夜のミッキー・マウス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (113ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101266220

感想・レビュー・書評

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  • 詩は昔から苦手だ。だから読書の幅を広げるために読んでみた。ミッキーマウスと書いてあるし、少しは親しみやすいかと。結果、よく分からない。理解できなかった。エロチックな単語とかが出てきたのは分かったが…。市の楽しみ方って何だろう。どうやって楽しめばいいのだろう。

  • 何気なく目に映りゆく存在でも、この詩人というものによって、生まれ変わるような気がする。
    書きたくて書いたり、何かが伝えたくて書くのではなく、そんな風にみえてしまったから、書かずにはいられない、彼の生み出す詩はそういうものだ。ことば以前の世界へ、ことばで挑む。哲学者なら戻って来れなくなってしまうような、そんな場所。
    リルケはそんな場所から胸をうって叫ぶ。中原中也はただ泣いた。ランボーは飛び込んでいったきり戻ってこない。ボードレールはおぞましい淫靡なその世界へ唾を吐きかけた。宮沢賢治はその世界の明滅に身体を投げ出しひれ伏した。
    では、この谷川俊太郎は?自身は一輪の野花だと言っている。咲く場所を問わずに咲き、ただその命を散らす。一輪の野花にも宇宙が宿っている。
    まるで風のようだと感じた。風が吹き続けることはない。風は生まれどこかへ消えていく。同じ風は決してなく、でも世界の至る所でそれは吹いている。その風の中には無限の交響楽がある。
    そんな世界に浸るとき、まるで死を望んでいるような虚無がぽっかりと空いているがように思えるが、そんな投げやりなものでは決してない。彼の詩が挑んでいるのは、そんな死の虚無を虚無たらしめているそういう深い深い闇だから。そんなところへ辿りついてしまうと、もう力なく笑っているよりほかないのかもしれない。
    しりあがり寿さんのイラストの彼からは、そんな彼の姿が浮かんでくる。

  • 谷川俊太郎の詩を初めて読んだのは小学生か中学生の頃の国語の教科書だったと思うのですが、今でもそのときのなんともいえない斬新で不思議な印象を覚えています。中原中也も宮沢賢治も萩原朔太郎も、みな死んでから残されたものを読んでくことしかできないわけですが、谷川さんは現役で同時代を生きている、それだけでなんかすごいことのような気がします。

  • 気持ちよさのある文章を読んだ。谷川俊太郎の詩に初めて触れた感触。

  • 夜のミッキー・マウス」、「朝のドナルド・ダック」、「詩に吠えかかるプルートー」、「百三歳になったアトム」など、

    30作の詩集。



    夜のミッキーや朝のドナルドという着眼点が脱帽です。

    「百三歳になったアトム」では、ディズニーキャラクターとアトムの会話が出てきてまさかの内容でした。

  • なんでもナントカっていう話はこれに入っています。

  • なんて素敵なタイトルなんだろう。一目惚れ。詩が30載っています。夜のミッキーマウスもいいけど、朝のドナルドダックも大好き。

    その一編一編が、一文一文が、一行一行が強烈で。


    また後書きと解説がいいのだ。詩とは何かが、端的に述べられているようで。

  • あの人がきて が一番好き。

  • 「二十億光年の孤独」や「朝のリレー」で谷川俊太郎が好きになり、友人に貸してもらった。いちばん惹かれたのはやはり「なんでもおまんこ」。なんで死にてえのかなあ…

  • TDLに行って、パレードにきゃー!ってなってる瞬間に、ふと我に返ってしまったときの所在無さ。それに通じるものを表題作に感じました。
    アトムの詩は、浦沢直樹のアトム漫画を思い出させる。

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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