東京湾景 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.37
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本棚登録 : 1651
レビュー : 190
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287515

作品紹介・あらすじ

「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。品川埠頭の倉庫街で暮らし働く亮介が、携帯サイトの「涼子」と初めて出会った25歳の誕生日。嘘と隠し事で仕掛けあう互いのゲームの目論見は、突然に押し寄せた愛おしさにかき消え、二人は運命の恋に翻弄される。東京湾岸を恋人たちの聖地に変えた、最高にリアルでせつないラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 最後の息子で吉田修一おもしろいと強く惹かれ、
    ぞくぞくと読んできたけど、やっぱりべつにすきじゃないな。

    なんか出会い系サイトで知り合った人、なんとなくすきになるはなし。最後は東京湾を泳いで来れたら付き合えるらしい。

    東京にすんで東京の街の描写が、ちゃんと眼に浮かぶたびにわたしもう東京人だなて思う。
    それと同時に
    東京てそんないい町じゃないししつまんないのに、
    頭に浮かぶ東京はいつもきれいに加工されてるからわたしてやっぱり地方出身なんだなとも思う。

  • いまいち今回はどの登場人物にも感情移入出来ないなと思っていたら最後の最後で。。。
    とにかく今すぐ『日蝕』を借りに行きたい。

  • 学生時代に読んでいたら、間違いなく憧れた世界だと思います。今もこういう恋愛も素敵だとは思うけれどタイミングが少し遅かったかな。彼女の住んでいるであろう街が、私の最寄りの隣ということもあり、勝手に感情移入。吉田修一さんは「悪人」の印象が強かったので、こんなにロマンティックな小説も書けるんだと、こちらの方が古い作品なのに、私にとっては新鮮でした。幅広い作家さんで、これからも読み続けたい一人です。

  • 東京湾を挟んで、肉体労働者の男と、お台場で働くOLの女のなんとも切ないラブストーリー。

    やっぱり吉田修一作品は、じわじわ・むずむず 来るんだよね~

    自分的にはこれがイチバン好き。

  • 品川埠頭で働く和田亮介が若者らしく女性遍歴をする話だが、最初は高校の先生.これはやや意外な展開だったが、次には涼子.SNSで出会うのも今の若者だが、涼子も偽名で対応しながら亮介に惹かれる.現代の若者の心理をうまく記述していると感じた.おじさんには理解できないロジックも多々あるが、どの時代でも若者は突出しているものだ と理解している.

  • 恋愛を信用出来ない2人が恋愛していく話。さらっと読めました。最後は感情移入して、もしも俺が・・・の言葉からはうるっときました。良かったです。上手くいってほしい。

  • 品川埠頭の倉庫で働く亮介と携帯の出会い系サイトで出会った涼子。
    なんとなく付き合っている相手がいた亮介だが、涼子に惹かれていく。
    ただ、涼子の方はそうではなく…
    携帯サイトでの出会いだったからか、過去の恋愛のせいなのか、互いに打ち解けられない部分を持ちながら、相手の様子を伺っている。

    なんとなくわかるようでわからないような…あまり心を揺さぶられるような作品ではなかったかも。

    2019.5.28

  • あまり出会ったことのない文章。展開。
    中央線沿線とかではなく 埠頭とお台場が設定というのも、かっこよく綺麗な恋愛から外れていて、どこかもどかしく切ないストーリーに合っていた。

  • いつか終わる事を感じながらする恋愛。いつも諦めを持ち続ける人生。愛なんていつか終わるなら存在しないんじゃないかっていう気持ち、共感する。そこを乗り越えられるかどうかなのかな。亮介の仕草ひとつひとつに色気があって、女性が感じる男の色気をよく書けてるなと思った。一気読みしてしまう恋愛小説だった。とても楽しめた。

  • 軽い気持ちでサクサク読める。
    恋や愛を信じない彼女が、信じたいと思うようになる後半が、衝撃的。

  • あと少し何か欲しいなー

  • 前に芝浦埠頭近くで働いてたため、お台場と品川埠頭の二人の距離感とか、亮介の生活とかがリアルにイメージできた。
    「東京湾景」というタイトルは絶妙だと思う。

    恋愛に臆病なせいで冷めた風に演じてしまう二人がもどかしい。
    終わることを考えると始められない、そんな感覚って確かにあったかもしれない。

    最後、亮介の純粋な言葉にはぐっときた。

  • 美緒の人物設定が魅力的だった。乾いた気持ちが徐々に濡れてくる。背景描写もとても具体的で絵が浮かぶ。ハッピーエンドになりそうで、ならない最後の裏切りもよかった。読後感は、やっぱり悪人に似ている。

  • 身体と心がすれ違って、愛が生まれて消えていく悲しみ、そういうリアルさがひしひしと感じられた。理性がぐらつくほど男にのめり込みたくないと思いながら、どこかでそうなれる女たちをうらやむ美緒の気持ち、よくわかる。

  • 愛してたはずなのにいつか終わってしまう。
    きっと、いつかは愛なんて終わるのだ。

    ちょっとうっとうしいほどに斜に構えてた二人こそが、
    人を飽きずに愛してみたいと思っていた。

    東京湾を泳いで渡って、お前の、美緒のところまで行ったら、俺のこと、ずっと好きでいてくれる?

    ここが好きです。

    二人の恋愛が続くか続かないかなんて結果より、
    ずっと好きでいてくれる?に対しての、美緒の
    絶対ずっと亮介のこと好きでいる。

    このやりとりが今の二人にとって人生変えるくらい大切なことなんだろうなーと思いました。

    真理ちゃんも、また新しい恋愛ができますように。
    大杉くんとゆうこカップルへの感想は、大杉くんが出しゃばることなさすぎたせいでなんかすごくいい人だった。

  • 久しぶりの恋愛小説だが、私の中では二人は子供すぎたかな。
    こんな二人が切ない…私の場合は、2人が恋愛に信じられなくなった過程と、自己中で周りの関係を持った人が可愛そうと思った。しかも2人の世界でしかない小説だからしょうがないけど、恋愛ってものはそうなんだろうなとも思うけど、私は周りに迷惑かけないように心がけようと思う。この本の中では佳乃とゆうこが良かった。私はこんな人と付き合いたい笑

  • 吉田修一の恋愛小説。

    亮介は品川埠頭で働く港湾労働者。
    真理という彼女がいるが出会い系サイトで知り合った「涼子」という女に夢中になる。
    が、「涼子」の足跡はふっつりと消えてしまう。

    「涼子」の本名は美瑛。品川埠頭の対岸のお台場の高層ビルで働くエリートOL。
    亮介との関係は嘘だらけの「虚構」だったが、
    そんな彼との関係に救いを感じている自分もいた。

    東京の湾岸地区を舞台にしながらも
    本来なら知り合わないはずの2人の「関係性」を軸に
    紡がれていく物語は驚くほどスタイリッシュだ。
    いろいろとひっかかってくる部分もないではないけど、
    いろんなものがそぎ落とされた「東京」はやっぱり魅力的なのだ。

  • ロケーションは素敵だけど・・・。
    この二人は長続きしないと思う。
    読んでいて、ちっともワクワクしなかった。

  • 東京湾を挟んで向かい合う品川埠頭とお台場。
    品川埠頭の船積貨物倉庫でコンテナの積み下ろし作業をする亮介と、台場の石油関連会社の広報で働く美緒、出会い系サイトを通じて嘘と隠し事で始まった、二人の切ないラブストーリー。。。
    といっても、主な舞台がいかにもお洒落で作り物めいたお台場の方ではなく、品川埠頭側にある貨物倉庫や窓からモノレールの見える安アパートなのがいい。
    恋愛に正面から向き合えない二人が、自分をさらけ出してぶつかっていくあたりは、苦しさと切なさが押し寄せてきて止まらなかった。
    亮介にはやっぱり、東京湾を泳いで渡って来て欲しい。

  • 共感は自分の中にあるものと対比して発生するので、破滅的かつ自己憐憫に満ちた若者の恋愛には共感は湧かないです。
    しかし、この感じというか雰囲気にはどこか覚えがあります。ずっと居られないと思いながらも何故か離れる事ができない屈折した感情。非常に文学的ですね、するとわたくしの若かりし日にも文学的な香りのする破滅的で自己憐憫的な時期があったんですねぇ、しみじみ。
    甘ったるくないけど、どこか崩れた若者の恋愛小説好きならばおすすめできます。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第14回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。

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