名前がいっぱい (新潮文庫 し 33-8)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101282183

感想・レビュー・書評

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  • 2021.06.21 読了。

    名前にまつわる10編。
    名前について考えさせられる。
    「第1話 匿名希望」
    昔から(90年代)匿名問題ってあったんだね。
    だったらなぜ2ちゃんねるの管理人ひろゆきは叩かれまくっていたのか。謎。
    関係ないけど、ひろゆきすごい!と感じた。

    「第3話 "さき"と"ゆうき"」
    昔にも亜斗武(あとむ)、宇宙、呂決人(ろけっと)みたいなキラキラネームっていたんだね。今だけじゃないんだね。

    オチについては、せっかくの双子ちゃんなんだから、好きな名前つければ?って思う。

    「第4話 人は死して」
    超ばかばかしい話。法律的には問題ないので、勝手に自分たちで戒名をつける話。
    過去の有名人、偉人の戒名の紹介もあるので勉強にもなる(のか?)。

    「第5話 あだな物語」
    あだ名は面白くないと、って話。
    最後クスッと笑えるんだけどハートフル。
    なんかウルッとくるものがある。

    「第7話 名前がいっぱい」
    表題作。
    最後のオチが良かった。
    ちょっとしたどんでん返し?
    まさに”名前がいっぱい"だね。

    「第10話 名前がほしい」
    最後の最後ホラーかよ!
    普通に気持ち悪いホラーだよ!
    ほっこり終わるのかと思っていたらこんなゾゾーって終わるのかよ!

    結構勉強にもなる話もちりばめられているので読んで良かったと思う。

  • 何かの書評でこの本を知り、ずっと読んでみたかったものです。
    でもどこの本屋にもなく。
    そうか、図書館で借りようとやっと思い立ち、借りてきました。

    名前って確かにおもしろい。

    あとがきの「悪魔ちゃん騒動」。
    そうそうあったなあそんなこと。
    気になってその後を調べたら、なんか大変なことになってたんですね。

  • 名前を題材にした短編集。
    小説というよりは作者の悪ふざけ的な意見を基にした話が多いです。
    その悪ふざけも「ワハハ」「クスッ」というよりは「クスクス」くるものです。
    それだけではダメだと思われたのか最後の話ではきちんと小説になっています。
    小説が読みたいけれど軽く読みたい、そんな時にピッタリのものです。

  • 「名称」をテーマに様々なこだわりやすったもんだ、シチュエーションを描いた十編の短編集。文庫版のカバーには「苗字しりとり」というお遊びができる仕掛けがついています。
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     どのエピソードも面白かったです。↓

     匿名を足がかりに、仮名やペンネームやハンドルネームに対する著者の考えを綴った――、「匿名希望」

     身近にあるものに勝手な和名をつける、という孤独な一人遊びに喜びを見出してしまった、とある研究所の所員――。学問の世界の世にも奇妙な一面を知ることができる、「学名と和名」

     若い夫婦が初めての子供に命名しようとしたら、周囲の意見に振り回されて大パニックとなる、「"さき"と"ゆうき"」

     親の戒名を、寺に頼まず自分でつけようとした男の七転八倒ぶりと、厳格且つとても奇妙な戒名のルールをユーモラスに描いた、「人は死して……」

     変なあだ名でクラスメートからいじめられた息子を慰めようと、父親が息子にした話とは――、「あだな物語」

     新作を書き始めることにした小説家。まずは登場人物の名前を決めようとするのだが――。物語を作る者なら誰もが持つ「登場人物の名前の決め方」という悩みをコミカルに綴った、「誰でもない人」

     個人名、呼び名、役職名、俳号、ハンドルネーム、ペンネーム――。一人の人間が様々な状況で様々な人に様々な名前で呼ばれるという、至って普通のことが実は奇妙なことなのかも、と教えてくれる(かもしれない)、「名前がいっぱい」

     「名」がつく慣用句をいじり倒す、「名の言葉辞典」

     人物名がないばかりに、単純な事件がとんでもなくややこしい話になる、「無名人物列伝」

     母親には見えない「何か」と遊ぶ子供。その「何か」には名前がないので名前を欲しがるのだが、絶対に名前をつけてはならない。つけてしまうと――。名前と存在の関係をホラー仕立てで描いた、「名前がほしい」

  • 借り物。

    スパンキーwww

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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