- Amazon.co.jp ・本 (660ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101273723
感想・レビュー・書評
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空駆ける天馬、作中にそんな表現があったけど、そのまんまな生涯。上士の家に生まれ漢詩の才強く運にも恵まれた天才的な革命家、戦う姿はまさに軍神。早世が惜しまれる。
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外国と渡り合う為には、国力を上げる事が急務であると、誰もが思っていたみたいですが、同じ志を持ちながら何故戦わなければならないのか?
明治維新の話は、読めば読むほど分からなくなります。
攘夷を掲げて戦う人たちも、それぞれ目指しているものが違っていたりしたんだなと、混沌とした時代を感じました。
それぞれが、それぞれの正義や考え方で、動き回っているという印象でした。
高杉晋作もその中の一人。 -
最後までどうしても没入出来なかった。高杉晋作に対してなのか、あの時代に対してなのか、作者の理解の薄さが感じられて仕方がなかった。歴史を人を通して描くというのは相当難しいのであろう。歴史観、文化度、人間力、感性等あらゆる物が必要なのであろう。
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20160924
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葉室さんによる高杉晋作像。
今、脚光を浴びている五代さんも登場する上海での体験は、ファンタジーで、何かの外伝のような味わい。
でも、高杉晋作の若い日に、あのようなことがあり、それが彼の攘夷を作り上げていったのかも、と夢想するのは、とっても楽しい。高杉晋作は、若いまま駆け抜けていった人ではあるけど。
その高杉晋作の「攘夷」と、外国人を切ればいいという単純な「攘夷」との距離感について、なるほどと感じた。
実力を養い、ルールを正し、諸外国と渡り合う・・・己の尊厳を持ち、他者と渡り合う・・・今にも通じる思想と改めて思った後、これは、葉室さんの視点でもあるのか、と感じたりもした。
身分の壁を超えて奇兵隊を作り出し、電光石火の戦いを演じる一方、藩主や世子への敬愛の情も厚かったと伝えられる高杉晋作は、こういう人だったのかもと思わされる作品。 -
革命、戦争、民族主義。世界中にある。
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本作の高杉晋作は「上海での見聞」の故に、“四境戦争”で敗れることは、「欧米勢力による日本の蚕食」に繋がってしまうことであると考えている…他方、高杉晋作の身体は病魔に蝕まれ始めていた…だがそれでも、高杉晋作は戦い続けた…
「必要とされる時代に生れ落ちて、必要とされる場面で力を発揮し、静かに去って行った快男児」という感の本作の主人公、高杉晋作…強い意思、豊かな学識、様々な人達との交流や自らの見聞で練り上げた思想、迅速な行動、ロマンス、病魔との闘いの他方で戦闘の指揮を執り続ける勇姿…彼は実に魅力溢れる描かれ方をしている…