29歳 (新潮文庫 み 43-50)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285733

作品紹介・あらすじ

20代最後の晩、あなたは何をしているのだろう。あるいは、していたのだろう。もうとっくに大人になってしまったけれど、その夜はこれまでの人生を振り返るのにうってつけの日。捨てるもの、残すもの、変わるもの、変われないもの。8人の作家が向き合う、29歳それぞれのリアル。不完全でも途中でも、今をちゃんと生きてる女子たち(年齢不問)へ-届け、エネルギーチャージ小説。

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく本を探していたら、29歳。まさに。という感じで読む。
    29歳って不思議な歳である。
    なんというか、30歳を目前にして、全然大人になりきれない自分と向き合わざるを得ないというか。

    なんとなく想像してた大人の自分。と現状の自分。
    全然ちがうやん!という感じ。


    29歳の自分が読んで、これぞ29歳という感じがした。さすがさすが。
    恋愛とか結婚とか仕事とか、いろいろ期待され、なんだかんだで自分も期待しており、でもなんか???みたいな。。
    特に、山崎ナオコーラさんの「私の人生は56億7000万年」と柴崎友香さんの「ハワイへ行きたい」のわかりみの深さよ。。。。。。。めちゃリアル。
    「ハワイへ行きたい」の、おじさん(上司)の字が変で読めないとか、電話取ってくれないとか、いつも上司がはんこ押す場所間違える、とかそういうことで悩むしょうもなさをなげく主人公のわかりみ。。。泣きそう。

    結局は年齢なんて日々の延長線でしかないのだ。。別に29歳と30歳とがぱきっと区切られているわけではない。
    急に大人になったりしないし、
    こんなもんかーと思いながらそれでも生きていくんだ。それの積み重ねなんやろうな。たぶん。
    「見つめなおす自分なんてない。私は私で、きちんと生きてる。」(p375 憧憬☆カトマンズ/宮木あや子)好き。最高。
    それでいいんや、とおもえるお話たちでした。

  • 今の私と同じ29歳女子のお話がいろいろ。

    ・私の人生は56億7000万年(山崎ナオコーラ)
    芸能人に本気で恋する本屋勤め女子。小さなお仕事のやりがいで終わるけど、なんせ結構イタい。

    ・ハワイへ行きたい(柴崎友香)
    地方一般職女子。こんな世界もあるんだろうなぁ。

    ・絵葉書(中上紀)
    海外バックパッカー系女子。女の友情なんてあるようでない。けだるいねぇ。

    ・ひばな。はなび。(野中柊)
    海外赴任から帰国した元彼と、最近気になる年上バツ1子持ちの両方になんとなく心惹かれる、結婚適齢期未婚女子。これが一番リアルかな。

    ・雪の夜のビターココア(宇佐美遊)
    不倫と二股の両方で失敗し、30を目前に一旦恋愛リセット。こういうのが一番結婚できない女子。

    ・クーデター、やってみないか?(栗田有起)
    一般職から総合職にキャリアアップする仕事打ち込む系女子。こういう仕事へのスタンスとか、主婦の状況によって人間関係って変わるよね。。

    ・パキラのコップ(柳美里)
    お花屋さん勤務の恋愛経験少ない系女子。大人になってからの恋愛で盛り上がって、落とされて世間を知る。

    ・憧憬☆カトマンズ(宮木あや子)
    コールセンターで社会人やりながらも、プライベートはきっちり分けて、学生時代からの趣味である音楽が好き。年下男子に恋するも上手く行かなくて、結局友情が一番よね的なサバサバ系女子。友達にいたら、楽でいいタイプね。

  • 雪の夜のビターココア
    ↑特に面白かった

    あらすじに惹かれて図書館でたまたま手に取った一冊。
    にしても29歳ってそんなにみんな不倫する?
    また29歳になった時読み返してみようと思う

  • 栗田有起さんと宮木あや子さんの作品だけ読む。

    栗田さんは昔すごく好きだった時期があって、今もすっと入ってくる文章で読みやすかった。余韻と世界観がいい。人が良い。

    宮木さんは、吉原のエロいイメージしかなったけどこの人オタクなんやな、というか、現代の人を書くとこういう感じなのかぁといういい意味で意外でうまいなと思う。めちゃよかった。津村さんに少し似てるかも。サブカルの感じとか。雰囲気。勢いがあって、心をくすぐられて、救いがあって。よかったです。ありがとうございました。

  • 29歳の時にまんまと購入。
    宮木あや子さんの作品が良かった。

  • 熱烈☆カトマンズ、宮木あや子さんは全てを吹っ飛ばすコミカルな女性で読んでて爽やかになるなぁ

    ほかの人は、なぜか不倫したりされたり結婚を意識して切なくなったりする話ばかり。やはり29歳の最後の日って、そういう節目を意識してしまうのでしょうか。

    ナオコーラさんの最後の一行が身にしみた。

  • 山崎ナオコーラ
    私の人生は56億7000万年

    私には合わないお話でした。
    書店員のかカナの日常をだらだら読んでる感じで着地点がよくわからなかった。ある意味、等身大の29歳の生活を覗き見た形。

    柴崎友香
    ハワイへ行きたい
    これも等身大の29歳の生活を描いたお話。事務員をしている由宇子が周りの結婚に焦燥感を覚えたり彼氏となかなか会えなかったり日常の仕事に疑問を感じたり。共感を覚えたのが「子育てと仕事の両立とか。そういうのに比べたら、わたしが毎日苛苛していることなんか、ちりかほこりみたいなもんやん」

    中上紀
    絵葉書
    旅行好きの主人公がふとしたきっかけからタイでカフェを営もうとするお話。割と急に悪くなる展開と急に開き直って良くなる展開で後半は忙しかった。

    栗田有起
    クーデター、やってみないか?
    出世には興味無い、結婚をして寿退社をしたい主人公が急に会社のクーデターに巻き込まれるお話。話の展開がぽんぽん飛んでなかなか面白かった。友人とお互い泣きながら電話してる時に、友人が子供の泣き声ではっと我に返るシーンは現実味があった。

    柳美里
    パキラのコップ
    観葉植物店員の恋愛のお話。パキラを通じて出会った男性と付き合いを初めて幸せいっぱいだったが…
    途中で明らかに不倫フラグが立っていて救いようがない感じのお話でした。

    宮木あや子
    憧憬☆カトマンズ
    不倫をしている派遣社員の主人公のお話。でも暗い感じはせず展開がポンポン変わって面白かった。とりあえず不倫する男は自分の事棚に上げて調子良いなーと思った

  • 29歳って20代最後の年でいろいろな事を考え始める、終わりとスタートが混ざった年なんだろうなと思いました。他の方も書かれていますが、男性版も読んでみたいなと思いました。女性の29歳は男性の場合は35歳とかなのですかね? 昔は作者の違う短編が苦手でした。その作者の書き方の波に乗りきる前に話が終わってしまって消化不良感が強く苦手でした。ですが、今回久しぶりにこのような短編集を読んでみて、とても面白かったです。それぞれ違っていて本当に楽しめました!読まず嫌いは良くないなと改めて思いました。

  • 29歳独身女ってこんな感じなのか!?と。
    みんな不倫、みんな仕事に生きてる!

    こうはなりたくないなあという気持ちと、でもこれがリアルな29歳なのかなという気持ちと。きっとみんな、こうはなりたくないと思いながら20代前半を過ごしていたはずなんだよな。

    野中柊さんの「ひばな。はなび。」が一番爽やかで好きだった。

    久々に読書する時間ができて一気読みした1冊。

  • 宮木あや子さんとやら、読んでみようかと思った。何かが近い。

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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