豆の上で眠る (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 3853
レビュー : 377
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

感想・レビュー・書評

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  • 誘拐して2年も潜んで、返す(というか替えるんだけど)なんて現実には無理じゃない?岸田側の描写は殆ど無いけど、どう周囲にごまかしてきたの??ニュースになってる失踪事件の当事者を。なんて味気ないことを思ってしまうのは、わたしが子を持つ親だから、そんなことが我が子に起こらないようにと願ってしまうからだろうか。
    生まれてすぐに実の親から引き離され違う女性を親と思って育つ、という生い立ちは「八日目の蝉」を思い起こすけど、万由子も遥もそこに深い葛藤が読み取れず、あっちの方がリアリティがあるように思えるのは、あっちは映画を先に観て映像が補完されてたからだろうか。

    そんな感じでなんだか、「姉が失踪して数年後帰ってきた人物は姉ではないと思え、疑った末にDNA検査をしてもやっぱり実の姉だった。というのは実は、元々姉と思っていた人が本当の姉ではなかったからです!」という舞台装置が先にあり、そこに薄く脚色しただけのように思えてしまった。
    葛藤をどこまで描くかは、作家さんごとの特徴かな。湊かなえさんは、舞台装置の方に重きを置くのかな。真相が分かるくだりはドキドキするけど、わたしは、もっとその後が読みたくなってしまう。

    どうでもいいことだけど、「えんどうまめのうえにねたお姫さま」はわたしは好きな作品なので、マイナーとされてることにショックを受けた。実家にあった複数のアンデルセン童話集にあって、どっちも絵が好きだったからよく覚えてた。内容は確かに薄くてナゾだけど、童話ってそんなものでは。

  • ラスト、二人の姉に裏切られたような気持ちになった結衣子。
    なにが本ものなのか。
    DNA、過去の事実、それとも過去の思い出…
    大人たちも子供達も。
    それぞれがそれぞれに悩んで大人になっていったことを想像すると胸が痛む。
    それにしても。
    遥の心情表現が薄すぎて、なにを考えてるのか分からない人物になってしまっていた感じ。
    幼くして人生がめちゃくちゃになったのに、あんな平然と受け入れて暮らせる人はいないでしょ。
    ここをもう少し掘り下げてくれたら…と残念でした。

  • 湊かなえさんの作品で初めて読んだのがこの本です。
    「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」
    最後まで驚愕の連続でした。
    今まで読んだ中で1番のお気に入りです。

  • 物語の最終盤になるにつれて、最初にぼんやりとしていた本のタイトルが浮き彫りになってくる。読み進めるのが止まらない。こんな文章が書けるのか、と小説の技巧に驚かされた。解説も秀逸。

  • 本当の家族とは?
    失踪し、帰って来た姉は本物?

    小学三年生で失踪した姉。
    2年後に帰って来た姉は失踪前と同じようで違う雰囲気を醸し出し、漂う違和感。
    本物なの?と疑い詮索する主人公、喜び受け入れようとしているように見える両親
    違和感を抱き続けたまま、大人になった数年後に明かされる真実。
    失踪~戻るまで、人の狂気、醜い部分が見え隠れする中、進む展開に惹き付けられ一気読みでした。

  • イヤミスの女王とは聞いていましたが、湊かなえ作品はこれが初めてです。

    小学生時代の結衣子と、成長した現在の結衣子で場面が頻繁に切り替わって忙しないけど、現在に視点が切り替わるときに一旦整理もできるし、飽きないのでテンポよく読めたと思う。

    小学校低学年の結衣子の、感じたことを思うように言語化できないもどかしさ、きっと多くの人に覚えがあると思うし、自然と結衣子の視点になれたと感じる。

    「血の繋がり」と「過ごした年月」 どちらも本物であって、本物ではない。 事件は解決しているし、時間が経ちすぎているけど真相も遥自身によって明かされている。
    けれどどうにも腑に落ちない。これが「豆の上で眠る」ような感覚なのかと読者にも実感させるような、タイトルの意味を理解した瞬間だった。

    結衣子が「万佑子ちゃんはこんなことしない」という固定観念にとらわれていたのがそもそもなのだけど、両親も万佑子もきっと結衣子の為に良かれと思ってやっていたことが、結局は遥も誰も救われない結末になっている。

  • "ほんものって、何ですか"

  • もよっとしていて物足りなかったかな

  • 次は次へと上手いこと気にならされてズンズン進んでしまった本。途中のブラックな出来事たちがとてもリアルでゾッとする。本物ってなんだろう。

  • かなり久しぶりに湊さんの小説を読みました。やはり、怖さと悲しさのある家族の物語でしたが、ドキドキ感が最後まであるのは好きです。親が自分を子ども扱いして、いいように利用しようとしていることに気づいてしまうことと、気づいていないかのように振る舞うことは、子どもには辛いだろうなぁ。あとは、自分だけが家族ではないんじゃないかという気持ちも。子どもが語るからこそ、悲しさが強調されるが、読み終えるとこの手のお話は親もかなり苦しいだろう。最近も子どもが行方不明になったニュースがあったが、これは本当に大変なことで、家族だけでなく多くの人に影響がある。このようなことが起こらないといい、と思う。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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