ひとり暮らし (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1473
レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101266237

作品紹介・あらすじ

結婚式より葬式が好きだ。葬式には未来なくて過去しかないから気楽である-。毎日の生活のなかで、ふと思いを馳せる父と母、恋の味わい、詩と作者の関係、そして老いの面白味。悲しみも苦しみもあっていいから、歓びを失わずに死ぬまで生きたい。日常に湧きいづる歓びを愛でながら、絶えず人間という矛盾に満ちた存在に目をこらす、詩人の暮らし方、ユーモラスな名エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • なぜかとても心が安らいだ。
    一語一語が私に寄り添ってくれているかのような、とても心地よい時間。

    特に「自分と出会う」が好きだ。
    「自分のこころはもしかすると他人のこころよりも分かりにくい。」
    という言葉を読んで、そうなのかと驚いた。
    というより、私は自分のこころも、他人のこころもよく分からない。
    でも少しずつ自分のことが見えてきたかなとも思っていたのだけど、この先にはさらなる混沌があるのだろうか。
    「ほんとは誰でも自分とつきあうのは大変なんじゃないか。」
    という言葉には、嬉しくなった。
    私だけじゃないんだ、という情けない喜び。

    私にとって身近でないテーマも、すんなり受け止められたように思う(錯覚かもしれないけれど)。
    それはきっと、的確なのにやわらかい言葉で綴られているからじゃないだろうか。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私だけじゃないんだ、という情けない喜び」
      詩人谷川俊太郎だから、判らない自分を、判らないなりに大事にしよう・・・と言って呉れてるのでしょう...
      「私だけじゃないんだ、という情けない喜び」
      詩人谷川俊太郎だから、判らない自分を、判らないなりに大事にしよう・・・と言って呉れてるのでしょうね(未読なのに断定しちゃった)。
      2012/07/18
    • takanatsuさん
      「判らない自分を、判らないなりに大事にしよう・・・」
      自分のこころが分からないのに生きていることについて、「大胆だ」と書かれていました。
      確...
      「判らない自分を、判らないなりに大事にしよう・・・」
      自分のこころが分からないのに生きていることについて、「大胆だ」と書かれていました。
      確かにえらく綱渡りな状況だと思った次第です。
      2012/07/19
  • このひとの手にかゝれば、日々のあらゆる出来事が「詩」となる。
    生きること。そのことに対する心からの驚きと敬意。頭で考へられた、脳みそ的な人生ではない。谷川俊太郎の生活を示す情報としてのエッセイではない。等身大のひとりの人間が生きることを感じ、考へてゐる、そのひとつの生きた存在であると思ふ。
    生きてゐれば、身体は衰へるし、頭もぼけてくる。大切なひとは徐々に死んでゆき、気づけば子らも成長し家には自分ひとり。
    ことばは、概念といふ形のないものであると同時に、確固たる輪郭をもつたひとつの形である。その狭間で揺れ動き、どこまでも考へると同時にその実体に触れる時、存在といふものを知る。詩とは、さうした詩人(ひと)の歩いた印だと思ふ。茨木のり子さんが数年もの間、次のフレーズが書けずにゐたこと、リルケが存在を前にして、ことばが尽きてしまつたこと。さうして詩の一粒がはらりとこぼれ落ちる。
    生活のあれこれを綴つてゐるやうにみえるこの詩たちも、どれほど丁寧に生活を詩としてゐるのかの現れではないか。自分の詩に対して迷ひのない解説が加へられ、確かな声で朗読ができるといふのは、単にそれが対価を貰つて成される仕事であるといふこと以上に、詩が彼自身であるからではないか。
    ”さびしさ”を「さびしさ」と呼べるやうになるまでに一体どれほどひとは選び、そして捨ててきたのか。捨ててきたもの、ことばにはならないもの、それも含めて”さびしさ”であることには変はりない。それを切り捨て、忘れていくのではなく、共に抱へていくことこそ、愛といふものだと彼は信じて今日も生きてゐる。

  • 小学生の頃から、谷川俊太郎さんの書く詩に親しみを感じ、大人になっても何となく好きな詩人。
    その人が書くエッセイってどんなものだろうと、わくわくしながら手にとった。

    詩人というと、哲学的で高尚なことを常に考えている人をイメージするが、このエッセイにも書いてある通り、「普通のおじいさん」なんだなぁという感想を持った。
    宣伝郵便物の多さに辟易し、多忙な仕事をこなし、仲の良い友人たちと旅行にいったりする、普通のおじいさん。
    でも、そんな飾り気のない文章の合間に、時折見せる「言葉」への想いは、やはり詩人だなぁと思う。

  • 谷川俊太郎…敬称をつけるべきでしょうか…小学生の教科書に載っていたぐらいだから、とっくにいなくなっていたかと思いきや、まだ生きてるんですよね?ここ数年で検索したら、結婚、離婚を繰り返し、随分好き勝手やってる、飄々としたオトコなんだな…と。

    で、この人のエッセイは初めて。初めてこの人の思ってることに触れられました。文を読んでも、やはり好き勝手やってる…という印象ですが。でも爺さんだから時代が違うから、エッセイなのにスルスル読めるようで、どこかスムーズにいかない。そこが谷川俊太郎を舐めてかかってはいかんぜよ…てことかもしれない。ゆっくりじっくり爺さんを味わいます。

  • 谷川さんの頭の中を覗いて見る。
    へぇ、こんなこと考えてるのかぁ。なるほどと思うこと、そうだよな〜と思うこと、ちょっと笑っちゃうようなこと、ますます世界がおもしろいです。線でも引いて覚えておきたいような言葉がたくさん。たくさんあって覚え切れないしここにはうまく書けないので、また読むと思います。なんか、不安になったときとか、怖くなったときとかに。大切な本が増えました。

  • よかった。装丁のペンギンの位置がよい。

  • また一冊手放せない本が増えた。読みながら、自分のこと、神様に見える人のこと、他の大事な人のこと、大事にしてるペットのことを思った。
    日常の些細な喜びも大事にしようって話に賛成。昔の人が言ってた、毎日使ってるスプーンが急にすごくかっこよく思えてすごく好きになったって話とか、そういうのが好きすぎて、そんな話ばっかりで100時間くらいおしゃべりできそう。

  • ジャガイモを見る目で 自分を見る…
    ふかいなぁ

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ジャガイモを見る目で」
      詩人の目って、真っ直ぐ光が入ってこないんでしょうね。それでいて弱い光でも細部までシッカリ見るコトの出来る目なんだ...
      「ジャガイモを見る目で」
      詩人の目って、真っ直ぐ光が入ってこないんでしょうね。それでいて弱い光でも細部までシッカリ見るコトの出来る目なんだ。
      、、、文庫のようだから、行き帰りに読もうかな。。。
      2014/05/08
  • 谷川俊太郎1931年生まれの詩人。「空はいつも美しい。でもいつももどかしく、どこか苛立たしい。空と一体になりたいと思いながら、それは決してかなえられない夢だと分かっているから。」

  • 初めて谷川さんの本を読んだ。
    予想していたよりも読みやすく、笑える箇所がいくつもあるのが驚きだった。それも噴き出してしまうくらい笑った。
    文章自体がリラックスしてる感じがして、癒しのある本。
    飄々とした方何だろうなー、谷川さん。

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著者プロフィール

谷川俊太郎(たにがわ しゅんたろう)
1931年、東京生まれ。父に、哲学者・谷川徹三。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業し、1948年頃から詩作の活動を開始。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で多岐に渡る活躍を続けている。
翻訳については、ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』や『スイミー』、ゴフスタインの絵本の数多くを手がける。詩集に『ことばあそびうた』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、 『世間知ラズ』など、エッセー集に『散文』、『ひとり暮らし』、絵本に『わたし』『ともだち』『もこ もこもこ』、詩集に『シャガールと木の葉』、『すき』、『詩の本』、『トロムソコラージュ』など。
萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞、三好達治賞、朝日賞など多くの受賞歴がある。

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