ホワイトアウト (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (637ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270210

作品紹介・あらすじ

日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間!荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失で亡くした友の婚約者を救うために-。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。吉川英治文学新人賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 過去に自分の過失で友人を死なせてしまった男が新たな試練に屈せず、立ち向かっていく物語。全編にわたって弛むことない緊迫したタッチで書かれている、と評価された。

  • 白銀の世界が左翼武装ゲリラに占拠される。ゲリラの占拠目的は国内最大のダム、貯水の放水により下流の住民の生命が危ない。更に発電所に11人の人質。このゲリラに真っ向勝負する発電所職員(富樫)と、過去にそこの職員を遭難で亡くした恋人(千晶)。極寒吹雪でホワイトアウトする中、犯人が迫りくる。富樫は1人また1人と対峙し殺害する。千晶もどうにか突破口を開こうと努力するが犯人に殴られ、犯されそうになる。一方、ゲリラ側にも不穏な動きがあり仲間割れ。600ページの超大作は、圧倒的な状況描写力が読者の緊迫感を巻き起こした。

  • 主人公は不死身ですね。
    映画のダイハードを思い出します。
    映画より小説の方が面白く感じました。

  • とてもじゃないけど、☆5つじゃ足りない。
    傑作中の傑作でした。個人的なオールタイム・ベスト5には確実に入る。
    人間vs人間vs自然。練りに練られたストーリーに驚きの連続。
    日本最大級のダムを雪が吹き荒ぶ真冬に乗っ取り、人質を取って立て篭もる。身代金50億円を要求する話なのだが、ここで疑問だらけ。50億円はどうやって手渡す?どうやって雪山から脱出する?そして、この犯罪はどうやって阻止する?
    いや〜、もうこれは読むしかない。出来れば冬に読むべし。

  • 日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。その要求は50億円!猶予は24時間!荒れ狂う吹雪の中で、ダムの運転員・富樫が立ち上がる!自分の過失で亡くした友の婚約者を救うために──。

    2000年に織田裕二主演で映画化されたアクション・サスペンスの傑作小説!ぼくは映画館へ見に行って、そこから小説も読んでかなりハマっていた作品だった。久しぶりに再読したい!と購入。あの時の感動は色褪せないまま!人の命なんてたやすく吹き消す山の大自然と吹雪。その美しさも恐ろしさも深々と描かれていく。

    ダムとそこにいる友の婚約者を武装グループから助け出す!その真っ直ぐなテーマの熱が600ページを超える物語の厚みをめくる指先を止めさせない!敵はダムを占拠し、山の利を活かして要塞を築き上げた。それを持ち前の知識だけを武器に戦う緊張感で、こちらの息まで凍りそうになる。

    大迫力のアクション!絡まり合う思惑!山に生きる人間ドラマ!そこにミステリのスパイスで視界は白い靄の中へと閉じ込められる。そこで問われるのは、己の生き抜こうとする意志なのだ。それにしても、富樫がタフすぎて吉岡もびっくりしてることだろうなあ。

    最後に印象深い文章を引用して終わります。

    p.323
    疲労感はあきらめと弱気を呼び寄せる。冬山の遭難では、最後まで生き延びようとする強固な意志が何よりも大切だった。意志を失った時、人は人でなくなる。

    p.588
    奥遠和の大自然に比べれば、人一人の存在などは塵のようなものかもしれなかったが、そんなちっぽけな人間にも、生き抜こうとする意志はある。

    p.598,599
    幾多の登山家たちがたどった運命だと思えば、あきらめもつくだろうか、と考えた。
    いや──つきはしない。山で死ぬのは本望だ、と言う登山家がいないわけではないが、最初から死にたいと思って山に向かう愚か者はいない。本望と結果は違った。覚悟と観念では、意味が違う。一パーセントの生への執念が残っていれば、最後までそれに賭けるのだ。

  • 立ち塞がる圧倒的な自然の描写が素晴らしかった。見たこともないのにホワイトアウトの状況を想像することが簡単に出来るくらいの文章力は脱帽する。

  • 読了後は、なんだかどっと疲れました。
    ストーリーは面白くて、読むこと自体は辛くはなかったのですが……

    とにかく、富樫がすごすぎて…
    どこまで頑張るんだ~
    まだやるのか~

    と。

    雪山の描写が上手いので、真夏に読みましたが寒くなりました。

  • 骨太エンタメて感じでおもしろかった!
    雪山登山(←最近山歩きはまってる)+発電所(←北海道で地震があり全道停電の異常事態中)てことで非常にタイムリー!
    しかし富樫すご過ぎ。この後普通の生活送れるんやろか…絶対特殊部隊スカウトに来るよね…

  • 面白かった。スリリングで手に汗握るスピード感がとても良かった。オススメです!

  • 手足が寒さで痺れるような読了感。
    一気読みw

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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