母性 (新潮文庫)

著者 : 湊かなえ
  • 新潮社 (2015年6月26日発売)
3.42
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267715

作品紹介

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。

母性 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 湊かなえさんの本だわぁ~!!
    読み始めてすぐにそう感じました。

    母性って…
    本文中に辞書によるとと書かれていたのが
    ”女性が、自分の生んだ子を守り育てようとする、母親としての本能的性質”
    うん、うん、そうでしょ~。
    「母性とは?」と問われるとほとんどの人がそう答えるんじゃないの?と思ってしまう。

    登場人物が母と娘というのはもちろんですが、この二人はずっと”母”と”娘”として登場します。
    他の登場人物にはちゃんと名前があるのに。
    主人公の二人が、〇子などの名前をもつ特定の人ではなく、”母”であり”娘”であることが、この本の大切な部分なのだと思うのです。

    ラストで二人の名前が出てきます。
    そこで初めて二人は”娘の母”と”母の娘”になったような気がしています。

  • 主要人物の各々の気持ち、考えを表しながら
    やがて想いが。。

  • 女子高生が住宅の中庭で倒れているところを発見されたという記事で幕開け。事故か自殺か。母親は「愛能う(あたう)限り大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」とコメント。以降、「母の手記」と「娘の回想」がそれぞれの一人称で交互に語られます。いったいどういう結末に落ち着くのかが気になって、先へ先へと読み進めることになりますが、あとがきで蔦屋書店の方がおっしゃっているとおり、とにかく語り手が信用ならず、不愉快な思いが拭えません。ものすごくできた人間であることを自分でアピールしている母親。なのに娘は虐待を受けているのではないかと感じさせる部分もいくつか。嫁いびりに精を出す姑と小姑の存在も不愉快で、そのまま最後までまっしぐら。が、本作に関してはこの不愉快さが面白い。母性とは何かをしばし考え込んでしまいました。最後まで読み、最初の頁に戻ってしばし呆然。もしかすると思いきり騙されていたのかも。

  • 衝撃作!一気読み。
    湊かなえさんってやっぱりすこまいと思った。

    最後の最後でこう繋がってくるんだというすっきり感というか納得感。
    りっちゃんってあの律子さんのことか。ヒデって英紀のこと。そして何故それが分かるのか…。

    母親の歪んだ愛情。母は母で一所懸命娘を愛していたのかもしれないが、それが娘に対しての愛なのか、娘を愛している母親自身を愛しているからなのか。

    結局、あなたは私が好きなんじゃなくて、私を愛してる自分が好きなんでましょ、って。

    分かるなぁと思いながら読んでた。

    あるいは、いつも「良い子」をしてしまう自分。
    「愛能う限り娘を大切に育ててきた」と答えたこの母親のように自分もなってしまうのかなという危惧も抱いたり。

    ハッピーエンディングという訳ではないけど、最後は穏やかに収まったのかなぁ。
    でも、母と娘の関係って難しいのかなぁ。
    なんて。

  • 母性云々より、イヤミス云々より、ただただサイコホラー。
    異常に純粋ないい人が、徐々に "異常" だけに傾いていくかんじにぞっとする。

  • 湊かなえサンのは毎回なんとなく警戒しながら読むw。

    「母性」ってなんだろうね。。。
    溢れる無償の愛?
    そんなに溢れてるもんかなぁ。

    子供を授かることが出来たなら、育て、社会に送り出すのに必死でw。
    その過程には、心身ともに犠牲にする部分もあるし、時間もお金も費やす。可愛いなーって思う時もあれば、鬱陶しいってなる時もあるわけで。
    常に慈しみ頭を撫でて抱きしめて・・・そうしないと「母性」じゃないのかしらねぇ。

    愛されてたかな?愛せてたかな?
    って疑問に思わないのは、愛されてないという不安が無かったってことかしら。
    (´ε`;)ウーン…自分自身はなんかサラ~っとした親子関係だったキガスルから、あまり共感は感じない内容でした。

    「母性」って、そんな神格化しないでイイんじゃないかしら。

    まぁ、感想がボンヤリしちゃったな。

  • 事故か自殺かという煽り文句つけといて『あ、それは関係ないんですよ!』はない。

  • 少女の自殺未遂の記事から、母と娘の回想録。
    湊さんの作品は、いつもどこか自分とも重なる部分があり
    相変わらず嫌~なドキドキにあふれてます。
    娘として母に対しての期待と
    母として娘に持つ感情と接し方
    重いけれどどこにでもある案件だわ。

  • 客観的に見て、ルミ子も清佳もちっとも悪くない、むしろ清く正しく愛情深いんだけど。ただちょっと視野が狭くて思い込みが激しいばっかりに(そういう意味では本当に親子そっくり!)、すれ違いのまま突き進む。こうまで噛み合わせの悪い親子って、最早(当人達には悪いけど)悲劇じゃなくて喜劇だ。
    湊かなえのお約束で、ラスト近くで2人の名前が出て来て、ほー、この教師が清佳なのね、んで律子のたこ焼き屋で秀雄が働いてるのね、じゃ冒頭の新聞記事は無関係かよ、ってのはご愛嬌。そして嫌な感じの不気味な大団円もパターン踏襲。って、文句言いつつ結局最後まで読んじゃうのは中毒ってかw。
    まあ取り敢えず、リルケの引用はチグハグで、作者の好みなのかもしれないが、彼女の世界観にはそぐわない、と言っておく。

  • 女の人が全員母性を持って生まれるわけではない、子供が可愛いと思う気持ちや育てたいと言う気持ちは子供が生まれてから養われるものであって生じるものではない、と言うことを第一のテーマ、さらに女性を母(母性を持ちやすい?子供を愛し守る人)と娘(母の加護の元にいたい人)にわけそれを壁にお互いを理解しあえない母娘の悲劇を第二のテーマとしていた。解説にもあったが、娘母どちらの精神が崩壊するスレスレの人物であるため、どちらの言っていることが正しいのか、どちらの目線に立って考えればいいのか悩ませる、しかしそれがミステリーとして非常に楽しい作品であった。印象的になったのが最後のほうのシーンで母は娘を抱きしめようと思って手を伸ばしたとあったが、娘からしてみればそれは自分の首を絞めるために伸ばした手とあった。これを見ていかにこの母娘がわかりあえていなかったのか、すれ違いがどれほど激しいものだったのかがわかり、自分としては娘の立場として、娘に非常に同情してしまった。また、親子と言えども他人同士がわかりあうことの難しさを改めて考えさせられた。

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