- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101282176
感想・レビュー・書評
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気まぐれに手にした短編集。
清水義範さんの作品に触れるのは、これが初めて。
どこかで見た舞台設定や突拍子もない登場人物名に、パロディの人かと思ったらそうではないらしい。解説で、パスティーシュとあった。Wikipedia で「パスティーシュ」と検索して、清水義範さんの名前を見つける程だ。文体模写なる技法とのこと。
勿論、この手法に出会うのも始めてだ。ショートショートや短編を描きたいと思っていた私にとって、不思議な先駆者に出会った気分だ。
エッセイや私小説とも思わせる作品を紛れ込む辺り、この本では著者のくすぐりどころを弁えていると解釈していいだろう。収録された八編は、「小説city」(廣済堂出版)なる雑誌に掲載されたものとのこと。
「渋滞原論」
執筆されてから四半世紀経つ現在は、安全運転支援機能を備えた車も登場していますが、未だ渋滞は緩和されません。わざわざ私が言わなくとも、きっとご存知でしょうが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大胆な模倣手法による、とんでもない小説集!!
日々の生活、何気なくやり過ごす出来事も、
ほんのちょこっと視点を変えるだけで、
!! ? !? が見えてくる。
帯より
表題作は、迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が起こる、という『薔薇の名前』(エーコ著)のパスティーシュ(模倣)小説。表題作ほか7編。
ただ単純に可笑しいものあり、ピリッと捻りがあって痛快なものあり、ほほぅ..と着眼に関心させられるものあり。寛いだ心持ちで一気に読めてしまう一冊。文句のないエンターテインメントである。
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元ネタ探しもまた一興。
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よしよし。この人には落ちはない。それでよい。