墨攻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 907
感想 : 138
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281124

作品紹介・あらすじ

戦国時代の中国、特異な非攻の哲学を説き、まさに侵略されんとする国々を救援、その城を難攻不落と化す謎の墨子教団。その教団の俊英、革離が小国・梁の防衛に派遣された。迫り来る敵・趙の軍勢は2万。梁の手勢は数千しかなく、城主は色欲に耽り、守備は杜撰であった。果たして革離はたった一人で城を守り通せるのか-史実を踏まえながら奔放な想像力で描く中島敦記念賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • たしか、漫画に掲載されたものを見て、文庫を手に取る。春秋戦国の世に、このような技術集団が本当にいたのだろうか、始皇帝の焚書坑儒が惜しまれる

  • 中国を舞台にした小説は、ほとんど読んだ記憶がありません。古本屋で見つけて、ちょうど時間潰しに良さそうな厚さの文庫本でしたので、全く期待しないで読みましたが、面白かったです。英雄的な主人公の戦略に魅せられます。墨子の思想というものを少し掘り下げて知りたくなりました。

  • 最高に面白い

  • 中国の秦の時代の前の戦国時代を舞台にした小説である。墨守と言う言葉の元になった墨子という人物または集団があったそうで、詳しく知られていない彼らを物語の主人公においたものである。守りの傭兵という設定で、地方の小城に依頼されて大軍に対する、という内容である。戦闘場面が多いものの、一気に読ませる筆力がある。中島敦記念賞受賞作品だそうだが、確かに大作ではないが、独特で実力のある一級品という感じは中島敦の作品に似ているようにも思う。

  • 同映画の予告から気になって購入。
    墨子家の思想、軍略が分かりやすく纏められている。
    短いながら濃い内容で、個人的に手元に置いて読み返したい良作。
    結局映画も観たけど、ラストに納得がいかず本の方が好き。

  • 「任侠」に重きをおく墨子は、非攻を掲げながら、一方では戦争のプロ集団を組織する一見矛盾したような思想家です。墨子の教えを代々守って、この教団は細々と続いてきたのですが、大国秦の台頭とともに消失しまったそうです。この小説はその不思議な教団の職業軍人、革離が主人公。戦闘のプロが徹底した守城戦をくりひろげます。

    延々守城戦の話ですが、革離の指揮の見事さにあっという間にページ数が残り少なくなり、勢いで読める本です。非戦・非攻を唱える集団が、ここまで見事な守城戦を繰り広げるとは・・・。緻密に研究、練り上げられた作戦と兵器。革離の肝の据わりっぷり。すごいです。集団をまとめあげるのもまた驚き。恐怖と規律で民衆の心をつかみ、造反者を出しません。兵器がどれだけ優れていても、扱う人の心が一番重要なんだもんね。ああ難しきは人心掌握かな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「一見矛盾したような」
      人間の存在自体矛盾していますが、、、
      此れを読む前に、知人から絶対好きになるからと、コミックを薦められて読みました(...
      「一見矛盾したような」
      人間の存在自体矛盾していますが、、、
      此れを読む前に、知人から絶対好きになるからと、コミックを薦められて読みました(原作と異なる部分については書きません)、それに感動したので原作を読んだら、結構淡々としているなぁと思いました。いつかはDVD借りて映画も観たいです。
      2012/11/02
    • moji茶さん
      >nyancomaruさん
      映画のCMはとても格好良かったですね。コミックは、絵柄が好みじゃなくて手をだしませんでした(笑)。私も映画は観て...
      >nyancomaruさん
      映画のCMはとても格好良かったですね。コミックは、絵柄が好みじゃなくて手をだしませんでした(笑)。私も映画は観てないのですが、主人公役がイケメンだったので今でも気になってます。
      2012/11/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「映画のCMはとても格好良かった」
      そうなんだ、と言う訳でYouTubeで見ました。
      なかなか派手っぽい!これなら面白そうです。
      「映画のCMはとても格好良かった」
      そうなんだ、と言う訳でYouTubeで見ました。
      なかなか派手っぽい!これなら面白そうです。
      2012/11/09
  • 墨子教団については色々不明な点が多いらしいが、強きを挫き弱きを助ける「任(任侠)」を尊ぶ思想らしく、開祖・墨子の平等性を重んじる次の言葉が象徴的に引用されている。
    「一人の人間を殺せばこれは不義であり、必ず一死罪にあたる。(中略)しかし、それがこと戦争となるとそうではない。他国を攻めて大いに人を殺しても、不義であると言わないばかりか、かえってこれを賞賛して義であるとする。(実に不合理で不可解なことである)」
    まるで子供の疑問のようだけどまったく正当な話で、墨子の頃から2千年の間、ほとんどの人間が蓋をして避けてきた素朴で重大な疑問に対し、はっきり立場を示している言葉で、しかも教団まで作り守りの戦を研究・実践していたことをはじめて知り、熱い気持ちになった。

    史実的な話が序盤に少しあり、その後は墨者の革離という人の田舎の城郭を守るための奮闘が描かれる。

    上層部の指示を突っぱねてまで、覚悟をもって臨んだはよいが、守るべき城の城主親子はバカだし、やるべきことは山ほどあるし、規律を守るため、結果的に守るべき農民達を非情に処罰もしなきゃいけないしで、革離には同情しっぱなし。自分ならすぐ辞めている。

    革離はなんのために一生懸命になっていたかというと、墨者としての誇り、尊敬する先達や自分のこれまでを肯定するための戦いだったのだろうけど、剛直さと余裕のなさが仇となり小さなところで歪みと無理が生じ、志半ばで倒れてしまう。
    最後の際で、兵法について一つ学んだことでニヤリと笑い死んでいくのは、あとがきで作者が書いている「職人のプライド」であり、墨者としての使命に殉じた的な描写なんだろうけど、これ系の心理はいまいちぐっとこない。

    これまで、三国志や古代中国もののマンガ等でたびたび読んできたが、城郭攻めは面白い。
    本書でも圧倒的な物量かつあの手この手で攻める敵を、近代的な知恵と技術で対抗する様子は単純に楽しい。

    戦闘準備からラストまでは革離の忙しさの高まりとともに怒涛の展開だが、革離は常に冷静だし文体もたんたんとしていて、時折入る南伸坊氏のイラストに和まされ、ドライブ感はあってもこちらも冷静に読める。

    墨子教団の思想と実践についてはものすごく興味が湧いた。

  • たまたま書店で見つけて購入。茶化した感じの軽いノリの小説かと、言わば“半信半疑”で読み始めた。しかし、良い意味で予想を大きく裏切り、大変よくできており面白くてならなかった。お勧めの1冊。

  • 発想がいい。思想家集団の中の、戦闘特化のスペシャリストという設定だけでもう面白い。

  • 自分としてはハマれず。後宮小説の方が好きだったかな
    世間的には高評価な様子でしたね

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