上げていくところは、流石にこの作者。終盤は巧いこと纏め込んでいくしな。

    読みながら色々調べてみたりして、毀誉褒貶の末、今の評価に落ち着いた「ゲルニカ」という作品に対しては改めて勉強になった。
    実物をこの目で見たいものだと思うが、マドリッドから外に出ないのでは、私には無理だな(よしんば日本に来たとしても物凄い行列になるだろうし、行列に堪え性のない私にはいずれにしても無理か…)。

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プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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