奇跡の人 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 197
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  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270227

感想・レビュー・書評

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  • 前半は面白かったです。
    読み進めるにしたがって、主人公の身勝手さや元恋人への執着心の強さが不快に思えて、後半は読むのがしんどかったです。

  • 最初の方はいい。
    でも中盤から主人公についていけなくなった。
    読んでいて気分が悪くなった。
    読まなきゃよかった本。

  • かなりしつこい物語
    1/7/13

  • 記憶をなくした男の話。じぶんを見つけるとは怖いことでもある

  • 医学、犯罪などもっとミステリーのトリックがあると思ったが、静かな淡々とした自分探しでイマイチだった。途中でギリシャ神話のオイディプス王を想像した。

  • テレビドラマの「山崎まさよし」の印象が強烈に残ってしまっているが、元になった本作品は展開も背景もだいぶ異なるようだ。丁寧な 描写にもかかわらず展開が大きく広がっており、最終的な結論に愕然としてしまうのだ。このスケール感と採り上げられるネタが真保裕一の魅力となっていると思う。

  • 事故で記憶を失った克己は31歳になる。
    もう8年も病院での生活を送り、母も亡くなった。
    1人になり考えるのは、記憶のない昔の自分だった。
    考えると昔の自分を知りたい衝動を押さえることは出来なかった。
    ただ、思っていた以上に過去の自分を知る旅は辛く、哀しいものになった。
    亡くなった母の気持ち、昔の友人たち。
    病院では奇跡の人と呼ばれた克己の気持ちを思えば、理解できる旅でもあった。
    しかし、それを望まなかった人の気持ちもまた理解できる。

    2017.4.27

  • 「奇跡の人」である主人公・克己にまったく同調することが出来なかった。
    どんなに記憶をなくしても、人間としての本質は変わらないということなのだろうか。
    失われた過去を知りたいという気持ちは理解できる。
    自分がどんな人間だったのか。
    自分はどんな生き方をしてきたのか。
    わからないままでは落ち着かないだろうし、やはり知りたいという気持ちは誰にでも起きることだろう。
    けれど過去を掘り起こし、過去の事実を知った後の克己にはひたすら嫌悪感しかない。
    過去にあった出来事を知ることはできる。
    でも、どんなに頑張ったとしても時間を遡ることはできないのだ。
    他の人たちが過ごしてきた時間をなかったことになんてできない。
    感情的で自己制御がまったくきかずに暴走する克己。
    執着心だけは誰よりも強く、そして彼に見えているのは自分だけだ。
    聡子を大切に思う気持ちなんて感じられない。
    聡子の幸せなんてどうでもいいのだろう。
    克己の欲求は馬鹿らしいほどに単純だ。
    聡子をそばに置きたいからつきまとう。
    自分が聡子を必要としているのだから、もしかしたら悪いことなのかもしれないし許されないことなのかもしれないけれど、聡子につきまとう。
    だってどうしてもその思いを抑えることは出来ないから…。
    中盤までの自立しようと頑張っている克己。
    徐々に世間にも慣れ、前向きに頑張っていこうとしていた克己。
    そのまま未来を見つめ歩いていく克己でいてほしかった。
    人間の弱さをこれでもかと見せつけてくるような、後味の悪さが残った物語だった。

  •  この話は脳死判定をされかかりながら命をとりとめた相馬克己、という男の人の話です。
     克己は命を取り留めたのだけれど、その代わり、記憶という記憶を全て失ってしまっていた。

     出だしは膵臓癌でなくなってしまった彼の母親の手紙から始まります。
     最初は「???」がいっぱいで、何がなんだかわからないんですけど。
     読み進めていくうちに、まず彼のおかれている現状がわかるようになって、それから、彼の失った記憶についてのなぞがどんどん明らかになっていく……。

     んだけど。
     一瞬、本の残りの厚さを見て、一瞬、本を投げ出そうかと思ったよ。
     厚みに嫌になったのではなく、このまま終わるんだったら読みたくない、と思ったからなのだけど。
     で、結局。
     終わり方としては……ちょっと若干……えぇーっ!! ってな部分が相当に残ります。
     これだったら、先に読んだ(後で感想載せる)この人の本がよかったなぁ……と、個人的には思いました。
     これってどうなんだろう……。
     思い込みの激しい人っていやだよなぁ……。

  • 途中まで面白かったのに…何でそうなるの…

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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