- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101267623
作品紹介・あらすじ
親子間の溝はますます深くなっている。自室に籠もり、やがて自殺すると脅し親を操るようになった息子。中学時代、母親の不用意な一言から人生を狂わせ、やがて覚醒剤から抜け出せなくなったホステス。刃物を振り回し、毎月30万も浪費するひきこもりを作ったのは、親の学歴信仰だった。数々の実例からどのような子育てが子供の心を潰すのか徹底的に探る。現代日本の抱える病巣を抉る一冊。
感想・レビュー・書評
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かなり重いです。読んでとてもためになる内容だと確信していますが、あまりにも辛くて2回は読めないかな…と思いました。
これから親になる人、家族関係について悩んでいる人、自分は幸せな家庭を築けると信じている人などできるだけ色々な人にワンエピソードだけでも良いから!読んでいただきたいです。お願いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これを他人事と捉えない意識が大切、かなり衝撃的な内容が多くメンタルがやられてしまいそう
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家にひきこもり、親に暴言暴力、そんな子供と親の相談にのり自立を助ける仕事をする著者が書くルポルタージュ。こういう現実はメディアにもあまり取り上げられないのでこの本を読んで驚いた。ひきこもって自宅のトイレを使えないケースも多いらしい。読んでいると当人、家族を救うのはかなり難しそうだ。子供を追い詰める親の価値観の押し付け、これほとんどの親は無意識にしているのではないか。親から制約を受け育ち社会で挫折することが「ひきこもり」のきっかけになってるケースが多いような気がした。
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『「子供を殺してください」という親たち』の読了後、続編のこの本も即購入。目を背けたくなるような現実があることを知った。親と関係を絶つことも解決のひとつ、みたいな記述があって、親に悩まされている自分には響いた。
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前作に続いて読んだが、前作同様面白いのは前半のドキュメント部分だけで、後半の御託部分厚生労働省のガイドライン他の話はいらない。せっかく他の人が出来ない読むに値する貴重な経験をしているんだから、その部分をたくさん書いて欲しかった。ページ数を稼いで売り上げを伸ばす作戦なのかと訝ってしまう。
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心が壊れてしまい、親への復讐や無心にはしる子供のモデルケースの紹介は前作と同じであるが、前作よりは登場人物達に希望の光が見えた。
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子供を殺してくださいという親たちが良かったのでこちらも読んでみた。前作同様、こういった世界も現実にあるということを教えてくれる一冊。
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「『子供を殺してください』という親たち」を読む前にこちらを読んでしまった。
引きこもりの子供を親が殺した
精神疾患を疑われる子供を監禁した親が逮捕された
家庭内暴力がひどい子供と無理心中した親
親兄弟、家族を皆殺しにした子供
など…
最近のニュースでもよく報じられている。
著者の押川剛さんはそんな引きこもりや立てこもりの子供たちを保護し、病院や施設に移送する「精神障害者移送サービス」を立ち上げ自立・更生支援にも関わっている方。
この本では6つのケースが取り上げられている
DVで奴隷化した家族
ゴミ屋敷と化した家
ひたすら「金」を無心する子供
精神的に病み、ひきこもってしまった子供
など…
どのケースも本当に読むのがつらく思うほど
読んでいる私が思うぐらいだから、実際に関わった押川さんは、それ以上に、親や子供たち、行政などに歯がゆい思いをしつつ、つらい思いを感じつつ、それでもどうにかしたいと関わってきたのだろうな…
子供にちゃんと向き合わない親
自分の価値観を押し付ける親
そして「いい子」であろうと無理をする子供
反抗期のない子供
「お金」主義の子育て
過干渉の親、無関心な親
引きこもりやたてこもりなどの多くに「家族の問題」が関わっているという。
これを読んで「うちには関係ないよ」
なんて言える人っているんだろうか…
子育てに正解も不正解もない
「うちはちゃんと子供に向き合ってるから」
なんて自信をもって言える親は少ないのではないだろうか?
「座敷牢」と今の「引きこもり」や「立てこもり」は似ている
家族以外に「恥ずかしいもの」を見せないようにした座敷牢
自ら家族とのコミュニケーションを断ち、その空間でしか生きられない「引きこもり」「立てこもり」
事件が起きてニュースになると「引きこもり」「立てこもり」の子供が悪いっていう意見も多い。かばう気もないけど子供だけの問題じゃない。これは家族全体の問題。子供が家族にSOSを出しているのに家族が気が付かないふり、見ないふりをしているんじゃないかな…
私は子供を育ててことがないから説得力がないかもだけど、時々心配になるような親子を見たりする。
この本が著す親子関係の問題は、今の日本、今の人間社会が抱える病巣…なのかもしれない。 -
必要なものは責任と覚悟
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ずいぶん前に、『子どもを殺してくださいと言う親たち』を読んだ。
本作は、第1章のドキュメントの分量が多く、重篤な患者と家族の問題が綴られている。
心が壊れていった子どもたちを育んだ家庭には、見えにくい闇が潜んでいる。
様々な問題を抱えた家庭の子どもが必ずしもそうなるわけではないことは明記しておくが、やはり、等身大の自分を受け入れてもらえないであるとか、親の価値観を押し付けられ続けるであるとか、本来与えて然るべきの愛を受けられなかったことに大きな原因がある。
ただし著者は、親に責任を全て求めてはいない。
親の生育歴(地域社会や家庭環境)のほか、変化し続ける社会全体に、問題の根源があることを指摘している。
患者やその家族が関係機関をたらい回しになり、結局適切な治療や支援を得られていない現状を理解することができた。
相談機関を一本化することや、移送のスペシャリスト集団の設立などの提言もあった。
本人たちの苦しみだけでなく、地域住民の苦しみや悲しい事件事故をなくすためにも、国や地方自治体は動くべき時がすでに来ている。