7月24日通り (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 1382
レビュー : 210
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287539

感想・レビュー・書評

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  • 奇しくも?7月24日に購入(笑)
    読み終わってから、気付いた。

    久々に吉田修一を読みました。
    あらすじが「地味で目立たぬOL本田小百合は、」から始まる地味で目立たぬストーリー。

    彼女の周りの人の方がドラマを持っていて、イケメンの弟に冴えない彼女が出来ちゃうとか。
    昔、好きだった人と同窓会で再会予定が、当時の彼女登場で持ってかれちゃうとか。
    そして、小百合はいつも立ち止まってぼんやり俯瞰している、そんな小説。

    私は、小百合の、なんにも分かっていないことを知りながら、絶対と誇示しちゃうところ、イタいなと思いながらも、嫌いじゃない。
    ありのままの世界に、ほんの少し色付けをして、夢を見ることから卒業出来ない部分も。

    さて。
    読み終わると、ずっと立ち止まっていたはずの小百合が、いつのまにか背中を見せている。
    え?いや今何起きた?ってなること間違いなしのエンディングまで、ぐだぐだ読んでみるとよし。です。

  • 自分の住む街をリスボンに置き換え、一人で楽しんでいる主人公の本田小百合。
    自分のことを平凡でいけてない女と思っている。
    小百合には高校時代から憧れていた聡史という陸上部の先輩がいる。
    聡史には誰もがお似合いと認める彼女がいた。
    しかし、二人は大学入学を機に分かれていた。
    同窓会で再会した小百合と聡史。

    一方で、リスボンに置き換えた街で出会った名前も知らない画家(警備員をしている)に興味をもつ小百合。

    解説では小百合のことを「破れ鍋に綴じ蓋」の”割れ鍋気質”と書いている。
    う~~ん、言いえて妙だ。
    この本の中で、小百合はまさに「破れ鍋に綴じ蓋」というか、似た者同士でいることが一番と思っているところがある。
    本当は憧れている聡史に振り向いてほしいのだが…

    小百合には自慢の弟がいる。
    誰もが認めるイケメン。
    その弟の彼女が小百合には気に入らない。
    その理由は、自分を重ねてしまうような地味な容姿だから。

    弟の彼女が自分の性格を分析し、10個あげていくのだが…
    あぁ、そういうこと…、と思わせてくれる伏線が。

    ラストの小百合の決断。
    あら、その決断をしたのね!と思ったけれど、その道を選ばなければ、小百合は前へ進めないだろうな、と納得。

    吉田さんの作品は6作品目。
    これまで読んだ5作品のうち、3作品が映画化されている。
    そして、この「7月24日通り」も。
    読み始めてすぐ、映画ではこの街はどんなふうに描かれているのかなぁと想像を巡らせた。

  • 途中まで、友達の頭の中覗いてるみたいでなんかびっくりした。卑屈な加減がリアルで。
    でもラストというか思ってた感じと違った。
    私が想像してたより、この主人公はめぐみも含め前向きな感じやった。

  • タイトルが私の誕生日と同じだ…!
    また母の実家が長崎であり、主人公の小百合も母と同じ名前(字は違うけど)。そんな偶然が重なったので、それ以来愛読しています。
    リスボンに本当にこの通りがあるということもこの本で知り、遠い異国ではあるけど一度でいいから行ってみたい!

    小百合には共感できるところと、できないところがあります。耕治や聡史といったイケメンで王子様な男の人に夢見がちで、へんにプライドがあったりして。今の状況を淡々と楽しんでるかと思えば、周りに振り回されて嫌な思いをしたり。
    でも等身大で悩みまくる小百合には親近感がわきました。めぐみの挙げた10項目も当てはまるのが多くて驚いた。笑
    解説の瀧井氏の文章もこれまた何度も読み返してしまう…!なんというか、表現がうまいなぁと思います。

  • うーん。。
    全体的な登場人物、特に主人公である小百合に終始イライラしてしまってちょっとダメだった。
    ただ本筋とは無関係な所でちょっと泣きそうになった。

  • タイトルが私の誕生日なので即、買わせていただきました(笑)。
    地味で目立たない女性が主人公で、いろんな形の恋に出会っていきます。王道な展開を想像していたのですが尽く外れましたね。他の恋愛小説とは一味違う現実性が見応えありました。主人公の恋に対する姿勢には女性に限らず、男性にも励ましてくれると思います。私も前向きな姿勢で挑みたいものです。
    吉田修一さんは同じ県、高校出身なので大変嬉しいですね。進んで他の作品も読んでいきたいです。

  • 地味オンナの吉田氏による地味オンナのための本!

    めぐみの「間違ったことをしたくない」という気持ちは地味オンナなら誰でも共感できると思う。

    地味オンナは自分の立場も弁えているし、心得ている。
    だけど妄想や空想したり夢だってみる。
    だって
    「わたしたちはどんなことでも想像できる、なにも知らないことについては」
    だから。
    でもチャンスがあればやっぱり間違ってても踏み出したいよねー。

    田舎町程度でキラキラしていても大きな社会に出れば、どうだろう?
    過去にキラキラしていた人はオトナになるとどうしてもその振り幅のせいで色褪せて見える。
    それを実感している聡史と、過去の栄光を捨てられない亜希子。

    間違ったことをすると決めた小百合。
    きっとそれなりの結果に終わるのだろう。きっとそうだ。
    夢はみれない。

    でもどうか、小百合のような人が幸せになれますように。
    だからどうか、聡史のような中途半端なキモチで小百合を振り回す人がいなくなりますように。

    でも、
    聡史が小百合を選んでくれることを夢みる。

    と、田舎町出身の地味オンナな私は思うのでした。

    追記:なぜ映画化で小百合が中谷美紀なのか、理解できない!

  • 軽妙に心をえぐる、人に知られたくない核心が散りばめられている物語。そうなんだ、「間違えなくない」んだ、でも、という感じが爽快。

  • 意外な結末に、ニヤリ。
    繊細な文章と描写にその場面が想像しやすかった。
    久しぶりに満足感が得られた恋愛小説。
    好き。

  • 目次がいい。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。
その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。体当たりの演技を披露した広瀬すず出世作としても名を残すことになる。

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