談志が死んだ (新潮文庫)

著者 : 立川談四楼
  • 新潮社 (2015年10月28日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101273228

作品紹介

その死は弟子たちにも伏せられていた。立川談志、享年七十五。この不世出の落語家に入門したのは十八歳の春だった。それから四十年近く惚れ抜いた師匠から突然の破門宣告。「てめえなんざクビだ」。全身が震えた。怒りの理由が分らない。振り回され、腹を立て、やがて気づいた。大変だ。壊れてるんだ、師匠は――。偉大な師匠(おやじ)の光と影を古弟子(せがれ)が虚実皮膜の間に描き尽す傑作長篇小説。

談志が死んだ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 師匠 談志の死と、かつて同じ師匠の下で修行しながらも袂を分かれることになった同期 小談志の死。

    師匠 談志の陰陽を虚実合わせて紡ぐストーリーに引き込まれた。

    あくまで、ノンフィクションではなく長編小説という形にしているのが粋。

  • 赦しの話。

  • 晩年の談志の裏話的な話。病魔に巣食われて勘違い、八つ当たりしてしまう話。

  • 談志が壊れていることを身を以て実感した身近な人の描く物語は、たしかに、モノガタリである。若い頃の銀座での場面は、談志がいかに凄い人ななのか、実感できる。

  • 今さらながら談志という人の落語、聞いとけばよかったと思った。

  • 【分類】913.6/Ta94
    文学のコーナーに並んでいます。

  • 物書きでもある落語家が描く、稀代の落語家の晩年の日々。師匠の心身の異常による理不尽な仕打ちへの恐怖と悩み、自分も年齢を重ね、かつての師匠が通った道程と照らし合わせたときの思いなどが軽快なリズムの文体から体験できます。
    談志はピカソ、と称する山藤さんの言葉が、その生涯を表すのにぴったりだと感じられました。 

  • 立川談四楼『談志が死んだ』(新潮文庫、2015年11月)読了。

    立川談志は好きではない。(笑)
    とはいえ気になる落語家であったことは間違いない。とくに1999年の第50回紅白歌合戦に飛び入りした姿が忘れられない。

    そんな談志を巡る「裏側」を小説風に綴ったのが本書。
    立川流の落語家は文章がうまいというのは以前から知ってたが、今回談四楼の文章を読んで、「うまいなあ」とそれを実感。

    小説の体裁を取っているとはいえ、ほとんどが実話なのでしょう。晩年から亡くなるまで、弟子として仕えてきた談四楼ならではのエピソードがよどみなく綴られている。

    個人的興味からいえば、落語協会の分裂騒動のくだりが面白かった。振り返ってみれば1978年の出来事というから、恐ろしく古い。

    しかし当時から少しだけ落語に興味があった小生。この騒動で圓生が協会から脱退したことは衝撃的だったし、小さんが嫌いになったりした(あまり意味が分かってなかったのだけれど)。

    分裂騒動は大量の二つ目を真打ちに昇進させようとした小さんに反旗を翻した圓生が協会を離脱したことに起因する。真打ち昇進試験を実施して二つ目を真打ちに昇進させる策を取る落語協会。
    1983年の真打ち昇進試験は10名が受験し、2名が不合格となる。2名とも談志の弟子で、そのうちの一人が談四楼だった。その談四楼がこの出来事を書いているだから詰まらないはずがない。『うーん、そうだったのか』と事の真相が明らかになる。まさにドラマ。
    師匠と弟子。どこぞの世界にも通じる何かがある。

    そういえば、本書で、談四楼は談志の「お別れ会」の場面を詳細に書いている。その中にこんな場面がある。司会は談笑。

    続いて談笑は、大スクリーン前へと移動するように客を促す。映し出されたのは談志生前の高座、それも2007年、読売ホールにおける伝説の『芝浜』であった。「登場人物が勝手に喋り出しゃがった」と談志が言い、そこに居合わせたファンは「神が降りた」と賞賛し、談志も楽屋で更に「技(ぎ)、神(しん)に入る」と胸を張ったのが、この『芝浜』なのだ。[p.198]

    『そんなにすごいのか』と聴きたくなるような書きっぷり。
    でも芝浜、あんまり好きではない。あんまり好きではない落語家の、あんまり好きではない演目。(苦笑)

    そうそう、お分かりのように、このタイトル、回文。
    談四楼によれば、スポーツ紙の見出しだったようだ。

  • まさに虚実皮膜の間。どこまでが実話でどこからが創作なのか判然としない。

    ただ、孤高の天才が直面する老いの問題を巧みに救いとっていると感じた。

  • 噺家さんが書く文章にはずれはない、まして直弟子がその師匠について記した本書は外しようがない。そこに著されるのは「ここまで書いていいのか」と思うような故人の陰鬱たる面が多いのだが、それが結果的に陽の部分を浮かび上がらせる絶妙な効果になっている。

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