母性 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267715

作品紹介・あらすじ

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。

感想・レビュー・書評

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  • 湊かなえさんの作品ではよく視点が変わるのですがこの本もそうでした。母性とはなんなのか愛とはなんなのかと考えさせられる話でした。

  • 居心地が悪くて読むのに時間がかかった。母娘どちらが正しいとかじゃないんやな、受け取り方ひとつでこうも違ってくるか。巻末の解説がしっくりきた。

  • 湊かなえの本の中で一番心を抉られた作品といえばコレ。


    何を持って「毒親」とし、何を持って「良親」とするのか。母から見た娘と、娘本人。娘から見た母と、母本人。それらは同一人物な筈なのに、果たして本当に同じなのか。

    どちらも精神が不安定で、どちらも自己中心的で、どちらも被害者意識が強く、どちらも自己愛が凄まじかった。どちらも「母の求める娘になる私」が大好きなのだ。


    短期間で再読しようとは思わないほどキツいが、また時間が空いたら読み返そうと思う。

  • 子供にとって、なんとかお母さんに喜んでほしいとか昔みたいに…と思う気持ちはわかる。割としんどい本だった

  • 登場人物の行動や言動に気持ち悪さがありましたが、続きが気になってしまう話でした。人間性が終わっている人物も何人かいましたが、私は特に夫の姉妹の息子が鬱陶しくてたまらなかったです(^_^;)

  • 「能う限り」がちょうど古典のテスト範囲で、無事答えられました

  • 特段大きな問題もなく育った私からすると「無償の愛」はあって当然だし、言い争いをしても両親は切り離せない存在で、最終的に嫌いになることも嫌われることもないと思っている。
    また、絶縁のような状態になる家族にはそれ相応の理由があると思っていた。
    でもこの本を読んで、子どものため、以外の理由で愛を注ぐ母や、好きなのに好かれない子どもをそれぞれの視点で追い、複雑な気持ちになった。
    同じ出来事でも全く違う捉え方をする母娘を見て、想いを伝える最適な手段ってなんだろうと考えてしまった。もしかしたらそれが「無償の愛」なのかもしれない。

  • 前回から読書ノートをとろうと張り切っていましたが、、、
    書く間もなく、、、
    母と娘の書記を追っていくストーリーの、嫌な事嫌な事。。。
    母の執着というか粘着な歪んだ愛情や、義母の嫌味な感じなど、、、
    流石すぎるイヤミスの女王様(笑)
    とても読んでていやーな気分になったと思いきや、最後は重たくもなく綺麗にまとまり。

    うーん!!!
    流石です湊かなえ先生( ◠‿◠ )

  • 中学生の受験期に読んでボロ泣きした本
    10年ぶりに読み返すと視点が変わってまた面白い
    おばあちゃんになったらまた読みたい

  • 途中から出てきたある教師を男性だと思っていた。最後まで誰かわからなかったが、最終章でストーンと腑に落ちた。
    母の手記と娘の回想は異なる点があり、人の思い出はいいように作り変えられる事もよくわかった気がした。
    娘、さやかが幸せになって良かった。

    私は母親になれているのか。私自身も自分の母が好きだ。母のような強さはないけれど、私らしく。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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