中の人などいない: @NHK広報のツイートはなぜユルい? (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 382
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101268811

作品紹介・あらすじ

お堅いNHKらしくない「だめキャラ」で、公式ならぬ軟式と呼ばれて人気の@NHK_PR。いまや企業広報の「お手本」と名高いNHK広報局のツイッターアカウントも、はじめはひとりの職員がこっそりと始めた非公式なものだった。ゆるいツイートに秘められた真意、炎上騒動、そして東日本大震災の日――。笑いと感動の舞台裏を初代担当者が明かす。後日談「外の人になりました」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2015年12冊目。
    同じ新潮文庫の、震災についてのノンフィクション『できることをしよう。』がとっても良い本だったのだけど、その中に、NHK広報局のツイートに関するお話がありました。
    それで、この本が気になって読んでみました。
    震災時のエピソードはもちろん、Twitterのもつ可能性や危険性など、やさしい文体なのに内容は深〜くて、勉強になりました。

    広報と広告(宣伝)のちがい。
    PRのためではなく、みんなと仲良くなるため。
    企業にとって、こんなTwitterを運営する社員がいたら、かなり面白いと思います。

  • NHKなのにあのゆるいツイート。
    思わず大丈夫なのか?と心配してしまうゆるさですが大ファンです。
    そのゆるツイートの裏側を見れて面白かったです。

    311の日の話が一番印象的。
    あの日からしばらくは混乱の中にいたので直接のツイートは見ていなかったのですがやっぱり批判はあっただろうな。それと同時に勇気づけられた人もたくさんいたと思います!!

  • 「中の人などいない」ちくたくさんに、また会えました。こちらが心配になるくらい、率直。でも暖かくて楽しいツイートが楽しみでした。時々の応酬も嫌みがなくて、切れる方なんだなぁと。

  • チープな言い方だけど、自分のやるべきこと、できることに対して信念を持って、真摯に向き合い続ける様にはほんとうにグッとくる。
    すごく読みやすいけど、311の回を始めときどき涙しそうになるので危険。
    どうすればいいのか、という思案について、「その方が良いに決まってます」のかいとうがすごく心に残ってる。

  • 単行本で発売されたときに読みそびれたので、このたびの文庫化で手に取った。

    NHK広報のtwitterアカウントは私も時々見るけれど、あのスタイルがどういう経緯で出来上がったのにはすごく興味があった。それを元「中の人(いないことになっているけど)」の浅生さんが「外の人」になった今の立場から、担当していた当時を振り返ってつづっていらっしゃる本。

    基本的には浅生さんがこっそり一人で始めたプロジェクトだったはずのNHK広報のtwitterアカウントが、既成事実的に周りを巻き込んで定着していくさまが描かれており、筆運びは全体的に知的に上品で軽やかで嫌味がない。ほぼノンフィクションでお書きだと思うけど、浅生さんご自身や、登場するご友人など、周りのかたの人物造形と配置がライトノベルのようにも感じる。ゆるふわぼんやりめの主人公+表面上は良識ある社会人で、内面キレッキレのサブキャラたちとか。しかも浅生さんの業務もろもろにGOサインを出すNHK内部の人たちがおっそろしく大人で、個人スキルも判断力も優秀。バッシングを受けることも多い放送局だが、浅生さんの思い出美化分を差し引いても、日本の放送の一角を確かに担っていることもうなずける。

    twitterを利用して4~5年経っている人なら、「ああ、あれね」と記憶にあるようなレスポンスや炎上案件がひと通り取り上げられているが、3.11当日からしばらくのやりとりを記した章はやっぱり読んでいてつらい。浅生さんは目配りの行きとどいたtwitter担当者ではいらっしゃったけれど、やっぱり魔法使いではないので、生命の危機にあるユーザーさんから悲痛な声が届いても、実際に何かをしてその人の危機を取り除くことは難しい。というよりもほとんどできない。変なたとえだけれど、レーダーから機影が次々と消えていくのを黙って見ているしかない管制担当者(ゲーマーでも可)の気持ちに近かったんじゃないかと思う。私の知人にも、「あれから更新のなくなったアカウントは、twitterなんかいらない充実した生活を送ってるんだ、と思うことにした」と言っている人がいるくらい、ヘヴィな時間だったと思う。この時期の運営で心を病んでしまったとしても非難できない重さを救ったのが、浅生さんが緻密かつ適当に作り上げたアカウントのキャラ設定だったのかもしれない。ほんとうにお疲れさまでした。

    単行本が発売されたときに、浅生さんが運営していらっしゃったNHK広報のツイートとシンクロさせて読むこともできただろうが、そういうリアルタイムの熱が収まった今読むのがいいようにも思う。一つのツールに振り回される個人の七転八倒ぶりを楽しむこともできるし、過剰にSNSに入れ込んで病み疲れてしまいそうなときのブレーキ役にもできる(かもしれない)、素敵な体験記でした。たかが中の人、されど中の人です。

  • NHKのツイッターを立ち上げ、運用していくまでの経緯を説明している。
    ツイッターは媒体ではなく、会話をする場。
    報道の文書と行政の文書は似ていると思った。

  •  NHKのツイッターの元中の人による、「中の人などいない」論。
     公式ツイッターとしての在り方とかノウハウというよりは、著書の考え方生き方を楽しむ本だった。面白い。
     中の人などいない。

  • Twitterとの付き合い方を考えさせる一冊。

    小説を読んでいる感覚で、NHK_PR1号さんがどんな気持ちでアカウントを運営していたかが分かる本。
    とても読みやすいし、本当に描写が小説みたいだなと思っていたら、ドラマの脚本なども手がけているそうで。

    半分くらい読んだ所でやっと、時々ページ数の横に顔文字やコメントが入っていることに気付いた。
    既に読んだところにもたくさんあったようで、なんでもっと早く気づかなかったのかと反省。

    Twitterとうまくつきあうのに参考になる。炎上した話や3.11の話など、自分の身に降り掛かった時にそれらのリプライにどう対応すればよいのか。またはそういうリプライを無意識に他人にしていないか。
    マス(メディア)ではないがマスのアカウントの一つであるNHK_PRの運用経験談を通じて、考えさせられる。

    Twitterを発信ツールとして使う人だけでなく、情報収集ツールとして使っている人、あるいは他人のツイートに反応するだけの人も、一度読んで欲しい。文章量は多くないのですぐ読めます。

  • 数年前にツイッターで流行ったNHK_PRの「中の人」の回想録的なエッセイ。コミュニティづくりの参考にと思って購読。特別なノウハウというよりは、この方が持つ独特のコミュニティ感がよく理解できる内容となっている。「中の人(=担当者)などはいない。全員が中の人(=当事者)なのだ」という捉え方は、何事も自分ごととして捉える方が集うコミュニティが活性化していることを考えると納得。また、このかたは数年で退職している。「中の人になりすぎると外が見えなくなって、これはいけない」という考え方もとてもよくわかる。

  • 実際の中の人の話なのか、物語なのか、境界線が分からないところが魅力的。
    そこの企業はともかく、中の人に惚れそうになったアカウントさんであることよ。

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著者プロフィール

浅生鴨(あそう・かも)
1971年、兵庫県生まれ。作家、広告プランナー。NHK職員時代の2009年に開設した広報局ツイッター「@NHK_PR」が、公式アカウントらしからぬ「ユルい」ツイートで人気を呼び、中の人1号として大きな話題になる。2013年に「群像」で発表した初の短編小説「エビくん」は注目を集め、日本文藝家協会編『文学2014』に収録された。2014年にNHKを退職し、現在は執筆活動を中心に広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手がけている。著書に『中の人などいない』『アグニオン』『猫たちの色メガネ』がある。2018年9月、『どこでもない場所』を刊行。

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