バラバラの名前 (新潮文庫 し 33-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101282176

感想・レビュー・書評

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  • 気まぐれに手にした短編集。
    清水義範さんの作品に触れるのは、これが初めて。

    どこかで見た舞台設定や突拍子もない登場人物名に、パロディの人かと思ったらそうではないらしい。解説で、パスティーシュとあった。Wikipedia で「パスティーシュ」と検索して、清水義範さんの名前を見つける程だ。文体模写なる技法とのこと。

    勿論、この手法に出会うのも始めてだ。ショートショートや短編を描きたいと思っていた私にとって、不思議な先駆者に出会った気分だ。

    エッセイや私小説とも思わせる作品を紛れ込む辺り、この本では著者のくすぐりどころを弁えていると解釈していいだろう。収録された八編は、「小説city」(廣済堂出版)なる雑誌に掲載されたものとのこと。

    「渋滞原論」
    執筆されてから四半世紀経つ現在は、安全運転支援機能を備えた車も登場していますが、未だ渋滞は緩和されません。わざわざ私が言わなくとも、きっとご存知でしょうが。

  • 大胆な模倣手法による、とんでもない小説集!!
     日々の生活、何気なくやり過ごす出来事も、
     ほんのちょこっと視点を変えるだけで、
     !! ? !? が見えてくる。
                                       帯より


    表題作は、迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が起こる、という『薔薇の名前』(エーコ著)のパスティーシュ(模倣)小説。表題作ほか7編。

    ただ単純に可笑しいものあり、ピリッと捻りがあって痛快なものあり、ほほぅ..と着眼に関心させられるものあり。寛いだ心持ちで一気に読めてしまう一冊。文句のないエンターテインメントである。

  • 元ネタ探しもまた一興。

  • よしよし。この人には落ちはない。それでよい。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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