豆の上で眠る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.25
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本棚登録 : 3891
レビュー : 378
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

感想・レビュー・書評

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  • この題名は、どういう意味だろう?誰でもが、そんな疑問を持ちながらこの本を手に取ったことだろう。
    そして、このアンデルセンの童話のフレーズは、物語の中でたびたび登場し、進行上重要な役割を果たしている。
    それにしても、登場人物の心理の襞を微に入り細に入り詳述する著者の手練手管には、相変わらず翻弄されてしまう。
    語り手となる結衣子とともに、読者もざわざわとした気持ちのまま、真相は?と、頁を捲らざるを得ない。
    「本ものって、なんですか」。
    最終頁のこの言葉は、あらゆる局面で、それぞれの立場で、全ての人への問いかけとなるだろう。

  • 妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
    姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
    かえって姉に対しての思いが強くなり
    苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
    妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

    姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
    この姉妹のように仲が悪い場合だと
    こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
    異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

    姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
    今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
    何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
    ワクワクして読んでいました。
    けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

    それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
    扱い方に差がありすぎたり、
    周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
    こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
    そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
    そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
    少し救いだったようにも感じられました。

    真相を明かすことになってからは
    特に劇的なラストということではなかったですが、
    結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
    人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
    妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

    「本ものってなんですか?」
    という疑問がありますが、
    果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
    それとも科学的に証明されたモノなのか
    これは永遠の謎になりそうな気がしました。

    こうやって疑問を投げかけておいて、
    いつまでもそれを気にさせておくというのが
    またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
    「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
    状態にしているのかと思ってしまい
    ラストまで気が抜けなく楽しました。

  • 小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。…お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

  • 「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」
    のオビに惹かれて、久々の湊かなえ。

    厳しいレビューも多いけれど、発見されるシーンまでの人間心理は面白かった!
    姉がいなくなったシーンの緊迫感。
    変態探しの異名を付けられた父母に代わって、猫がいなくなったと嘘をついて妹に犯人探しをさせる母。異常すぎる。
    そういう、歪んでしまった家族を目の当たりにして、気持ちを正しく持っていろという方が無理。
    妹の抑圧が、エンディングに結びつくとしたら、彼女の本物に対する疑問は、真っ当なものではないかと思う。

    姉が、謎。そんな簡単に付いてけるもんかな。
    更に、そんな簡単に成り変われるもんかな。
    からの、なっちゃんのゲスさに笑えた。

  • 現在と過去が入り交ざった展開。万佑子ちゃんと同一人物のはずの姉。現在と過去のお姉ちゃんがなかなか重ならず、その謎が気になりどんどん読めてしまう。そして、あっと言う間に読み終わる。
    だけど、読み終えてなんだか残念。
    妹が「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というアンデルセン童話の話のように、姉に小さな違和感を感じ、そこから真実に近づいていく。
    着目点は面白いのだけど、無理矢理感しかない。親の気持ち、姉の気持ち、戻ったあとの姉の気持ち、名乗り出た犯人の気持ち、全てが理解できない。なぜ妹に真実を告げなかったのか。
    不自然すぎる展開に理解できない登場人物たちの行動。ドキドキハラハラするわけでもない結末にガッカリ。

  • タイトルに惹きつけられて一気読み。

    とてもわかりやすいテーマを最初に提示され、そのテーブルの上で転がされてる感じ。テーブルの大きさが分かってしまっている分、それ以上でも以下でもないと分かっていながらも『もしかするとこれは大どんでん返しの予感...』を期待し最後までズルズルと引きずられてしまった。

    この人はジメジメした空間を作るのが得意なんだな...みんなからどう思われているのか?という日本人独特の気にし過ぎなシチュエーションがストレスだと分かっていてても読んでいると心地良い。後味が嫌だと分かっていても、本を手に取った時点でこの人の術中にハマっているんですね。

    きっと次の本も、そして次の本も手に取ってしまうだろう...。この人が 年がら年中 梅雨の様なストーリーを紡ぐ限り。

  • 大切な人を失うドラマを楽しめるのは、大切な人を失ったことのない人たちだけだ。

  • 少し読みにくかったかも。「本物ってなんだろう」。

  • んー。中盤まで長すぎ。
    グダグダ同じような内容。
    眠気との勝負だった。

    本物の家族の在り方。
    最後の終わり方も微妙でした。

    The 作り過ぎ作品!

  • 若干内容に触れているので注意

    最初はスロースペースなので読むのが辛かったですが、中盤からものすごく面白くなってきます。
    最初からほぼオチを言っているようなものなのに、なぜわからなかったのか…構成力に唸りました
    しかし、伏線回収が若干無理矢理に感じたのと、やはりだれるところがある。そして、あまり主人公にも姉にも感情移入して読むことができず、あくまでドラマを傍観しているような読み方しかできませんでした。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。―お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

    【キーワード】
    文庫・ミステリー・姉妹・家族


    ++++++2

  • ずっと感じていた違和感。
    違和感を抱きつつも、わずかな真実を寄り所にしていた主人公。
    信じていたものが根底から覆えされた時、人は一体何を信じればよいのだろう?

  • 姉に対する矛盾を感じる作品だったかも。
    結末もモヤモヤしたかも。

  • 幼い頃に突然行方不明になった姉。
    2年後に発見された姉は別人だった。

    ものがたりの終盤まで、ホントの姉の行方について
    もやもやが続き、真相がわかったとしても、
    なぜ主人公には本当のことを伝えなかったのか
    「まゆこちゃん」に執着していた母は、それで良かったのだろうか。父も納得しているのだろうか。
    まゆこちゃん本人は主人公へ伝えたいものはなかったのだろうか。
    たくさんのなぜが残る作品。


    血の繋がりの無い姉を思い続けた主人公の思いが
    報われないものであり、主人公だけが真相を隠されていたのが、複雑な気持ちになった。

    豆の上で眠るお姫様の同様からインスパイアされたストーリーで、私の中にもいくら重ねても小さな違和感を残る本だった。それが狙いとしたら、素晴らしい作家であると思う。

  • 小学一年生の時に行方不明になったふたつの上の姉が、二年後、神社で保護された。
    喜んで迎える家族の中で、どうしても姉だと思えない妹。
    大学生になった今も、姉が本物だも思えないまま。
    彼女は本物なのか。

    「自分は本当にこの家の子なのか」
    考えたことがある人は少なくないのかな。
    姉妹だからこその悩みは共感できるところもあって、自分に置き換えるとぞっとして。
    湊さんらしいイヤミス。

  • お母さんおそろしい。
    兄弟姉妹ってのは、それぞれ違う個性を持って生まれてくるし、長子の緊張二人目の余裕みたいなものもあるし、愛の大きさは一緒でも時間やこころを寸分の狂いもなく平等に注ぐというのは不可能だとは思うけど…それにしてもあのお母さんは不平等すぎる。
    それに猫の件は許されることじゃない。

    大人が子どもを甘くみたり、余計な心配かけまいと嘘をついたりすることを、案外見破られているし、子どもなりに気を使って気づかないふりをするのはリアルだなと思った。

    私も園児の頃に祖母が訪問セールスに騙されるのではないかと心配で、これあげるから外で遊んでおいでと安っぽい玩具で人払いされても、トイレだとかお腹すいただとか無邪気を装って様子を伺いに何度も戻ったことがある。

    そういえば猫を見に来た子どもたちも無邪気を装っていたなぁ。怖いけど、それが子どもの現実だ。子どもにはピュアでいてほしいと思うのは、建前にまみれた大人の勝手な押し付けの幻想。

    ゲームを持たせた叔母の優しさが心に染みる。
    祖母の「今好きなものを…」の言葉に涙してしまった。
    胸の痛くなる話だったけど、この二人には救われた。

  • 小学1年生のとき、2つ上の姉が行方不明になり、2年後に帰ってきた。帰ってきた姉を行方不明の前の姉とは違うと思い続ける妹。ホンモノとは?

    今までの日常生活が大きく変わり、明らかに歪んでしまった妹。両親含め周りは認めているにも関わらず帰ってきた姉を認められない妹。苦しむ妹が真相に近づいていくが、真相が解明されてもスッキリとはしない、読後。

  • ※文庫化される前に単行本で読んだときのレビューです。ご了承下さい。<(_ _)>

    ------冒頭
    大学生になって二度目の夏------。
    新神戸駅から新幹線こだまに乗って三豊駅まで向かう約二時間、いつも思い出す童話がある。
    ──────

    神社で、神隠しにあったかのように失踪した小学生の姉、万佑子。
    妹結衣子の回想で綴られるこの物語。
    二年後に突然見つかった万佑子だが、その姿はあまりにも以前とかけ離れていた。
    万佑子が戻って来たのに、父母の喜びは何故か中途半端で、腫れ物に触るような扱い方だ。
    何故? 結衣子は違和感を持つ。
    この万佑子は本当に失踪した姉なのか?

    読み進めていくうちに、首筋をねっとりとした脂汗が流れ落ちてゆくような、このぞわぞわとした感じ。
    湊かなえの作品を読むときのおなじみの感触だ。
    一人称独白形式で語られる結衣子の言葉には、常にその裏に何かが隠されているようなイヤミス感が漂う。

    そして終盤になって明らかにされる驚きの真実。
    実にうまい構成だ。
    「本物のお姫様」とはいったい誰のことを意味するのか。そのお姫様は、何枚も重ねた布団なのにどうして豆の存在を感じることができるのか。

    童話をモチーフにしたこのサスペンスミステリー。
    この小説世界は湊かなえの独壇場だ。
    彼女独特のぞわぞわ感を堪能したい方は是非読んでみるべし。
    お薦めです。

  • 発売当時に単行本で読みましたが、今回再読。不穏な空気に包まれて読了。湊さんさすがです。血の繋がりだけが家族では無いし、血が繋がっているからと言って無条件で家族になれるわけでもない。人間って不思議。謎解きまでのラストのぞくぞく感。読み終えても、尚。まだ残ってます。

    • takataka1972abさん
      イイネありがとうございます!湊かなえお好きなんですね(^^) この作品私まだ読んだことが無いのですが、娘が文庫本持っていたので読んでみようと...
      イイネありがとうございます!湊かなえお好きなんですね(^^) この作品私まだ読んだことが無いのですが、娘が文庫本持っていたので読んでみようと思います!
      2018/10/17
  • 衝撃的ストーリーに一気読み。
    結末は<えー⁉︎>と言うよりは<ゔー>という苦しさが残る。

    主人公が長年追い求めていたものはなんだったのか、何を信じ何を救いにすればいいのか、本とうとは?正解とは?
    豆の上で眠る違和感、居心地の悪さ、自分にしかわからない苦しさ。タイトルをこんなにも実感させられるとは思わなかった。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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