神戸・愛と殺意の街 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285122

作品紹介・あらすじ

「神戸の悪党」と名乗る人間から、ビール会社、銀行などに送られた脅迫状。それに続く巧妙な現金強奪事件。十津川警部は事件の鍵を求め、神戸に向かった。捜査の中で浮かび上がった男は、さまざまな作戦を使い、十津川と互角に渡り合う。強敵の出現に闘志を燃やす捜査陣。男は「夢の計画」を実現するために、十津川に最後の戦いを挑んだが-。港の街神戸をめぐる傑作長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 神戸がタイトルに入った西村京太郎作の小説は少なくとも5作を確認しているが、1995年の兵庫県南部地震によって引き起こされた阪神・淡路大震災に関するものが2作ある。その一つである『神戸・愛と殺意の街』を読了した。

    「神戸の悪党」と名乗る脅迫状が大企業に送られるが、それはフェイクで、警察が翻弄されている隙に銀行の現金輸送車が襲撃され、一億五千万円が強奪された。

    犯人当ての動機当てのミステリーではなく、「神戸の悪党」の犯罪と自滅の過程を描くピカレスクなサスペンス小説だ。

    大震災で神戸の市街地は壊滅的な被害を受けたが、日本の靴の一大産地である長田区は全焼面積が神戸市全体の64%と甚大なもので、復興にも長い時間がかかった。長田区の人口が震災前と後で三万人も減ってしまったことを見ても、被害が尋常でなかったことがわかる。

    長田区の特産品ケミカルシューズは「神戸シューズ」のブランドで今も人気だが、中小の工場の中には震災から立ち直ることが出来ないままとなったところもあると聞く。この小説では、犯人目的は強奪した金でケミカルシューズの工場を建てることだった。

    なぜケミカルシューズの工場に拘るのか、その動機の弱さは致命的なのだが、西村流のストーリー展開でなぜか納得してしまうのは不思議だ。

    今年も大震災の鎮魂の思いを込めた神戸ルミナリエが開催された。震災を風化させないようにこれからも続けて欲しい。

  • 978-4-10-128512-2 298p 2013・5・30 14刷

  • 1930年生まれ。書いた本 500冊以上。
    うった本が 2億冊という 作家。
    この本を読みながら、大きな違和感があった。
    阪神大震災を舞台にした作品である。
    『われらは、悪党になる権利を持っている』という。
    この主張が、本当に 受け入れられるのだろうか?
    震災者たちは、どう受け止めるのか?
    問題提起として、社会性がある。

    企業のダーティなところに眼を向け
    恐喝的な強迫をしてお金を要求する。
    神戸長田区の復活をケミカルシューズ工場建設で、
    で 行なおうとする。

    現金収奪は、強迫した会社ではなく、普通の現金輸送車。
    ここで、主張は ずれている。
    金の流れも巧妙で、あばくことができない。
    証拠なき、犯罪にしてしまう。

    株の暴落が、一企業の経営の悪化を決めるわけではない。
    その経営そのもののやり方に問題がある。
    ケミカルシューズなるものが 
    消費者の要求するものだったのか。
    結局は、デザインをかえても 
    プロダクトアウトなんですね。

    しかし、あまりにも あっけない結末。
    そこで、投げたら いかんだろ という感じである。
    悪党の行なう夢は、簡単に壊れるというのだろうか?

  • 神戸震災の後の復興にまつわる話し。
    復興支援費用が公的事業にしか回らないのに業を煮やして現金強奪を繰り返す。
    被災者を雇用するために始めた事業なのだから、ひとまず放置しておけなかったのだろうか。
    結末は味が悪い。

  • 平成12.2.1 初版 476
    <神戸の悪党>と名乗る人間から、ビール会社、銀行まどに送られた脅迫状。それに続く巧妙な現金強奪事件。十津川警部は事件の鍵を求め、神戸に向かった。捜査の中で浮かび上がった男は、さまざまな作戦を使い、十津川と互角に渡り合う。強敵の出現に闘志を燃やす捜査陣。男は「夢の計画」を実現するために、十津川に最後の戦いを挑んだが――。港の街神戸をめぐる傑作長編ミステリー。

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