レインツリーの国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 23960
レビュー : 2400
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101276311

感想・レビュー・書評

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  • 今まで図書館戦争シリーズを始め様々な有川浩作品を読んできて、
    「この作品好きだ」とか「めっさ面白い!」と感じてきた。
    特に図書館戦争シリーズにはかなりはまり、それが初めて読んだ有川浩作品であったわけだが、その後どの有川浩作品を読んでも面白いと感じ楽しく読めるのだがそれを超えたと思うものはなく、「やっぱりこの本が一番好きだ」と改めて思うことが多かった。

    この「レインツリーの国」はそんな中初めてそのシリーズを超えると思った。
    他の有川浩作品の恋愛ものは、多少なりフィクション設定というか、自分の今の立場からは離れたものが多く、フィクションとして楽しんでいたと思う。
    今回のストーリーは自分にだってあり得ないことはない、自分にも十分置き換えられる話だった。
    どんな人でも抱える「コミュニケーション」の問題について考えさせられることが多く、それがただの恋愛小説を読んでときめくだけではない、自分にとって新しい、はっとさせられるような衝撃を受けることが多かったからかもしれない。

    私が本の中でやり取りされるメールを読んで、主人公の気遣いや優しさに素敵な人だと思っても、それに対するヒロインのメールを読んで、自分がそのメールを受け取ったときとは全然違う捉え方、感じ方をするのだということが身に染みて、言葉の難しさや人は違うということをとても強く感じた。
    2人のやり取りを見ているとあまりにも優しさが噛み合わないことを感じることが多くて、読者である私すら「もう駄目なんじゃないか」と不安に思うのに、お互いがお互いにそれでも尚真摯に向き合ってさらけ出して、2人の未来を続けるためにそうしているのが私にはとても新鮮で、感動した。
    我慢して良好にするのではない人間関係というものがとても素敵に思えた。

    また、自分自身以前に耳を悪くして低い音が聞こえにくくなってしまったことがあり、他にも色々と聴覚障害者(この本を読んだ後だとこの言葉を使うのに抵抗がある)とコミュニケーションする機会を得たこともあって、周りの人達よりは少しそういった立場の人のことを分かった気がしていたが、全然分かっていなかったと気付くことができた。
    また、もっと勉強したいという気持ちが強く湧いてきた。

    ボキャブラリーが少ないため、上手くこの本の素晴らしさや感動を言葉に出来ていないが、
    自信を持って人に勧められる、たくさんの人に読んで欲しい作品だということは、はっきり言うことができる。

  • わたしにとってはじめての有川作品。
    何回読んでも泣いてる。
    友達にプレゼントとして一番あげている本。
    読みやすいのにいろいろ突き刺さるセリフがあって、大好きな本。

  • 自分の置かれている状況にリンクし過ぎていました。本が好きで繋がった2人。そして、そこに難聴の問題が関わってくる…。僕のために書かれた作品なのではないかと思ったぐらいです。(笑)なので、客観的にこの本が面白いか否かはもう判断できませんが、個人的には惹きつけられ過ぎて一気に読んでしまいました。
    また、上から目線で大変申し訳ないですが、難聴や聾者について有川浩さんがしっかり勉強されてこの本を書かれていることも伝わりました。自分が関わった子どもたちが今、こんな形で恋愛しているのかなぁなんて思い出に浸ったりもしました。
    そして、図書館戦争シリーズはまだ読んだことがないのですが、あとがきに図書館内乱と内容がリンクしていると書かれているのを見て、興味がとてもわきました。早く読んでみたいです。

    • とみゆさん
      とても好きな作品の中の1つなので、気に入っていただけてよかったです!
      私は聴こえについての知識がまったくないのでただ理解しようと読むことしか...
      とても好きな作品の中の1つなので、気に入っていただけてよかったです!
      私は聴こえについての知識がまったくないのでただ理解しようと読むことしかできませんでしたが、知識がある方が読むとそう見えるんですね。有川浩さんすごいです!

      長文の感想、嬉しかったです!
      2019/07/07
    • Hiroaki Okadaさん
      素敵な本を教えてくれてありがとう!
      有川浩さん、凄いと思います!!自衛隊のことは全然分からないけど、きっと入念に取材しているんだと思います。...
      素敵な本を教えてくれてありがとう!
      有川浩さん、凄いと思います!!自衛隊のことは全然分からないけど、きっと入念に取材しているんだと思います。
      そして昨日はいなくて残念でした…
      2019/07/07
    • Hiroaki Okadaさん
      そうだったんた…それは仕方ないね?またリベンジしますね?
      そうだったんた…それは仕方ないね?またリベンジしますね?
      2019/07/08
  • きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかったー。

    またまた有川sanにやられました。「・・・重量オーバーだったんですね」から、ずーっと涙が止まりませんでした。(ホントに電車の中で危険な状態でした 泣)。相手を気遣う気持ちや言葉。強くて、優しくて、素敵過ぎます。会話型の章見出しにも脱帽です。

    最後の「帰りの電車の中で、髪をかき上げてやりました。」。これがすべて。伸とひとみの距離、これからの道が歓喜(☆レインツリー☆)の国に繋がりました!
    【おくダマ賞2018】

  • 『レインツリーの国』

    あるブログをきっかけに交流を始める男女の恋の物語。
    ネットとリアルで感じる人間性の違い、
    聴覚障碍者の視点で感じる日常。
    「傷つけられたから、人を傷つけていい」理由にはならない。
    知っているようで知らなかった現実を突きつけられた一作でした。

    読みごこちのいい関西弁と、
    2人の恋の行方が気になって
    数時間で読み切られました。
    特に印象に残ったのは、あとがきで紹介されていた、
    「レインツリーの国」がそのまま図書館戦争に登場していたということ。
    あの時のあの本はこれだったのかー…と感慨深い気持ちになりました。

    メディア規制や発言の炎上など、
    表現の自由が失われつつある昨今。
    恥ずかしながら私は、本作を通して
    聴覚障害の現実を改めて知ることが出来ました。

    様々な世界や考えを知るからこそ、
    新たな理解や見識が深まるのだと思います。
    他者を許容できる社会になってほしいと感じました。

  • 人に優しくするのって難しいな。でも、人に優しくされるのは嬉しいな。だから、やっぱがんばろう

  • ネット上で知り合う、って今の時代だからこそなりたつ小説だね。
    伸のキャラがすごくいい。だんだん変わっていくひとみもステキ。
    障害者が題材って本当に難しいことだと思うけれど、これを恋愛小説と位置付けている有川さん、好きだな~。

  • 「愛は力」「愛は人を強くする」どこかで聞いたようなセリフですが、ひとみと伸の2人の恋の行方をみているとこんな境地になります。本気だからこそ、可能な限り歩み寄り、相手のテリトリーに入りこむ。妥協はなし、上辺だけのつながりでなく、本音で晒しあうことを最初から実行してきた2人だからこその展開だったような気がします。
    この始まりがネット友達っていうのも、あながち現実的で、2人の往復書簡(メールのやりとり)が本書の半分以上を占めていたように思われるのですが、人様の立ち入った事情や成り行きを第三者(ここでは勿論、読者ですが)が覗き見ているような感覚を覚え、どきまきしたものです(笑)
    恋愛ものなのですが、健常者とそうでない人との線引きや物事の感じ方考え方も非常に興味深く、共感しえる箇所も多く、私にとっては面白い作品となりました。(4.5)

  • 図書館戦争を読んで興味を持ち、読みました。すごく素敵な話です。解説にもある通り「障害や病気を持つ人を物語の中で正しく描くことは、人々の理解を深め、差別をなくすのに大きな力となる」、本当にそうだなと。分かったつもりになってるだけかもしれないけど、心に棘のように残る話。「痛みにも悩みにも貴賎はない。」のくだりは好きだな。

  • 有川浩って人気作家の小説をひとつは読んでみたいなと思って、なんにも考えず新潮の100冊から選んだ。たぶん3ヶ月前までの自分だったら100ページぐらいまで読んで投げてたと思うけど、その題材だけに今の自分はそうできなかった、なぜなら僕がいま一番理解したいと思っている相手と同じ場所に彼女が立っていたからだ。
    主人公のふたりが、すれ違いはあったにしても「ちゃんと」けんかしてるのがよかった。ふたりとも優しすぎだし、強すぎだし、なんだかんだお互い好きなんじゃんよっていう結局は胸キュン小説。やる気があれば1時間で読める。登場人物が少ないのがありがたい。流暢な関西弁。一番カッコいいのは二塁打の彼女。つまんないからもう口説いてあげない。


    「痛みにも悩みにも貴賎はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ」(p.175)

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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