後宮小説 (新潮文庫 さ-25-1 新潮文庫)

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  • 新潮社 (1993年4月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101281117

感想・レビュー・書評

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  • 第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作
    書き出しが
    腹上死であった、と記載されている
    と超弩級の始まり方
    この賞を作った人達はきっとハリー・ポッターのような小説を望んでいたのではないだろうか
    しかしこの物語は
    (シンデレラ+三国志)÷半沢直樹といった所か
    正妃になる為14歳の主人公の銀河が儒学に囚われず自由な発想で周りを巻き込みながら成長していく

    デビュー作にして圧倒的に読みやすい文章
    (テーマが後宮なだけに)
    冒頭から後半の盛り上がりの為の伏線を仕込まれており起伏がとても心地好い
    明るい主人公に頑張れと応援していたらやってくる三国志パートに山場も抜かりなし
    こんなものが送られてきたら受賞に決まっている

    一軍本棚の目立つ所に置いた、と記載されている

  • 追悼 酒見賢一さん
    訃報ニュースから改めて手に取りました。
    1989年受賞作品だったんですね。当時、アニメを見てから原作を手に取って、アニメで描かれていなかった部分を読んでびっくりした記憶があります。「17世紀初頭の中国を思わせる架空の国の王朝」という設定にすごく新鮮な感じがしました。
    ご冥福をお祈りします。

  • 《異世界》ほど小説家の技量が試される舞台は無い ~酒見賢一『後宮小説』に見る名場面|話題|婦人公論.jp
    https://fujinkoron.jp/articles/-/5185

    酒見賢一 『後宮小説』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/128111/

  • 後宮って、日本でいう大奥にあたるのかな。皇帝の子を授かる為、色んな技教えたり…まぁ、エロくはないけど、具体的な…
    その話ばっかりではないけど、つい目がいって…(~_~;)
    史実に基づいてのような形式で語られているのか、途中で注釈とか多いので、私向きではなかった。
    流れるような語り方(書き方?)の方が好きやなぁ。

  • 中国史と思わせるような後宮をテーマにしたファンタジー小説。
    史実だと思って読んでいたが、著者の創作だった。
    田舎娘が正妃になり軍隊を組織するという突拍子もない話だが面白く読めた。

    真理は子宮から生まれる。

  • この小説のおかげで、出来てすぐのファンタジーノベル大賞がいきなり世間に認知されたと思う。すごい!

  • アニメの方を見てから読んだが、あまりに内容が振り切れているのでびっくり。よくこれを大賞に据えてアニメにしたな、と思う。玉遥樹の最後や「道女」になるシーン、馬小屋の二人は子供に分からないように映像を作っているのがなんとなく分かったが、相当苦心されたろうな、というのが伝わってくる。
    歴史資料をもとに作者が想像交じりで小説風に語るという形式を取っており、普通の小説で見せ場になるような部分はあえて簡素にして切っている。もっと会話を聞きたくなるような魅力的な人物ばかりなのに、世界観にどっぷり浸るということはさせてくれない。その分読んでいる方はああでもない、こうでもない、と想像が膨らんで、そこに作者の飄々とした語りがだんだんはまってくる。不思議な感じ。

    角先生の哲学、アニメでは「女とは子宮があること。子をはぐくむこと」というだけで終わっていたが、小説を読み進めていくと、先生の言う真理とは森羅万象(おそらくいのち)、という部分があり、国の真理とはすなわち皇帝、後宮とは子宮である、女の腹はすべての真理を生む、とつながっていき、ようやく全貌がわかるようになっている。
    哲学の大先生がなぜ壮大な後宮の教育に生涯をかけたか、後宮とは何なのか、そこまで来てはっきり分かる仕組み。面白い。それなのに、終盤に渾沌がこの作品の屋台骨のような後宮哲学をくだらない(美しいけど)と一言で切ってしまうのがまた一層面白い。

    渾沌の頭がいいのにその場の気分と思い付きでしか行動しない感じ、私の昔の親友に非常に似ており、なんだか懐かしくなってしまった。いつも信じられないほど突拍子もないことばかりしていて、10年近く親友だったのにどうでもいいことで喧嘩別れしてそれっきり、それも渾沌風に言えば縁というところか。他人と思えなくて、妙に彼の言うこともしみじみと心にしみた。

    「人の心は太古は生命力の渾沌とした沼であった。生の欲求が時々ぼこっと浮かんできて泡になる。その泡が弾けて、泡の中に詰まっていた気を吸うことによって人は生命の欲求を知るのである。」
    ここの部分がかなり好きだ。沼の上に建てられた人々の社会、その揺らぎ。そして建物を持たない危険人物が、渾沌であったということ。

    江葉がクールで聡明でとてもかわいいので、後宮生活と戦いを経て銀河と親友になったらしいのは嬉しかった。故郷に連れ帰るほどだったとは!もっと二人の話を読みたかったな。この説は信用しないが、なんて言いながら最後に二人が欧州に渡った説をちらりと書くあたり、本当に分かってやってるんだなあ、と思いつつ作者の手のひらで踊り狂ってしまいそうだった。

    • りかこんぐさん
      江葉とのくだりが本当にそう!それ!!しか言えない私です。素晴らしい感想をありがとうございます。
      江葉とのくだりが本当にそう!それ!!しか言えない私です。素晴らしい感想をありがとうございます。
      2021/05/19
  • アニメは見ていたけど(大好き!)、小説ははじめて読んだ。
    すごい面白かった。ファンタジーなのに史実ぽく書いてるのも。

  • 腹上死であった、と記載されている。

  • アニメの「雲のように風のように」の原作。
    後宮内で教わっているようなことを、主人公の目線で教わっているような気分になる。つまり興味のないことは、銀河と共に昼寝するが如く読みとばしてしまうようなところがある。
    個人的には基本的に原作の方が好きなのだが、珍しくアニメの方が爽やかで好きな作品。

  • うわぁ、これすごい。
    私はてっきり過去存在した国を使った創作なのかと思っていましたが、全部創作なのですね。

    10年以上前の本ですが十分楽しめます。とくに少女文庫が好きな人には非常にオススメ。堅苦しく始まったり「なにやらいかにも難しい書物引用してるっぽいけど大丈夫…?」と戸惑いますが、恐らくそうした文章の表現も世界観を語る上で非常に役に立っています。
    何より主人公の素直(悪く言えば愚直?)な性格に共感できます。まっすぐです。彼女には相手の立場を慮るとかいうことがありませんが、根がはっきりしているので、(高貴な人はともかく)人から好かれやすい性格ですね。
    それほどたくさんセリフがあるわけでもページがさかれているわけでもないのに、「この人はこういう性格なのね」とわかりやすいです。およそファンタジーノベルを取ったとは思えない本の装丁ですが、面白いですよ。今風に挿絵を入れ替えたりすれば、もっと今の人が読めるきっかけとしていいんじゃないかなぁ。
    さすがにこの表紙で手に取るのは厳しいのでは……。
    私もネットの紹介文を見て探し当てたので。

  • 恥ずかしながら私最後の最後までこの小説が史実に基づいた実在の人物や事件のことを書いた小説だと思っていました。
    解説を読んで始めてこの小説が作者の創作した全くのフィクションであることに気づきました。何故この小説がファンタジー大賞なんだろうと不思議に思っていたのですが、成る程素晴らしいファンタジーでした。

  • ファンタジーはあまり読んだことが無かったけど、オススメで読んだ一冊。
    文章の描き方が独特でこういうファンタジー小説もあるのだと思った。

  • ファンタジーノベル大賞を受賞した際に書名は知っていたのだが、読んだのは初めてだった。泣き虫弱虫諸葛孔明が結構面白いので、改めて読んでみたら、非常に面白かった。司馬遼太郎に通ずるような小説として登場人物が活写されるパートと、作者が説明的に挿入する叙実的なパートが絶妙なバランスで配分されている。しかも、過去の事実を述べているような記述部分も全くの虚構というあたりが面白い。非常によく構想された作品だという印象を得た。

  • 児童書を想像して読んでみたら思ったより艶めかしかった。
    昔は奔放だったんだろう
    そこも魅力。

  • BSでアニメが放送されていたので懐かしくなり数十年ぶりに再読。こんなに読みづらかったかな。
    後世の人間が歴史資料を読み解きながら書くという体裁なのだが、書き手の存在が頻繁に入り込むので物語に集中できない。
    前半は後宮での房中術の勉強が続くのでちょっと飽きてくる。
    けれど後半、銀河が正妃になったあたりから物語が一気に動き出すので面白い。
    あの混乱期だからこそ銀河のキャラクターが生きてくる。

    貴族の出であるセシャーミンは何故後宮を出た後に妓楼のおかみになったのだろう。
    実家が没落していたのか、自分の力を発揮できる場所だと思ったのか。
    銀河に初潮が訪れたのを本人が言うまでコリューンは知らなかったが、そういうのは周りの者が皇帝に伝えるのではないだろうか。

    いろいろとひっかかるところはあるものの、勢いで読み切ることができた。
    もっと銀河や他のキャラクターの活躍が見たかった。
    あとアニメ版もやはり良い。

  • 「素乾書」「乾史」「素乾通鑑」を紐解いて明かされる、後に素乾国の正妃となる少女銀河の物語。

    正史二点と無官の歴史家の歴史通釈の書一点を丁寧に比較・考察し、時には新発表の論文にも触れ、時には異なる説を併記して想像力を掻き立て、描かれる銀河のいた素乾国が架空の国だとは…
    その丁寧な引用の仕方ときたら、読者を誑かすとんだ狸である。……楽しかった!

    歴史書から引用考察するかたちで書かれるということは、キャラクターを客観的に遠くから眺めることになると思いきや、それぞれの人物のなんと面白いこと!愛おしいこと!
    歴史の中で見るからこそ、人の子のか弱さが悲しく、懸命さが胸を熱くする。
    これも作中で我々に語る"筆者"の巧妙さだろう。実に軽妙で、しかし傍観者としての抑制も効いていて、作中の人物を真っ直ぐに見つめる。
    読み終わると、全てが夢の跡である。
    素乾朝も素乾後宮も数々伝説を残した銀河もない。
    でも不思議と充足している。大乱の中で躍動した彼女らの愛と友情とブッ飛び武勇伝が"歴史を前にした人の儚さ"なんて吹っ飛ばすほど、あまりにパワフルなのである。

  • 17世紀、中国らしき素乾朝を舞台にした歴史小説。
    素乾朝?中国にそんな王朝あったっけ?と思ったらこの王朝からして著者の創作だったのね。架空の史料を引用してもっともらしくみせる工夫が面白いです。

    皇帝の夜の相手ということすら理解せず、”三食昼寝つき”にただ魅かれ後宮に志願するあどけない主人公。しかし、宮廷内では重臣たちが陰謀を巡らし、外では反乱が起こり、彼女は歴史の波に飲み込まれます。クライマックスとなる後宮での攻防は熱く、一気に読み終えてしまいました。

    国への不満のためというより退屈を紛らわすために蜂起した間の抜けた反乱軍。後宮の女と宦官だけで組織された後宮部隊。珍妙だけど、もしかしたらモデルとなった史実があるのではないかと説得力を感じて面白かったです。

    好奇心のかたまりで行動的な主人公・銀河はもちろん、国を滅ぼす乱のきっかけともなれば、宮廷の重臣たちの陰謀を挫き、主人公の命を救う直感に導かれた行動原理をもつ渾沌は魅力的でした。

    映画"墨攻"は面白くなかったけれどこの著者が原作ならば小説のほうは期待できそう。機会があれば読んでみたいです。

  • ファンタジーノベルの名に恥じない奔放な設定が目を引く良作。十代の頃はひじょうに難解に思えたので挫折してしまったが、なんとか読み終えた。

    世界観の作りこみは凄いのだが、いささか、ひとの心の触れ合いの描き方にもの足りなさを感じて、星ひとつ減らす。ヒロイン銀河と皇帝の王道宮廷ロマンスを想定していたが、皇帝がまったく存在感がなさすぎて唖然とした(笑)。

    もうすこし各人を掘り下げて書けば面白かっただろうが、応募作品という制約があったのだろう。銀河の後世や、人を喰ったような著者の後書きは面白かった。

    歴史小説好きでも、江戸人情ものや西洋の悲恋が好き、という手合いには、あまり合わない物語だと思う。

  • 著者のは『墨攻』以来。

    語り口が独特で面白かった。史書から小説を書くとこんな感じになるのかなと。著者の心理表現もあってそういうところも楽しめた。

    あとがきに書いてあったことなんかもふんふんとうなずいてしまった。

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