大地のゲーム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101266527

感想・レビュー・書評

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  • 「生きると決めたとたん、世界がキラキラとかがやき始めた。」なんて、やっぱり心地いい文章だなぁと感じた。この著者に何を期待しているのかがわかった気がする。
    震災を描いた小説としては、設定が甘く、描写がぐらついていて非常に残念。心地よいセリフはいくつもあるのだから、紡ぎなおしたいくらいだ。

  • 近未来、大震災の後に経済が停滞したこの国に再び新たな巨大地震が襲う。大地震と学生運動をモチーフに、切ない悲しみを描く異色の青春小説。
    まったく綿矢りささんっぽくない物語。常に追い込まれた状況下、お互いの不信感のみが活力源のような設定が気持ち悪い。学生運動という胡散臭さがそれに輪かける。

  • 今より百年後くらいのある日、突然未曾有の大地震に襲われる。すべてのひとがパニックに陥り、平穏など一生戻ってこないのでは、とひとびとはどうしようもなく不安を抱えながら生活している。そんな混沌とした状況の中、ひとりの学生がリーダーシップを発揮し、カリスマ的存在となる。主人公の女の子も、そんなカリスマに憧れの眼差しを向けるひとり。みたいな話。
    そんな一言で言うと、全く綿矢りさっぽくない。わたしが苦手なSF感もあって、読了できず。いろいろ納得できなかったし、読みにくかった。綿矢りさにこんなに引き込まれなかったのは初めて。

  • これ、この後、この世界はどうなったのだろう・・・。

  • 大地という名の自然を信用はできない。だけどやっぱり最期は大地に戻りたいとも願ってしまう。
    自然によって人は傷つけられるけど「忘却」という最大の破滅に導くのは人間だけだ。
    私からリーダーに対する思いは愛情や恋情とは違い、独占欲や執着のような気がする。
    だからこそ恋人の男は明確に嫉妬をしていない気がする。
    そしてリーダーがいなくなり大学からも離れた時にやっと男と向かい合うことができた。
    そういった意味ではリーダーは拘束される場所のような存在だったのかもしれない。

  • 大きな地震が起きた後の都市で、大学構内に残された学生を描いている。
    混沌としたなかでカリスマ的な人気を誇るリーダーが出現する。
    今まで発表をされてきた綿矢作品とは異なり、少々重苦しい雰囲気があった。
    しかしヒロインのこじらせぶりや、すらすら読ませてしまう文章が健在で心強い。
    生きることの意義を考えさせられた1冊だった。

  • 請求記号 913.6/W 47

  • なんか色々と物足りなかった。
    佐藤優のちと無理のあるあとがき読んで、そんな思いに拍車がかかった。

  • 2016/01/13読了
    いつもの綿矢ワールドな、女の子の共感!って感じではなかった。でも、登場人物たちの個々の生命力のようなものを感じるの作品。テーマが地震である必要はあるのかな?と思ってしまったけど。。極限状態における人間らしさ、みたいなところの描写はうまいなぁ。

  • 東日本大震災から何年かを経たと思しき近未来の日本。首都圏で再び大地震が起き、外部から隔絶された大学で起こった事件。その後帰宅せず大学内で生活する一部の学生たちの間で広がる学生運動(のようなもの)。

    正直、綿矢りさを読んで初めて「つまらない」と思った。子供だけ(ここでは大学生だから子供ではないかもしれないけど)の閉塞された特殊な環境、その極限状態で人はどうするか、というテーマの作品は多々あるし、「蠅の王」や「漂流教室」など名作も多い。つまりテーマとしてはありがち、しかしその中で作者があえて何を描きたかったのかが全く伝わってこない。地震の設定もご都合主義っぽく、事態の深刻さも感じられない。何かしらの特殊な状態を作り出すにしても地震以外の手段はなかったのだろうかと思ってしまう。そしてその特殊な環境の中で何が起こったのかというそもそもの話の中身に新味も独創性もない。

    登場人物たちも魅力が感じられず読んでいて誰にも共感できなかった。「私」が心酔する「リーダー」の魅力、その心酔のきっかけのエピソードも説得力がないし、「リーダー」「私の男」など固有名詞を避けているのかと思いきや「マリ」と「ニムラ」だけ名前が与えられている理由もわからなかった。ラストの結論も安易すぎてドン引き。露天風呂でセックスすることが生命讃歌なのでしょうか?ううん、私にはすべてがピンときませんでした。ごめんなさい。

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著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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