成熟脳 脳の本番は56歳から始まる (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年12月25日発売)
3.76
  • (19)
  • (38)
  • (27)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 414
感想 : 35
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784101279558

作品紹介・あらすじ

ヒトの脳の一生は、面白いほど7年ごとに段階を経ていく。子ども脳から14歳までにおとな脳へと成長し、28年間であらゆる知識や感覚を得てピークを迎えるも、まだ試行錯誤を繰り返す。やがて更年期やもの忘れを経験し、心細くなるもの。だが、それは「老化」ではなく「進化」の証。物事の優先順位が見えてくる脳の最高潮期は、ようやく56歳で始まりを告げる!脳と感性から紡ぐ「成熟」の極意。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人生の各ステージにおける脳の変化とその意義を探る内容が魅力的な一冊で、特に56歳以降の成熟脳の特性に焦点を当てています。著者は、脳が年齢とともに進化し、特に物忘れは不要な情報を整理する過程であることを...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 黒川伊保子氏の本をいくつか楽しんで読んできたが
    どうやら私は新しいものから読んでいたようだ

    ( )内は発売年月
    妻のトリセツ(2018年10月)
    前向きに生きるなんてばかばかしい(2018年4月)
    運がいいと言われる人の脳科学  (2011年11月)
    成熟脳: 脳の本番は56歳から始まる (2017年12月)

    この本は3部構成になっており
    「感じることば」で56歳以降のエッセイ
    「一生の脳科学」メインディッシュ
    「情を科学する」デザート

    メインでは人生最初の28年とその後の脳の役割について
    特に「デキる40代の罠」が面白かった

    キリスト教 ユダヤ教 イスラム教 の教えに端を発する7日周期が
    仏教の初7日49日にも7日周期が使われている不思議
    The magical number 7(魔法の数7)
    49日でヒトは立ち直る(7×7)
    49歳で生殖のために生きてきた人生を別の人生に切り替える

    脳にとって物忘れは想定内の進化
    今生きるのに必要ない回路の優先順位は下がるらしい
    あれあれほらっあの人とか言い合って必死に思い出そうとしてきたけど
    今の私に必要ないものなんだと知ると笑える

    56歳まで生きると誰しも人生の達人になる
    ただしネガティブに生きてきた人はネガティブの達人になる
    だから56歳をこえて困った人には近づかないこと
    それ以降は変えられないのだ
    私は何の達人になっているのかなぁ

    成熟脳世代のいう事は理屈を考えず素直に従う
    ただし尊敬できない脳の持ち主なら一目散に逃げる

    成熟脳に至るまでの3冊も読んでいないが
    もう過ぎ去った時代なのでいまさらなので読む必要もないかな
    今その渦中にいる世代の方は読んでみると面白いかも

    恋愛脳(2006年2月)
    夫婦脳(2010年11月)
    家族脳(2014年4月)

    今後はこの2冊を読もうかな
    夫のトリセツ (2019年10月)
    定年夫婦のトリセツ (2019年4月)

  • 【概略】
     「物忘れが多くなってきたな」と嘆く40代の皆さん、それは物忘れではなく、脳が不要な回路を切り、出力を出す方向に切り替わったため。実は脳は56歳で、最も成熟した形をとるのだ。
     「三つ子の魂、百まで」は本当なのか?失敗は成功の母、とは何故なのか?失敗を他人のせいにすると、ヒーローになれないのは、何故か?共感を求める女性脳、不実であることを嫌う男性脳、とは?
     また、母語・そして言葉が持つ「音」から生み出される感覚の違いにも言及した、AIエンジニアによるエッセイ集。
     
    2018年05月10日 読了
    2019年03月07日 読了
    【書評】
     現時点、「人生のバイブル(和書)10冊」のうちの一冊。読み物としてのリズムが最高に、いい。
     いい意味での、男性と女性の(全部が全部、そうじゃないけど相対的に)違いを、凄く平和的に受け入れて、「お互いによいところを、尊重して、素敵な生活にしましょうよ♪」という姿勢が感じられるんだよね。もう、ビクビクだけど・・・誤解を恐れずに言わせてもらうと、たまに見かけるもん・・・「寄らば切る!」みたいな感じで、ハリネズミみたいに針を剥きだしにして、ぶつかってくる女性・・・。そんな極端な事例はさておき、男性脳と女性脳の違い、凄くわかりやすかった。実際に「そうだよねぇ、わかるよぉ」という言い出しを使うようになってから、女性から褒められるようになったという(笑)(パートナーを探している男性の皆さん、是非、参考にしてみて!)
     もう1つ、言葉の子音と母音の違いが聴き手に与える印象の違い、「S音」の爽やかさ、「Y音」の上質さ、等々・・・これはとても興味深い。実際に著者が関与した商品の中でも、ヒットを生み出している点からも、やはり関連はありそう。スピーチや英語落語のセリフまわし、勉強してみたい。
     ・・・ということで、読めば読むほど、そして、読んだ時の読み手の経験が、鏡のように見事に反映される、素敵な一冊。興味のある方、是非、読んでみてくださいな。

  • 年代別脳のステージについての話も興味深かったが、個人的には、
    ・言葉は媚薬となりうるか
    の章でドキドキ、激しく納得。
    「やっと、会えたね」なんて言われようものなら……(妄想)
    そして名前。姓は私のものじゃないから、絶対に名前で呼ばれるのが嬉しい。

    タイトル&サブタイトルの影響で、シニア世代が手に取りそうな本だが、若い人こそ読んだら為になる。
    いま迷っても失敗しても良いんだ、そういうステージなんだと、将来の展望が明るくなる。
    もうこんな年齢だ、なんて思わずに、もうすぐ最高のステージがやってくる!と思えそう。

  • 今56歳(令和2年11月)です、この本の著者・黒川女史の本は最近何冊か読ませてもらっていますが、この本の内容は週刊紙などに数年前に書かれたものが文庫化されたようです。

    「脳の本番は56歳から始まル」という副題を見て、どうしても56歳である間に読まなければ、という思いでネットで見つけて取り寄せて読みました。

    体力や視力は50を過ぎると悲しいことに老化を無視することはできません、その中で脳はこれから活動が本番を迎えるというメッセージには心づけられます。今まで走り続けてきた人生を振り返り、今後はどのように生きるべきかを考える上で、自分にとって分岐点になる今年に、この本に書かれていることを活かして人生の後半戦(本番)に向けて準備を進めていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・脳には「ある決まった動作」をすると、「その動作を繰り返してきた場面と同じ神経信号の状態を作る」という癖がある(p22)何かに挑戦する人は、挑む日のルーティンも決めておくと良い、同じ動作、同じ位置がキーワード(p23)

    ・女性脳の共感型対話モデルでは、共感でもって気持ちよく経過を話し尽くすことが基本系、女性は気持ちよく話を聞いてもらえさえすれば、自分で問題解決をする生き物なのである(p39)共感によって女性は脳に残る余剰なストレス信号を解く。(p45)

    ・人生が始まる前の10ヶ月、ともに呼吸してきた二人は大人になっても呼吸が合う、残念ながら父の胸に抱かれても、母と子の間のあんしんかんは無い(p50)

    ・人の骨髄液が、7年で入れ替わる。骨髄液は、免疫の中枢司令塔である。この骨髄液は毎日少しずつ入れ替わるが、7年より前の細胞が残らない。つまり、満七年経つと、厳密には今とは違う免疫システムで生きていることになる。(p121)環境に適応するための7年、つまり7年経過すると刺激だったことが刺激じゃなくなる(p122)

    ・49歳、ヒトは生殖のために生きてきた人生を別の人生に切り替えるのである。生殖のために生きる人生を、新たな目的の人生に切り替えてから7年目、人の脳は新たな目的に慣れて、人生の最高潮期=出力性能最大期に入る。28年を一ブロックと見立てると、84歳まで続くことになる(p125)29歳から56歳までの第二ブロックは、膨大な数の回路の中から、要らない回路をより分け、必要な回路を知るための28ねんかんである(p128)

    ・失敗のない人生はないが、失敗を他人のせいにする人は、その失敗を脳に反映することができない。(p129)

    ・50代からの語学は、何度も繰り返すことが肝要である。この時、本人の脳は「繰り返し」だと思っていない、これが50代の素晴らしいところ。50の手習いは成果を求めず、繰り返しを楽しむことを目的にしたら良い(p142)

    ・56歳近くになると、あらゆる成功に使われる共通の回路=成功の秘訣、が目立ち始める。30代の惑い(失敗事例の蓄積)、40代の苛立ち(成功事例が増えてくるものの周りの理解が足りない)、を乗り越えて、脳は50代に本質を知る(p143)

    ・本質の回路は膨大な失敗の果て、成功事例をいくつも重ねて脳に仕上げられる回路であり、人に教えられたり「一方向の成功事例」だけを恣意的に繰り返すだけでは手に入らない(p144)苦難が降りかかった時、「私には特別な才能がある、神に選ばれたに人なんだ」と思えば良い(p144)

    ・脳は102歳までは進化が約束されたしょうみきげんの長い装置である(p159)

    ・不満や怒りを溢れさせている人の話は、「そう」「そうなの」「それはひどいね」という相槌で聞く人が圧倒的に多いが、これは無意識のうちに「ソ」の触感で、相手を宥めている。優しく撫でて、クールダウンして温めて包み込む(p165)

    ・上質な男は、ヤ行音を使う。「良い」ヤ行音は、イから他の母音への変化で出す音韻である、脳に「長い時間をかけた感じ」「深い癒し」を同時にもたらす。「やれやれ」「よしよし」「おやおや」「そや、良かった」「やっと、きたね」(p181)

    ・ねぎらいや親密感を表現したかったら訓読み系(大和言葉由来)、敬意や責任感を表現したかったら音読み系(漢語由来)でと、無意識に使い分けることができる(p193)

    ・この世には何語であろうと、二つの対話スタイルがある。女性は主にプロセス指向共感型、男性はゴール指向問題解決型である。そして異なる対話モデルで喋ろうとすると、互いに傷つけ合うことになる(p201)

    ・女性がキレたら過去の総決算をしていると思った方が良い、何度謝ったかしれないが、今もう一度傷ついているので、もう一度謝るしかない(p204)これをやめさせる方法としては、キレられた時ではなく比較的幸せな時に、深い後悔として謝ること(p205)

    2020年11月28日作成

  • 黒川伊保子さんによる脳科学に関する本です。
    個人的には「一生の脳科学」の「脳は、七年ごとにおとなになっていく」の部分が興味深かった。

  • 個人的まとめ

    ●人は魅力で振り返り、ギャップで惚れて、弱点で愛し続ける生き物
    ●人は対象者のだらしなさや頼りなさを案外いとうしいと思って暮らす生き物
    ●何かに挑戦する日のルーティンを決めておくと、試験や何かで一定の落ち着きを得る
    ●失敗を連れてくる言葉
    ふてくされて、「でも」、「どうせ」、「だって」、を連発する

    ●60-70代の特性
    ・深遠の芸術は60代70代が支えている
    ・60代70代は旅と習い事の好機
    ・老人が若者にせっつくのは、長い経験による深い確信があるから
    ・若い世代は60代以上の人生の師を持つべき

    ●言葉の触感
      ・S音はさわやか 口腔内温度が下がるから
       「そ」は癒しの感覚が伴う「そう、そうなの」
      ・K音T音は 硬い感じ、金属音
       人名:「しゅんすけ」 機敏に動くイメージ
         :「まなぶ」「まこと」 勉強や趣味に長けている

    ●国別哺乳ビンの乳首
      ・日本とイタリアは電球型 ドイツは硬めで平た目
      ・日本語とイタリア語は母音優位の発音 ドイツ語は子音を多用するという違いから

    ●日本語の二重性
      母音が優位の「訓読み」、子音をが優位の「音読み」という二重性
       ・訓読み系
          ありがとうございます。うれしい ⇒ ねぎらいや親密感
       ・音読み系
          感謝しています。光栄です。⇒ 敬意、責任感
    この豊かな2つの言語性のため日本人の脳は外国語を獲得するとき戸惑ってしまうのかも
    しかしデジタルとアナログの臨界を豊かにしていく今世紀に花開くのではないか

    ●女性脳
    ・プロセスから「知恵」を切り出すことに長けている
      ・ことの経緯を説明したがり共感を得ようとする
        共感されるとストレスから開放される
      ・「怖い、つらい、ひどい」、など危険が伴うことに感情が強く働き長く続くようにプログラミングされている
    ・好き嫌いの判断は「主観」で判断する
    ・共感さえしてくれれば「全く別の選択をしても構わない」と思う生き物

    ●男性脳
    ・最初に会話の目的や結論を明らかにし、余分なことはできるだけ排除する
    ・相手の話に問題点が見つかれば、それを素早く指摘して会話を早く終わりにしたい
    ・素早い問題解決で他者を救おうとする。「ゴール指向問題解決型」
     空間認知能力を使って問題解決しようとするので「中空」をぼんやり眺める仕草
       空間認知能力を使おうとすると「言語脳」が閉じるので寡黙になる
    ・男性脳の「部分否定は」実は肯定
    ・好き嫌いの話にも客観性を重視する
    ・物事の「リスク」の多少によって判断決断する

    ※「男性脳と女性脳」なぜ、こういう重要なことを義務教育で教えないのだろうか

    ●AI時代に起こる「人作業」の付加価値向上
    「人レジ」にパフォーマンスの高い人を配置するアイデア
    ●複数の人間の脳波が連動することは科学的に確かめられている
    ●人工知能を研究するということは「人の脳を研究する」こと
     
     ※いろんな引き出しを持ちそれをうまく切り替えて判断できる人が「頭の柔らかい人」「センスの良い人」と言えるが、それは失敗を認めてフィードバックできる人

    ●6歳まではメラトニン作用を必要とせず眠れる
    ●7けた、8けたの記憶量
      ・人は8桁以上は覚えにくい(数字の7桁正解率90%、8桁10%)
    虹を7色と判断したのはこのためか?
    ●人は無意識下で地球の自転と公転をカウントしている(東京医科歯科大角田教授)
    ●50代以降の勉強は、「学びではなく娯楽」と思えば良い
                                 以上

  • 読み始めは今ひとつでしたが、なぜか後半から一気読み。

  • なかなか面白かった。男性脳と女性脳の違いは、今となれば、なんとなく聞く話ではあるけれど、一生の脳科学は面白い。脳の発達のようすを観察すると、七年というキーファクタがでてくる、というのも面白い。

    と思って、ちょっとググって見たら、
    「東洋医学の教科書ともいえる文献『黄帝内経(こうていだいけい)』には、「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるという記述があります。」というのも出てきた(養命酒のウエブサイト)。
    面白い。

    脳は寿命を知っているという。ヒトは、脳のゴールを知っていて、そのゴールに合わせて、自分の脳や体を、静かに折りたたんでいくように思える、とのこと。
    また、脳は112歳までは進化が約束された、賞味期限の長い装置らしい。その装置を、いつまで使って、どこまでこの宇宙を楽しむかは、私たちの脳が決めることで、他人にとやかく言われることじゃない、とのこと。そりゃそうだ。

    時代も大きく変わってきているし、もう自分の生きたいように楽しく生きる、そうしていきたい。そのために脳を進化させていきたい。

  • この本を28の歳に読んでおいて良かった。
    また7年周期で読み続けることとする。
    35
    42
    49
    56
    63
    70
    読み続けることで実感を伴って読み下すことができるだろうか?はたまた新発見によって内容が過去のものになるのか?
    楽しみだ。

  • 『#成熟脳 脳の本番は56歳から始まる』

    ほぼ日書評 Day643

    ヒトの脳のピークは56歳なのだそうだ。自分の体験では、もっと以前から記憶力や集中力の減退を覚えていたが、それを補完する何かが、その年齢まではあるということらしい。

    著者は(執筆時点で)その年齢を僅かに過ぎ、評者も丁度同い年にあるため、何となく親近感を覚える。

    冒頭の脳のピークの話だが、インプット装置としての脳のピークは56歳の丁度半分の28歳。しかし、なるほどやはりと言うべきか、記憶力は衰えても、それまで蓄えたものを使う能力が、記憶力の減退を補って伸びていくらしい。

    そんな著者が、日々の諸々の中での、小さな、しかしバリエーションに富む気づきを教えてくれるエッセイ集。
    体幹を安定させるには「祈り」のポーズを取ると良い。肩甲骨と肋骨まわりの無駄な緊張を取ることができるとか…。

    さらに終盤、脳は56の倍、112歳までの成熟を用意していることが明かされる。医療がさらに発達すると、寿命が130歳まで伸びるという説を見たことがあるが、健康寿命という観点で、喜ばしい話。80代半ばを過ぎると、この世を見ているカーテンが開くということで、長生きするモチベーションが湧いてくる。

    https://amzn.to/3Fe6tBT

  • らじるラボの解説がとても面白い
    効率よく脳が働くために要らない情報を捨て始める
    物忘れが起きるのはそういう理由
    七の倍数はマジック
    曜日や法要、電話番号記憶まで!
    考えるストレスが減るのは56歳!?

  • 脳の衰えを感じていたときに遭遇し手にとりました。
    この本を読んで衝撃が2つ。
    一つは、思春期は脳の移行期間(調整期間)であること。
    二つ目は、もの忘れは老化ではなく進化
    と書かれていたことです。
    年代に応じた脳の機能にもとても納得できました。
    勇気と励ましをもらえ、良い意味で開き直りも大切だと感じました。
    まだまだ、脳と自分自身の成長をこれからも期待したい。

    • ひとみさん
      脳の衰え感じ悩んでいたときに遭遇し、思わず手にとりました。
      この本を読んで、衝撃が2つ。
      一つは、思春期は脳の調整期間であるということ。
      二...
      脳の衰え感じ悩んでいたときに遭遇し、思わず手にとりました。
      この本を読んで、衝撃が2つ。
      一つは、思春期は脳の調整期間であるということ。
      二つ目は、もの忘れは老化ではなく進化と書かれていたことです。
      年代に応じた脳の機能がとても納得でき、勇気をもらえ、良い意味で開き直りも大切だと感じました。
      脳と自分自身の成長にこれからも期待したい。
      2022/01/18
  • 『成熟脳』(著:黒川伊保子)


    付箋部分を抜粋します


    ・無駄なものを捨てていくのが、脳の最大のテーマであることも(p7)

    ・たぶん、人工知能と共棲する時代に、人がすることは、案じたり察したり発見したりすることに
     集約されるのじゃないかしら。だとしたら、人間の価値が変わってくるに違いない。少なくとも、偏差値信仰は
     消えてなくなる。人口知能、万歳、である(p37)

    ・それほど、人が心を込める、という動作にはパワーがあるのである。私たちの脳は、潜在意識下で百万分の一秒を感知し、
     フォトン一つにも反応する。想像を絶する精度で、周囲を認知しているのである。おそらく、目の前の人の鼓動や
     血液の脈動、呼吸のリズムなどを感知している(p82)

    ・生きることの意味は、年を重ねれば、ことばではなく直感で、腹に落ちてくるものだったのだ(p90)

    ・端的に言うと、ヒトは三歳で人になり、十四歳でおとなになるってことだ(p106)

    ・脳の出力性能がピークに達するのは五十六歳。健康でさえあれば、ここから八十四歳までが、「ヒトの脳が最も使える時期」
     に当たる(p113)

    ・四十九歳。ヒトは、生殖のために生きてきた人生を、別の人生に切り替えるのである(p124)

    ・つまり、失敗の数だけ、人は、失敗しにくく、判断に迷わなくなる。失敗が心に痛いほど、取り返しがつかないほど
     脳への学習効果は大きい。失敗は、脳をよくするために、人生で最も有効な入力なのである(p128)

    ・ただし、失敗を他人のせいにする人は、その失敗を脳に反映することができない。せっかく痛い思いをしたのに、脳が
     失敗だと認知しないからだ。失敗は、他人のせいにしてはいけない。もったいなさすぎる(p129)

    ・長く生きること。たくさん泣くこと、転んで傷ついて立ち上がること。それだけが、脳を熟成させる。つまり
     人生そのものである(p144)

    ・五十六歳まで生きて、人生の達人にならない人はいない。中には、あまり周りに威張れない達人、たとえば卑屈の達人や
     何もしないことの達人もいるけれど、脳は、世間でいう「いい人、気高い人」のありようなんて知ったことじゃないからね。
     繰り返してきたことの、達人域に入るだけだ(p145)

    ・九十代現役の大学の先輩は、こうおっしゃった。「八十くらいまでは、この世をカーテンの向こうにみているようなもの。
     八十半ばを過ぎると、カーテンが開くのよ。お楽しみに」(p156)

    ・ヒトは、脳のゴールを知っていて、そのゴールに合わせて、自分の脳や体を、静かに折りたたんでいくように思える(p158)

    ・夫婦とは、面白い縁である。
     大切なのに、鬱陶しい。五十五年も一緒にいて、大事なことを伝えそびれる(p209)

  • 人の脳は7年ごとに段階を経ていき、子ども脳から14歳までにおとな脳へと成長、28年間であらゆる知識や感覚を得ていきます。
    やがて物忘れをするようになりますが、それは「老化」ではなく「進化」。
    56歳から始まる脳の最高潮期。
    確かになぁ。

    考えてみると、能や書や古美術など、ことばにならない深遠の芸術は、いつの時代も六十代、七十代が支えている。(中略)
    ことばにならないものを、ことばにしないまま受けとめ、感応し、愛でる教養。芸術を鑑賞する者として、最高水準の脳になる。
    もちろん、芸術のみならず、”世界”を鑑賞する天才でもある。桜や紅葉の一期一会が心にしみわたり、木漏れ日のひとすじ、雪のひとひらにも、ほろりとする。若き日の感受性とはまた違う、人生を味わい尽くす感覚である。 ー 147ページ

  • 56歳から脳の本番?と思って読んだが、あまり根拠はなさそう。。。

  • 読んでいて林真理子さんを思い出しました。ananに連載してたバブルっぽい文と似てる気がしました。
    ただ林真理子さんほど文学的じゃない気がしました。
    「ほんとに?」と疑いながら読みましたがサラッと読みやすいです。

  • 「普通名詞を忘れると、その存在意義も忘れる。つまりさ、しゃもじを手にして、その呼び名がわからなくなったときは、それが何に使えるのかも見失うんだよ」

    その道のりを憂うことはない。今とこれからを生きるために必要でないものpを捨て去り、魂はきっと身軽になっていく。誰もが行く道である。脳には、その行き方が最初からプログラミングされているはずだ。

    脳は五十六歳で出力性能最大期を迎えることがわかっていた。無駄なものを捨てていくのが、脳の最大のテーマであることも。

    人はギャップに惚れる生き物

    人は、魅力で振り返り、ギャップで惚れて、弱点で愛し続ける生き物なのである。

    脳には、「ある決まった動作」をすると、「その動作を繰り返してきた場面と同じ神経信号の状態を作る」という癖がある。

    しっくりとくるルーティンは人によって大きく違うので、自分のオリジナルを見つけることだ。「同じ動作」「同じ位置」がキーワード。

    笑顔を作れば、勝手に嬉しい時の神経神号が起こる。

    人が心を込める、という動作にはパワーがあるのである。私たちの脳には、潜在意識下で百万分の一秒を感知し、フォトン(光子=光の粒)一つにも反応する。想像を絶する精度で、周囲を認知しているのである。おそらく、目の前の人の鼓動や血液の脈動、呼吸のリズムなどを感知しているのである。複数の人間の 脳波が連動する現象も確かめられているので、相手の脳波をキャッチしていることもあるに違いない。
    さらに相手の表情筋をくまなく感知することもわかっている。私たちは、目の前にいる生命体の生命情報を感知し、その脳が「間違いなくお釣りを渡そうと、心を込めている」ことを知るのである。その「無意識のうつに感知する生命現象」が、私たちの脳に安心感を与えてくれるのだ。ことばがなくても通じるものが生命同士にはある。たとえ相手が、愛犬や愛猫であっても。なんと植物でも。

    脳の出力性能がピークに達するのは五十六歳。健康でさえあれば、ここから八十四歳までが、「ヒトの脳が最も使える時期」に当たる。

    ヒトは七年で飽きる

    ヒトの骨髄液が、七年で入れ替わるのだという。骨髄液は、ご存知の通り、免疫の中枢司令塔だ。略 この骨髄液は、毎日少しずつ入れ替わるのだが、七年より前の細胞が残らない。つまり、満七年経つと、厳密には、今とは違う免疫システムで生きていることになる。

    失敗は、脳の最高のエクササイズ

    特に重要なのは、要らない回路を見極める作業だ。無駄なところに電気信号が行きやすい状態では、ヒトは他者に翻弄されやすく、本質を見失ってしまう。要らない回路を捨てることによって、人の思慮は深くなっていく。
    その、要らない回路を見極めるために不可欠なエクササイズが、「失敗」なのである。失敗して痛いおもいをすると、その晩眠っている間に、脳内では、失敗に使われた関連回路の閾値(生体反応が起こるための最低値)が上がり、電気信号が行きにくくなる。つまり失敗の数だけ、人は失敗しにくく、判断にまよわなくなる。失敗が心に痛いほど、取り返しがつかないほど、脳への学習は大きい。失敗は、のうをよくするために、人生で最も有効な入力なのである。

    もの忘れは、老化ではなく進化である

    要らないところに信号が行かなくなるのだから、当然、もの忘れは起こる。脳科学的には人生の想定内であり、むしろ喜ぶべき進化のあらわれなのに、物忘れほど、この国のおとなを不安にさせるものはない。

    自分の失敗だと脳が認知せず、夜眠っている間に脳が書き換えられることもない。脳が書き換わってないってことは、心が入れ替わってないってこと。心からの反省だけが、脳を育てる。

    脳は、寿命を知っている

    寿命というより、「脳がこの年齢をもって、生き切ったとする」と表現した方が正しい。

    ヒトは、脳のゴールは知っていて、そのゴールに合わせて、自分の脳や体を、静かに折りたたんでいくように思える、と、先生はおっしゃった。いくつであろうとも、あらかじめ決めた終焉で逝く脳は、なんらかのこの世の秘密を見て、うまく枯れて、静か に散るのではないだろうか、と。

    脳の残り時間が短い身で、遠い将来にまで希望が湧いたら、きっとむなしくなってしまう。だから、 脳は、思念時間を小さく折りたたみ、長い文脈を紡げないようにするのだろう。
    世の中の仕組みがよくわからなくなった、ちょっと前のことを忘れるようになった。これをボケと呼んで、ネガティブな「病状」にしてしまうのは、どうにも違和感がある。だって、誰もが行く道なのである。病気ではない。脳が、穏やかに終焉を迎えるために、想定内でしかけたイベントなのだもの。

  • 脳科学の本だがエッセイ風で軽い。表題の部分は一部のみ。おもしろかったのは最後の項の「夫婦脳の不可解」。2019.3.2

  • 成熟脳:脳の本番は56歳から始まる。黒川伊保子先生の著書。50台半ばになると気力や体力の衰えを感じる人も多いかもしれないけれど、脳は56歳から最高潮期を迎える。科学的根拠のない精神論ではなくて、脳科学の研究者、専門家である黒川伊保子先生にそう言ってもらえると元気が出てくる人も多いはず。高齢化社会の日本では56歳なんてまだまだこれからの年代のはず。年齢や性別に関係なく全員がそれぞれの知識や能力、経験を生かして活躍できる社会にしないと。

全25件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒川伊保子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×