自縄自縛の私 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2012年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101272610

みんなの感想まとめ

フェティシズムをテーマにした連作短編集では、縄やラバー、使用済みコンドームに執着する女性たちの渇望が描かれています。彼女たちが求め続けるものは、自分を理解してくれる存在であり、その切なさが物語の核とな...

感想・レビュー・書評

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  • フェティシズムとは渇望なのだ。
    縄、ラバー、ゴミ、使用済みコンドーム…に執着する女性がそれぞれ主人公の連作短編集。
    彼女達が求めて止まないもの。フェティッシュのその先にあるのは「自分という存在を理解してくれる人」、ただそれだけであることが切ない。

  • 表題作は先に映画を観賞済み。「祈りは冷凍庫へ」でいきなり折れそうになり、「明日の私は私に背く」で再度折れそうになりましたが、無事読了。ラスト二編の後半でやっと救われたかな?!男としては…。
    星は本当は2つ半てトコ。

  • 共感は全部は出来ないけど、全編において女性として本能的に理解できる部分が多い。

    あとがきの、『フィクションの可能性』という言葉は、あとがきだからこそ示唆に富んでいて素敵。

  • 特殊な性癖だから…と言うワケではなく、誰もが持っている″誰も入れたくない部分″が痛い位あざやかに描かれている。
    あとがきの「だれかの孤独や切実な気持ちに寄り添える」が、ピタリと来る物語。
    渡瀬の話が特に好き。
    各話が微妙につながっているあたりもツボ。

  • どの話もすごくしっくり魅力的で文章が読みやすくてすきです。
    ひとりひとりに大事な譲れないものがあって、それはきっと退屈なものだったり、想像もできないものだったりするんだろうな。

    一回くらい縛ってみたくなるような、ちょっと新しい扉でも開いてみたいような、ステキな本でした。

  • 最後の話が一番好き。
    R18文学だったって後から知ったんだけど「ふがいない僕は〜」の方がよっぽどR18だと思う(笑)

  • 短編でそれぞれの性癖が描かれてる
    理解するほど深くないけど面白い

  • R-18文学賞大賞受賞作収録の短編集。自分で自分を縛ることを密かな楽しみにしている私。精子とコンドームのコレクションを趣味とする女の話などアブノーマルな人々を描いた話だけれどなんかちょっと共感出来ちゃうところがすごい。

  •  西加奈子著『ふる』(河出文庫)をよんで「なんとなく切なくやるせないのだが、そこはかとなく元気をもらえるお話」とレビューしたが、こちら蛭田亜沙子著『自縄自縛の私』にいたっては「なんとなく切なくやるせないく元気になれないお話し」であった。この小説の内容と著者氏名、蛭田っていうのが意味深であった。元気になれない原因が体のどこかにひっついている、それを剥がさないと元気になれない様な・・・でも、そんな自分が大好きな変態さんのおはなし。

  • フェティッシュ
    私がいる

  • なんて、アブノーマルな世界なんだ。
    正直、想像もしたことがない世界が繰り広げられていて、最初は驚きました。
    自分を縄で縛る、なんていうのは易しいほうで、使用済みコンドームをコレクションする、ラバースーツに身を包む、恋人以外の男性と性交を繰り返すなど、これらの行為で光悦とする女性たち。
    自分の知らない世界ながらとても官能的で、人の性癖というのは随分といろいろあるものだ、と思ったものです。ですが、本書は単にエロチックな小説に終わりません。

    これらは、仕事に追われる日々や、抑圧された毎日、上手く生きれない自分との折り合いをつけるために生み出されたものだと気付きます。時にそれは意識的に、あるいは無意識から。
    決して一般的に認められるものではないながら、それらがあることで日々をなんとか生き抜ける、そんなある種の必死さのようなものが行間から感じられます。

    最初はアブノーマルな世界だと感じたものが、段々と、そもそもノーマルって何だったかな・・・という思考に変わっていくのがおもしろい。
    これらは連作短編集となっていて、それぞれの登場人物がリンクしています。すなわち、特殊なものだ、隠すべきものだ、とそれぞれが抱えて生きているけれど、実際のところ自分だけじゃなくて、案外身近にいる人たちも大なり小なり何か抱えて生きているという。

    最後は「渡瀬はいい子だよ」という短編で本書を終えるのですが、これがいちばん爽やかで、すっきりした読了感が得られる1冊となっています。
    著者の文体も好き。ちなみに以下が、「渡瀬はいい子だよ」の冒頭です。

    終戦記念日を過ぎると、頬にあたる風は急激に冷ややかになった。夏は、だれかが午睡で見た夢だったみたいに、あとかたもなく消える。今日の空気の質感と海の色には憶えがあって、ああ、もうじき一年が経つんだ、と悟った。”アノヒト”が失踪し、お母さんの生まれ育ったまちに引っ越してから、季節がひとめぐりしたんだ。

    ね。素敵なはじまりだと思いませんか?

  • 初めての作家さんでしたが、すんなり。
    人には言えない癖があって、それがうっかりばれてしまう話。

    誰にも言えない秘密の時間って、うっとりする。
    でもそれって、どことなく自分の殻に閉じこもっているようなもので。いったい何がどうしてそうなってしまったのか、原因を探るべきなのかもしれない。うっとりすることで忘れようとしている何かを、思い出さなければいけないのかも。

  • フェティシズムの弱さと脆さと危うさを感じさせる。最後の「渡瀬はいい子だよ」で救いがあった感じ。

  • 「どうしてそんなことを?と訊かれたならば、魔がさしたから、としか答えようがない。」この書き出しはしかしもちろん「訊かれた」ときのごまかしで,魔なんかさしちゃいない。ただ気がつかなかったものが元もとからあったかのようにしっくりきて手放すことなんて考えられないのに誰にも説明できないし,何より恥ずかしいだけ。R-18文学大賞だからそっち系になるけど,不思議な性癖がいったい隙間なのか端っこなのか,それともど真ん中なのか解らなくなるような小説たち。「これは愛だ。私は確信をもって想う。完璧な愛だ。」(17p)

  • ユリイカ(女子とエロ・小説遍)推奨
    女性の割と特異な性癖を描く短編集。縛り、精液収集、ボンテージ、依存症と続くが、まぁさほど驚きも嫌悪感も無く淡々と読めてしまう。しかし、単行本の最後話で書下ろしの、「ごみの、蜜」はなかなか良かった。小学生の頃のごみ収集についての思い出から、ごみに執着するようになってしまった女子のストーカー的行為から、そこからの脱却とさわやかなごみ収集作業員との純愛にいたる物語で秀作。

  • 141102

  • it's like the fetchism novel. for example, she not the rope for her own. other woman is sperm corrector. men and women, everybody are interested in (^з^)-☆

  • この世には打算と妥協と偽善で満ちている。

  • 短編集だけど、どれも「自縄自縛の私」がちょっと関わってる。
    2話目で挫折しそうになったけど、最後まで読んでよかったと思いました。

  • 甘美なお話たち。そして全てリンクしている。欲望があるのも、欲望に忠実なのも、自分と向き合えるからこそ。ラストの短編がまたいい。こんな恋愛したかった!

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著者プロフィール

1979年北海道札幌市生まれ、在住。2008年第7回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞し、2010年『自縄自縛の私』(新潮社)を刊行しデビュー。そのほかの著書に、『凜』(講談社)『エンディングドレス』(ポプラ社)『共謀小説家』(双葉社)などがある。

「2023年 『窮屈で自由な私の容れもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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