後宮小説 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 311
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281117

作品紹介・あらすじ

時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに…。さて、銀河の運命やいかに。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 恥ずかしながら私最後の最後までこの小説が史実に基づいた実在の人物や事件のことを書いた小説だと思っていました。
    解説を読んで始めてこの小説が作者の創作した全くのフィクションであることに気づきました。何故この小説がファンタジー大賞なんだろうと不思議に思っていたのですが、成る程素晴らしいファンタジーでした。

  • この小説のおかげで、出来てすぐのファンタジーノベル大賞がいきなり世間に認知されたと思う。すごい!

  • アニメは見ていたけど(大好き!)、小説ははじめて読んだ。
    すごい面白かった。ファンタジーなのに史実ぽく書いてるのも。

  • アニメの「雲のように風のように」の原作。
    後宮内で教わっているようなことを、主人公の目線で教わっているような気分になる。つまり興味のないことは、銀河と共に昼寝するが如く読みとばしてしまうようなところがある。
    個人的には基本的に原作の方が好きなのだが、珍しくアニメの方が爽やかで好きな作品。

  • 思ったよりエロくなかった。
    ・・・いや、筆攻めはエロかったです。

  • 作者の壮大な世界観に脱帽。ところどころ大笑いしながら、とてもおもしろく読みました。

    今のコンテンツは、「聖地巡礼」「町おこし」が話題になるように、映画もドラマもアニメも現実をトレースして物語を作っている傾向が強いように思います。しかし、『後宮小説』は中国をベースにしながら一つの時代をでっち上げた野心作。「フィクション」の醍醐味を存分に味わうことができる小説だと思います。

    架空の王朝「素乾国」を読者の前に現出(幻出)させるために、文体や世界設定などは非常に練られていて、工夫が色々と見られます。

    例えばこの小説では、歴史書を読み解いている研究者を登場させて物語の語り部にしています。物語の外にもう一人キャラクターを出して、作中に出てくる『素乾書』・『乾史』・『素乾通鑑』などを読み解きながら、銀河を主人公としたこの物語を紹介していくわけです。しかし、これらの歴史書は民明書房のように全てでっちあげ。しかし、ほんとうにもっともらしく引用したりしているんです。また、登場人物のセリフの後に、あたかも歴史書に載っているように漢文でセリフを書いたところもあります。

    『後宮小説』は房中術と呼ばれる性技を後宮で学ぶ宮女候補生たちの物語ですが、あの手この手を使って男を悦ばせる房中術のように、作者もあの手この手を使って、この物語が本物であるかのように騙していきます。作者は、読者に挑戦するつもりで書いていたんだろうなと想像してしまいます。

    キャラクターも魅力的ですね。主人公の銀河はもちろん、後宮で相部屋になる3人の女性のいずれもが、芯が一本通っていて魅力的です。特に良かったのは江葉。寡黙で多くを語りませんが、口を開くときは的確で短く、本質をズバリと言ってのけます。そんな性格だから、色々な人に煙たがれたり、恐れられたりしますが、意に介さないように見えます。しかし、過去のエピソードを語るところで、ちょっぴり本心が覗くのがすごく萌えますね(笑)。

    角先生という銀河を導いていく先生も、ただの好々爺ではなく、限界を抱えた一人の人間として描写されています。他にも魅力的なキャラクターは多いです。ただし、キャラの描写はアニメや漫画、ライトノベルのキャラクターに近いように感じました。

    ちなみに『後宮小説』は『雲のように風のように』というタイトルでアニメにもなっています。こちらは、小説の狙いがスッポリと抜け落ちて、筋を追う物語になってしまいちょっと残念な出来でした。ただ、江葉は可愛かったです。

  • 中学生くらいに読み、抑えたエロスにノックアウトされたのでありました。
    筆で体をまんべんなくなぞるといった描写は子どもには刺激的すぎて…。(記憶違いだったらすみません)
    しかし間違いなく大人への扉を開いてくれた1冊でした。

    また、淡々とした文体も癖になります。
    エロスだけでなく文体のために何回も読み返したのだと思います。
    全体の雰囲気は、井上靖の「楊貴妃伝」とかに通じるものがある気がする。

  • 普通の女の子が、ひょんな事で皇帝に見初められ、いつの間にか・・・ってのはファンタジーの定石ですが、定石だけにトキメキますよね。不思議遊戯然り、十二国記然り・・・って、十二国記はまた違うかwww

    以前この本が原作のアニメにはまったことがあり、懐かしく読ませていただきました。ただ、アニメは子供向けやったので、アニメとはまた違った面白さ。壮大な歴史観と、骨太な設定と、真面目なエロスと・・。この年代になってから読めて良かったかな、と。
    後半のワクワク感は、健在。銀河の生き方は格好良すぎます。

    アニメの時から皇帝ラブでしたが、本書でもトキメキまくりでした。昔は万能なイメージのみでしたが、本書では(無意味な)善良さもまた可愛ゆし。

    さて、またアニメ借りて見ようっと。

  • 第一回の日本ファンタジーノベル大賞の受賞作であり、書評家の豊崎由美をもってして「こんなレベルの高い小説が第一回受賞作って時点で、ファンタジーノベル大賞の成功は決まったも同然だなとすら思いましたから、当時は」(大森望との共著『文学賞メッタ斬り!』より)と言わしめた傑作。確かに面白くて一気に読んでしまった。

    中国をモチーフとした舞台をバックに、はちゃめちゃな偽史が展開される。書き出しが素晴らしい。

  • 中国歴史風小説。
    皇帝の妃選定と、それにともない後宮で開かれる性教育 という何ともふざけた内容にも関わらず、歴史書風の漢文読み下し文を交えたいかにもな文体に、いつの間にか煙に巻かれてしまう。

    良い意味で作者のドヤ顔が見えるような書きぶりが面白く、哲学的な性の探求という切り口が滑稽ながらも興味深い。
    純粋な中国歴史物が好きな人間には物足りない内容ではあるものの、わりとニュートラルに楽しめる娯楽小説ではないかと思った

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