母性 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3734
レビュー : 405
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267715

作品紹介・あらすじ

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。

感想・レビュー・書評

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  • 湊かなえさんの本だわぁ~!!
    読み始めてすぐにそう感じました。

    母性って…
    本文中に辞書によるとと書かれていたのが
    ”女性が、自分の生んだ子を守り育てようとする、母親としての本能的性質”
    うん、うん、そうでしょ~。
    「母性とは?」と問われるとほとんどの人がそう答えるんじゃないの?と思ってしまう。

    登場人物が母と娘というのはもちろんですが、この二人はずっと”母”と”娘”として登場します。
    他の登場人物にはちゃんと名前があるのに。
    主人公の二人が、〇子などの名前をもつ特定の人ではなく、”母”であり”娘”であることが、この本の大切な部分なのだと思うのです。

    ラストで二人の名前が出てきます。
    そこで初めて二人は”娘の母”と”母の娘”になったような気がしています。

  • 主要人物の各々の気持ち、考えを表しながら
    やがて想いが。。

  • 女子高生が住宅の中庭で倒れているところを発見されたという記事で幕開け。事故か自殺か。母親は「愛能う(あたう)限り大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」とコメント。以降、「母の手記」と「娘の回想」がそれぞれの一人称で交互に語られます。いったいどういう結末に落ち着くのかが気になって、先へ先へと読み進めることになりますが、あとがきで蔦屋書店の方がおっしゃっているとおり、とにかく語り手が信用ならず、不愉快な思いが拭えません。ものすごくできた人間であることを自分でアピールしている母親。なのに娘は虐待を受けているのではないかと感じさせる部分もいくつか。嫁いびりに精を出す姑と小姑の存在も不愉快で、そのまま最後までまっしぐら。が、本作に関してはこの不愉快さが面白い。母性とは何かをしばし考え込んでしまいました。最後まで読み、最初の頁に戻ってしばし呆然。もしかすると思いきり騙されていたのかも。

  • 衝撃作!一気読み。
    湊かなえさんってやっぱりすこまいと思った。

    最後の最後でこう繋がってくるんだというすっきり感というか納得感。
    りっちゃんってあの律子さんのことか。ヒデって英紀のこと。そして何故それが分かるのか…。

    母親の歪んだ愛情。母は母で一所懸命娘を愛していたのかもしれないが、それが娘に対しての愛なのか、娘を愛している母親自身を愛しているからなのか。

    結局、あなたは私が好きなんじゃなくて、私を愛してる自分が好きなんでましょ、って。

    分かるなぁと思いながら読んでた。

    あるいは、いつも「良い子」をしてしまう自分。
    「愛能う限り娘を大切に育ててきた」と答えたこの母親のように自分もなってしまうのかなという危惧も抱いたり。

    ハッピーエンディングという訳ではないけど、最後は穏やかに収まったのかなぁ。
    でも、母と娘の関係って難しいのかなぁ。
    なんて。

  • 母性云々より、イヤミス云々より、ただただサイコホラー。
    異常に純粋ないい人が、徐々に "異常" だけに傾いていくかんじにぞっとする。

  • 湊かなえサンのは毎回なんとなく警戒しながら読むw。

    「母性」ってなんだろうね。。。
    溢れる無償の愛?
    そんなに溢れてるもんかなぁ。

    子供を授かることが出来たなら、育て、社会に送り出すのに必死でw。
    その過程には、心身ともに犠牲にする部分もあるし、時間もお金も費やす。可愛いなーって思う時もあれば、鬱陶しいってなる時もあるわけで。
    常に慈しみ頭を撫でて抱きしめて・・・そうしないと「母性」じゃないのかしらねぇ。

    愛されてたかな?愛せてたかな?
    って疑問に思わないのは、愛されてないという不安が無かったってことかしら。
    (´ε`;)ウーン…自分自身はなんかサラ~っとした親子関係だったキガスルから、あまり共感は感じない内容でした。

    「母性」って、そんな神格化しないでイイんじゃないかしら。

    まぁ、感想がボンヤリしちゃったな。

  • 事故か自殺かという煽り文句つけといて『あ、それは関係ないんですよ!』はない。

  • 親からの愛や親への愛が欠落している自分にとって、この作品をどう受け止めたら良いのか分かりませんでした。

    女の強さ?の部分では、母と娘という関係には他にはない特別な繋がりがあるのかなぁ?とは思いますが…

    なんか悔しいので続けて再読したけど、ひねくれきった自分の感情は受け入れてくれませんでした(´Д`)ハァ…

  • 高校生の時に読んだことがあるのですが、
    母と話しているときに不意にこの作品のことを思い出して読み直しました。

    少しだけ、子どもを生み育てることが怖くなりました。
    自分が母になれなかったら、母性を持ち合わせていなかったどうしよう…
    自分の子どもが愛せないなんてことはない、この作品のお母さんは異常なんだよと母は言っていました。

    湊かなえさんの作品に出てくる登場人物は、いつも嫌になるくらい人間臭いですね。
    いつか自分の身にも起きるんじゃないかと読むたびに不安にさせられます。

  • 母親のことが大好きだった娘が子を産み自分も母親となる。
    自分が母親に接するように娘にも同じことを求める。
    娘は娘で母親に好きになってもらいたい、自分を見てもらいたい、褒めてもらいたい、とそれはそれは健気なほどに母親の顔色を窺い思いを汲みとるようになる。
    母性ってなんなんでしょうね。無償で子どもを愛せること?なにがなんでもこの子を助けたい!と思うこと?
    だとしたらこの母親は母性がなかったんでしょうね。
    子を産んで母親になったからといって芽生えるもんでもなし、ということでしょうか。
    自分が母親に愛されるように尽くしたみたいに、我が子にも同じようにしてほしいってなんて傲慢な人なんだ。。。
    もうね、娘が不憫でならなかったよ・・・。
    タイトルから想像してなんだかんだで心温まるお話かと思ったけど…ラスト無理矢理さわやかな感じにすっきりと終わらせてるけどもやもや感は消えず、ただただ気持ち悪い。

    あと、冒頭で女子高校生が自殺したニュース、本当は自殺じゃなくて他殺なのか?というニュアンスだったけど結局どうだったのかな。
    ミステリーかと期待しちゃったじゃないですか。
    私は一体何を読まされたんでしょう(涙)
    湊さんの作品は当たりハズレが大きいから困ります。
    でも新しい作品が出たら結局読んでしまうんだろうなー。

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プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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